メニューページ 過去ログ倉庫

【スカトロ】排泄系妄想廃棄所8【汚物】
1名無しさん@ピンキー :2011/01/31(月) 22:02:59 ID:S4hC+0Gs
他スレで日ごろ迫害されがちなスカトロ系の妄想ネタやSSなどを吐き出すスレです。
版権物の二次パロ、非版権物のオリジナル、いずれも歓迎です。

ネタはライトな便意我慢やトイレ覗きから、ディープな飲尿吐瀉食糞塗便まで、
女性キャラの排泄関連をテーマとしていれば大小上下固形液ガス問いません。
ふと思いついた一行ネタから、貼るに貼れずお蔵入りしていた長編SSまで、
巧拙に関わりなく、形式その他なんでもありで参りましょう。

sage推奨。紳士はこういう時sageるものです。

2名無しさん@ピンキー :2011/01/31(月) 22:03:27 ID:S4hC+0Gs
■過去スレ
【スカトロ】排泄系妄想廃棄所7【汚物】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267879098/
【スカトロ】排泄系妄想廃棄所6【汚物】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234355887/
【スカトロ】排泄系妄想廃棄所5【汚物】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1209737498/
排泄系妄想廃棄所4
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1185461945/
二次キャラ排泄系妄想廃棄所3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152551089/
二次キャラ排泄系妄想廃棄所2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1131210760/
二次キャラ排泄系妄想廃棄所
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1116597854/

3名無しさん@ピンキー :2011/01/31(月) 22:04:05 ID:S4hC+0Gs
前スレが落ちてしまったので、新スレを立てておきました

4名無しさん@ピンキー :2011/01/31(月) 23:59:33 ID:BZpUGZHx
>>1

5名無しさん@ピンキー :2011/02/01(火) 20:48:26 ID:ZC0pn+Wi
落ちそう

6名無しさん@ピンキー :2011/02/01(火) 21:53:09 ID:klPMo0LY
即死回避

7名無しさん@ピンキー :2011/02/02(水) 11:12:02 ID:H38/eB4u


花粉症に悩む女の子がいるんなら、
過糞症に悩む女の子の話があったっていいよなと思ったらもうあった

8名無しさん@ピンキー :2011/02/02(水) 11:13:38 ID:DdSxSN2j
>>1

エラーかと思ったら本当に堕ちてたのか

9名無しさん@ピンキー :2011/02/03(木) 10:25:06 ID:SZ/q0pTL
取り敢えず即死回避

10名無しさん@ピンキー :2011/02/03(木) 11:29:39 ID:iGMgBH+l
即死判定ってなくなったんじゃ?

11名無しさん@ピンキー :2011/02/03(木) 13:07:50 ID:sTRTfcZz
Hさんの作品の固めたのどこかで手に入らないかな。
旧パソコン検索したがどこかに行ってしまったようだ。

12名無しさん@ピンキー :2011/02/04(金) 03:32:37 ID:GuwHOrSW
過去スレ見れない

13名無しさん@ピンキー :2011/02/04(金) 04:44:21 ID:1Q68Tz3Q
えな保存し損ねた……

14名無しさん@ピンキー :2011/02/04(金) 06:25:18 ID:busR5OOa
>>11
ロリスカライブラリーさんが過去ログ保管してるんでない?

そして前々スレ(だっけ?)で一応、保管庫も立ってるんだよな
俺も少し初期スレ保管手伝った記憶ある。忙しくて最近行ってないけど
あれみんなで更新すれば使えると思う

15名無しさん@ピンキー :2011/02/04(金) 12:49:31 ID:M/6f1Huj
自分もえな保存してなかった…クソッ

16名無しさん@ピンキー :2011/02/04(金) 13:47:12 ID:1Q68Tz3Q
まとめwiki在ったんですね。知らんかった。

17名無しさん@ピンキー :2011/02/04(金) 19:45:59 ID:U/Ebw4fl
>>7
ダイエットのために、おからばっかり食べてる女の子がかかりやすいんだな。
オ○ルブ○ンもハイリスク。

18H :2011/02/04(金) 23:22:12 ID:YksqQE2M
>>11
こんな時のためのまとめwiki……と思ったんですが、まだ補完は道半ばのようですね。
いい機会なので本編のタイトルも決めて、今まで書いたシリーズをまとめ直しました。
ttp://cyclotron.mine.nu/uploaders/scat/big/upload.cgi?mode=dl&file=669

パスはまた、半角二次のデフォルトです。
10話の後半と大晦日の話、年始の大量少女の話は読み返して気になった部分を書き直してます。
……ほとんど間違い探しのレベルですが。


19名無しさん@ピンキー :2011/02/05(土) 00:46:04 ID:Ocu7Ra11
Hさま、ありがとうございます。読み返してみます。

20名無しさん@ピンキー :2011/02/05(土) 07:40:44 ID:70/bUE6P
http://wiki.livedoor.jp/eroparo_suka/
まとめwiki

21名無しさん@ピンキー :2011/02/05(土) 13:50:58 ID:mP8/htHg
>>17がオチンチンブルンにみえた

22名無しさん@ピンキー :2011/02/08(火) 19:56:14 ID:UCWXogQv
前スレで菊火山の人は一体何がしたかったんだろう……?

23名無しさん@ピンキー :2011/02/08(火) 22:47:54 ID:iJnF6APq
スカトロ同人スレにも同じことを書き込んでたが、反応もここと全く同じだった模様
若さゆえの……ってやつでしょう




あと全く関係ないんですがね、マギカ見てたらソウルジェムがつい、黄金色のイチジクに見えてしまいましてね……

・魔法のイチヂク注入して、我慢できてる間だけ魔法少女に変身
・もちろん各キャラ色別
・敵に勝利したら、そこらの公衆便所か物陰に駆け込んで変身解除
・「界王拳○倍」のノリで、注入する個数を増やせば増やすほどパワーアップするが変身時間が短くなる

っていうSS書いたら面白いんじゃなかろうかと思ったら、もう似たようなのがあるらしいと知って落胆

24名無しさん@ピンキー :2011/02/09(水) 07:09:39 ID:2XE9p/+j
\____________/
      ∨
   |/-O-O-ヽ| ブツブツ・・・
   | . : )'e'( : . |
   ` ‐-=-‐
   /    \
||\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
||\\.          \      ∧_∧
||. .\\          \    ( ;´Д`) (オイ、なんか変なのがいるぞ)
.    \\          \ /    ヽ.
.      \\         / .|   | |

25名無しさん@ピンキー :2011/02/10(木) 07:04:47 ID:1Cwtq9VN
菊火山の人には頑張ってもらいたいがまた停滞期に入ってしまったようだ

26名無しさん@ピンキー :2011/02/13(日) 11:41:44 ID:ytoJ6Zi+
>もう似たようなのがあるらしいと知って落胆
似たようなのkwsk
つーか、ソレ面白そう、書きてぇ!と思ったら既にあるとは…
似たようなのがあるなら読んでみたいわw

27名無しさん@ピンキー :2011/02/13(日) 14:55:08 ID:NZLqbYio
あれ?菊火山つながらないんだけど。まさか閉鎖?

2823 :2011/02/13(日) 17:13:18 ID:3Lb5cfGQ
>>26
途中までしか読んでなかったんだけど、よく読んでみたら「魔法浣腸で少年→魔法少女に変身」だったorz
ショタスカでもおk?

29名無しさん@ピンキー :2011/02/17(木) 11:52:33 ID:A1jVyFGC
保守

30名無しさん@ピンキー :2011/02/18(金) 00:38:53 ID:5AejpRFo
ISの一夏は堂々女子トイレに入れるんだよな……うらやま……

31名無しさん@ピンキー :2011/02/18(金) 14:48:39 ID:LrppImPx
>>28
構わん、続けたまえ

32名無しさん@ピンキー :2011/02/19(土) 20:36:18.64 ID:CwleXuWP
>>31
ttp://yokima.blog42.fc2.com/blog-category-4.html
これの、上から二番目のやつ。

33名無しさん@ピンキー :2011/02/22(火) 10:58:07.40 ID:Dp/pRPpU
PCがずっと規制されっぱなしなので、うpろだに投下しました。

アイ●ルマスター 千早 大お漏らし
これらがダメな人は回避でお願いします。

http://www1.axfc.net/uploader/File/so/58915
passは sca2

#内容が内容だけに、アイマス専スレをためらってしまいました。
保守兼ねて、誰かに楽しんでもらえれば。

34名無しさん@ピンキー :2011/02/22(火) 19:10:58.46 ID:fIcEavmB
保守

35幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:18:55 ID:vQiWiDbs
 ――2月中旬。とある日曜日の昼下がり。
 僕、高見孝太は自分の在籍している学校、私立天城音学園の正門に立っていた。
 休日ということもあり、当然ながら校内に生徒の姿はほとんど見当たらない。
 姿が見えるのはグラウンドで練習に励んでいる運動部の人たちくらいだ。
 この寒空の下、サッカー部や野球部、陸上部などが息を切らせて練習に
励んでいるのを尻目に、私服姿で所在無くここに佇んでいる僕は、傍から見れば
暇人以外の何物でもないかもしれない。
 というか、絶対そうにしか見えないよね……。
 そう自分を客観視してから、首に巻いたベルトチョーカーを撫でつつ白い息を吐く。
 念のため言うけれど、決して僕はこの寒い中で悪戯に時間を浪費するほど暇ではない。
 一応普通の高校生並みにやることは沢山ある。
 僕がここにいるのは、幼馴染みであり恋人の神崎舞華とデートの待ち合わせをしているためだ。
 何故待ち合わせ場所が学校なのかというと……それは追々分かることなので、ここでは伏せておく。
 それにしても……家が近所、というかお隣同士なんだから
何も待ち合わせ場所なんか決めなくてもいいのに……。
 そう僕が思っても、この待ち合わせシステムを提案した当人は、それでは納得がいかないらしい。
 以前、その旨を舞華に話したら『指定した場所で待ち合わせしてこそ、恋人気分を味わえるものなんだよ』と、切り返された。
 よく分からない持論を展開されて少し反応に困ったけど、それが舞華の拘りなのかもしれない。
 まぁ、特に嫌という訳ではないから僕はその拘りに乗っかってみることにした。
 そんな訳で、僕はここで舞華を待っている。
 でも……約束の時間を5分過ぎた今でも舞華は来ていない。
 まぁ、今まで舞華が待ち合わせの時間通りに来た事なんて殆どないから慣れたといえば慣れたけど……今日は寒い上に
剃刀のように鋭い風が頬を切る勢いで吹いているため、外で待つには少し厳しいものがある。
 万が一の事態に備えて待ち合わせの30分前に到着していた為、僕の身体はすっかり冷え切っていた。
 うぅ……早く校舎の中に入りたい。
 でも、舞華が来るまでここを動くわけにはいかないし……。
 もしかして……まだ寝てるのかな?
 そう思って舞華に電話するべくポケットから携帯電話を取り出した。
『ル〜カ★ル〜カ〜ナイトフィーバ〜♪ は〜じ〜け〜るリズムに合わせて〜♪ 嫌なこと何もかも〜全部忘れて〜♪』
 今まさにその携帯電話から発信しようとしたとき、愛用の着信音がけたたましい音を奏でる。
 ディスプレイに表示されている番号と名前を見て、瞬時に僕は通話ボタンを押した。
「もしもし、孝ちゃん!?」
 スピーカー部分を耳に当てて聞こえてきたのは、甘ったるいソプラノボイス。
 いわゆるアニメ声といった感じの声だ。
 その声が焦燥の色を含ませ、弾む息とともに聞こえてくる。
 恐らく電話の主は走りながら通話しているのかもしれない。
「舞華? 今どこにいるの?」
 響いてきた声を聞いてから、僕は電話の主――舞華に現在地を確認すべく質す。
「あ、あのね孝ちゃん……私今日寝坊しちゃって……今、マックの辺り走ってるんだけど、
待ち合わせにちょっと遅れちゃうかも!!」
 最初は申し訳なさそうな声が聞こえて来た後、舞華は急に声を張り上げて答える。
 ……もう既に遅れてるんだけどね。
 その言葉が喉元まで出掛かっていたけど、寸でのところで飲み込む。
「な、なるべく早く着くようにするから、もうちょっと待っててー!……って、むにゃうっ!?」
 最後に変な叫び声が聞こえてから、通話が切れた。
 舞華のことだから多分転んだんだろうなぁ……。
「う〜ん……」
 眉間を人差し指でこりこりと掻いてから、僕はauの携帯電話を折り畳んだ。
 まぁ……こうなるだろうなとは予想してたけど。
 余りにも予想通り過ぎる。

36幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:22:31 ID:vQiWiDbs
 流石に十何年も付き合いがあると、舞華の行動パターンは大体把握できてしまうみたいだ。
 げに恐るべし、幼馴染み関係……。
 などと述懐してから、僕は携帯電話をコーデュロイジャケットのポケットに仕舞い込む。
 舞華は昔から楽しいことがあると、その前日に興奮して眠れなくなってしまう。
 その結果、寝過ごして集合時間や待ち合わせに遅刻してしまうタイプだ。
 普段、学校があるときなどは僕より早く起きれるのに……何故かイベントの時限定で寝坊してしまう。
 遠足前日の小学生じゃないんだから……と、呆れながらも僕が舞華を起こしに行くこともしばしばあった。
 その度に『ありがとぉ、孝ちゃん』と言って笑顔を向けてくれる幼馴染みは、とても可愛い。
 条件反射で下半身の愚息が天を向いて屹立し、先端からカウパーが滲んでしまうほどに。
 そうやって僕は、よく舞華に助け舟を出してきた。
 別に、誰かに言われたからそれを務めてきたわけじゃない。
 全て僕の意志でやってきた事だ。
 何故そんなことを進んでやるのかというと……理由は単純。
 舞華はどこか危なっかしくて放っておけないからだ。
 元来、僕は世話好きな性格のため、このままじゃ彼女のためにならないなとは思いつつも、常に舞華の面倒を見てきた。
 どれくらい見てきたかというと、それはそれは海外出張中の舞華のご両親から『孝太君がいれば舞華の将来は安泰だね』と、よく分からないお墨付きをもらうほどに。
 でも正直、僕も満更ではなかった。
 舞華に色々と世話を焼いて尽くすことは嫌いじゃない。寧ろ大好きだ。
 なんていったって、大好きな人が喜んでもらえるようなことをしたいと思うのは当然だしね。
 うーん……それにしても、舞華は今マックの辺りか。
 ここから歩いて5分くらいの場所に、とある有名なファーストフード店がある。
 学校がある日などは放課後、よく生徒たちの溜まり場になっている場所で、
僕も帰り道で小腹がすいたときなどはテイクアウトでよく利用している。
 ということは……単純計算であと5分以上はここで待たなければならない。
 いや、舞華の走るペースを考慮するともっと掛かるかもしれないなぁ……。
 うぅ……寒いけど、我慢我慢。
 そう自分に言い聞かせ、僕はその場で足踏みして身体を暖めることにした。







「はぁ……はぁ……孝ちゃ〜〜〜〜〜んっ、お待たせ〜〜〜〜〜!!」
 ――10分後。
 数メートル先の方から聞き慣れた……というか毎日聞いている声が耳朶に触れる。
 確認するまでもない。
 僕の待ち人、舞華だ。
 この寒波により、身体がすっかり冷え切ってしまった僕は、生まれたての仔馬よろしくブルブル震えながら声のしたほうに視線を移す。
 すると、少し危なっかしい走法で舞華が僕の傍まで駆け寄ってきた。
 白いセーターにタータンチェックのギャザースカートを穿き、黒のレギンスで脚を包んでいる姿は、舞華の可愛らしさを十二分に引き出している。
 加えて、アイボリーカラーのムートンブーツで完璧な防寒対策を施しつつ、しっかりとお洒落を演出していた。
「はぁ……はぁ……はぁ……お……遅れて……ご、ごめんねぇ……孝ちゃん……」
 頬に朱を差した舞華が大きく息を切らせ、心底申し訳なさそうに謝罪の辞を述べる。
 相当急いで走ってきたのか、額には玉汗が滲んでいて、墨を塗りこんだような黒髪は四方に乱れ跳ねていた。
 そして、いつも髪に結んでいる青いリボンは解けかけている。
「うぅ〜……お、お昼……食べた後……す、すぐに走ってきたから……苦しいよぉ……」
 セーター生地を押し上げて自己主張している胸に手を当て、舞華は息を整える。
「う、うん……お、おづがれ……ざま……ま、まいが……」
 僕はそんな舞華に労いの言葉を掛けてあげようとしたけど、歯の根が合わなくて上手く言葉を発せない。


37幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:25:15 ID:vQiWiDbs
 というか、全身の体温が寒さに奪われて四肢の感覚がなくなってるよ。
 足なんかもうガタガタ震えて、正直立っているのがやっとだ……。
「こ、孝ちゃん大丈夫!? 唇が紫色になってて顔が真っ白だよ!!」
 あぁ、つまり僕はもう顔に血液が循環していないのか……。
 正直、そんな状態で大丈夫なわけがない。
 何とかして今の自分のコンディションを舞華に伝えようと思ったけど、今度は声帯が麻痺して声が発せなかった。
 あれ……僕死ぬのかな?
「ど、どどどどどどどどどどうしよぉぉぉぉぉぉぉ!? 孝ちゃんが冬眠寸前だよっっ!!」
 それをいうなら凍死です舞華さん。
 僕は変温動物じゃないんだから。
「うぅ〜、うぅ〜、どうしよう……このままじゃ孝ちゃんが眠っちゃう〜!」
 僕の心の声には一切気付かない舞華は、妙な唸り声を発しながら慌てふためく。
 いや、確かに眠りそうではあるんだけど……この寒空の下で寝たら、僕は確実に棺の中で永遠の眠りに付くこととなる。
 それだけは避けなければならなかった。
 『真冬の白昼に男子高校生が凍死!』なんて記事が明日の朝刊に掲載されたら色々と洒落にならない。
 というか、そんな情けない最期、絶対に迎えたくない。
 あぁっ……でも、本気で眠くなってきた。
 いよいよ危ないな……。
「よ〜し……孝ちゃん、待っててね。今眠気覚まししてあげるから」
 舞華が何かを言ったような気がした。
 でも、意識が遠のきかけている僕にはその言葉を聞き取ることは出来ない。
 足元がおぼつかなくなって少しふらつき始めたとき、僕は誰かに支えられ、同時に顔が何かに当たる。

――ぷにゅんっ。

 本当にそんな音が聞こえてきたそれは、ずいぶん柔々としているものだった。
 ……ん? 何だろこれ?
 ぷにぷにしてて……凄く暖かい。
 例えるなら、人肌くらいの温度のお湯を入れた水風船って感じかな?
 しかも、僕の顔に吸い付いてくるし……。
 朦朧とした意識の中、僕は顔に当たっているそれを確かめるべく、顔を上げようとするが、今度は別の何かに後頭部を抑えられた。
「孝ちゃん、あったかいでしょ?」
 とても穏やかで母性に満ち満ちた声音が、鼓膜を優しく刺激する。
 同時に、後頭部を抑えていた何かがそっと僕の頭を撫でる。
 これってもしかして……。
 少し顔を上げてみると、舞華の顔が眼前にあった。
 えと、つまりこの状況は……。
 僕は舞華の100センチオーバーの胸に顔をうずめている……って言うことになるのかな?
 いや、でも僕が倒れ込む寸前だったときに顔の着地点が胸だったわけであって……僕が自主的にうずめた訳じゃないからその表現はおかしいのかな?
 ……深く考えるのは辞めよう。
 それよりも……この感覚。
 いい……凄く良い。
「う、うん……あったかい」
 不意打ち同然だったためか、僕にしては珍しく動揺してしまったが……その柔らかい心地に僕は言い表しようのない安心感に包まれ、動揺はすぐに治まる。
 舞華の言うとおり、確かに暖かい。
 そして、恥ずかしいから声には出せないけど……幼いとき、母さんに抱きしめられた時を思い出す。
 今度は自分の意志で双丘に顔をうずめてみた。
 うん、やっぱり暖かくて……柔らかい。
 それに、こうして身体を寄せていると、舞華の体臭が漂ってくる。
 汚水を染み込ませた雑巾が発する匂いに酷似した体臭と、酢と腐ったゆで卵を混ぜたようなワキガの香り。
 そして、むせ返るような糞便臭。
 それらが混じりあった強烈な刺激臭は、僕の鼻腔を刺激してから脳髄を痺れさせる甘美な香だった。
 あぁ……舞華、また糞便風呂に入ったんだね。
 排泄物と吐瀉物が交じりあったあのお風呂に……。
 舞華にお願いして僕も何度か入らせてもらったことあるけど、本当にあれは凄かった。
 だって、あのお風呂に入ると舞華の排泄物の匂いが全身に染み込んじゃって、五日くらいは匂いが落ちないんだ。
 当然ながら、僕はその匂いを嗅ぐだけでペニスが痛々しいくらい勃起しちゃって……酷いときは三日三晩ずっと勃ちっぱなしの時があって流石に焦った。
 何回射精しても萎える事なかったし……うん、あのお風呂は危険だから今度からは程々にしておこう。
「えへへ、孝ちゃぁん」
「……?」

38幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:27:38 ID:vQiWiDbs
 顔を上げると、舞華が悪戯を企てる小悪魔のような笑みを浮かべて僕の顔を見ている。
 その笑みが何を意味しているのか分からなかった。
「うっ!?」
 しばらく舞華の相好をぼんやりと眺めていると突然、下腹部……正確には陰茎がひんやりとした感覚に襲われた。
 舞華がいつの間にか僕のデニムのジッパーをおろし、ボクサーパンツ越しに屹立したペニスを擦って来たのだ。
 さっきの匂ってきた体臭が原因で、僕のペニスは痛々しいくらいに勃起してしまっている。
「あはっ、孝ちゃんのおちんぽ、すっごく熱くなってる。触ってるだけで火傷しちゃいそうだよぉ」
 鈴を張ったような目に淫欲の光を宿し、熱い吐息を漏らしながらボクサーパンツに指を滑り込ませ、舞華は僕の肉棒に指を絡ませてくる。
 さっきよりもずっと冷たい感覚に肉棒が襲われ、僕は思わず腰を引いてしまった。
「ま、舞華……あぅっ!?」
「んふふ〜。いつもいつも孝ちゃんに責められてばっかりだから、今日は私が責めちゃうもんねぇ」
 淫蕩に染まった相好と声音は、舞華にスイッチが入ってしまったサインだった。
 口腔の中でくちゅっと唾液を馴染ませ、僕の目を見ながら舞華は竿に絡ませていた指を陰嚢に移行させ、睾丸をくすぐり始めた。
「はぁぁぁんっ……いつも私のおマンコとケツ穴レイプしまくってくれる孝ちゃんの包茎チンポ、お臍に届いちゃいそうなくらい元気になっちゃったぁ。
身体は冷えちゃってるのに、チンポだけすっごくガチガチで熱いよぉ……どうして孝ちゃんのチンポさんはおっきくなっちゃったのかなぁ?」
 可愛らしく小首を傾げ、悪戯っ子のような眼差しでこちらを見ながら舞華は質す。
 うぅ……流石は天城音学園のアイドル。
 そんな仕草さえも、十分に映えていた。
 ミルクを固めたように白くて、ハリのある肌。
 くりっとした目と形のいい眉。
 低くて可愛らしい鼻に、ぽてっとした瑞々しい唇。
 顔だけでも個々のパーツが優れているため、他人の目を惹きつけて止まない。
 そして、もっとも舞華の身体で注目すべきは、西瓜のように豊かに実った胸と白蜜桃のような豊臀だと僕は思う。
 本人は胸もお尻もまた大きくなってきて困っていると言っていたけど、僕はその二つの果実が大好きだという事を伝えたら喜んでくれたなぁ……そういえば。
 甘えたがりな性格を反映した声と、中学生と言っても通用しそうなロリ顔。
 それに相反した扇情的な肉体。
 身長が少し低い上に舞華は手足が華奢なため、発育した部位が一層際立つ。
 そのアンバランスさが、舞華の人気の一つになっているのかもしれない。
 現に男子たちは舞華の容貌に釘付けになりつつ、その身体に目を惹かれて股間を隆起させている。
 そして女子たちは舞華の肉体を羨望の眼差しで見ている。
 とかく舞華は、この学園の生徒たちを魅了するだけの要素を生まれながらにして持っているんだ。
 そのせいか、舞華は秋に行われた学園祭のミスコンで二年生、三年生を押しのけて見事優勝し、果ては有志によってファンクラブまで設立された。
 会員メンバーは300人余り。
 つまり、この学園の約三分の一の生徒が舞華のファンクラブ会員ということになる。
 そんな恋人をもって僕も鼻が高い。
 ……男子生徒の嫉妬や恨みを一身に買ったりするから面倒くさいといえば面倒くさいんだけどね……。
 大分話が脱線しちゃったけど、何はともあれ、舞華は何気ない自然な仕草さえも可愛く映るんだ。
 そして、今やってる小首を傾げている様は凄く可愛いけど、舞華に責められると悔しい気持ちが芽生えるのはどうしてなんだろう?
「孝ちゃん、答えてくれなきゃ私、おチンポさん弄るの辞めちゃうよ? どうして孝ちゃんが興奮してるのか舞華知りたいなぁ〜」
 二つの睾丸を指先で弄んだまま、舞華は僕に挑発的な言葉を投げかける。
 ……舞華、昔は僕に排泄するところを見せるのすら嫌がってたのに、ここまで成長したんだね。
 本当、痴女の素質あるよ。
 でもね、舞華……責める上で大切なこと一つ忘れてるよ。
 相手の動きをしっかり封じておかないと簡単に逆転されちゃう事を、教えてあげる。


39幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:29:33 ID:vQiWiDbs
「はぁ……はぁ……まいかぁ」
 股間をまさぐられているため、上手く力が入らないけど、幸いにも両腕の自由が利く僕は、舞華の肩を掴んでから彼女の首筋に噛み付いた。
 噛み付く、といっても甘噛み程度だけど。
 でも、これが意外と効果を発揮する。
 何故かというと……舞華は耳のほかに首筋も弱いからだ。
「ひにゃあぁぁぁっ!! こ、孝ちゃん、く、くび……首はぁぁぁ……反則ぅぅぅぅ……」
 突然の逆襲に珍妙な叫びを発して舞華は悶える。
 必死に身をよじり、僕から逃れようとする舞華の身体を、僕はしっかりと両手で固定する。
 僕を責めようとしたんだから……それ相応の報復を受けてもらうよ、舞華。
 ゆで卵のように白く、つるつるした首は柔らかくて噛み心地が良い。
 何より、僕が頸部に唇を這わせるたびにビクビクと震える舞華が可愛くて何度もやりたくなってしまう。
「ふやぁぁ……んあぁぁ……やはぁぁぁぁぁぁぁ……孝ちゃん……やめへぇぇぇ……だめなの……本当にだめなのぉ……」
 舞華の抗議に耳を貸さずに、今度は彼女の低くて小さい鼻を甘噛みしてから鼻の穴に舌をねじ込んだ。
 口腔とは違うねちねちした粘膜が、舌先に心地よく触れる。
 そして、舌先に僕の待ち望んだご馳走が流れ込んできた。
 舞華の鼻水だ。
 鼻腔から垂れてくるその愛液は、しょっぱくて唾液のように糸を引いている。
「はぁ……飲ませて、舞華……もっと舞華の鼻水飲ませて……」
「も、もう……こ、孝ちゃん、変態さんスイッチ入ってるよぉぉぉぉぉぉ……」
 僕の要望を聞いて舞華は羞恥に頬を染めた。
 先ほどの余裕はどこえやら。
 あっさり僕に主導権を奪われていた。
 くちゅ……くちゅ……っと唾液を鼻腔に馴染ませ、内側の粘膜を何度も舐め回す。
 時折、鼻腔の毛が舌先に触れてチクチクするけれど、それすらも心地よく感じる。
「やぁぁ……舐められてる……私、孝ちゃんに鼻の穴舐め回されてる……鼻クンニされてるよぉぉぉぉ……
だめ、だめだよぉ……き、汚いから……そこ汚いから舐めちゃっ……だめぇぇぇっっっ」
 鼻声気味の抗議は、消え入りそうなほどに弱々しかった。
 もちろん僕はそれすらも無視して鼻の穴を愛撫しつつ、スカートの中に手を滑り込ませて淫裂に指を這わせる。
「ふゃぁぁぁんっっ……んふぅ……こうちゃぁぁん……ぁぁぁぁんっっっっ……」
 口角から涎を垂らしながら、舞華は身悶えていた。
 もう既に粘り気を含んだ濁り蜜がぬかるみを帯びて僕の指に付着し、まるで生卵の白身のようにぬめっている。
 そして、愛蜜のほかに気になるものが僕にはあった。
 じょりじょりとした剛毛のアンダーへアの感触はもちろんの事、陰唇や肉ヒダに触れていると感じるぬとっ、とした感覚。
 一度、ヴァギナから手を離して眼前に晒してみると……その正体が分かった。
 掌と指先を覆うように付着したそれは、舞華の性器にこびりついていた恥垢。
 自ら性器を洗うことが殆どない舞華は、よくこの汚れが付いている。
 しかも淫蜜と混じって湿性耳垢のようにグチョグチョになっていた。
 よくパスタとかに掛けるパルメザンチーズが熱で溶けると、こういう感じになるよね。
 それにしても……凄い量だなぁ。
 何日性器を洗わなければこんなに垢が溜まるんだろう?
 しかも……凄い匂い。
 なんていうか、おしっこをそのまま数日放置したあの独特な匂いに似ている。
「見てごらん舞華。ちょっと触っただけでマンカスが指と掌にべったり付いちゃったよ」
「やぁぁぁぁっ……! 嫌っ、見せないでぇぇぇ……」
 不浄の証でもあるそれを見せ付けられたのが相当に恥ずかしいのか、舞華はきつく目を瞑っていやいやと首を振った。
 その恥じらいの表情が、僕を一層昂らせる。
 何より一度スイッチが入ってしまった僕は、もう止まらなかった。
「舞華……よく見てて」
「ふぇ……?」
 それまで双眸を閉じていた舞華が、僕の声を聞くとともにゆっくりと瞼を開ける。
 次の瞬間。
 僕は掌と指先にこびりついた恥垢を、舌で舐め取った。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!! 孝ちゃんそんなの舐めちゃだめぇぇぇっっっ!!」
 僕の行動に、舞華は羞恥で顔全体を朱に染めて絶叫した。
 のみならず、舌を這わせている掌を離させようとして必死に僕の腕を掴むけれど、僕は舞華の膣滓を舐め取るのを辞めない。
 舌に垢を乗せると、口腔にじんわりと生々しい味と匂いが広がる。
 なんとも形容しがたいフレーバーだ。

40幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:31:39 ID:vQiWiDbs
「ダメって言ったって、舞華も僕の垢いつも舐めてるじゃないか」
「そ、そうだけど……エッチ始まる前から舐められたら……恥ずかしいもん」
「そう? 僕は全然恥ずかしくないけど」
「うっ……ぐすっ、ぐすっ……ひっく……ふぇぇっ……ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇんっっっっっ!! 孝ちゃんのばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
 押し問答の末、舞華は顔をくしゃくしゃに歪めて嗚咽を漏らし、とうとう泣き出してしまった。
 どうやら羞恥が臨海を越えてしまったみたいだ。
 舞華が泣きじゃくるのを尻目に、僕は遠慮なく膣滓を舐め続ける。
 さっき僕に意地悪した罰なんだから、泣いたって許さないからね、舞華。
 それに、こんなご馳走を舐めずに捨てるなんてもったいないじゃないか。
「ひっく……孝ちゃぁん……ひくっ……ごめぇんなさい……えぐっ……孝ちゃんの気持ちよさそうにしてる顔が見たかったから……ぐずっ……孝ちゃんの感じてる顔が凄く可愛かったから意地悪しちゃったのぉ……ごめんなさい」
 嗚咽を混じらせながら舞華はさっきのことを僕に謝ってきた。
 急にそんなことをやってきたから何なのかなと思ったら……そういう理由があったのか。
 それならちゃんと言ってくれればよかったのに。
「舞華、そういうときは事前に言うんだよ。それなら僕だってこんな意地悪しなかったのに」
「うぐっ……ごめんなさい、孝ちゃん……」
 泣きじゃくる舞華の眦から零れる涙を指で拭うと、そっと頬にキスをする。
 もう反省したみたいだし、許してあげよう。
 そもそも、僕は舞華を泣かせるためにここへ来たわけじゃないんだから。
「舞華」
「……ふぇ?」
「寒いから校舎に入ろう。そろそろ僕も始めたいしね」
 下がっていたデニムのジッパーを上げてから、僕は舞華の手を取る。
「……うんっ」
 先刻までくしゃくしゃにしていた泣き顔を、今度は笑顔に変えて頷いた。
 相変わらず表情をコロコロと変える。
 喜怒哀楽が世話しなく入れ替わるのが舞華の特徴なんだけど、傍から見ていると微笑ましくなってくる。
 冷え切った身体も舞華のお陰ですっかり暖まり、ようやく震えることも無くなった僕は舞華と手を繋ぎ、肩を並べて歩き出す。
 今回待ち合わせ場所を校舎にした理由……それは、ここのとある場所が僕たちのデート場所だからだ。
 その場所へと足を運ぶべく、僕たちは沈黙を守って佇んでいる校舎へと向かった。







 昇降口は閉まっているので来賓用玄関から校舎の中に入った僕たちは、エントランスを曲がってすぐのところにある階段を利用し、三階まで歩を進める。
 目的地は四階右端にある、普段の日でも生徒たちが利用することは殆ど無い男子トイレ。
 なぜそこに用があるのかというと……そこが僕達のデート場所だからだ。
 普通の人が聞いたらまず眩暈を覚えるような狂気の沙汰かもしれない。
 でも、ここを指定したのには理由がある。
 まぁ……きっかけは凄く些細なことなんだけど……。
 以前僕が『今度学校の男子トイレでセックスしたりしてみようか?』と、何気なく舞華に言ってみたら、『孝ちゃんがしたいなら……いいよ』と、頬を染めて答えてくれたので、お互い時間が取れる日と学校に人が少ない日……つまり休日を選んでここに来たんだ。
 ……部活動に励んでる生徒さんや休日出勤してきた先生の方々、ごめんなさい。
 僕達は今から皆さんが運動や仕事にいそしんでいる間、とんでもないことに学校の施設を利用してしまいます。
「……ふぅ」
 心の中で謝罪の辞を述べてから緊張をため息とともに吐き出し、僕は男子トイレのドアノブに手をかける。

 ――キィッ

 金属が擦れるような音が耳朶に触れてスチールドアが開くと、タイルで作られた床と壁、三つ並んだ小便器、扉が開け放たれたままの個室が視界に入ってきた。
 掃除が杜撰なせいか室内はかなり汚れていて不衛生極まりなく、しかも匂いが酷い。
 大小の排泄物が混じった悪臭が鼻を衝き、芳香剤ですら誤魔化しきれない強烈な汚物の匂いが空間を蹂躙している。
 余り人目に付かない場所なんてこんなものだろうなぁ……。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」


41幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:34:54 ID:vQiWiDbs
 僕が一面に漂う悪臭に辟易していると、僕の後に続いて入ってきた舞華の荒い息遣いが聞こえていた。
 振り向くと、頬を高潮させ、人差し指を軽く噛みながら股間に手をあてがう姿は、
傍から見ても欲情してるのが分かる。
 もう待ちきれない……そう顔に書いてあった。
「舞華」
 唇を舞華の耳元まで寄せてから呟くと、舞華はびくっと身を震わせて僕に視線を向ける。
「……ふにゃ?」
「もう興奮してる?」
 分かりきっていることなのに、僕はあえて意地悪く聞いてみた。
 その問いかけに対して舞華は、耳まで朱に染めてコクンッ、と頷く。
「うん……これからする事考えたら、ドキドキしちゃうよぉ」
 その答えを聞いてから、僕は舞華が愛おしくなって優しく抱きしめ、愛撫するように黒髪をそっと撫でる。
「孝ちゃん……」
 舞華の髪を指先で梳いていると、舞華は僕の背中に両腕を回し、腰を突き出して下腹部を押し付けてきた。
 それだけに留まらず、押し付けた下腹部を上下に動かし、僕の屹立したペニスを擦る。
 柔らかい下腹部が擦れるたび、再び海綿体に血液が集まっていくのが自分でも分かった。
「本当、いやらしくなったね。舞華」
「……孝ちゃんが私をこんな風にしたんだもん」
 拗ねたように口を尖らせ、舞華は上目遣いで僕を見つめる。
 咎めるような眼差しであっても、その目にはもう情欲の炎しか映されていない。
 幼さをそのまま残した顔に淫靡な焔を宿す双眸は、随分アンバランスだ。
 でも、僕にはそれがとても美しく見える。
 それは、この世のどんな宝飾よりも輝いて映っていた。
「舞華……んっ」
 もう理性を保つのすら煩わしくなった僕は舞華の唇に自分の唇を重ねる。
 相思相愛となって恋人となってから何度も繰り返してきたバードキス。
 まるで鳥が木の実をついばむように僕は舞華に口付けを交わす。
「んんっ……んっ……」
 舞華も応えるように、僕の唇に触れては離しを繰り返す。
 二人の息遣いが混じりながら聞こえる濃厚なキスの音。
 そして、いよいよ僕は舌を舞華の口腔に侵入させるべく舞華の唇を舌でこじ開ける。
「んんっ!? んっ……ちゅっ……ちゅくっ……んちゅっ……うぅん……」
 侵入してきた僕の舌を口の中に受け入れると同時に、舞華も僕の舌を絡ませる。
 舌で口腔を舐め回し、吐息を漏らすたびに漂ってくる舞華の口臭。
 歯槽膿漏独特の生臭い匂いが僕の精神を一層昂ぶらせ、歯を舌先で愛撫するたびにざらざらとした歯垢が触れて心地良い。
 ぴちゃぴちゃと水面を掌で叩くような水音が、この不浄のトイレに反響する。
「はぁ……はぁ……孝ちゃん……孝ちゃん……」
 一度口を離し、切なげな声を漏らす舞華は僕の掌を自分のお腹に導く。
 ぽっこりしていて随分突っ張った感覚を受けるその腹部は、何かが蠢いていた。
 まるで生き物が中に入っているのではないかと疑いたくなる動きだった。
「どれくらい溜めたの?」
 腹部に収まっている正体が何なのかを理解している僕は、笑みを浮かべて舞華に聞いた。
「えっとね……今回は一ヶ月半に挑戦してみたよ。もうお腹が苦しくて苦しくて大変だったよ〜。
うんちがゴロゴロお腹の中で暴れまわって授業中とか体育の時とか友達とカラオケ行ってる時とか何度も漏らしそうになっちゃったけど、
孝ちゃんのために頑張って耐えたよ」
 悪戯っぽく笑いながら答える舞華。
 僕のためだけに頑張ってくれている……その健気さに、僕は本当に嬉しくなって舞華のお腹をゆっくりと摩った。
 この中に50日分の努力の結晶が詰まっているのかぁ……。
「やんっ!? ……もう、孝ちゃん……そんな風に摩ったら……出ちゃうっ……学校にウンコぶち撒けちゃうよぉ……」
 喘ぎが漏れないように堪えながらも、舞華の相好は既に淫蕩に支配されて締まりの無いものになっていた。
 目はトロンとして口は開け放った口腔から唾液が糸を引いているのが分かる。
 ――可愛い。
 素直にそう思えるトロ顔だった。
「舞華……出したい?」
「うん……孝ちゃんの前でね……思いっきりひり出したい……溜まりに溜まったくっさいウンコ、
いっぱい孝ちゃんに見てもらいたいの……匂いもいっぱい嗅いでもらいたいのぉ……」
 濡れた瞳を向けてそう訴える舞華。
 そんな彼女の頬から顎のラインを指先でなぞると、舞華はくすぐったそうに目を細めた。
 

42幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:38:01 ID:vQiWiDbs
「いいよ。じゃあ服を全部脱いで」
「うんっ」
 頷いてから舞華はセーターとギャザースカートを手早く脱ぎ、最後にレギンスを下ろして両足首から抜くと、一糸纏わぬ姿となった。
 黒髪に相反した乳白色の肌に西瓜よりも大きな乳房、野放図に生えた腋毛、
土偶体型を表したお尻、多毛症ゆえに黒くて太い剛毛が密集した恥丘……そして、妊婦のように膨らんだお腹。
 全てが愛おしく――また、全てが僕好みのパーツでだった。
 その裸身を見ているだけでも尿道から先走り汁が垂れて、亀頭を包んでいる包皮をぬめらせていく。
「はぁ……はぁ……孝ちゃん……はぁ……はぁ……もう……はぁ……はぁ……出して良い? 
私ぃ……はぁ……はぁ……もう限界だよぉ……はぁ……はぁ……水分がなくなって……はぁ……はぁ……
ガチガチになったウンコが……はぁ……はぁ……肛門押し広げて……はぁ……はぁ……顔出しちゃってるよぉ……」
 犬のように舌を出して荒い息を漏らす舞華はその肢体を震わせて僕に質す。
 もう限界が近いみたいだ。
「そうだねぇ……じゃあ舞華。腸に溜まったウンチ、一片残らず全部出して」
 わざとらしく思案してから、僕は舞華に排泄の許可を出す。
 その言葉を聞いて、喜悦に満ちた表情を見せる舞華はその場でしゃがみ、タイル床に排泄しようとする。
「あ、舞華。ちょっと待って」
「ほぇ?」
 僕が制すると、舞華は大股開きの蹲踞姿勢を取ったまま、きょとんとした表情でこちらを見上げる。
「ここじゃなくて、折角だからあそこの“トイレ”でしてみようよ」
 そう言って僕は小便器……いわゆる床置ストール型の便器を指差した。
「ふえぇぇっ!? 孝ちゃん、あそこ……男の子がおしっこする所だよ!?」
 僕の指示に、流石の舞華も戸惑いの表情を見せて僕と小便器を交互に見据える。
「だからこそ良いんだよ。それに、たまには違うことしてみるのも刺激的だよ」
「そ、それはそうだけど……うぅ〜」
 やはり小便器の中に排泄するのは抵抗があるのか、舞華は困惑の表情を浮かべながら躊躇し、今一つ踏み切れないでいた。
 う〜ん……洗面器や浴槽に排泄出来るようになったから、
どこでするにも抵抗はなくなったかなって思ってたけど……そうでもないみたいだなぁ。
「でも……孝ちゃんは私がそこでウンコ出すところ見たいんだよね?」
「うん、凄く見たい」
「むにゅう……分かった。孝ちゃん、私頑張るよ!」
 寒さで粟立つ裸身を晒したまま、舞華は胸の前で両拳を握り、キリッと眉を吊り上げて決意を表明する。
 うん、何か余計な力が入っちゃってるけど……舞華がやる気になってくれるんなら僕は一安心だ。
「じゃ、早速してみようか」
「うん!」
 舞華が少し覚束ない足取りで小便器へと向かう。
 原因は恐らく……一ヵ月半も蓄積された糞便が肛門付近まで下がっているからだと思う。
 自分の為にここまでしてくれる恋人がいるなら、本当彼氏冥利に尽きるってものだなぁ。
 感慨深く思っていると、いつの間にか舞華が床置式の小便器の前にたどり着いていた。
 そして、僕の方に身体を振り向かせてから両手を後頭部に組み、空気椅子の要領で中腰になる。
 ちょうど小便器の下に肛門が来る位置に調整してから舞華は僕と視線を合わせた。
「孝ちゃん……今から舞華はぁ……大好きな孝ちゃんの為に……一ヶ月溜まり溜めて腸の中で発酵しちゃったウンコを、
ぜーんぶ出していくから……出し切るまで……舞華のウンコを出す音や匂い、
そして……ウンコを出してるときの舞華のだらしないアクメ顔……心ゆくまで楽しんでねっ」
 普段の無邪気な笑みとは違う、妖艶さに支配された淫猥な笑みを浮かべる舞華。
 その顔を見ていると、これから始まる出来事が待ちきれなかった。
「ぐぅぅぅぅぅぅ……うぐっ……うぅぅぅぅ……ふぅんっ!! んんんんん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!! ふんぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっ!!!!」


43幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:39:34 ID:vQiWiDbs
 先刻の笑みとは一転して表情を苦痛に満ちたようなものに歪めると、舞華の息む声がトイレ全体に響き渡る。
 一ヶ月半も溜めてたって言うんだから……多分ガチガチになってなかなか出てこないと思うな……。
 杏子飴のように顔を真っ赤にし、軋みの音を上げるまで歯を食いしばる姿を見れば、一目瞭然だ。
 相当に苦しそうだけど……大丈夫かなぁ? 舞華。
「おぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!! んぎぎぎぎぎぎぎぎぎ……はぁ……はぁ……大丈夫だよ……孝ちゃん……先っちょはもう出てるから……もうすぐ全部出るよ……」
 僕の胸中を察してか、舞華は顔全体を汗で滲ませながらも笑顔を作る。
 心配になっているのが顔に出ちゃったか……。
 よし、そんな事を考えていると舞華に気を使わせちゃうから、ここは男として舞華を見守ろう。
 きっと奥さんの出産に立ち会う旦那さんの心境ってこんな感じなんだろうなぁ……。
 今は脱糞だけど。
「ふぅんぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!」

――ミキッ!! ミチミチミチミチミチミチッッッッッッ!! ごきゅうぅぅぅっ!! ボゴボゴボゴボゴッッッッッ!!!!!

