No.01「放課後の事情」

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  ごきゅ〜ぐるるるるるる〜〜〜〜
(はぁ、おなかいたいよぉ……)
 美帆はお腹を両手で押さえ、苦しそうに身を縮めた。強張った表情で辺りを見回しても、腹の唸りに気付いた人はいないようだった。
 美帆は教室に残っている女の子たちを、恨めしげに見つめた。
(おトイレいきたい……でも誰か来たらヤだな)
 美帆は六時間目の授業の中ほどから便意をもよおし、ずっと我慢しているのだ。授業中、何度も手を上げてトイレに立とうとしたが、羞恥心が先に来て、結局は我慢を選ぶ事になっていった。
  ぐきゅ、ぎゅるるるる〜〜〜
「んっ――」
 腸内に便意の波が押し寄せ、のた打つような痛みが走り回った。美帆は青ざめた顔を歪ませ、必死にお腹をさする。
「みほちゃん、顔色悪いよ? だいじょうぶ?」
「う、うん……」
 クラスメイトの気遣いに、美帆はかすれた声でしか返答が出来なかった。
  ごろろろろ〜ぎゅぐるるる〜〜〜
「んぁっ!」
(も、もうだめぇ――おトイレっ!)
 我慢の限界を超えかけた便意は遂に小さな肛門を突き破ろうとしていた。美帆が耐えきれず立ち上がったその時、
「私帰るね」
 美帆を気遣った女子が、呟いた。
「香織ちゃん帰るの? なら私も!」「なら一緒に私も行く〜」
 一人につられ、固まって話をしていた女子が次々と帰宅の準備をし始める。
(よ、よかった……おトイレ行けるっ)
 やがてクラスメイトたちはいなくなり、教室に残るのは美帆だけとなった。
(はやく、おトイレ!)
 美帆は急いで教室から出て、すぐ隣のトイレへ足を運んだ。
  ぐぽぽぽぽ
「ふぁ、んっ」
 体を動かした衝撃が、便意を促して腸に活力を与える。
 美帆は体をくの字に曲げながらも、トイレに駆け込んだ。
(そ、そんな――)
 トイレに入って目にしたのは、扉の閉まった一番前の個室だった。
(誰もいないと思ったのに――んっ!)
 人がいる恥ずかしさに、引き返そうとする美帆を今まで以上の腹痛が襲う。
(も、もうだめぇ――――!)
 美帆は二番目に近い個室に駆け込んだ。便器をまたぎ、スカートとパンツを同時に下ろして、しゃがみこんだ瞬間――
  ぷぴいっ! ぶりゅっ、ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅ〜〜〜〜
 小さなガスの直後、美帆を苦しめていた軟便が積もるような勢いで肛門を飛び出した。
「はぁっ、んっ――!」
  みちゃあっ! びゅりゅりゅりゅーーーぼちゃっ!
 軟便が美帆の体外へ吐き出され、白い便器の中に積もった。それらは間もなく熟成した大便の臭いを発し始め、美帆の鼻孔を突いた。
(くさあっ――んっ!)
  ぐきゅごろろろろろーーー!
 すぼめられた肛門が壷のような口の形に広がり……
  ぶちゃぶびびぴびびびびびっ! ぷすっ ぶちゅっ!
 軟便に抑え込まれていた水状の便が噴出される。美帆は溜まった軟便に苦しんでいたのではなく、水気を多く含んだ下痢にだった。
「はぁーっ、ぁあ――んっっ!」
  ぼぼぼっ ぶぶぶぶぶぶっ! ぷぴぃーっ!
 途切れ途切れの下痢便がガスと共に飛び出し、白かった便器を更に茶で染めていく。
(まだおなかいたいよぉ……)
 美帆は前屈みになり、未だ鈍痛を保つ腹部を押さえつけた。すると圧迫感から腸に活力が戻り……
「うぅん、んっ」
  ぶぶぴぃーーーっ! ぶちゅっ!!
 勢いつづいた便が噴き出した後、鈍痛が薄れていった。
(やっと、おわったぁ……)
  ガラガラガラ――びりっ
 美帆はトイレットペーパーを破り、先ほどまで汚物を吐いていた肛門にあてがった。
  ぬるっ……
 美帆は二、三回肛門を撫でるように拭き、立ち上がった。
「うわあっ…………」
 美帆は自分が出した汚物の惨状を見て、驚きを隠せなかった。
 重なり山のになった軟便を覆うように下痢がかけられ、更に流れたそれが、白い底であった事を忘れさせるほどに茶色が広がっていた。
 腐った卵のような腐敗臭に鼻をつまみ、水洗レバーを倒した。
  ごぽじゃーーーーーー……
 瞬く間に軟便と下痢の山を水流が押し流した。
 子供らしいアニメキャラクターのプリントが入ったパンツを穿き、スカートを上げた。
「さぁ、帰ろう……」
 そそくさとトイレを出た美帆は気付かなかった、まだ隣に誰かが篭もっていた事に――