 先ほどよりも一際大きな声で息むと、肛門から内臓が搾られるような音が鳴り響く。
 何事かと僕が舞華の肢体に目を凝らすと、舞華の尻穴がめくれあがって肛門に筒状のピンク色の何かが押し出されていた。
 最初僕はアナルにバイブでも入れてたのかなと思っていたけど、その見当は大きく外れていた。
 にゅるにゅると一本糞同様に尻穴からはみ出てくるそれは、てらてらと腸液で濡れ光っており、注意深く見ていると、表面に毛細血管が張り巡らされている。
「あ」
 斜陽の冒頭文のように幽かな声を上げた僕は、その正体が何なのかを理解する。
 粘膜と同じ色に映るそれは……紛れもない舞華の直腸。
 そう、舞華は脱肛していたんだ。
 肛門から糞便よりも先に出された直腸の表面は、目が痛くなるくらい真っ赤で……例えるなら、見た目は犬のペニスみたいだ。
 舞華の中に、こんな見た目もグロテスクな内臓が収まっているっていう事を思うだけで……僕は自分でも驚くほど胸の高鳴りを覚える。
「んぐぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! おぐぅ!……出るっ……出るぅぅぅぅぅぅぅ……ガチガチウンコ産まれる、極太グソ出産しちゃうぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅ!!!!!!!」

――ぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅぶりゅびゅぶぶびゅびゅびゅびゅびゅううぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっっっっっ!!!!!!!
 むちゅるぅ……むりゅ……むりゅ……ぶりゅびゅびゅびゅぶぶぶりゅむりゅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!
ぼびっびびびびびびびび!! ぶぼっ、ぶぶぶぶぶぶぼっっっっっっ……ぶぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!
 
 舞華の叫びと同時にまるで花火のような破裂音が僕の耳をつんざくように響く。
 同時に、まるで貫通性のオナホールのように垂れ下がった直腸口から完全に凝固していた糞便が成熟したアオダイショウの如く、うねうねと宙を蛇行しながらその姿を現した。

 ――太い。

 率直な感想がまずそれだった。
 ふ菓子を連想させる黒糖色の糞塊は、1500mlのペットボトルコーラと同等――いや、それ以上に太さだ。
 のみならず、それが際限なく舞華の肛門、厳密には直腸から搾り出されている。
 長さが1mまで達すると糞便の先端が小便器の底に触れ、それからは幾重にも産み落とされた一本糞が底に辿り着いた大便に折り重なっていく。
 それからも、舞華の糞便は途中で千切れることなく、強固な連環のように連なっていた。
 2m……3m……4m……5m……6m……目測でそれだけの長さの便塊が生まれては落ち、生まれては落ちていく。
 そして、いつしか床置式の小便器は汚物の塊によって半分近くまでが埋まり、便器の底に入りきらなかった一本糞は便器の縁からダランっとはみ出て、それがタイル床まで溢れていた。
 太さ、長さ、質量、匂い……どれをとっても掛け値なしに凄い。
「うぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっ!!!!! かっ……硬ぁっ!! ウンコ固まり過ぎて……肛門裂けそう……おぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
 直腸口からひり出される便塊は本人の言葉通り相当に硬いのか、舞華は目を血走らせて叫び散らす。
 冬だというのに、頭から水を被ったかのように顔中汗だくになって表情も苦痛で歪んでいる。
 いつもの排便と違い、かなり辛そうだ。
 そんな表情を見ていると、やはり不安になってしまう。


44幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! ◆gAQj6lyayg :2011/02/25(金) 22:41:02 ID:vQiWiDbs
 でも、これ以上舞華に気を使わせたくないし、何より僕のために頑張ってくれている舞華の想いを無下にしたくない。
 彼女の排泄が終わるまで、僕は見守ることに徹した。

――ぶりゅりゅりゅりゅっっっ!! ぶしゅっ、ぷしゅぅぅぅぅぅ……ぶぼびゅっ!! ぶびぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!! むりゅ……ぷすぅぅぅ……ぷすっ、ぷぷっ……ぷっ。

 やがて、目測で10メートル近くになったであろう糞便が全て出し切られ、仕上げといわんばかりに腸から腐乱臭に満ちたガスを放出すると、舞華の排泄は終焉を迎えた。
 うーん……凄いなぁ。
 胸と尻を除けば華奢な部類に入る体型なのに、ギネスに掲載されそうな長さの糞便を出してしまうんだから人体のメカニズムはどうしてなかなか侮れない。
 もしかしたら舞華の腸ってコアラ並みに長いから、この糞便を収めることが出来たのかも。
 と、まぁそんな事を考えている場合ではなくて、ひとまず舞華も相当疲れただろうから直ぐに労いの言葉を掛けてあげよう……。

「んごぉぉぉほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!! 出る出る出る出る出る出る出る出る…………………
グチャグチャうんこぉ……スープカレーみたいなビチウンコ出りゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!」


――ぶばばばばっばばばばっばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! ぶびっ! ぶちゅびゅびゅびゅぶぶぶぶぶっっっっっっっっ!!!! ぶっ、ぷぅぅぅぅ〜。
 ぼじゅるるるるるるるるるるっっ!!! ぶびびびび、びちびちびちびちびちっっっ!! ぶぶぶぶぶばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!


 僕が舞華に近づこうとして一歩踏み出した刹那の間に、舞華が高らかに吼える。
 間髪入れずに聞こえてきたのは、強烈な濁流音。
 それは、ダムが放水している時の音に似ている。
 音に伴い舞華の内臓穴からコールタールのようにドス黒く、幾分かの硬さを残した泥軟便が噴出する。
「ふへぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっっっっっっっ!!!! こ、これしゅご、しゅごいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 
気持ちいい! ドログソ出してるとラリっちゃうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!! これだけでアクメ決まるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
 さっきとは違って苦悶の表情は見せていない。
 本人の言葉通り、凄く気持ちよさそうだった。
 だらしない表情が更に緩んでアホ面全開になっても……舞華は可愛かった。
 麻薬中毒者のように鼻水と一緒に涎まで垂れ流して、でも凄い恍惚としてて……思わずその場で抱きしめたくなってしまうほど愛らしい。
「はぁ……はぁ……んほっ……ほへぇぇぇぇ……ふひゅうぅぅぅぅぅぅぅぅ……わ、私ぃ……男の子がおしっこする便器でぇぇぇぇぇ……
ぶっとい糞棒とビチビチ泥ウンコぶちまけちゃったぁぁぁぁぁぁぁぁ……
ここぉ……男の子がチンポ出してションベンやザーメンチン毛撒き散らすところなのにぃぃぃぃぃぃ……そこにウンコしちゃったよぉぉぉ……
私ぃぃぃぃぃ……もう女の子として人生終わっちゃったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
 言葉とは裏腹に悲壮感はまるで感じられず、まるで山の頂上を上り終えた登山家のような清々しい声色で言葉を紡ぐ舞華。
 これだけ溜まった糞便を全て出した訳だから爽快感は尋常じゃないかもね。
 改めて僕は自分の為に心身を削って排泄を見せてくれた愛しいお姫様に歩み寄り、ポケットから出したハンカチで顔を丁寧に拭いてあげた。




                                 【続く】


45名無しさん@ピンキー :2011/02/25(金) 22:42:10 ID:vQiWiDbs
今日はここまでです。

46名無しさん@ピンキー :2011/02/26(土) 02:52:51 ID:8KXwO8iW
おおまた続きがきてる!

47名無しさん@ピンキー :2011/02/26(土) 23:37:18.16 ID:G+PdNrOf
糞スレ晒しage

48名無しさん@ピンキー :2011/03/04(金) 00:35:22.58 ID:bmltVCKA
極太は正義

流石の濃さです

49名無しさん@ピンキー :2011/03/04(金) 11:44:46.73 ID:Fp24Hln+
>>45
乙です!

50名無しさん@ピンキー :2011/03/05(土) 01:57:20.47 ID:q4ieRtvt
いいこと思いついた

まどかの杏子ってさ、いっつも何か食ってるだろ
あれだけ食うとうんこもそりゃあ大量に出してくれるわけですよ
あと、彼女は自分が仲間や友達認めた相手に食べ物をあげるよね
そこで、「一番愛おしい人にはうんこをあげる」という電波を受信

「食うかい?」のセリフと共に、小さな身体からは考えられないほど大量のうんこを
想い人の顔にひり出す杏子ちゃん
そこで終わってもよし、そこから塗ったり食ったりのハードセックスに移行してもよし

うん、素晴らしい
あとは頼んだ

51名無しさん@ピンキー :2011/03/06(日) 01:25:31.61 ID:1nX/6j99
むしろ杏子ちゃんに沢山食べさせてあげたいなぁ

52名無しさん@ピンキー :2011/03/06(日) 10:51:15.47 ID:wwXEvZ2X
びんぼー時代に空腹のあまり自分のウンコ食う、ってのなら思いついたことはある。

53名無しさん@ピンキー :2011/03/06(日) 19:46:59.01 ID:cVI33iG3
>>35->>44の続き投下します。

54幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! :2011/03/06(日) 19:48:36.01 ID:cVI33iG3
「はぁ〜……」
 小便器の中に山盛りになった糞便を近くで目の当たりにし、感嘆のため息が漏れた。
 最初にひり出された一本糞は文字通りとぐろを巻いて便器の底に溜まり、しかもこの大きさでは舞華の排泄物を受け入れることは出来なかったのか、
先端から20センチ余りの糞塊が小便器からはみ出てタイル床にまで垂れていた。
 それはまるで、壷を巣とした大蛇が起き抜けに活動を始めた直後を連想させる。
 一本糞に排泄口を塞がれているせいか、先刻吐き出された泥便は流れることが叶わず、
小便器にプールされたまま小規模な肥溜めを作り、のみならず溢れて床に零れている。
 なんていうか……氾濫した川みたいだ。
 便器の前にまで歩み寄ると、その凄まじさが良く分かる。
「孝ちゃん……これ……絶対詰まっちゃったよね……?」
 はみ出た腸を自力で戻し終え、傍らに立つ舞華が不安げな表情で僕に聞いた。
「うん、確実にもう流れないよ」
「は、はぅぅ……私、凄いの出しちゃったよぉ……新記録ぅ」
 小便器の惨状を目の当たりにし、さっきとは別の意味で頬を赤くしている舞華は、しなを作り、両手で顔を抑えていた。
 普通の状況であれば恥らう可愛い美少女なんだけど……小便器で大量排泄した後という真相を知った人間はどれだけドン引きすることだろう。
 まぁ僕の目には可愛く映るからどうでもいいんだけど。
「んー……」
 ふと、僕は尿意を催したので用を足そうと思い、舞華が排泄した便器とは違う隣の小便器の前に立つ。
 しかし、そこで妙案を思いついた僕は先ほど舞華が排泄した便器の前に立ち、デニムのジッパーを下ろしてペニスを晒す。
 舞華の排泄に見入っていたせいで、臍に付くほど反り返った陰茎を手でぐっと抑えてから便器に向けた。

――じょろろろろろろろろろろろろろっっっっっっっっっっ………………

 尿道から迸る黄金水は便器に叩きつけられ、そのまま底に垂れ落ち――舞華がひり出した便塊を濡らしていく。
 小山の一部が尿によって溶け、腸の形に形成された一本糞が幾分か崩された。
 同時に、軟便のプールが黄金色に染まっていく。
「はぁ……私のウンコに孝ちゃんのションベン混じってるよぉぉぉ……ウンコ臭とアンモニアがごちゃ混ぜになって良い匂い……」
 用を足し終えて小便器から身体を離すと、即座に舞華が便器の前に寄って来る。
 しかも両膝をついて間近で見始めた。
 糞便と尿の混じった芳香は、舞華にとって相当な魅力を孕んでいるのか、嬉々とした表情でその様相を眺めていた。
「ねぇ舞華、これどうしたい?」
「えへへ〜」
 僕の問いかけに対して笑みを向けたかと思えば突如、舞華は便器の中――正確には糞便の山に顔を突っ込んだ。
 べちゃっ、という音が聞こえると同時に舞華が四つん這いの体勢で固まったまま、頭を振って顔全体に糞便を擦り付ける。
「ぷっはぁ〜……」
 少し息苦しくなったのか、一度顔を上げると焦げ茶色や黄土色の混じった糞便が舞華の顔全体に付着した。
 その様子は……何か泥パックに似ている。
 肌に良いかどうかは分からないけどね。
「ふにゃぁぁぁぁ……真っ黄色いションベンがミックスされたウンコ、温かくてニチャニチャして気持ち良いよぉ……」
 膝立ちになって恍惚とした表情のまま、舞華は指先で便を伸ばすように顔中へ刷り込んでいく。
 まるで初めてメイクを覚えた小学生みたいに、舞華は粘り気を含んだ糞便の化粧を顔全体に施していた。
 悪臭も気にせず――いや、舞華にとって糞便の匂いは悪臭ではなく、きっと甘美な芳香に違いない。
 心から喜びを表しているのが、何よりの証拠だ。

55幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! :2011/03/06(日) 19:51:18.51 ID:cVI33iG3
「孝ちゃん」
「うん?」
 しばし塗糞を堪能してから、唐突に舞華は僕を呼ぶ。
「孝ちゃんのオチンチンにも私のウンコ、たーっぷり塗ってあげるね」
 無垢な微笑みを見せてから、舞華は再度、小便器の底に溜まった大便を両手で山盛りになるほど掬い取る。
 食べ残ったカレーって、冷えるとこんな風に固まるよね。
 舞華の手に持っている糞塊がまさにそう見えた。
「孝ちゃんの包茎オチンポさん、いつも舞華のこと気持ち良くしてくれて本当に有り難う。
オチンポさんのお陰で孝ちゃんに処女あげる事できたし、孝ちゃんの初めての女になることが出来たんだよ。
えへへ……舞華、おバカだからいつも孝ちゃんやオチンポさんに迷惑掛けちゃう事たくさんあるけど、これからもよろしくね」
 膝立ちで僕の前……正しくは僕が用を足す際、露出したペニスの前に向き直って舞華は僕のペニスに語りかける。
 しかも目は獲物を捕らえた猛禽類のように爛々と輝いていて、いかにも何かを企ててそうな眼光だ。
「それでね……孝ちゃんと一緒にオチンポさんも気持ち良くなってもらいたいからぁ……舞華のウンコ、オチンポさんにプレゼントしてあげる」


――にちゃあぁっっっ……


 言葉尻とともに、舞華は僕の上反りのペニスに糞便をくっつけた。
 大蛇のような形を作られた一本糞が両手で肉棒越しに握りつぶされ、もう便は原型を留めなかった。
 握りつぶされてグチャグチャになった糞便は、まるで僕の肉棒をコーティングするように塗りこまれ、指の間からはみ出た便塊がぼたぼたと床に零れ落ちる。
「あはっ、孝ちゃんのオチンポさんウンコまみれになっちゃったぁ。」
 小さな悪戯が成功した子供のように笑う舞華は、喜色満面といった表情を見せて僕の肉棒に十本指全てを絡ませ、まるで卵を包むように優しく握る。
 うわぁ……凄い事になっちゃったなぁ。
 泥便によって色を変えられた陰茎を見て僕はそう思う。
 でも、ペニスはさっきよりも力を増したみたいで、時折、びくんっ……びくんっと脈打っている。
 やっぱり僕は変態みたいだ。
「孝ちゃんの〜ビンビンおチンポさんに〜おっめかし、おっめかし〜」
 上機嫌気味に童謡めいた唄を歌いながら、舞華は両手で握った僕のペニスをまるでシェイカーでも振るような軽快さで扱いていく。
「うぁ……」
 気持ちよさに、思わず声が漏れてしまう。
 たおやかな掌、指、排泄物が僕の肉茎を蹂躙していく様相や、前後運動によって包皮が剥け、むき出しの亀頭に指が触れるのが良い……。
 ねちゃねちゃとローションを擦り合わせたような粘っこい音も、僕の性的興奮を更に高める。
 実際はローションじゃなくて糞便が擦れる音なんだけどね。
「はぁん……糞まみれチンポ美味しそう……。チョコバナナに似てるよぉ……ゴクッ」
 淫靡さを孕んで余りあるねっとりとした目で排泄物を塗りたくった牡肉を眺める舞華は、次いで僕の顔を見上げる。
「ねぇねぇ孝ちゃん」
「うん? 何?」
「このオチンポ、いーっぱいしゃぶりたいのぉ……ウンコチンポぉ……チンカス臭とウンコ臭の匂いがプンプンするチンポ咥えたいのぉ……いい?」
 淫婦のごとく婬乱さに満ち満ちた笑顔で媚を売り、上目遣いで僕を見る舞華。
 半開きにした唇の中からチロチロと出ては引っ込む唾液濡れの舌が、すぐにでも咥えたくて仕方ないといった様を示していた。
 人に淫らな夢を見せるサキュバスも、きっとこういった顔をするのかもね。
「いいよ。咥えて……舞華」
 蟲惑的な眼差しを向ける幼馴染みに、ドキドキさせられながら僕は舞華の口元に来るようペニスの位置を調整する。
「あっ……むぅ……ちゅっ……んちゅ……」
 包皮が捲れたままのペニスにそっとキスをしてから、かぽっと唇を亀頭に被せ、徐々に舞華は僕の牡肉を飲み込んでいった。
「あんっ……ぷふぁ……孝ちゃんのチンポってやっぱ大きいよね。顎が外れちゃいそうになっちゃうよ」
 飲み込んでいた肉茎を一度口腔から離して舞華は嬉しそうに告げる。
 う〜ん……僕のってそんなに大きいのかなぁ?


56幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! :2011/03/06(日) 19:52:26.19 ID:cVI33iG3
 確かに幼児の手首くらいはあるし、ラブホテルに置いてあるレギュラーサイズのゴムはキツ過ぎて入らないけど……果たしてこれが大きい部類に入るのかどうかは僕には見当がつかない。
 などと考えていると、再び舞華は僕のペニスを再び飲み込んで今度は根元まで咥えた。
 陰毛が鼻に入ってくすぐったいのか、少し顔を顰めながらも頭を前後に動かしていく。
 生暖かい柔肉の舌がヒルのように蠢き、絡み、吸い付いてくる……。
「うっ……あぁっ……」
 裏筋からカリの裏側、幹にまで舞華の舌が絡み付いてきて、甘い痺れにも似た感覚が僕の自制機能を奪っていく。
 口腔で何度も出し入れする度に塗られた糞便が唾液に混じって溶けていき、ペニスが本来の色に戻っていくのが見えた。
「んんっ……んぷぅ……んちゅ……あんむぅ……むっ……」
 今度は上下の唇に力を入れ、きゅぅぅぅぅぅぅぅっと肉棒全体を締め上げてくる。
 この数年で、付き合った当初より舞華は随分と口淫が上手になった。
 そういえば……ベッドの下に隠してあるバイブを使ってフェラ練習してたって言ってたし。
 本当、舞華には感謝してもしきれない。
 大切にしないと……罰が当たるなぁ。
 一生懸命ペニスを頬張る舞華の頭をそっと撫でると、舞華は肉棒を咥えたまま目を細めて笑った。
 唇に付いた糞便のルージュ。
 それが一層幼馴染みを淫靡な色に染めているように見える。
 被せた唇をもう一度離してペニスを口腔から放り出すと、ネチッ……ネチッという音をわざとらしく立て、カリと尿道、亀頭の皴まで舐め始めた。
 うぅ……いよいよ舞華が本気になってきた。
 僕が弱いところを全部知っている舞華はウィークポイントのみを容赦なく責め立ててくる。
「はぁ……あっ……あぅ……まいっ……かぁ……」
 便塊が綺麗に舐め落とされたペニスを白指で扱きながら、陰嚢にも舌を這わせていく舞華。
 タマを口に含んでからちゅうぅぅぅ、っと音がするまで優しく吸い上げ、袋の皴に沿って舌先を這わせていく。
 まるでナメクジが動くようにゆっくり……ゆっくりと。
「こう……ひゃん……うんこぬりぬりしたチンポぉ……おいひいよぉ……」
 もう一度尿道にキスしてから再三ペニスを根元まで咥えてから突然、舞華は頬をへこませ、肉竿全体を口内で思いっきり吸い上げる。
 バキュームフェラっていうテクニックの一つだ。
 口をひょっとこみたいにすぼませ、じゅぶぶぶぶぶぶっと下品な音を立てるそれは、
思わず腰が抜けてしまいそうなほど凄まじいものだった。
「うぐっ!? うぅぅぅぅ……ま、舞華……出る……出るよ!!」


――どびゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!! ぶびゅる、ぶびゅ!! びゅく……びゅしゅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!


 無意識の内に舞華の頭を抑えた僕は、精巣でたっぷり作られた精液を口腔内に放出していく。
 エビオスや亜鉛を摂取したわけでもないのに陰茎の根元辺りがドクンドクンっと震え、蓄えられた精子を全部追い出しているような感覚に見舞われた。
「んぅぅぅぅぅっ!! んぐっ……んぅぅぅ……うぅぅぅぅんっっっ……」
 容赦なく流れてくる精液が喉の奥に当たって辛いのか、舞華は紅潮した顔を少し歪めて鼻腔から苦しそうな吐息を漏らし、つるっとした眉間に苦悶の象徴ともいえる皴を刻んでいた。
「んくぅ……んっ……うぅ……んくっ! ぷっふぁ〜……」
 細い喉を何度も鳴らして精液を嚥下した舞華は、射精を終えたペニスを口から離し、魚介類が腐ったような生臭い吐息を吐いて笑った。
 何回かに分けて嚥下したとはいえ、飲みきれなかった精液もあるらしい。
 それが口元から滴り、濁った涎を垂らしていく。
 自分で言うのもなんだけど……舞華の口から垂れるそれは、量も然ることながら濃度も凄かった。
 化膿した傷口から滴る膿のように黄色く、一目見ただけで濃厚なのが分かる。
 こんなに出したのか……僕。
「ふぅ……」
 射精後に来る倦怠感で少しばかりため息を吐いた僕は少し休憩しようとトイレの壁に背中を預けた。
 最初からちょっと出し過ぎたかな……?

57幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! :2011/03/06(日) 19:54:38.48 ID:cVI33iG3
「孝ちゃぁん……」
 ふと、小休憩を取っていた僕に、舞華が鼻にかかるような甘ったるい声を出して僕を呼ぶ。
 先刻から、口腔内に残っていたザーメンを咀嚼し終えてようやく飲み干したみたいだ。
「孝ちゃんのおちんぽぉ……今度は下のお口で食べたいよぉ……」
 何事かと振り返ってみると、不衛生極まりないタイル床にお尻を付けて座り、脚を開いて自分の秘所を内部まで見えるよう、両側の大陰唇を人差し指と中指で開いていた。
 くちゅっ……という濁った水音が響くと同時に、白濁蜜が会陰部から蟻の門渡り、アヌスに伝わってタイルに滴る。
 その光景に目を奪われた僕は、舞華の傍らに跪き、一度自分の中指を口に含んで唾液で濡らす。
 そして、濡れて光る中指を舞華の膣口に押し当てると、ゆっくり……ゆっくり指を膣内に潜り込ませた。
「ふゃぁぁんっ……あっ……んふぅ……うぅん……」
 切なそうな声を上げて悶える舞華は、僕に身体を預けるようにもたれかかり、僕が挿入している指……正確には僕の手に自分の手を重ねる。
 指を動かすたびにヌチュヌチュと湿った音が奏でられ、指の腹で感じるぷにぷにした膣肉がどんどん濡れていくのが分かった。
 試しに膣の上側にあるGスポットを、爪が当たらないよう注意を払いながら丁寧に撫でたり、グッと押し上げてみると、ドロリとした濁り蜜が際限なく溢れ、膣口からごぽっと吐き出される。
「舞華……聞こえる? 舞華のオマンコからぴちゃぴちゃって音がしてるの」
「やぁぁ……孝……ちゃん……そんなエッチなこと……言ったら……やめなのぉ……」
 羞恥を煽るため、わざとらしく耳元で囁く僕の言葉に、舞華はふるふると首を振った。
 朱を差した頬が何ともいえないほど淫靡だ。
「こ、孝……ちゃん……お、お願……い……」
 情欲の熱に総身を溶かされた舞華は、途切れ途切れの言葉を紡ぎながら僕に懇願する。
「ま、舞華のぉ……身体にぃ……全身にぃ……ウンコ……塗りたくってから……ごんぶとチンポ……下のお口で食べさせてぇ……」
「いいよ……舞華の身体にお化粧してあげる」
 蜜壷から中指を引き抜いて立ち上げると、僕は先ほど舞華が排泄した小便器まで歩を進める。
 本来小水を排泄するための便器を容赦なく蹂躙した便塊の山を一部掴み取り、それを舞華の豊かな乳房にべったりと塗りたくった。
「ひやぁぁぁぁんっ……はぁ……あったかぁい……」
 うっとりとした表情で呟く舞華を尻目に、僕は胸から乳首、腹部、肩、腋、腕……次にに両足の腿からつま先まで糞便を塗り、グチャグチャになった糞便を瑞々しい肌に刷り込んだ。
 仕上げに、顔も先刻付いた糞便に重ねるように塗りこむ。
 ぐちゅぐちゅと音を奏でながら何度も糞便を塗っていくと、舞華の全身はもう本来の肌の色なんて全然見えず、排便が塗られた茶色しか見えなかった。
 これ、タオルで拭っても落ちるのかどうかさえ怪しいなぁ……。
 しかし、そんな状態になっても舞華は嫌悪するどころか、恍惚の表情を浮かべて便を塗られた自分の身体を撫でていった。
「孝ちゃん……次はぁ……ここにもぉ……塗ってぇ……」
 ねっとりとした声を発して舞華が指差する場所は、自分の膣。
 色素が沈着してドス黒くなった厚みのある大陰唇から、なめくじのようにテカリを帯びて露出しただらしない肉ビラ、陰茎と比喩しても何ら遜色のない全長5センチほどのクリトリス。
 剛毛で覆われたそこは、酷くグロテスクでありながら淫猥で、不浄ゆえに汚臭を放ちながらも目を逸らさずにはいられないほどの魅力を孕んでいた。
 昂ぶりを抑えつつ、新たに掬った糞便の塊を躊躇なく舞華の膣に押し付けてから、掌を動かして塗りこんでいく。
「やぁ……んぁ……あぁぁっっっ……んうぅぅぅぅっ……」
 糞便色に染まった全身をくねらせて僕の愛撫に身を委ねる舞華は、その身体を小刻みに震わせながら吐息を漏らす。
 力任せに激しくやるんじゃなく、あくまで力は抜き、掌全体で舞華の膣をマッサージしてあげるように擦り、時折、掌を震わせて微弱な振動で秘所を刺激してあげる。
「ひゃぅぅぅっっっ!? ふやぁぁぁっ……孝ちゃん……孝ちゃぁぁんっっっ!!」


58幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! :2011/03/06(日) 19:56:18.72 ID:cVI33iG3
 切羽詰った声を上げながら僕の腕を掴んで快楽に耐える舞華は、僕に顔を近づけてから突然、唇を押し付けてきた。


 ――ちゅくっ、じゅる……じゅぶ……にゅちゅ……ぐちゅ……ちゅっ……じゅぶぶ……ぐちゅるっ……。


 テクニックとかムードとか、そういったもの一切を度外視した激しいだけのキス。
 ただひたすら貪るだけの舞華のキス。
 僕の口腔に舌を無理矢理ねじ込ませて奥歯から上顎、下の歯の裏側を舐めるように舌を這わせ、僕の舌に自分の舌を絡ませる。
 むしゃぶりつくって言った言葉が相応なのかな?
 とかくそのキスは稚拙だけど、舞華の嘘偽りない愛情が伝わって純粋に嬉しかった。
 口腔の水蜜と糞便が混じり合う度、ぐちゅぐちゅと淫靡な音が脳に直接響き、僕達から理性を奪っていく。
 恋人同士がするものとは到底思えない、獣欲まみれのねっとりとしたディープキスは、やがて互いの性感が臨海に達して終わりを迎えた。
「孝ちゃん……お願ぁい。舞華のぉ……糞濡れグロマンにぃ……入れて……元気なオチンチン、食いしん坊な舞華のオマンコが食べたがってるのぉ……」
 互いに口角から唾液を垂れ流して口内を愛撫するキスの後、舞華は僕の肉棒を掴んで指を蠢かせる。
 その懇願に応じるように、僕はこくん、と頷いた。
 そして……ジャケットとロングTシャツ、デニムとボクサーパンツまで全部脱ぎ捨て、舞華同様に一糸纏わぬ姿になった。
 その間に、舞華はタイル床の上に寝そべってから脚を大きく広げ、僕を受け入れる準備を始める。
 床が固く、冷たいせいか少しばかり背中が痛そうだけど、舞華はそれに構わず、早く挿入してほしいと目で訴える。
 僕は慌てず、ゆっくりと舞華の脚の間に身体を寄せ、掴んだ肉竿を膣口に近づけた。
 食虫植物のように粘性を含んだ花弁。
 そう比喩しても何ら遜色のない動きを繰り返す糞便まみれのヴァギナは、僕のペニスを捕食せんばかりにヒクッ……ヒクッ……と妖しく蠢き、ペニスを誘う。
 先端をそっと膣口にキスさせると、糞便と淫蜜でぬちぬちと濡れた両側の大陰唇が、僕の亀頭を甘噛みするように少し閉じる。
 どうやら舞華の肉壷も、僕のことを歓待してくれてるみたいだ。
「来て……孝ちゃん……」
 そう紡ぐ舞華に、笑んでから亀頭を差し込む。
 淫唇はヌメリと僕の亀頭を受け入れてくれて、あっという間に肉傘の部分は入り込んでしまった。
 亀頭が膣口に埋没するのを確認した僕は、躊躇なく一気に腰を沈め、肉棒を根元まで突き入れた。
「んはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!」
 今までとは比にならない蕩けた舞華の淫声。
 それが反響して耳の鼓膜を震わせる。
「うぅぅ……んんっ……!?」
 油断してしまえば腰が抜けてしまいそうなほど、舞華の蜜壷はふかふかしていて暖かく、蠕動運動によって蠢く膣壁が僕のペニスを揉み上げた。
 アナルのようにきつくは無いけれど、まるで僕を包み込んでくれているような優しさを、その膣内から感じる。
 その優しさ……膣肉全体による抱擁は、とてつもなく暖かい。
 たまらず僕は本能赴くまま、一気に膣内を突き上げてしまった。
「舞華っ……はぁ……はぁ……舞華ぁ……」
 欲望に全てを委ねて腰を振りながら、僕は何度も自分の肉棒を打ち込み続ける。
 その姿はきっと何よりも下卑たもので、酷く浅ましい姿なのかもしれない。
 でも……そんなのどうでもいい。
 今さら体裁なんて取り繕うものか。
 僕はただ、舞華を……ずっと僕を信頼してきてくれた幼馴染を……献身的で健気な恋人を気持ちよくしてあげたい。
 それだけを胸に、ただ腰を振り続け、舞華の膣内をかき回し、貫いた。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……!!」
 息遣いが早くなっていく中で、僕は腕立て伏せの体勢でペニスの抽送を繰り返していた状態から舞華と肌を密着させて前後の運動を再開する。
「んあぁぁぁぁっ!! くぅぅぅんっ……うんぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 ペニス越しに伝わる舞華の膣のぬくもり……。
 淫蜜のヌメり……
 膣に塗られた糞便のねちっこい感触……。
 舞華の生臭い吐息……。
 身体を密着させた故に、僕の胸や腹部にもくっつく糞便……。

 全て……そう、全てが気持ちよかった。

59幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! :2011/03/06(日) 19:58:50.47 ID:cVI33iG3
「孝ちゃん! だいしゅき、だいしゅきぃぃぃっ!!」
 僕の腰に両足を絡め、次いで首に両手を回した舞華は密着状態のまま叫ぶ。
 呂律も回らぬためか、言葉は随分危なっかしくなっていたけれど、それでも舞華は僕のことを愛してくれている事を伝えてくれた。
 その切ない声を聞いて、いよいよ僕も射精感がこみ上げてくる。
 尿道まで競りあがってきて、いよいよ暴発してしまうんじゃないかって思うくらい、もう限界は近い。
 僕はピストンの速度とリズムを二段階ほど速めてがむしゃらに突く。
 腰と恥骨がぶつかるたび、響く音がより一層激しくなる。
「孝ちゃん、孝ちゃん!! 壊れちゃう……私、壊れちゃう……こわれちゃうょぉぉぉぉぉぉっっっ!!」
 首に回された両手の力が急激に強くなり、舞華も限界が近いことを訴える。
 お互い、もう一分の余裕も無い。
「うぅぅぅっっっっ!! ぐぅ……うぅぅぅぅぅぅ!!」


――どぶりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっ!! ぶびゅびゅっ!! びゅるぅぅぅ、びゅっ!! ぶびゅるるるるるぅぅぅぅっっっっっ!! ぐぶぅぅ……ぶりゅぅぅっっっ!! びゅるっっっ!!


 これで最後だといわんばかりに大きく腰を打ち付けると同時、僕は尿道からありったけの精液を迸らせ、その全てを舞華の子宮に叩き込んだ。
 放尿の時とは異なる、まるで火山噴火のように断続的に吐き出される奔流。
 それが糞便とともに舞華の膣内に侵入していった。
「んはぁぁぁぁぁぁぁっっっ!! 熱いのぉ……あっついの来てるぅぅぅぅぅぅぅっっっ!!
元気ぃ……孝ちゃんのオタマジャクシいっぱい注がれてるよぉ……ひやぁぁぁぁぁっっっっ!!
焼けるぅぅぅ……ザーメン熱すぎて、マンコと子宮がひりひり焼けちゃうよぉぉぉぉ……もう……孝ちゃん、出し過ぎぃぃぃぃぃ……妊娠してもぉ……赤ちゃん出来てもぉ……知らないからねぇ……」
 蕩けた表情のまま、咎めの言葉を紡ぎながら舞華は今一度僕を強く抱きしめた。
 それに応えるべく、僕も身体を密着させ、舞華の背中に両手を回す。
 その内、舞華の膣から、ごぽっという音が聞こえるとともに、粘膜に注がれたザーメンが溢れ出ていく。
 それが床に流れていくのにも頓着しないまま、僕たちは暫く抱き合っていた。
「ねぇ……舞華……」
「はぁ……はぁ……なぁに……?」



60幼馴染みとの関係〜舞華〜そのに! :2011/03/06(日) 20:00:10.89 ID:cVI33iG3
 情事を終え、ようやく落ち着いた僕は、未だ荒い呼吸を繰り返す舞華に囁く。
 目の前の彼女に、どうしてもやってもらいたいことを告げるために。
「今度ね……舞華にやってもらいたい事があるんだ」
「やってもらいたいことぉ……?」
「うん。舞華の全身にね、タトゥーを入れたり、乳首や臍、舌……それと、クリトリスにもピアスを嵌めてもらいたいんだ」
「えぇっ!?」
 抱き合った姿勢で驚きの声を上げる舞華。
 ご丁寧に、しっかりと双眸も見開いている。
 まぁ……いきなりこんな事言われたら戸惑うよね……?
 でも、耳元で大声出すのは辞めて欲しかった。
 比喩表現じゃなく、本当に耳が痛いよ。
「ダメ……かな? もちろん、舞華が嫌だっていうんなら無理強いはしないよ」
 そう告げて僕は舞華の瞳を見据える。
 ずっと胸に秘めていた僕の願望。
 でも、それは舞華の身体を傷付ける事だからダメだと自らに言い聞かせ、真情を吐露することもなく心に封印した。
 だけど……ここ数日、数週間懊悩した末、もう自分の想いを抑制することが困難になった。
 きっとこれは、彼氏として最低な行為なんだと思う。
 自分の願望を恋人に強要しているんだから。
「……」
 僕のわがままを聞いてから、舞華は暫し逡巡する。
 自分の身体を改造するわけだから即断するというのが無理な相談だ。
 やがて舞華は、少しだけ口をもごもごさせながら、でも目は決意を表したかのように真っ直ぐな眼差しを僕に向ける。
「う〜ん……分かった」
「いいの? 痛い思いも沢山するし、タトゥーは消しても一生傷痕が残るんだよ」
 念を押して僕は聞く。
「うん。そんなの平気だよ。孝ちゃんが喜ぶことなら何でもしてあげたいもん。私、頑張る」
「有り難う……舞華。お金はこっちで出すから心配しないで」
「もう〜、別にそんなこと気にしなくて大丈夫なのに」
 どこまでも献身的な彼女を前に、心からの感謝の辞を述べると、舞華はおかしそうにクスクスと笑った。
 釣られて僕も笑んでしまう。
 笑い合う僕たちの会話は、異常性に満ちていながらも微笑ましいものだった。
 こんな会話と約束が出来るのは、愛しているだけでなく、僕たちがお互いに信頼しあっているからだと思う。
「えへへ……孝ちゃんだ〜い好きっ」
 今一度、僕たちは温もりを確認するため、繋がったまま互いの身体を強く抱きしめる。
 互いに糞便まみれでありながらも、僕と舞華に嫌悪感は微塵も無かった。
 だってそれは……こんなにも暖かく、心地良いものなんだから。
 未だ寒波の影響で冷え込む日が続く、とある日曜日の昼下がり。
 僕達幼馴染みとの関係は、どんどん過激な方向へと向かっていきそうだ。





                                                                                           END

61名無しさん@ピンキー :2011/03/06(日) 20:01:31.86 ID:cVI33iG3
以上です。
有り難うございました。

62H :2011/03/06(日) 22:48:13.21 ID:18geC47L
>>61
超乙です。
最近スランプ気味でして、このレベルの濃さで文章を書けないのです


>>50
数日中に投下予定 ただあんまり期待はしないで下さい

63名無しさん@ピンキー :2011/03/08(火) 01:15:03.74 ID:mfpCwslD
GJ

Hさんも期待してます

64H :2011/03/08(火) 21:25:15.37 ID:tjCSkz/1
 まどか☆マギカの百合風味スカです。
 スランプのリハビリに、二次創作の文章を書いてみることにしました。
 自分はまだ8話までしか見てません。
 今回の話は6話冒頭の戦闘が終わった次の日と思って下さい。
 では。


65名無しさん@ピンキー :2011/03/08(火) 21:26:23.34 ID:tjCSkz/1


             魔法少女まどか☆マギカ

          第6.1話  あなたには言われたくない
 



「はぁ……」

 とある曇り空の日の午後、少し日の傾きかけた休み時間。
 中学二年生の少女、鹿目まどかは一人、物憂げなため息をつきながら、無駄にだだっ広い学校の廊下を歩いていた。
 今は授業の合間、教室移動の途中である。
 彼女の足取りは重い。
 目を引くピンク色の髪がゆらゆらと揺れる。もともと小さい背は、元気を失ってさらに小さく見えた。
 大きく愛らしい瞳にも、どこか暗い影が落ちている。
 この何日か、本当に……色々なことがありすぎた。
 心の中で一つの出来事を整理する暇もなく、次々に新たな災厄が降りかかってくる。
 それは、ごく普通の中学二年生の少女が背負うにはには、あまりにも重すぎる荷だった。
(なんでこんな……魔法少女同士が争わなきゃいけないんだろ……)
 その想いが声になることはない。
 彼女が心配している――いつも一緒に行動している、親友の美樹さやかとは今は別行動だ。
 一人で考えたいことがあるから、ということだった。

 彼女の、彼女たちの苦悩を知る者はどこにもいない。
 少なくとも、この学校に通う「人間」には。
 だが、暗いものを心に抱えたまま、それでも彼女は精一杯、普通の学校生活を送ろうと努力していた。
 

66H :2011/03/08(火) 21:28:20.38 ID:tjCSkz/1


(トイレ……ああ、そういえばこっちも……もう何日も出てなかったっけ)
 廊下の角を曲がると、黒と赤の、男女のシンボルが描かれたトイレのピクトサインが目に飛び込んできた。
 そのキーワードで、ふと彼女は思い出す。
 ふぅ、と小さなため息。
 ただし意味はさっきとは違う。
 まどかはおなかを軽くさすった。
 もう何日も……排便がない。
 精神的な苦痛だけでなく、人生初の便秘の苦痛にも、彼女は苛まれていた。

 ――魔法少女と魔女との戦いに巻き込まれてから、もう何日たっただろう。
 QBの勧誘、その後の巴マミの一件、親友の美樹さやかの契約と、そのさやかと他の魔法少女の戦い……。
 あまりの恐怖とストレスに、眠れない夜を何日過ごしただろう。
 身体の調子も、すっかり狂ってしまった。
(別にいいか……そのうち出てくるよね)
 気を取り直す。正直、こんなことで悩んでいる暇も余裕もない。
 あるわけがない。
 他に心配しなければならないことが、ありすぎる……。

(……あれ?)

 と、彼女は立ち止って、指で目をこすった。
 ほんの一瞬、視界が微妙に歪んだ気がしたのだ。
 いや、歪んだというより、1秒くらい、目の前の動くもの全部が一斉に止まったような……
(なに? 今のって……)
 違和感に、まどかは立ち止まって辺りを見回す。
 遠くハトが羽ばたいている窓の外の空、同じ制服の生徒たちが談笑しながら行きかう廊下……なにもおかしい所はない。
(やっぱり私、疲れてるん…………え?)