  ぷしゅーー じぉぼぼぼぼぼぼーーー
 放物線を描いたおしっこが、金隠しの真下の水溜まりを叩き、せせらぎの流れに似た音を奏でる。
  ぼじょ、ぽちゃ、ぽちゃ……
「ふううううん……」
 少女、港は便秘と闘っていた。
 五日前にやっと大便を出して以来、毎朝きばっても現れなかった便の放出に、今日もチャレンジしていた。
 港は特殊だった。家で大便が出来ないのである。
 一年前、便秘を患ってから毎週の排出に悩んでいた港。
 力の限り踏ん張って出し切った大便は、女児から生まれたとは思えぬ程に長く、洋式便器を一杯に満たした。
 案の定硬く長い一本糞が流れきるはずがなく、それどころか詰まらせてしまう始末。
 港は初めて家での排便が家族を困らせてしまうと思い知った。それ以来小用はできても、大を家で済ますのに抵抗を覚え、どれだけ便意を感じでも家で出す事が出来なくなったのだった。
 だから港は放課後、誰もいなくなった学校のトイレで必ず、うんちをする習慣があった。
 そうしてきばっていた最中に、美帆が駆け込んできたのだ。港にとっては大問題だった。
 からかわれたのが影響したのか、人がいたりうるさかったりすると、便がスムーズに出せなくなるのだ。
(隣の子がいなくなるまで待っていよ……)
 港は下半身を露出させしゃがんだまま、一人になるまで待ち続けた。
 途中、激しい噴出音と腐臭があったが、港は耐えた。
(やっといなくなった……)
 港は足音が遠ざかっていくのを聞き届け、作業を始めた。
「ふっ、ふううーん……」
 下腹部に力を込め、便を押し出そうとする。
  みち……
 桜色をした肛門が口を広げ、そこから茶色の便がせり出す。
「ふぅんっ。んっ、はぁっ、あっ……ふっ」
 荒い息づかいと共に便は動き、やがて……
  にち、ぼちゃん!
 便塊となって放たれた。
 ごつごつとしたうんちが一つ、便器の中に転がっている。
(洋式にいこ……)
 港は便を一瞥、調子が悪い事を悟って立ち上がった。恥部を拭く事もせず、パンツとスカートを穿き上げた。
 港は最初は和式で頑張り、出にくいと分かった時は洋式に移動する。しゃがみ、お尻を突き出す格好が気持ちいいと思っているから、最初から洋式へは行かない。
 水洗の音を背後に、トイレ再奥の洋式便所に入った。
  するる……ぱさっ、がたっ
 パンツとスカートと下ろし、便座に腰掛けた。
「ふんっ、はあっ」
 広がった肛門から汚物の頭がせり出し始めた。
「うんち、うんち出るっ!」
  みちみちみち…… みち……むりゅっ
 港が息む度にうんちは肛門を擦り、長さを増していく。
  ぼちゃん!
 ついに伸びたうんちが着水した。だがそれでも途切れず、
「はぁんっ」
  ぶりゅ、みちちちちちちっ ぼちゃ!
 出てきた半分が水中に潜った辺りで便は切れて落ちた。
「うんち、でたあ……」
 港が感嘆を漏らし、更に力む。
  みちみちみち、ぽちゃん! ぶちゅちゅちゅちゅ!
 太い硬質便の直後、水気を含んだうんちが吐き出される。
「はぁ……はぁはぁ」
  ガラガラ、ぴりっ
 港はトイレットペーパーを巻き取り、軽く肛門を吹いて立ち上がった。
「いっぱい……」
 洋式便器の水位を越すほどにうんちは積もり、熟した臭いを出していた。
 港は惜しげにそれらを見つめた後、水を流した。
(まだ出そうだけど、いいや。今日も、いっぱいだった……)
 港はお腹をさすりながら、トイレを後にした。




<あとがき>

 事情シリーズをご覧の皆さん、作者の高町です。
 より一層作品の理解を深めてもらうために、コメント掲載の場をお借りしました。
 当シリーズはロリスカですが、お漏らしのジャンルを含まない方針です。単にわたくしが好まないのと、キャラへの庇護意識があるためです。
 なので、あくまでバッドは期待なさらないでほしいと思います。
 それでもよければ、高町をよろしくお願いします。

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