 ぐる……きゅ……くきゅうううぅ……




67H :2011/03/08(火) 21:29:35.10 ID:tjCSkz/1

(え? え? え? なんで?)
 まどかは両手を下腹部にあてる。
 おなかの奥の奥から湧き上がって来ている、この感覚は……間違いなく便意だ。
 腸の中身が、動こうとしている。
 一体なぜ急に……しかも、おなかを壊して下痢にでもなったかのように、ぐんぐんと高まっていく。
 肛門のすぐ内側に、奇妙な冷たい感覚が走る。
 かなりキツイ便意だ。
「いっ……おなか痛い……! でも、なんで……?」
 便秘を心配していたのに、急に下痢になるなどと言う事があるのだろうか?
 ……しかし、それは今問題ではない。
 トイレが目の前にあるのだから、逆にグッドタイミングだ。
 悩みが一つ、解消される。
 まどかは異音をたて始めたおなかをさすって小走りにトイレの入り口に駆け寄り、白い扉を押し開いて――
そのまま、固まった。
「そんな……」
 わずかに喜びの感情が浮かんでいた顔が、みるみる青くなっていく。
 女子トイレの中の個室は、全て閉まっていた。
 満室である。
 さらにその後ろに、順番待ちの女子生徒が何人も列をなしていた。
 こんなに詰まることなど、滅多にないのに……。
(どうしよう、私だけ先になんて言えないし、待ってたら多分間に合わない……次のトイレに……
……あ、あれ!? 嘘!?)
 便意に耐えながら踵を返し、トイレの外に出る。
 と、そこでまどかはもう一つ、奇妙なことに気がついた。
 スカートの下……股間が、やけにスースーする。

 履いていたはずのショーツが、いつの間にかなくなっていた。

(まさか、なんで? なんで!?)
 ますます混乱し、目が泳ぐ。
 まどかはスカートの上から手を当てて、感触で今自分が「履いていない」ことを確認した。
 しかし、履き忘れて学校に来たわけはない。
 間違いなく。
 無意識に、どこかで脱いだ?
 ありえない。
(全然わかんない、わかんないけど……今はそれどころじゃない……!)
 全く納得できないが、今はそれよりも、この便意を片づけてしまわなければ。
 ぐんぐんと、時間に正比例するように圧力が高まって来ている。
 急いで次のトイレに向かわなければ、冗談抜きで大変なことになる。
 だが幸い、隣ののトイレまでそう距離はない。
 両手をおなかにあてがい、暴発させないようにゆっくり慎重に。
 苦悶の表情で、まどかは歩き始めた。


68H :2011/03/08(火) 21:31:02.89 ID:tjCSkz/1





「……計算外だわ」
 そう、彼女は短くつぶやいた。
 鈍色の空を吹き抜ける強い風に、美しく長い黒髪がたなびく。


 ――私としたことが、中に入っている人数を確かめないなんて……。


 風と共に流れて行く、低い雲の下。
 何もない殺風景な学校の屋上に、一人の少女がたたずんでいた。
 まどかとは別の――どこかの学校の制服を思わせる格好で、左手には鈍い銀色に光る小さな盾。
 スレンダーな体形に、長い黒髪がよく似合っている。
 まどかたちと同じ中学二年生だが、彼女の瞳は年齢に不似合いな「冷たさ」のようなものを宿していた。
 最近この学校に転校してきた、黒の魔法少女。
 暁美ほむらである。
(……まずいわね)
 透き通った黒い瞳で見下ろす視線の先は、まどかの居る廊下である。
 ここは彼女がいる建物とは別棟で、やや距離があるものの、突然の便意と苦闘するまどかの姿が
直接目視できる位置にあった。
 ほむらはここで、ずっと彼女の様子をうかがっていたのである。

 そしてなぜか、右手にはつぶれたイチヂクの――まどかの髪と同じ、ピンク色のカプセルが一つ握られていた。



69H :2011/03/08(火) 21:34:04.29 ID:tjCSkz/1



「……何をしに来たの、佐倉杏子」

 ふいに、ほむらが横に視線を移した。
 その瞳が鋭さを増す。
 脅威となる存在を警戒する眼だ。
「なんだ、気付いてたんじゃん。つまんないの」
 彼女が視線を向けた先……屋上の、塔屋の影から現れたのは赤い髪の少女だった。
 ストレートのほむらに対し、少しクセのある長い髪をポニーテールにまとめている。
 彼女はどことなく男っぽい物言いで、大きな紙袋を片手に、悠然とほむらいる方に近付いてきた。
 この街にやってきた、四人目の魔法少女、佐倉杏子である。
 彼女はほむらと真っ向から敵対しているわけではないが――さやかとの戦闘を邪魔されたという点で、しこりの残る
間柄ではある。
 だからこそ、ほむらは警戒していた。

 だが変身状態のほむらに対し、杏子は私服のままだった。
 上着は普通のパーカー、下は太ももの付け根あたりまで、思い切り短くしたジーンズという大胆ないでたちだ。
 ほむらと視線を交わす杏子の顔は、不敵な……何か含みのありそうな笑顔だが、とりあえず敵意といったものは
感じられない。
「奇襲しかけてやろうかと思ったんだけど、なんか面白そうなことやってんじゃん、って思ってね。見物に来てやったのさ」
「……」
 ほむらを横目に、彼女は屋上の端まで来る。
 正に目もくらむような高さだが、彼女ら魔法少女にはなんでもない。
 仁王立ちで両手を腰に当てた格好で、杏子はほむらと一緒に、まどかのいる廊下に視線を落とした。
「好きな子には意地悪したくなるってやつかい?」
「そんなのじゃないわ」
「じゃあなにさ」
 言うと、杏子は持ってきた紙袋から真っ赤なリンゴを取り出し、ボールのように人差し指の上でまわし始めた。
「知ってるよ? QBと契約させないためとかって、あんた四六時中あの娘のこと監視しちゃってるんでしょ。
さっきの、あんたの目。あれ完璧に偏愛ストーカーの視線だったよ」
 そこまで喋ってから、杏子は手にしたリンゴに齧りついた。
 薄笑いを浮かべ、彼女はからかうように視線をほむらに送る。
 そして一気に一個たいらげてしまうと、すぐに次のリンゴを取り出した。


70H :2011/03/08(火) 21:34:55.13 ID:tjCSkz/1

「やっぱり、見ていたのね」
「まぁね。あんた能力使って、あの娘のおしりにイチヂク入れちゃったんでしょ、今。気づかれないように。……普通、
思いつかないよ、そんなえげつないこと」
「……」
 ほむらからの反論はない。
 事実だった。
 時間停止の能力を連続して使い、背後に接近して、下着を脱がせてイチヂク浣腸30ccを彼女の肛門の注入した。
 誰にも、まどか本人にすら気付かれることなく。
(……彼女のために、やっただけよ)
 もちろん口には出さない。
 そして、それも事実だった。嫌がらせでも何でもない。
 便秘に苦しんでいるのを見かねて、少しでもストレスの元凶を取り除いてあげたかった……本当に、それだけの理由だったのだ。
 お漏らしはさせないために、トイレの前に差し掛かったところを見計らって、脱ぐ手間を省くために下着も預かった。
 ……そのトイレが空いているかどうか、最後の確認を怠ったのは、大失敗だったが。
 それで今、まどかは苦しんでいる。

「おまけにどういうつもりか知らないけど、下着まで盗んじゃって。レズでストーカーで下着ドロボーで、その上スカトロマニア。
救いようがないね」
「これはあとで返すわ。本当よ。……それに」
「それに?」
「あなたには言われたくない。佐倉杏子。あなたの趣味も、私は知っているわ」
 乾いた風に、ほむらの美しい黒髪がなびく。
 一歩も動かず視線は相変わらずまどかに固定したまま、彼女は強い口調で言った。
「な……」
 その一言で、杏子は食べかけのリンゴを危うく、下に落としそうになった。
 墜落していくリンゴをソウルジェムの槍を伸ばして貫き、なんとか回収する。
「……へぇ、何もかもお見通しってわけ? その能力といい、やっぱりワケわかんないわあんた」
 吹き上げるビル風が、二人の長い髪とほむらのスカートをはためかせる。
 その宣告に強い衝撃を受けながらも、杏子はなんとか平静を保ちつつ、言葉を続けた。


71H :2011/03/08(火) 21:35:47.27 ID:tjCSkz/1

「ま、知ってるって言うんなら、それはもういいけどね。おっしゃる通り、私もあんたと同じよ。あの青いヤツ、
美樹さやかだっけ? 気になってしょうがないんだ。……最初はね、ただぶっ潰してこの街の縄張り分捕ってやろうって
ことしか考えてなかったけどさぁ……なんて言うかな、あれだよ。ムカつくんだけど、なんかかわいいんだよね、あの娘。
かわいいし、イジメ甲斐がありそうで……」
 言葉を紡ぐ杏子の口元が、段々と緩んでいく。
 どかっ、と屋上のコンクリートに腰を下ろし、豪快なあぐらをかいて彼女は喋り続けた。

「そんでもって、久しぶりに、私のうんこ食べてほしくなっちゃう女」

「……」
「小細工なしで真正面からぶつかって、力の差ってのを思い知らせてさ。じわじわと、全部潰す二歩手前くらいまで力を奪って、
あとは魔法で身動きとれなくしてさぁ……そんで、アイツの綺麗な顔の上に跨って、かわいい口にケツの穴乗っけて、
私のうんこ直食いさせんの。で、そのあとは食い切れなかったヤツを、私もアイツも全身ぐちゃぐちゃのドロドロになるまで
塗りたくって……プライドも何もかも放り出して、道徳心とか羞恥心とか全部どーでもよくなるまで。
うんこの味と匂いにまみれながら、前も後ろも身体も心も、犯して犯して犯し倒す!」
「……」
 事実上の、さやかに対する愛の告白である。
 あぐらに頬杖の格好でそこまで言い切った杏子の顔は、実に楽げだった。
 いつもの攻撃的な目とは少し違う、最高の獲物を見つけた老練なハンターの眼だ。
「直感なんだけど、アイツそっちの素質ありそうでさぁ……すごい楽しみなんだよね。だからこの前のバトルからこっち、
うんこするの我慢してるんだ私」
「……」
 その異常な惚気を延々聞かされるほむらの方は、まったく関係なく佇んだまま、やはり一点のみを見つめていた。
 が、完璧に他人事であるものの、一応は耳を傾けていたようである。
 ぽつりと、疑問を呈した。
「……それは食べ物への冒涜ではないの」
「なんでさ。食べ物の、究極の有効活用じゃん?」
「救いようがないわね」
「それはお互い様。……っと、ほら、あいつそろそろ限界っぽいよ」
「ええ、見ているわ」








72H :2011/03/08(火) 21:39:28.22 ID:tjCSkz/1

「ふぅ……う、ううう……!」
 はるか遠くの二人の視線に、彼女が気づくはずもない。
 まどかは下腹部の激痛に耐えながらまだ、ゆっくりと廊下を進んでいた。
 気付かないうちに浣腸されてた、などとは全く知らない彼女は、ただひたすらに便意を我慢することしかできない。
 額にはいつのまにか、じっとりと脂汗が浮かんでいる。もう多分、何分も我慢できないだろう。
 我慢の限界が近い……。

 く……きゅうぅう……

(はあ……ああぁ……! 助けてよ誰か……さやかちゃん、QBぇ……)
 そう思いかけて……まどかは首を横に振った。
 わなわなと震える手を壁について、身体を支える。
 こんなところにさやかが来たところでどうしようもないし、下痢を我慢しているような恥ずかしいところを見せられるはずがない。
 QBは論外だ。

「それが君の願いなんだね?」

 とか言いだしそうな……いや、絶対に言う。
 こんなことの助けと引き換えに契約を持ちかけられたら、たまったものじゃない。
(私の力で……乗り越えなきゃ……!)
 歯を食いしばり、まどかはなけなしの気力を全部下半身に注ぎ込む。

 ぐる…ぐりゅりゅりゅ……!

「くぅ……ふうう……」
 だがその気力も、直腸で暴れるグリセリンの刺激の前に、既に半ば折れかけていた。
 ぐっとおなかを押さえて、泣きそうになりながら、ふらふらとまどかはトイレに向かう。
 しかも今は、何故かはさっぱりわからないが、ショーツがない。
 万が一の時うんちを受け止めてくれる、文字通りの最後の砦が失われているのだ。
 もしここで、肛門を緩めてしまったら。
 それはすなわち、学校の廊下を大便で汚すということ。それも、廊下を行きかう他の生徒たちに、見られながら……!
(そんなの、絶対いやぁ……!)
 最悪の事態を想像し、まどかは歯を食いしばる。
 おしりを力の限り締め付けて、時々壁に寄りかかりながら進む彼女の姿は見ていて痛々しい。
 だがトイレまでの距離は残り10メートルもない。なんとかなるはずだ。
 次のトイレのピクトサインも、もう見えている。
 あそこまでたどりつけば、助かるのだ。
 このまま慎重に、ゆっくり……ゆっくり……




73H :2011/03/08(火) 21:41:05.33 ID:tjCSkz/1

「あれ? まどか、こんなところにいたんだ」
「さやか……ちゃん……!?」
 突然の背後からの声に、まどかはぎょっとした。
 そのショックで肛門から浣腸液が数滴漏れ、床にぽたぽたっと落ちる。
 既に液は、まどかの大便が溶け込んで薄茶色に染まっていた。
「てっきりまだ教室に残ってると思ったから、探しちゃったよー」
「そ、そんな……」
 ゆっくりと振り向いて、まどかの顔が更に蒼白になる。
 立っていたのは、ショートカットの青い髪に、さわやかな笑顔が印象的な女子生徒だった。
 自分と同じく魔女との戦いに巻き込まれた少女――いや、今はもう、魔法少女。
 同じクラスの女子、まどかの親友、美樹さやか。
 ……今、まどかがQBの次に会いたくないと思っていた彼女が、来てしまったのである。

「……ちょっと、まどか? ……顔色悪いよ、どうしたの?」
「う、ううん、なんでもないよ、本当……」
「そんなわけないでしょ、身体、震えてるじゃない。熱でもあるんじゃ……」
「だめっ!」
 叫んで、まどかはさやかの手を振り払う。
 今体に触られたら、それだけで中身が漏れてしまいそうだった。
 ――が、それは全く、無駄な行為だった。


 びしゃっ


「ひっ!?」
 まどかの小さな身体がのけぞった。
 ほんのわずかに肛門から注意がそれた瞬間、さやかの手を振り払おうと力を入れたその拍子に、すっかりこげ茶色に――
うんこ色に染まった浣腸液が全部、水鉄砲のように飛び出したのである。
 そこまでだった。



74H :2011/03/08(火) 21:42:16.54 ID:tjCSkz/1


 ぶりゅ…びゅっ! ぶりゅりゅりゅりゅっ! ぶぽぉっ!

「あ…あっ! いやあっ! やだああああああああっ!!」
 肛門の決壊が、始まってしまった。
 甲高い叫び声とともに、まっすぐに立った状態のまま、まどかのスカートの中から次々と大量の大便が落下していく。
 かわいい顔に全く似合わない、どろどろの浣腸液がまとわりついた、茶色い汚物の塊が、次々に生まれていく……。
「あ…だめっ! と…止まってぇ……!」
 両足を踏ん張って、肛門を締め直そうとするが、もう遅い。
 浣腸で加速された大便の噴出は止まらない。
 ばちゃっ! と次々に床に跳ねて、辺りを茶色に汚していく。
 彼女の希望が、根こそぎ絶望に変っていく……。
(ああ……私、とうとう漏らしちゃった……。中学生にもなって……大切な友達の前で、うんちお漏らししちゃった……)
 大便を漏らし続けながら、彼女は目をぎゅっと閉じていた。
 せめて、せめてさやかの顔を見たくなかった。
 だが、あふれる涙をせき止める事は出来ない。
 自分の股の下にうずたかく堆積しているであろう、大便の山から立ち上る臭気も消える事はない。

 ――もうだめだ。
 さやかに軽蔑される。
 絶対、嫌われる。
 それどころか、学校中にお漏らし女って知られちゃったら、もう学校になんか来られない……。




75H :2011/03/08(火) 21:43:34.70 ID:tjCSkz/1


(……あれ?)
 そこで、彼女は気づいた。
 目の前にいるはずのさやかが、何も言わないどころか驚きの声すら上げないことに。
 廊下には、他の生徒たちも何人も歩いていたのに、なぜ彼らも何も言わないのか?
 ……そっと、まどかは目を開けてみる。

「ええ……」

 再び見た世界は、止まっていた。
 止まっていた、としか表現できなかった。
 目の前にいるさやかは、手をはねのけられた状態のまま、驚いた顔で固まっている。
 動かない。
 瞬きもない。
 廻りの生徒も、最後に見た位置で全員が止まって……まるでマネキンのようだ。
 音も全くない。
 窓の外に目をやると、羽を広げたハトの群れまでが、空中で静止していた。

「なにこれ……夢……?」
「そうね、夢、ということにしておくといいわ」
「え」
 背後からの、聞き覚えのある声。反射的に振り向こうとして――そこで、まどかの意識は途切れた。







76H :2011/03/08(火) 21:44:29.91 ID:tjCSkz/1


「……う……ううん……」
「あ、起きた? よかったー……」

 白いベッドの上で、まどかは目を覚ました。
 傍らで声をかけてきたのはさやかだ。
 横たわったまま視線をあちこち動かし、数十秒かけて、彼女はここが学校の保健室であることを知る。
「もう……びっくりしたわよホント。ふつーに話してたら、いきなり気を失って倒れ込んで来るんだもん」
 ベッドの横でイスに座っていたさやかは、読んでいた本を閉じるとまどかに歩み寄る。
 窓の外がオレンジ色に染まっているのをみると、今はもう放課後のようだ。

「夢……?」
 
 今までの出来事……突然おなかを壊し、廊下で漏らしたことは全部夢だったのだろうか?
(ぱんつも……ある)
 仰向けで毛布にくるまったまま、スカートの下をまさぐってみる。
 何も変なところはない。
 確かに、履いていたはずの下着がいきなり跡形もなく消えるなど、考えてみれば夢でしかありえない。
(よかったぁ……)
 瞳を閉じ、深呼吸を一回。
 本当に、心からほっとした。
 ……でも。


77H :2011/03/08(火) 21:45:30.87 ID:tjCSkz/1

「夢で……逢ったような……」
「へ? 何が? ……あれ、まどかひょっとして、全然覚えてないの?」
「う、うん……そうなんだ」
「……寝れてないんでしょ。疲れてるんだよ、まどか。私も人のことなんか言えないけどさ。もうずっと……色々、なんて
言葉じゃ片付けられないくらいいっぱい、酷いことばっかりだもんね……」
「さやかちゃん……」
「あ、いいのいいの、とりあえず私のことは。疲れとかは大丈夫だから。ほら、もうちょっと寝てなよ。私と違って、
まどかは普通の人間なんだから」
「う、うん。わかった」

 起き上がろうとしたまどかをもう一度ベッドに寝かせると、さやかは優しく毛布をかけた。
(いつ寝ちゃったのか、全然思い出せないけど……変に現実味がある夢だったな……。でも、夢の中で一瞬だけ、
ほむらちゃんが出てきたのは、なんだったんだろう……)
 毛布を頭までかぶって、彼女は夢の中で見た友達の顔を思い出す。
 だがもちろん、その“理由”が分かるはずもなかった。







78H :2011/03/08(火) 21:48:19.07 ID:tjCSkz/1




「……まったく、君は何を考えているんだい、暁美ほむら」

 保健室の窓の向こう――学校からはかなり離れた、別のビルのバルコニー。
 オレンジ色の夕日に照らされるその柵の上に、まどかの様子を伺う小さな獣がいた。
 いや、獣かどうかは定かではない。
 全身を真っ白な毛におおわれた、人語を解する、QBと呼ばれる一匹の奇妙な生き物。
 彼(?)は細い鉄柵の上に、猫のように腰かけて長いしっぽを揺らしていた。
「僕が来なかったら、一体どうするつもりだったんだい?」
「あなたには関係ない。その時は私が全て処理したわ。責任を持ってね」
 問いかけられたほむらは短く応えた。
 杏子との会話とは違う、敵意を露わにした口調である。
 バルコニーの、少し離れた場所に立つ彼女は、保健室のまどかではなく、QBの方を睨んでいる。
「せっかくまどかのために手を貸してあげたのに。君は、いつもそうなんだね」
「……まぁ、とりあえず感謝はしておくわ。今回だけはね」
「全く、何がしたいんだか……わけがわからないよ。……それはそうと」

 くるっと、QBは身体ごと後ろを振り向いた。
 その視線の向こうには、変身状態で槍を携える杏子の姿があった。
 ほむらとは反対側、やはり距離を置いて、QBを睨みつけている。
「君も物好きだね、杏子」
「こっち見んな、気持ち悪い」
「ひどいな、僕がなにか、君の気に触ることでもしたかい?」
「……てめぇにだけは、絶対食われたくない」
「うーん……君たち人間は、ほんの些細な違いに物凄くこだわるようだね……やっぱりわけがわからないよ。それからこれは
忠告なんだけど、無理に生理現象を我慢するのは良くないと僕は思うよ? ソウルジェムと同じで、穢れはこまめに出さないと、
身体に悪いからね」
「うるさい黙れ。余計なお世話だ」
「言うだけ無駄よ。QBに、人間の気持ちなんか理解できない」
 吐き捨てるように、ほむらが口をはさんだ。


79H :2011/03/08(火) 21:49:44.23 ID:tjCSkz/1

「やれやれ……」
 首を振り、QBはまた保健室の方に目を向け直す。
 その顔からは、感情のようなものは何も読み取れない。
 だが実の所は彼も、まどかに契約を持ちかけるタイミングを逸したことを少々悔いていた。
 ほむらに手を貸したのも、彼女に対するある種の嫌がらせである。
(トイレに人を集めておいたのも、無駄になっちゃったか。まぁいいや、焦りは禁物だ)
 ふぅ、と息をついて、背伸びを一回。
 目障りな監視も居ることだ。
 この場は大人しくしていた方がいいだろう。いずれまた、次のチャンスはやってくる。

 舌を出し、QBはぺろっと口の周りを舐める。
 真っ白いはずのその口元は、ほんの少しだけ、茶色く汚れていた。













80H :2011/03/08(火) 21:52:07.09 ID:tjCSkz/1

 以上です。
 考えてみたら、二次創作で文章書いたのって、ほぼ10年振りです。



 蛇足かもしれませんが一応説明しておくと、脱糞シーン直後の流れは
 
 脱糞寸前でほむらが、まどかと自分たち以外の時間を停止させる
 → まどかが廊下にぶちまける
 → ほむら&QB乱入、魔法で眠らせてから、まどかの時間停止
 → QBが全部平らげる、その間にほむらがまどかのおしりを拭いてぱんつ履かせる
 → QBを掴んで、ほむら脱出
 → 時間停止解除、気を失ったまどかをさやかが受け止める。

 って感じです。
 うまく本文中で描写できなかったです。あと、
 途中から>>50を見て差し込んだので、杏子の扱いがこんなのになってしまいました。中途半端で申し訳ない。
 ではまた。
 9話見てきます。


81名無しさん@ピンキー :2011/03/08(火) 22:12:48.28 ID:HkHPefsq
超GJ

82名無しさん@ピンキー :2011/03/08(火) 22:38:56.00 ID:0SvdqANq
QBの黒さが本編と遜色なく素晴らしい

83名無しさん@ピンキー :2011/03/09(水) 00:14:22.10 ID:c4QGxlj6
GJ!

84名無しさん@ピンキー :2011/03/09(水) 11:08:20.65 ID:lrxr5Eep
俺にも時間停止能力くれ

85H :2011/03/11(金) 20:07:33.68 ID:AmTamFqc

好評なようで、ホッとしてます。
ついでに書いたおまけを投下します。


しかしみなさん、無事ですか?
全くとんでもないことになりました……。

86H :2011/03/11(金) 20:10:48.25 ID:AmTamFqc

 6話後半、さやか仮死状態の場面にて。
 時事的に不謹慎な場面があるかと思いますが、ご容赦を。





「さやかちゃん? ……ねぇ、どうしたのさやかちゃん!? さやかちゃん!!」
「なんだ……どういうことだ、おい! こいつ、死んでるじゃねぇか!」
「さやかちゃん! さやかちゃ……え? なに、これ……」
 さやかは意識を失ったまま、杏子に首を掴まれたまま持ち上げられていた。
 その、ゆらゆらと揺れる彼女の細い両脚に水のようなものが伝う。
 流れ続けるそれは、歩道橋のタイルの地面に水たまりを作っていった。


 ぽたっ、ぴちゃっ…… べとっ


「なんだ!? この匂い……」
 杏子がさやかの身体を降ろすと、次いで、辺りに妙な匂いが漂い始めた。
 誰もがよく知っている、あの匂い。
 人間の出す大便特有の、刺激臭である。
 それは力なくまどかにもたれかかる、さやかのスカートの中から漂ってきていた。
「なに、どういうこと……? ねぇ、何か言ってよ、QBぇ!」
 さやかを両手で抱いて支えながら、まどかが叫んだ。
「ああ、これは筋肉組織が弛緩して、腸と膀胱の内容物が漏れてきたんだね。首つり自殺をした人間に、よく見られる現象だよ」
「なにいってるのQB……助けてよ……さやかちゃんを死なせないで!!」
「……まどか、それはただの抜け殻なんだ」

 少しばかり困ったような口調で、QBは切りだす。
 その口から告げられたのは、彼女らにとって、特大の衝撃となる「事実の一端」。
 動揺を隠せない杏子とまどか。
その最中、忽然と姿を消していたほむらが、青いソウルジェムを持って再び現れる。
 

87H :2011/03/11(金) 20:12:01.88 ID:AmTamFqc


「かふっ……」
 ほむらが、さやかの手にソウルジェムを返す。
 と、ほんの数秒で、開き切っていたさやかの瞳孔が元に戻り――心臓が再び活動を開始した。
 驚愕の表情でみつめるまどかと杏子。
「え……なに? なんなの?」
 その二人の目の前で、両手を使って、さやかは上半身を起こした。
 全く、何事もなかったかのように。
 

 ……記憶が途切れている。現在の状況を確認。
 場所は同じ、夜の歩道橋、アイツとの戦いの場所。
 周りにいるのはまどか、QB,赤いヤツ、堯美ほむら……やっぱりさっきと変りない。
 しかし全員、表情が微妙におかしいのは気のせいか?
 何故自分は意識を失っていたのか?
 アイツと戦って、倒された?
 ……それはそうと、地面の上なのに、おしりが妙にあったかいのは何故だろう。
 

「って、あれぇ!? うそ、何これ!? なんで私、お漏らしなんかしてんの!?」
 身体をひねり、スカートの上からおしりに手を当ててみて――ようやくさやかは、自分が大便失禁してしまったらしい事を知る。
 それどころかショーツや内股の部分が濡れて冷たい。べたべたする。
「おしっこまで……!? 一体何があったの? ねぇ、教えてよ、まどか!」
「え、ええと……」
 さやかは傍らに寄り添っていたまどかの肩を掴んで詰め寄るが、彼女に答えられるはずもない。
 何も知らないさやかは混乱の極みに陥っていた。
 歩道橋の上、タイルの地面にへたり込んだまま、彼女はまどか、次いでQB、杏子、ほむらに、焦燥と恐怖に近い
不安が混じった視線を向ける。
「死んでいたのよ、あなた。この数分間ね」
「死ん……え? なにそれ、意味がわからないんだけど」
 口を開いたのは、ほむらだった。
 全力疾走で例のトラックを追いかけていた彼女は、ようやく息が整ってきていたところだった。
 だがそれ以上は、ほむらも口をつぐむ。
 どう説明していいのか、流石の彼女も迷っていた。



88H :2011/03/11(金) 20:12:53.76 ID:AmTamFqc

「うーん、一から説明するとかなり長くなるなぁ。どうしよう。……いや、その前に身体を綺麗にした方がいい。さやか、
よかったら僕がその」

「止めろバカ! そんなの、私が許さない!」

 ひゅっと柵から降り、さやかに近づこうとしたQBを杏子が蹴飛ばした。
 サッカーボールの如く空中に蹴り上げられたQBは、あっさり体勢を立て直し、歩道橋の欄干の上に着地する。
「ひどいなぁ……君、そんなに僕のこと嫌いだったかい? それに君がさやかに望んでいることとこれと、一体何が
違うって言うんだい。むしろ君が言っていた、食べ物の有効活用という観点からすると……」
 だがQBに堪えた様子はない。
 とことこと、さやかとまどかの所に戻ろうとする。
 その目の前に槍をつきつけ、杏子が叫んだ。
「だから喋んな! ……おい、お前、とっとと公園のトイレかどこか行って、キレイにして来い」
「え?」
「そんなみっともない格好で、戦うも何もないだろうって言ってるんだよ! ……仕切り直しだ、今夜は。家に帰れ」
 槍を構えたまま、さやかの方は見ない。
 彼女なりの気遣いだった。
「……そうね」
 未だ状況はほとんど理解できていないが、今ここで杏子と戦う理由がなくなったらしいことはわかった。
 不安げに見つめるまどかの手を払う。
 さやかはふらっと立上り、杏子に背を向けた。
(う……)
 眉をひそめ、彼女は歯を食いしばる。
 脚を動かすと、こんもりと膨らんだショーツの中で大便が動いて、気持ち悪かった。
 だが幸い漏らした量は少なく、ほとんどは下着の中で収まってくれたらしい。
 地面にはほんの小さな塊しか落ちていない。
 一緒に漏らしたらしいおしっこが、歩道橋の上に水たまりを作っていたが。
 スカートも下着もソックスも靴も、びしょぬれだ。
 情けなかった。
(……多分、軽い記憶喪失になるくらいひどい負け方をして、漏らして、気絶して……それで身体のダメージだけ、
QBが直してくれたってところだろうな……本当に情けない)
 大便失禁など、幼稚園以来だ。
 泣きそうになりながら、ショーツから大便をこぼさないように気をつけて足を運ぶ。
 外灯の下を抜け、夜の闇の中へ去っていく彼女の背中は、とても弱々しく見えた。
 それを追いかけようとしたまどかを、杏子が制止する。

「やめときな。今あんたがついて行って何になる? 逆に自分だったら、こんな恰好悪いところ、友達に見られたいか?」
「……そう、だよね……」
「あんたも帰りな。家族がいるんだろ」
「……うん」


89H :2011/03/11(金) 20:14:27.42 ID:AmTamFqc

「心配なのはわかるよ、まどか。僕があとでさやかのところに行く。説明責任があるからね」 
 この事態でありながら、いつもと変わらない口調で、QBが言った。
 およそ感情と呼べるものの、まったく見当たらない乾いた声だ。
「おい」
「なんだい、杏子」
「アイツにあれ喋ったら殺す」
「ああ、そんなことか。もちろんわかっているよ。不必要なことは言わないから安心して」

(このゲスが……)
 喉元まで出かかった。
 そしてQBとまどかが立ち去るのを見届けてから、杏子は自分の変身を解除した。
 気を落ち着かせるため、深呼吸を一回。



「……ところでよ」
「なに」
 杏子は怒りの感情が静まるのを待って、それまでずっと黙っていたほむらに声をかけた。 
「前の、学校の時。お前QBに嫉妬してただろ」
「……何のことかわからないわね」
「あっそう。ま、関係ないけどね。私には」
 ポケットに残っていたポッキーを、一気にほおばる。
 そしてほむらに背を向けて、彼女も歩きだした。
(ゾンビか、あーあ。……ま、こんな生活続けてりゃあ、いつかは負けて死ぬか、野垂れ死にかとは思ってたけど)
 ポケットに手を突っ込んで歩きながら、杏子は夜空を見上げた。
 林立するビルの谷間に見えるのは、星の光の全く見えない、虚無感に襲われそうな真っ暗闇だ。


「バカだね、あたしも」
 ほんの少し膨らんだ、自分のおなかを軽くなでる。
 輪郭のぼやけたあやふやな想いが、一つの形になっていくのを、彼女は感じていた。








90H :2011/03/11(金) 20:17:24.15 ID:AmTamFqc

 以上、続く……かも? 
 今回脱糞描写が薄く申し訳ない。

 実は残り一回分、8話ラスト付近でのさやかと杏子の話までだいたい書き上げてるんですが、どうにも食便&塗便プレイを書けなくて、
途中のHシーンがすっぽり空白です。
 それがなかったらただの百合SSになってしまう……どうしよう。
 限界を感じてます。

91名無しさん@ピンキー :2011/03/11(金) 22:05:33.33 ID:ozYIi4dZ
GJ!

9話見た後だから、さやかの姿を見ると悲しくなってくる……

限界を感じたら気分転換するといいんだぜ



92名無しさん@ピンキー :2011/03/12(土) 08:41:56.34 ID:TVbfQb45
まじでみんな大丈夫か・・・?
生きてたら返事してくれ
ただでさえ少ない仲間が更に減るなんて勘弁だぜ

93名無しさん@ピンキー :2011/03/12(土) 20:35:55.53 ID:XQtviVkw
>>92
北関東内陸側だが、うちは大丈夫だ。
それより実家のある海側の方がやばいらしい。

94名無しさん@ピンキー :2011/03/12(土) 21:41:35.33 ID:/y8xw849
>>61
GJ
現実じゃありえない描写が毎回たまらん
抜きすぎてなかなか読み終わらない


H氏
自分の妄想取り入れてくれてありがとう
自分が杏子ちゃんのうんち食べたいからさやかへの嫉妬がやばい

95名無しさん@ピンキー :2011/03/12(土) 23:53:53.25 ID:xT8DQoid
≫92
こっちは北東北だが今のところ大丈夫よ。
小さい揺れは時々くるけど。
心配さんきゅう。

96名無しさん@ピンキー :2011/03/13(日) 14:50:11.31 ID:9dC5pQ5R
余震なう

97H :2011/03/13(日) 19:43:47.58 ID:Gy45Mcna
リハビリのおかげか、途中で止まっていたのをようやく完成できました。
本編の続き、最終話の一回目です。
今はとりあえず、生きていることに感謝。


98H :2011/03/13(日) 19:44:52.59 ID:Gy45Mcna

                  少女浣淫 第11話

               【1】 

 
 斜めに傾いた視界の中、一階の窓の向こうに、青々と繁った校庭の木々がゆらめくのが見えていた。
 風だけではない。
 朝だと言うのに、砂漠のようなグラウンドの熱で光が歪んでいる。
 これだけ距離があっても、セミたちの大合唱は、疲れた身体に浸み入ってくるようだ。
 黒板の上の時計は午前8時34分。
 予鈴は鳴ったが、まだHRは始まっていない。

「はぁあぁぁぁ……ああ……」
 その溜息は教室内に渦巻く雑音に押し流されて、消えていった。     
 ふと気がつけば、いつのまにやら七月も半ばである。
 ただひたすらに鬱陶しかった梅雨も明け、乾いた夏の風が、レースのカーテンを揺らしながら教室の中を吹き抜けていく。
 以前に比べればいくらか心地良いその風は、クーラーという利器の存在しないこの空間ではとても貴重だ。
 それぞれの席に座る生徒たちの多くが下敷きを団扇に、光る汗の伝う顔を煽いでいた。
 朝のHR前、人の溢れる2−Aの教室は、いつものように朝の喧騒に包まれている。
期末テストも終わり、一気に空気が軽くなったせいか、ほとんどの者は周りの友人たちと楽しげにおしゃべりをしている。
 だがそんな中、ある女子生徒だけは一人、机に頬杖をつきながら……物憂げなため息を繰り返していた。
 
 ――女子バレー部所属の二年生、中島一乃。

 短くそろえた髪と凛とした瞳、そして部活動で日焼けした褐色の肌が特徴的な少女で、その明るさと面倒見の良い性格から、
クラスの中でも割と目立つ存在である。
 であるのだが……七月十四日、期末テスト週間の終わった月曜日、彼女は朝から非常に憂鬱だった。
 いや、正確には、この日も憂鬱だった。
 その重苦しいため息は絶えることがない。
 口を開く度に、彼女は窓の外の、抜けるような夏の青空とは対照的な――まるで暗く湿った地下室のような、重苦しい空気を
吐き出し続けている。

99H :2011/03/13(日) 19:47:20.99 ID:Gy45Mcna

「はぁ………あ? 何?」
 彼女は席に座ったまま、頬杖を止めて後ろを振り向く。
 不意に、とんとんと後ろから肩をたたかれた。
 同じグループの女子、大村温子だった。
「これで二十回目」
 短く、彼女はそう言った。
「何が?」
 中島は座ったまま聞き返す。
 すると大村は中島の顔を覗き込むようにして、
「だからため息の数だよ。顔もさぁ、なんか病気みたいよ? 眼の下のクマとか」
「ああ、んー、ちょっとね……でも病気じゃあないよ。大丈夫」
「大丈夫ってちょっと……なんか、テスト前もこんなことあったような気がするんだけど。病気じゃないなら、どうしたのよ一体?
そんなにテストの結果ヤバいの?」
「……ほっといて」
「いっちゃん?」
 投げやりの応えると、中島は、ぷいと彼女から顔を逸らした。
 この前の時とは事情が違う。
 窓際の席で本を読んでいる四条由姫の姿も、もはや視界に入らない。
(言えるわけ、ないじゃない……)
 ため息を飲み込んで、中島は下唇を噛んだ。


 ――もう本当に色々あって、その結果別のクラスの友達の、大瀬初実と付き合うことになり、そしてそのまま女の子同士で
初えっちしてしまった。
 そこまでは……もう仕方ない。
 しかしその後、その恋人に性行為の時の写真と動画を撮られて「裏切ったらバラまくよ」的なことを言われた。
 あの超がつくほど真面目で、曲がったことが大嫌いな大瀬が、弱みを握って脅迫をかけるような真似をした……。
 そのショックがあまりにも大きく、ずっと引きずっている。
 誰にも言えるわけがないだろう、こんなこと。

100H :2011/03/13(日) 19:48:40.37 ID:Gy45Mcna

(でも、まぁ、わからないでもないんだけどね……)
 瞳を閉じ、これまでの出来事を思い返す。
 そう、冷静に考えてみれば、全く理解できないということもない。
 ずっと好きだった親友に――四条由姫に気持ちを裏切られ、その彼女と一年生の、SMプレイの現場という凄まじい光景を
目の当たりにし、結果PTSDになるほどのショックを受けたのだ。
「大丈夫だよ。いつでも私がそばにいるから」
 といくら言葉をかけたところで、いつまた裏切られるかもしれないという恐怖が、トラウマが彼女をあんな行動に走らせたのだ。
 そうとしか考えられない。
 「冗談だよ」と彼女は笑った。
 けど、どっちが本当なのか確かめる方法はない。
 大村の助言の通り、大瀬はとりあえず立ち直ってくれた。
 けど、これでは……。
(ホントに、これからどうやっておーせと接したらいいんだろ?)
 机に頬杖を突いたまま、中島は答の出ない問題を考え続ける。
 あの朝以来、彼女とは何度も学校で顔を合わせているし、普通にメールのやり取りもしている。
 だが話をしてもメールを打っても、表面的で、当たり障りのないやりとりばっかりで、全部どこかがぎくしゃくしている様な
気がするのだ。
 あの日、一緒に入ったお風呂で大瀬に語った言葉に嘘はない。
 だがこれから、こんな風に心の中にトゲみたいなものが刺さったまま、彼女とうまく付き合っていけるのだろうか。
 形のない不安と迷いが、両脚に蔓のようにからみついているような気分だった。


(こんな顔のいっちゃん、初めて見た……これは重症だわ。けどホント何があったんだろ?)
 無視され、仕方なしに大村は中島の後ろの、自分の席へ戻る。
 背中を丸める中島の後ろ姿はとても小さく、白い夏服のシャツもどこか、じめっとしているようにさえ見える。
 ……軽く腕組みをしてここ数日のことを思い出してみると、テスト初日の朝から彼女はどこか変だった。
 以前から少し変だったような気もするが、あの朝から、更に。
(歩道にぼけーっと突っ立って、ぽかん、と口を開けっ放しで、無表情で……)
 顔を見たときは、つい笑ってしまったが。
 やはりあの時、彼女に何かあったんじゃないだろうか。
(うーん)
 理由も何もわからないが、今目の前で友達が苦しんでいる。
 そんな時、何もしないで放っておくという選択肢は彼女にはなかった。

「ねぇ……やっぱり何かあったんでしょ? 相談に乗ろうか?」
 大村は再び席を立って、中島に語りかけた。





101H :2011/03/13(日) 19:50:41.06 ID:Gy45Mcna


                             【2】



「んっ……ん…あぁ……」
「いっ…あ……? あっ……!」

 まだ人気のない、早朝の学校。
 身体の奥底から搾り出すような……悩ましげな二つの吐息と嬌声とが、小さなその部屋の中に響いていた。
 二人の可憐な少女が織りなす、淫猥な喘ぎ声の二重奏。
 由姫といつきはいつもの場所、第二校舎の端のトイレで逢瀬を重ねていた。


「あっ…あ……先輩…もっと! もっと強く……お願いします……!」
「こう、ですか……? …ん」
「いっ…あ、あぁ……♡」
 まるで、お互いの身体をむさぼりあうように……。
 鍵をかけたトイレの個室の中、二人はともに丸裸で、立ったまま抱き合ってお互いの性器を弄りあう。
 制服も、シャツも、下着も。
 大事な部分を隠す、何物もない
 身に着けているのは、靴下と上履きと――由姫の、眼鏡だけだ。
 あとは全て雑に丸めて、洋式便器のタンクの上に置いてあった。
 神聖な学び舎で、裸になって女同士抱き合い、女の子の大事な部分を触りあっている……それだけで二人とも、
どうしようもなく興奮しきっていた。
「んむっ……ん……ん……♡」
「あっ、もう……お乳なんか出ませんよ? そんなに私の汗がなめたいんですか?」
 いつきは由姫のおっぱいに顔をうずめて、親に甘える子猫のように、ぺろぺろとピンク色の突起を舐め始めた。  
 強過ぎず弱過ぎず、口に含んだその先端を舌先で転がして味わいながら――同時に両の掌と細い指先を、柔らかなふくらみに添わせて
何とも言い表せない不思議なその弾力を楽しむ。
 だがその由姫の表情にも、もはや余裕のようなものさえ浮かぶようになっていた。
 ぎゅっと抱きつくいつきの髪を優しくなでながら、お返しにと、もう片方のいつきの股間にあてがった手で、ぷっくりと膨れたその先端を
くりくりと弄ぶ。
 舌の動きと指先の動きを、お互いにリンクさせるように……。
 そして二人とも、蒸し暑さと興奮とで、既に全身、汗でびっしょり濡れていた。


102H :2011/03/13(日) 19:52:07.59 ID:Gy45Mcna

 女子トイレの一番奥の個室。
 まだ生徒の登校していない、早朝の学校……それも特別教室棟なら、誰も来ない。
 誰にも邪魔されない。
 鍵をかけたその小さな箱の中は、二人だけの楽園だった。
「……ん? んっ! んんん―――!」
 胸に顔を押し付けたまま、いつきは声を押し殺す。
 由姫の反対の手先が、肛門のほうに伸びてきていた。
 おっぱいに密着し、声を出せない代わりに、細い両脚がびくびくと震える。
「もうそろそろ、イきたいでしょう? ……いいですよ。どっちでイきたいですか? 前? ……後ろ?」
「え……と、その、前の方で……あ!? ちょっ……先輩……そこ……ああっ!」
 また突然、いつきの身体がびくっとしなるように大きく震えた。   
 由姫の細い中指が――いつきの肛門に、めりめりと侵入してきたのだ。
「あっ…ああっ! おしり……! おしりが……めくれちゃうぅ!」
「意地っ張りなんだから。ホントはこっちに欲しかったんでしょう?」
 最初からそのつもりの質問だった。
 いつきが前と言ったら、うしろ。
 後ろと言ったら、前。
 にっこりと微笑みながら、由姫はぬちゃぬちゃと音を立てて、中指を根元まで出し入れする。
 そしてさっきまでクリトリスを弄っていたもう片方の手はいつきの背中にまわして、しっかりと身体を抱きとめた。
「はっ……! ひっ? あああっ♡」
 慈愛と、侮蔑と……。
 いつきを見下ろす彼女の視線には、その両方が同じだけ込められていた。
 中指を奥の奥まで突っ込まれ、その中をこねくりまわされる、その度にいつきの身体が敏感に反応する。
 彼女の一番好きな部分も、いまやすっかり由姫に把握されていた。
 ……いつきの直腸。
 ついさっきまで、かちかちの大便が大量に詰まっていた空間である。
 二人のそばにある洋便器、その水面にはこげ茶色や黄土色の、大小様々な汚物の塊が浮かんでいる。
 普通の女子の2〜3日分はありそうな、その大量の便から染み出した茶色で、便器の水もどろっと汚れ始めていた。
 全裸で便器に腰かけ、白い両脚を思い切り左右に開いて。
 そしていやらしく涎を垂らす性器を両手の指先でぐいっと左右に押し広げて――大事な部分の奥の奥まで
由姫に見てもらいながらひり出した、今朝のいつきの大便である。
 出した後流さず、おしりも拭かずに……大便とお互いの汗の混じった強烈な臭いに包まれて、二人は身体を重ねていたのだった。

103H :2011/03/13(日) 19:53:56.70 ID:Gy45Mcna

「んあっ♡ あっ……あ……♡」
 肛門を責められ続けるいつきの声も、トーンが変化してきた。
 由姫の意地悪に、彼女は抗議するどころか、ぎゅっと両腕で由姫の身体にしがみ付く。
 もう絶頂が近いという合図だ。

「――へんたい」
 
 がくがくと震えるいつきの耳元で、由姫がやさしく吐息を吹きかける。
 由姫の綺麗な指で後ろの穴を犯され、最後は彼女のの蔑みに満ちたその言葉で――いつきは性器に触れる事もなく、絶頂を迎えた。
 電気が流れたように震える両脚、そして両腕から力が抜けていく。
 そのまますとん、と尻餅をつくような格好で、いつきは後ろの洋式便座に体重をあずけた。
 異物が引き抜かれ、茶色いものがいくつも付着したいつきの肛門は、満足したように小さくすぼまっていく。
 そして愛液でふやけ、充血した性器からは、彼女の精神のように白濁した粘液がとめどなく溢れていた。

「はぁ…はぁ…はぁ……」
 座ったまま肩で息をし、うつろな瞳で天井を見上げるいつき。
 由姫は腕を組み、その彼女を相変わらずの視線で見下ろして、言葉を投げかけた。
「……汗びっしょりですね、いつきさん。どうです? 喉が渇いたんじゃないですか?」
「は……え?」
 絶頂の快楽で混濁した意識の中、彼女が言葉の意味に気付いたのは2,3秒後だった。
 由姫の問いかけに、いつきはだらんと垂らしていた両腕を胸にあてる。
 いつもの、お願いのポーズだ。
「あ……はい! ジュース、飲みたいです……いえ! 飲ませて下さい!」
「……いい返事です」
 由姫は眼鏡の位置を直してゆっくりと右脚を上げ、横の壁の、ペーパーホルダーにつま先を乗っける。
 背中を丸めて、姿勢を低くしたいつきの目の前で。
 濃いめの陰毛の下、クレバスの中に隠されていた部分を、見せ付けるように指で拡げた。
 ……この二ヶ月ほどの間に、指と舌先で散々弄りまわされ、いつきと同じくすっかり開発されてしまった性器である。
 だがここまで変態性癖に染まってなお、未だ処女だけは、頑なに守り通していた。
 いつきはこの部分にだけには、何故か一切手を出そうとしなかった。
 由姫もまた同様である。いつきの膣には、いつもただ入口に触れるだけだ。

104H :2011/03/13(日) 19:56:02.80 ID:Gy45Mcna

「い……いただきます」
 震える声で言うと、いつきはピンク色が美しいそこに、小さく明けた口を押しつける。
 今の自分は、先輩専用の小便器。
 そう思うだけで、頭の中が溶けそうなほどに興奮してしまう……。
「んっ! あ……だ、出しますよ……!」
 由姫の身体が、ぶるっと震えた。
 それが合図だった。
「……!」


 ぴしゅっ……! じゅぅぅぅぅぅ……


「んっ! んんんっ!」
 黄金色の奔流が、いつきの小さな口の中に溢れていく。 
 そして、健気に股間に顔を押し付ける彼女を見下ろす由姫もまた、背徳感と快感とで顔を真っ赤に染めていた。
 濃縮された自分の小便を、飲んでもらう。
 身体の中の熱い滾りを、直接ゼロ距離で、愛しい彼女の体内に送り込む。
 数十秒間の、至福の時間である。
 それはひょっとしたら――女同士であるが故の、膣内射精の欲望の代替行為であったのかもしれない。
 もちろん、誰にも確かめる事は出来ないが……。
「く……あっ! ……い、一滴でもこぼしたら、いつきさんの制服全部、便器の中に放り込みますからね……!」
「んっく……んっ…んっ…んっ……♡」
 もちろん、由姫が本気でそんな事をするはずがない。
 だがその言葉に身体で応えるように、いつきは一心不乱で、口の中に注ぎこまれる熱い液体を飲み干していった。
「はっ、はぁ……はぁ……。お、おなか……いっぱいです……♡」
「ん……よく、できました」

 全てが終わり、仕上げに舌先で由姫のアソコをきれいにしてから――悦楽に染まる瞳で、いつきは由姫を見上げる。
 その彼女を労うように、由姫はもう一度、髪を優しくなでたのだった。 





105H :2011/03/13(日) 19:58:19.43 ID:Gy45Mcna

「……やっぱり、ゆっくりできる時間があるといいですね、先輩」
「ええ、そうですね。明日からはまた朝番が始まりますし」

 いつものように、朝の行為を終えた二人はお互いに汗を拭き合い、個室の外に出て制服を着直している。
 これももう、二人とも手慣れたものだ。
 顔も既に、「一般生徒」と「風紀委員長」モードに切り替えている。
 今日はまだ風紀委員の朝の仕事がないので、普段より長い時間、行為を楽しむことができたのだった。
「そういえば……先輩の方は? どんな感じですか?」
「え? ああ、私は……一昨日が最後ですね。今も全然です」
 由姫はリボンタイを締めながら、数秒考える仕草をしてからそう返事をした。
 何のことかと言えば、おなかの調子のことである。
 つまり、昨日と今朝は排便がないと由姫は答えたのだ。
「ああ、じゃあ……今、しちゃいます? 時間はありますし」
 ごそっと、いつきがポケットに手を突っ込んだ。
 いつでも準備OKですよ、と目でアピールする。
「……いえ、今はいいです。せっかく出ないんだから、もう何日か。その方が……いっぱい溜まってた方が、いつきさんも
嬉しいんじゃないですか?」
 両のてのひらを、おなかの上に。
 いつきから視線を逸らし、顔を赤らめながら由姫は言った。
 その言葉に、いつきの心が躍る。
「まったく、もう……私じゃなくて先輩が、でしょ? 便秘を楽しむなんて、通になりましたね、先輩も」
「えと、だって、その……あんまり毎回同じだと、いつきさんも飽きるでしょう?」
「そんな、全然! 今日はホント久しぶりだったし……それに、イイことは何回やってもイイんですよ♪」
 そう応えたいつきは、満面の笑顔だった。
 それもそのはず、今日は期末テスト明けの、最初の「一緒の朝」である。
 流石に期末テスト前とテスト中は、例の約束も一旦休止。
 進路と“ご褒美”のこともあり、本気の勉強を続けてきた二週間で溜まりに溜まった色々な物を全部解放して、いつきはご満悦だった。
「ところで、先輩も今日はなんだか嬉しそうですね」
「えっ?」
 と、いつきが唐突に問いかけてきた。
 ドキッとして、由姫はいつきの目を見る。
(うーん、流石と言うかなんというか……)
 心の中で、由姫は腕組みをした。
 おおよそ当たっている。
 やはり彼女に隠し事は出来ないようだ。
 由姫は正直に、それに答えることにした。
「そうですね……初実ちゃんが学校に戻ってきたから。それが嬉しくて」
「……副委員長さんのこと、ですか?」
「ええ。いつきさんにも、前に話したことありますけど。五日も学校を休んでて、やっと戻ってきてくれたんです。
それで、テストも終わったし、今日はゆっくり話ができるかなって……それが顔に出ていたのかもしれません」

 そう応えた由姫は、いつもの笑顔とは少し違う、とてもおだやかな表情だった。
 風紀副委員長の、大瀬初美。
 彼女が学校に復帰したときのことを、彼女は思い返した。


106H :2011/03/13(日) 19:59:19.52 ID:Gy45Mcna

                          【3】


 月曜日――期末テスト初日の朝。
 爽やかな朝日に照らされる予鈴前の第二校舎の、風紀委員会室。

「みんな、おはよう」
 朝の挨拶とともに委員会室の引き戸が開かれ、一人の女子生徒が顔を出した。
 その場にいた委員、4人全員が入口に目を向ける。
 部屋に響いたのは快活な、よく通る――耳に馴染んだ彼女の声。
 風紀副委員長、二年生の大瀬初美。
 彼女が五日ぶりに登校してきたのだ。
「……あれ? みんな?」
 だがその彼女に投げかけられたのは、挨拶の返事でも、体調への気遣いでもなく、驚きと戸惑いの視線だった。
 きょろきょろと、大瀬は室内の委員たちを見回す。
「初美ちゃん……?」
 最初に口を開いたのは、同じ二年の由姫だった。
 驚きの表情のまま、ようやくパイプ椅子から立上り、大瀬に歩み寄る。
「おはよう、由姫。……それとごめん。こんなに長く、休んじゃって」
「う……うん」
 少しばかりぎこちない様子で、由姫は返事をする。
 他の委員は皆、長机の席に座ったまま、驚きで固まってしまっていた。
 笑顔で、悠々と中に入ってきた彼女の突然の「変化」に戸惑い、どう反応していいか分からなかったのだ。
「それから、この前はありがとう。お見舞い、来てくれて」
「ああ、そんなの全然、気にしなくていいから……でも、それ、どうしたの?」
「どうって……ああ、これ? ちょっと髪形変えてみたってだけなんだけど。そんなに驚いた?」
 大瀬は鞄をロッカーの上に置いて、うしろ髪を軽く触る。
 まだ自分もあまり慣れていない、というような手つきだった。
「うん、びっくりした。だって中学の頃から、ずっと同じだったし……」
 遠慮がちに言って、由姫は見慣れていたはずの、親友の顔をまじまじと見つめた。

107H :2011/03/13(日) 20:00:26.91 ID:Gy45Mcna

 トレードマークだった短めのポニーテールは解かれ、肩よりほんの少し長いストレートになった艶のある黒髪。
 ただおろしただけでなく、軽くシャギーと先端のほうだけウェーブが入り、全体にふわっと、軽い印象になっている。
 それがもともとの背の高さと、凛とした瞳と相まって、実年齢よりもずっと「大人」な雰囲気を醸し出していた。
 これで制服でなかったら、初対面なら少なくとも大学生以上には見られるだろう。
 しかし、髪型を変えただけで、こうも印象が変わるとは……。

「前からちょっと、試してみたかったしね。由姫も何か試してみたら? 面白いかも知れないよ」
「え? あ、私はいいよ、今のが気に入ってるから……」
 両手を腰にあて、笑顔で勧める大瀬に、由姫は両手を振って応えた。
 すると大瀬はくるっと横を向いて、
「倉橋君も、思い切って伸ばしてみるとか。野島君みたいに」
「俺!? ……いや鬱陶しいんだよ、伸ばすと」
 突然話を振られた倉橋は、座ったまま、困惑した様子で応えた。
 言ってから、運動部員のごとく短く、かつ大雑把に整えた自分の髪を触る。
「まぁでも“ちょっと”じゃねーよなそれ……。なんつーか、ドッキリを仕掛けられた時ってこういう気分になんのかな……」
 そしてまた困ったような表情で、助け船を求めるように、横に視線を投げかける。
「はい、びっくりしました……」 
 倉橋に背中を押されるように、隅のほうに座っていた高崎も遠慮がちに応えた。
 今委員会室にいるのは、いつもの野島、倉橋、由姫の二年生三人と、一年生女子の高崎である。
「せっかく、髪型の校則緩いんだから。色々挑戦してみた方がいいかなって思って」
 大瀬はそういうが、髪型だけではない。
 以前とはどこかが違う……自信に裏打ちされた明るさが、彼女の表情に満ちていた。
 そして、この反応は織り込み済みであるかのように、悠然と自分の席にの方に歩いて行く。
「けど、その様子だと身体の方はもう全然大丈夫そうだな。元気になってよかった。なぁ? ……おい、お前もなんか言えって」
 今度は逆に、倉橋は正面に座る野島の方に視線を投げかける。
 席に座ったままで、野島はさっきから妙に静かだ。
「ん? ああ、そうだな……」
 言われた野島は、ゆっくりとパイプ椅子を引いて立ち上がると、妙に真剣な表情で大瀬の前に立った。



108H :2011/03/13(日) 20:01:54.14 ID:Gy45Mcna


「……野島君?」
 180センチある彼の前では、流石に大瀬も普通の女子生徒と変わらない背に見える。
 そして、由姫や倉橋が怪訝な眼で見守る中、彼は短く、
「大瀬、俺と付き合ってくれ」
 と、言った。


「えっ?」
「ちょっ!?」
「マジでッ!?」
 2秒置いてから、由姫、高崎、倉橋がそれぞれに声を上げた。
 正に衝撃の告白である。
 そして委員会室は驚愕と混乱の大きな渦に飲み込まれ……なかった。

「……いや、冗談なんだけどよ」
 その一言に大瀬以外の全員が、がくっと肩を落とした。
 大きくずり落ちた眼鏡を直して、由姫が微妙にひきつった笑みをこぼす。
「あ、あはは……ですよねー」
「おい……お前ってそういう……ギャグとか言うやつだったっけ……?」
「いや、なー。なんかこう、うまい褒め言葉が思いつかなくてよ」
「だからって告白はねーだろ……すげぇ焦ったぞ今」
 膝を叩いて、倉橋は大きく息をした。
 だが大瀬が次に発した言葉は、それらを全て覆い隠すほどの、更に衝撃的なものだった。
「ああ、びっくりした……。けど残念ね野島君。私今、付き合ってる人いるから」

109H :2011/03/13(日) 20:04:17.26 ID:Gy45Mcna


「は?」
「えっ?」
「ちょっ!?」
「マジでッ!?」

 今度こそ四者とも、鳩が豆鉄砲を食らったような顔で彼女を見る。
 衝撃の連続で、それ以上の言葉がない。
 全員の注目が一点に集まる奇妙な沈黙が数秒間続いた後、大瀬は言葉を続けた。
「……まぁ、みんな、そういう顔するだろうなー……とは思ったけどね。本当よ。つい最近、付き合い始めたの。
実は髪形変えたのって、その記念っていうのもあるんだ」
 少し照れの入った、穏やかな笑みで、大瀬はカミングアウトする。
 幸せそうなその表情が、その告白が真実であることを示していた。
「ホントに!? おめでとう、初美ちゃん!」
「すごいです、先輩! どんな人なんですか? 年上ですか? 部活は?」
 由姫と高崎が黄色い声を上げて大瀬に駆け寄ると、あっという間に委員会室は「女の子トーク」一色に染まる。
 こうなるともう、少数派の男子勢に居場所はなかった。

「だとよ。ご愁傷様」
「……おお。つうか、この展開は流石に予想してなかった。……あれ、なんで俺こんなにがっかりしてるんだろうな……?」
「まだ時間あるし、学食行くか。コーヒーくらい奢ってやるよ」
「すまねぇな……」
 ぽん、と倉橋が野島の肩をたたく。そのまま二人は中の空気に押し出されるように、委員会室を後にしたのだった。







110H :2011/03/13(日) 20:05:23.92 ID:Gy45Mcna

「……そんなことがあったんですか」
 いつきは、由姫の隣を並んで歩きながら応えた。
 まだほとんど人の気配のない、一階の廊下である。
 あまり時間がなかったため、二人はあのあと途中から、歩きながら会話を交わしていた。
「ええ。本当に驚きました、その時は。それで、近いうちにその人紹介してくれるって言ってましたし、すごく幸せそうで……
なんだかこっちまで嬉しくなっちゃって」
「そうですか。よかったですね」
 それに対するいつきの返事は、妙に淡々としていた。

(――はっ!?)

 いつきの返しと、たった今自分が喋ったこと――それを思い返して、由姫は戦慄した。
 ついこの間の出来事を、彼女は今の今まで完全に忘れていた。
 いつきの前で堂々と、
「私はあれの最中に、他の女の子のことを考えていました」
と宣言したようなものではないか!
 馬鹿正直にも程があるだろう……
「ご、ごめんなさい! ああいうときに、私……」
「いいんですよ。先輩。私もうれしいんです。副委員長さんが元気になってくれて」
「へっ?」
 眼鏡の奥のつぶらな瞳を丸くして、間抜けな声を上げる由姫。
 思慮を欠いた発言に、激高するかと思いきや……いつきは怒らないどころか、相変わらずの笑顔である。
「……?」

 腑に落ちない表情で、由姫はいつきを見ていた。
 彼女は知らなかった。
 いつきが、副風紀委員長、大瀬と既に顔見知りであることも。
 そしてあまつさえ、自分たちの秘密の一部(やや湾曲されているが)を話してしまっていることも。
 大瀬と中島が、二人の関係を知っている(やはり誤解があるが)ことも。
 何一つ、まだ知らないでいた。

 それからついでに、目標点数が達成できた時の「ご褒美」のことも、彼女は忘れていた。



111H :2011/03/13(日) 20:08:53.21 ID:Gy45Mcna

                               【4】


「ふぅ…」

 由姫は身体の熱と湿気を追い出すように、大きく息をした。 
 六時間目の授業が終わって静寂に包まれる、2−Aの教室である。
 終業のHRもとっくに終わり、教室に残っているのは由姫一人だけだ。
 放課後ではあるが、夏の太陽はまだまだ高く、白い光が教室のフローリングに照りつけていた。
 相変わらずの熱い空気が場を包む中、今週の当番である由姫は黒板消しとチョークを手に、まだ仕事をしていた。
 黒板の予定表の日付を書き換え、溝の粉を掃除し、黒板消しを窓の外で叩いてきれいにする。
 先に図書館に行って本を借りてきたので、すっかり遅くなってしまった。
 あとは花瓶の水の交換だ。
 一息ついてハンカチで汗をぬぐい、眼鏡を外してチョークの粉を拭きとった。
(こういう時間も、久しぶりですね……)
 眼鏡を外したまま、窓の外の青空を見上げる。入道雲と空の、きれいな白と青のコントラストが見ていて気持ちいい。
 今日は珍しく、いつきは一緒ではなかった。
 テストも終わって時間には余裕ができたが、今日は何か用事があるとかで先に下校している。
 ……全く残念そうな顔でなかったのが少々気になったが、深く詮索はしない。
 そして今日は委員会もない。 
 しばらく振りで、とても静かで心穏やかな放課後の時間だった。

(あれ?)
 ――と、背後で、がらがらっと教室の扉が開かれる音が聞こえた。
 こんな時間に、誰だろう。
 ハンカチをポケットにしまい、眼鏡をかけ直してから後ろを振り向く。
 そこに立っていたのは、クラスメイトの中島だった。
「忘れ物ですか? 中島さん」
 てっきり、見回りの先生かと由姫は思った。
 しかし部活も再開されているのに、何故バレー部の彼女がまだ残っていたのだろう。
 制服姿のままで。
「ごくろうさま……四条さん。ちょっと、いい? ……話があるんだ」
「え? ああ、はい。構いませんけど」

 教室の端と端で言葉を交わし、由姫は自分から中島に歩み寄る。
 その中島の顔は、由姫が知る快活な彼女とは違う……暗く、重いものだった。








112H :2011/03/13(日) 20:11:02.09 ID:Gy45Mcna

以上です。


あと謝罪。

許してくれ野島君。
本当は、君が大瀬と付き合うはずだったのにな。
しかも相方の倉橋はこのあと高崎と付き合い始めるし。
中島を出したせいで君だけ余っちゃったんだ。
本当にすまない……。

実は、一番最初の案では大瀬を救うのは野島の予定で、その話が決着した後、第三部(廃案)で
倉橋と高崎の話をするつもりだったんですよ。
6話で少しだけ二人の会話があったのは、その伏線に使う予定だったんです。
今後の予定は、本編あと2回、エピローグ的な短編1回を投下するつもりです。
話を収束させるのに、本編の方はエロシーンはあんまり入れられないかもしれません。



マギカの方の続きは、10話を見たらもう全然書けなくなりました。
途中まで作っておいて無責任な話ですが……。

113名無しさん@ピンキー :2011/03/13(日) 22:04:06.96 ID:XqIEocOS
乙!

このお話って誰が悪いわけでもないのは分かってるんだけど……
やっぱり中島さんは委員長のこと恨んでるんかな?

とりあえずおーせには幸せになってもらいたい



114名無しさん@ピンキー :2011/03/17(木) 02:17:35.79 ID:jdLZMQCy
やっぱり、いつきと由姫は欲求に素直でいいな
二人の日常はいつもエロくて興奮します、食事とかお風呂とかTV見てるときなんかも見たいです

115名無しさん@ピンキー :2011/03/22(火) 17:12:57.83 ID:Vb4X5DaG
sage

116H :2011/03/26(土) 19:22:52.47 ID:V9EEqCC8
時間のあるうちになるべく進めます。
本編11話の後半です。


中島さんは、基本的に嘘をつくとか隠し事とか苦手な人です。

117H :2011/03/26(土) 19:24:16.99 ID:V9EEqCC8


                       【5】



「――相談? ……ムリ。あんたには」

 中島一乃はショートカットの髪を掻きながら、ぶっきらぼうに返事をした。
 始業前の雑多な騒がしさに包まれる、2−Aの教室である。
 予鈴は鳴ったが、まだ先生は来ていない。
 既に大半の生徒が教室に入り、彼女の周りでも、朝のHRまでのわずかな間、携帯をいじったりテスト結果の予想について
友人と話をしたり、みな思い思いに時を過ごしていた。
 中島が喋っているのはその中の一人、後ろの席の女子生徒である。
「無理って……そんな深刻なことなの?」
「そう。だからほっといて」
 自分の机に座ったまま、顔だけを彼女――机の横に立っている大村に向ける。
 実に不機嫌そうな目だった。
「うーん……」
 大村の方もまた、困った顔で自分の頬を掻く。
 すると彼女は、膝を折り、視線の高さを中島に合わせた。
「家の問題? 親が離婚しそうとか……そういうのだったら私じゃ無理だけどさ……」
「家じゃない、学校のこと。……大村には関係ないよ」
「んー……私じゃ話し相手にもなれない? ……まぁ、いっちゃんのことだから恋愛の修羅場に足突っ込んじゃった、
とかじゃないだろうけど」
「……」
「あれ、ちょっと……まさか?」
 大村が少し体を引いた。
 そしてさりげなく、まわりで誰か聞いていないか目を配る。
 幸い前も横も、まだ席は空いたままだ。
 そして、そんな大村の様子を見た中島は、また大きなため息をついてから……観念したように、それを話し始めた。
「その、まさか。でもあんたには相談できないよ、死んでもね」
「そっか……。けど、なんか言い方トゲがあるなぁ……じゃあ誰ならいいのよ」
「ムリ。誰にも無理。他人に話すことじゃないし、自分ひとりで解決しないといけないことだし、これ……」
 そこまで喋って、中島は机に突っ伏した。
 少し前の、学食でのやり取りと全く同じ情景がそこにあった。
「んん……でもそういうのって、抱え込んでもなにもいいことないよ、本当に。助言とかできなくてもさ、話を聞いてもらうだけで
すごい楽になることだってあるんだから」
「……」
「今だってそうじゃない? 悩んでる、辛い……って、今私に喋って、ちょっとでも軽くならなかった?」
 諦めず、再度大村が話しかける……が、そこまでだった。
 ようやく先生が教室に入ってきた。
 男子も女子も、あわただしく自分の席に戻っていく。
 残念そうな顔で、大村も中島から離れた。

(あーあ、私ってなんでこう、口が軽いのかな……)
 いつものように一斉に礼をして、朝のHRが始まる。
 だが先生の言葉など、中島の耳には全く入らない。周りにこれだけ友達がいるのに、自分一人だけ他のクラスにいるような、
ひどい孤独感に苛まれる。
 誰にも言えない。相談できない。
 秘密を抱えて生きていくのは、つまり孤独に耐える事、そのものだ。
 おまけに、同じ秘密を共有する……お互いに孤独を分かち合うはずの大瀬とも、こんなことになってしまった。
(じゃあ誰ならいい……か)

 特に意味もなく、汚れが目立つ教室の天井を見上げる。
 鬱陶しいと思っていたはずの大村の言葉が、HR中も授業中も、ずっと頭から離れなかった。 

118H :2011/03/26(土) 19:25:15.40 ID:V9EEqCC8




                       【6】


「……四条さん。ちょっと、いいかな。話があるんだ」
「え? ああ、はい」
 まだ空の青い、夕方前の時間。
 放課後の2−Aの教室で、残ってクラス当番の仕事をしていた四条由姫は、突然声をかけられた。
 誰だろうと振り向いた先にいたのは同じクラスの二年生、バレー部の中島一乃である。
「構いませんけど……中島さん、練習は? いいんですか?」
 由姫は整然と並ぶ机の間をぬうようにして、自分から彼女に歩み寄り、声をかけた。
 しかし何故彼女がいるのだろうかと、心の中で首をかしげる。
 部活動の練習も始まっているはずなのに、制服姿のままで。
「ああ、部活は……急に来ちゃったからって、休んだ。ホントは違うけど、今部活に出たって、とても練習に専念できる
状態じゃないからね」
「……そうですか」
 中島は直立不動で、両手はまっすぐ、てのひらをぎゅっと握りしめている。
 近くまで寄って初めて気が付いたが、顔も何か相当に疲れているような様子だ。
 一見して、彼女がとても精神的にまいっているのは、鈍感な由姫でもわかった。
 でなければ真面目な彼女が、仮病で部活を休むはずがない。

「……なにか、難しい問題があるんですね」
「うん。それで、四条さんに相談に乗って欲しいんだ……いいかな」
「わかりました。私でよければ」
 言って、由姫は自分の胸に右手を当て、力強く返事をした。
 中島がこんな風に、誰かに助けを求めるのを見たのは初めてだ。
 何故自分に、なのかは聞かない。
 どこのクラスの誰であろうと、助けを求めてきた人の気持ちに応えるのも、風紀委員の仕事だ。

119H :2011/03/26(土) 19:26:40.50 ID:V9EEqCC8

「それで相談って、一体どんな?」
「教室じゃ、ちょっとムリ。外のベンチのとこまで付き合って」
「え? ……あ、はい」
 くるっと背を向けた中島について、由姫も教室を後にする。クラス当番の仕事は、別に後回しでもいい。
 しかし、わざわざ部活を休んでまで相談したいことがあるというのは、一体何だろう。
 ちょっと予想が付かない。
「教室だと、もしかしたら誰か戻って来るかも知れないからね……ごめん、わざわざ」
「ええ、それは別に構いませんけど」
 がらんとした放課後の廊下を、二人一列になって歩く。
 やはり中島の言葉に元気はない。
 風紀委員長の立場ではなく、クラスメイトとして心配になる。
 そして心配の気持ちと同時に――なぜか奇妙な緊張感が、由姫の胸の中にじわじわと広がってきた。
 中島とは新学期からの、まだ三カ月ちょっとの付き合いだ。
 課外活動では委員会と運動部の違いもあるし、それほど親しい仲ではない。
 かといって仲が悪いわけでもなんでもないが、学校で彼女と二人だけになったのはこれが初めてである。
(これは……何でしょう、一体)
 中島の後ろについて歩きながら、由姫は額の汗を拭った。
 何かに追い詰められたような様子の、中島の相談ごと。少なくとも、単なる学校生活の悩みとかではない気がする。
 由姫はなにか、ヤバいことを持ちかけられる気配を感じていた。
 いつきとの付き合いで身についた、動物本能的直感である。
 むしろこの状況は、あの時――いつきに初めて呼び出された日のことを彷彿とさせる。
 ショートカットの黒髪で、どことなく彼女に似た雰囲気のある中島の後ろ姿がそう見せるのも、あるかもしれない。
 よもや中島がそんなことをするはずないが、不自然な空気と言うか居心地の悪さと言うか、きな臭い雰囲気を
由姫は感じ取っていた。
 そして、ほとんど無言のまま、歩くこと数分。



「ここなら、今はあんまり人来ないし」
「そう……ですね」
 二人が立ち止ったのは第一校舎の南側昇降口から出てすぐの、緑化スペースだった。
 赤いレンガ風舗装の遊歩道に大小さまざまな植栽と花壇、大きな公園で見るようなウッドベンチやテーブルが
レイアウトされた、生徒たちの憩いの場だ。
 天気の良い日だと、昼休みや放課後すぐの時間は多くの生徒が集まって弁当を食べたりお喋りをしたりしているが、
この時間は流石に無人だった。
 中島は少し奥に入った所のベンチに腰を下ろし、その横に由姫が続いた。
 晴れ渡る夏空の下、クラスメイトと二人だけの、放課後の学校。
 蝉の鳴き声と校舎の向こうから聞こえてくる運動部の活発な掛け声が、場に漂う緊張感をいくらか和らげてくれていた。


120H :2011/03/26(土) 19:28:01.87 ID:V9EEqCC8

「……ホントはこんなこと、絶対誰にも言いたくないんだけど」
「はい」
 うつむきかげんで、中島はそう前置きを入れた。
 スカートの上で握った彼女の両手に、力が入るのが由姫にもわかった。 
「大丈夫ですよ、私、口は固いですから。中島さん……何かあったんですね? 私でよければ、出来る限り力になります」
 なるべく深刻な雰囲気にならないよう、努めて明るく語りかける。
 それは本当に、心の底から心配してのことであった。
 が、それが中島の心を逆撫でする言葉であるとはもちろん気付かない。
「誰のせいで……」
「え?」
「あ、いや、なんでもない。ごめん。……それでね」
 中島はそこで一呼吸入れる。
 そして更に前置きを重ねて、やっと本題を話し始めた。
「それで、とりあえず、驚かないでほしいんだけど」
「はい」
「私ね……今、女の子と付き合ってるんだ。友達じゃなくて、恋人同士として」
「はい」




「…………はいぃ!?」
 一度はさらっと流してしまった。
 そのまま沈黙を挟んで五秒ほども経ってから、ようやく由姫はその意味を飲み込むことができた。
 そして驚愕する。
「え…あ…ええええと……そ、そうなんですか……」
「うん。私もその彼女も、お互いに好きで一緒になったんだけどね……と、ここまで大丈夫? 四条さん」
「は……はい。大丈夫です」
 唾液と一緒に逃げ出したい気持ちを飲み込んで、由姫はなんとか返事をする。
 しかし瞬きの回数が明らかに増えたり視線の先が定まらなかったり、動揺は隠しきれない。
 それを誤魔化すために、由姫は言葉を続けた。
「中島さんの悩みって言うのは、つまり、その……女の子同士で付き合うのはやっぱりおかしいんじゃないかとか、そういう?」
「ううん、そのこと自体はいいんだ。それは」
 微妙に上ずったような声の問いかけに、中島は首を振る。
「世間一般的におかしいってのは最初からわかりきってたし、それはもう覚悟の上で付き合うって決めたんだし」
「だったら……何が?」
 由姫が続きを促す。
 と、それまでうつむいて、自分の膝と手を見つめていた中島が、ぷいと由姫の反対側に顔を向けた。
「実はこの前初めて、その……彼女と……その、あの……したんだけど。ちょっと人には言えないことを」
「えっ。 あの、それってつまり」
「うん……そういうこと。そしたら知らないうちに、その時の写真とか動画とか彼女に撮られちゃってて……それで、
“裏切ったり逃げたりしたらこれ、ばらまいちゃうよ”って感じのこと言われちゃってさ。……まぁ、言い方は半分
冗談ぽかったんだけど」
 鍛えられた背中を小さく丸めて、中島はそこまで告白して……大きく息を吐いた。
 そしてようやく、顔を由姫に向ける。

「どうしよう? これ」

 恥ずかしさで真っ赤になった頬と、うっすら涙のにじんだ瞳。おそらく碌に眠れてもいないのだろう。
 疲れ切ったその表情が、彼女の置かれた状況と、その悩みの深さとを物語っていた。
「中島さん……」
 だが、救いを求めるように視線を投げかける中島に対し、それを受け止める由姫の方もまた、複雑極まりない表情で
固まってしまっていた。
 全く他人事と思えない相談だ。あまりにも、身に覚えがありすぎる。
 むしろ驚きの声を上げなかった自分を褒めたいくらいだった。

121H :2011/03/26(土) 19:28:35.03 ID:V9EEqCC8

「あの、ちょっと……いいですか? 話の腰を折るようですが」
「……いいよ、なに?」
「ええと……なんでそれを私に? これでも一応、そういうの取り締まる立場の風紀委員やってるんですけど……」
「それは、うーん……考えたんだけどね。四条さんが、一番信頼できそうで、きちんと話聞いてくれそうだから、かな。直感で」
言って、中島は鼻の頭を掻いた。
「直感、ですか……。でも、それにしても、その……難しい問題ですね」
 由姫は唇を噛んで黙り込む。
 とりあえず、それだけ返すのが精一杯だった。
 沈黙の時間が続く。
 あちこち視線が泳ぐのを止められない。
 なるべく平静をよそおってはいるが、お寺の鐘つきのアレが心臓に直撃したかのような凄まじい衝撃から、ようやく
半分程度立ち直ったところだ。
(類は友を呼ぶって、こういうことなんでしょうか……)
 由姫の心境は複雑である。
 気が付けば膝が、小刻みに震えだしていた。
 中島が本当に単なる勘で、四条由姫という相談者を選んだのだとしたら、それはまさしく大正解である。
 だがこの場で何か、具体的なアドバイスを与えるのは非常に難しい。
 いつきとの関係を受け入れた時、いつかまた大変なことになるかもしれないと思ったが、まさかこんなに早く、こんな形で
訪れるとは夢にも思わなかった。
 アドバイスは出来なくても、何か支えになる言葉くらいはかけてあげたい。
(もし、自分の立場なら……?)
 憔悴した中島の表情を、由姫はもう一度見る。
 どこかで見たことがあると思ったら、鏡で見た、二か月前の自分の顔だ。
 あのときの……いつきに嬲られるがままだったころの自分に、もし誰か、真実を知った上で言葉をくれる人がいたなら。
 心の中に溜まったストレスを、真正面から受け止めてくれる人がいたら。
 どれほど心強かったことだろう……。





122H :2011/03/26(土) 19:29:20.14 ID:V9EEqCC8





(……あの大村の助言でってのが、どうにも気に入らないけどね……)

 一方、相談を持ちかけた方の中村は、深刻なその表情とは裏腹に心の中で悪態をついていた。
 さっきの説明はもちろん方便である。
 大瀬の想いを裏切り、トラウマを植え付けた張本人。
 本来中島にとって、今目の前にいる人間は、この事態のまさしく元凶のような存在だった。
 彼女自身に悪気も責任もないことは、わかってはいるが……それでもほんの少し前まで、二三発殴ってやりたいと
割と本気で思っていた相手である。
 それが今ではどういう皮肉か、頼りに出来る唯一の存在になってしまった。
「うーん……」
 難しい問題にどう応えたものか、同じベンチに座る由姫は両手も組み、天を仰いだり汗を拭いたりしながらあれこれ
思案している。
 このあたりは、責任感が服を着て歩いているような、いつもの由姫の姿である。
 その様子をじっと見つめて、中島は今朝の大村との会話を思い出していた。
 
 ――このまま一人で悩んでいても、どんどん深みにはまっていくだけだ。
 だったら結果はどうあれ、行動するしかない。
 一か八か、彼女に賭けてみよう。

 相談できる人間はいない。
 こんな悩みを、わかってくれる人なんかいない。
 ……本当に、誰もいないのか?
 それを考えた時、同じ教室の彼女がやっと視界に入った。
 昨日の敵は、今日の友――と言うのとは違うだろうが、少なくとも自分の境遇を告白しても大丈夫そうな人間は、
四条由姫以外には考えられなかった。
 休み時間に「今日は一緒に帰れない」という大瀬からのメールが来たのも大きかっただろう。
 中島は決断した。
 そして放課後まで、彼女は由姫が一人になるタイミングをずっとうかがっていたのである。

123H :2011/03/26(土) 19:31:54.72 ID:V9EEqCC8

(……けどホント、そうは見えないよね……)
 中島は心の中で腕組みをした。
 目の前にいる四条由姫のことであるが、実際二人で話をしても、以前からの印象が全く変わらないことに驚く。
 改めて思うが――この真面目を絵に描いたような彼女が、裏で下級生の女の子を手篭にして、あまつさえ放課後の学校で
SMプレイを楽しんでいるなどと、誰が想像できるだろう。
 さっき彼女自身も言っていた。
 自分は校内の風紀の乱れを取り締まる立場だと。
 こうして話をしていると、もう何が本当のことなのか分からなくなりそうだ。
(でも、学校でヤってたのは本当なんだし。やっぱり四条さんも最初は、誰か年上のヒトに教えてもらったとかかな……)
 つい、あれこれと想像の羽根を広げてしまう。
 それはAVとか、Hな雑誌(部の先輩の家に行った時、みんなで見た)の中だけの、虚構の世界のはずだった。
 あの日、実際にこの目で見るまでは。
(まだ人残ってるのに、スカートも下着も脱がせちゃって、女の子の大事なとこを舐めて弄って、テレビなら絶対
ピー音が入るよーな台詞連発しちゃって……)

 ……おまけに、浣腸まで。
 無理やり、うんちを漏らさせるためにおしりにイチヂクを入れるなんて。
 それも、便器じゃない所で、立ったまま……!
 読ませてもらった本にも時々そんな筋書きの小説が載ってたが、実際そういう風にアレを使うのを見た衝撃は凄まじかった。
 理解を超えていた。
 その、相手の女の子の気持ちよさそうなこと……。
 浣腸で苦しいはずなのに、我慢しながら由姫にアソコをいじられ、責められ、その度に上げる喘ぎ声が今も耳に残る。
 特に最後の、おしりでイかされるのと同時に全部漏らした時のあの叫び声は……忘れようと思っても、絶対に忘れられない。
 ついでに、自分の方に向かってうんこの塊と茶色い液体が飛んでくる衝撃映像もたぶん忘れないだろう。
 ……そして、あまつさえ。
(すんごいイイ音してたなぁ、ホント……)
 彼女の、きれいな手で。
 「お仕置き」だと言って、まるで太鼓か何かみたいに、あの一年生のおしりを平手で叩いてた時の音。
 ぱしんっ! と、廊下まではっきり響く、不謹慎ながら聞いていて気持ちいいくらいの音だった。
 それから何日間も、その幻聴に悩まされるくらいに……。
 じっと自分の手を見る。
 バレーで鍛えられ、彼女の細い指と比べて明らかにゴツいのが少し悲しい。
(私のとは、全然違うよね……)
 自分も時々、気合を入れたりするために、この手で後輩の背中をばしっと叩いたりしているが……そんなものとは次元が違う。
 理解できない。
 もし許されるなら、聞いてみたいくらいだ。
「あの子のおしりを叩いている時、どんな気分だった?」
  と……。

124H :2011/03/26(土) 19:33:22.94 ID:V9EEqCC8




「……さん。中島さん?」
「え!? あ……ごめん、ぼーっとしてた」 

 由姫の呼びかけに、中島は意識を引き戻された。
 顔を上げると、由姫が心配そうな表情でこちらを見ていた。
「やっぱり疲れているんですよ。……無理もないですけど」
「……うん、ごめん」
 赤くなった顔を誤魔化すのと余計なことを振り払うため、頭を軽く左右に振る。
 そして中島は改めて言った。
「で……これからどうしたらいいと思う? 四条さん」
「それは結局、中島さんがどうしたいか、によります」
「私が?」
「はい。中島さんはこの先も、その彼女さんと恋人でいたいんですか? それとも、こんな人とは思わなかったと、別れたいのか。
どちらです?」
 言って、由姫は座ったまま、身体を中島の方に寄せた。
 その声も瞳も、さっきとは違っていた。
 真剣そのものだ。
「……恋人でいたい。私が彼女の事、好きなのは全然変わらないから。……怖いのは、データがウイルスとかで流出しちゃったらって
いうことだし」
 少しうつむいて目を閉じ、考えてから中島は答えた。
 正直な、彼女の今の気持である。
 それに由姫は微笑んで、
「だったら答えは出ているじゃないですか。データを全部処分してって、話せばいいんですよ。恋人なら、立場はお互い対等なはずです。
それで話を聞いてくれないなら、恋人とは言いません」
「もし、いやだって言われて、仲がこじれたらどうするの」
「……どうしましょう」
 由姫は言葉に詰まってしまった。
 困った様子で、また考え込む。
 実際のところ、彼女もそれをやったわけではない。あのデータを消したのはいつきの自発的行動だ。
 他人のことを言えた立場ではない。
「とりあえず、あれが本気なのか冗談なのかって事だけでも、わかればなぁ……。おーせがもう何考えてるんだろうって、
もう全然わかんなくて……」
「えっ?」
「何? 私、何か変なこと言った?」
「い、いえ! なんでもないです」
 両手を振り、大袈裟なジェスチャーで否定する由姫。
(聞き間違い……ですよね)
 ありえない名前が出てきたような気がしたが、自分の耳がおかしかったに違いない。
 そう言い聞かせ、大きく鼓動を刻む胸を押えて、深呼吸。
 数秒間をおいてから、由姫は続けた。

125H :2011/03/26(土) 19:34:17.50 ID:V9EEqCC8

「彼女さんに、逃げないで、って言われたんですよね。じゃあいっそ、逃げてみるとか」
「……なにそれ」
「何日か学校に来ないで、連絡もしないように。それで様子を見るんです。もし脅しが冗談で、彼女さんが本当に中島さんを
好きでいるなら心配して、気遣いを見せてくれるはずです。逆に……」
「逆に?」
「その人が中島さんを、ただ自分のために拘束しておきたくて脅迫をかけたのなら、逃げるなと釘をさすんじゃないでしょうか。
それで問題の、根本的解決にはなりませんけど……でも、脅迫が本気か冗談かは、わかると思うんです」
「……本当に本気だったら?」
「その時は、その時に考えましょう、一緒に。今は少しでも前に進まないと。このままずっと、立ち往生しているわけには
いかないでしょう?」
 安心させるための、精一杯の笑顔で由姫は言いきった。
 自分にできることは、とりあえずここまでだ。
 一人じゃない。
 一緒に悩む仲間がいる。それだけで、どれだけ救われたことか……。
 中島にかけたのは、あのころの彼女自身が欲しかった言葉だった。

「ありがとう……四条さん。なんか元気出たよ。……うじうじしてるの、私らしくないし、直接言うわ。データ消してって」
「え、大丈夫ですか?」
「たぶんね。大丈夫でしょ。ちょっとこじれるかもしれないけど……喧嘩するほど仲がいいって言うじゃない?」
 ぱしっと、中島は両手で膝を叩く。
 そして大きく背伸びをした彼女の顔は、なにか憑き物が落ちたようなスッキリとした笑顔だった。寝不足で疲れた目なのは
変わらないが、少なくとも、教室で会った時のような深刻さはない。
(役に立てた、みたいですね……)
 どうやら自分の経験を生かせたようだと、由姫もベンチの背もたれに身体を預け、胸を撫で下ろした。


 ――と。
 その安堵の空気を切り裂くように、電子音が二人の間に鳴り響いた。
 無機質な、素っ気ないデフォルトの携帯電話の呼び出し音だ。
「あれ」
 ぱっと中島が自分のポケットに手を伸ばす。
 振動を確認し、ベンチから立ち上がって、彼女はスカートのポケットから携帯を取り出した。
 ……途端に、その表情が変わる。
「彼女からだ」
 言って、ちらと由姫の顔を見た。緊張がその視線を通して、二人の間に伝わる。
 このタイミングで、「本人」から電話がかかってきたのだ。
 状況を察した由姫が真剣な面持ちで見守る中、数秒だけ迷ってから、中島は通話ボタンを押した。




126H :2011/03/26(土) 19:35:17.22 ID:V9EEqCC8

「もしもし? ……うん。まだ学校。……え? 一人だけど……うん」
 何を考えたか、中島はそのまま、ベンチから数歩しか離れていないところで「彼女」と話を始めた。
 流石に相手の声は聞こえないが、由姫はここに居ていいのだろうかと迷いつつ、その会話に耳を傾ける。
 そして――そうこうしているうちに、中島があの話題を切り出した。

「ところで、あの動画のことなんだけど……うん、それ。まだ携帯に入ってるよね。そのデータ、やっぱり全部消してほしい。
あんなのなくたって、私は逃げないよ」

「え、中島さ……」
 身を乗り出した由姫に、さっと中島が左手をかざした。
 “大丈夫”のサインだ。
 由姫に聞こえる中で話を始めたのは、「この場で言う」という決意の印だった。
「――うん。そう。好きだよ。大好き。ずっと一緒にいたいって思う。……でも、ああいうのがあるって言うだけで、
ウイルスとかで流出しちゃったり……誰かにばれる可能性があるわけじゃない? それだけで、どうしても落ち着かない。
いやなんだ。だからお願い」
 場の空気が、緊張感で締め付けられていく。
 だが中島の心情を察した由姫は、そのままベンチに座って、祈るように事態の推移を見守っていた。
 中島を焚きつけたのは自分だ。最後まで付き合う義務がある。

「うん……えっ? いいの!?」

 急に声のトーンが変わった。
 携帯を耳にあてたまま、中島がまた、一瞬だけ由姫に視線を向ける。
「え? うん……明日? ……うん。まぁ、そうだけど……わかった。待ってる。……うん。ありがとう」
 そこで、二人の話は終わった。中島はゆっくりと携帯を下ろし、通話を切る。
 いい返事……だったのだろうか。
 数秒間の沈黙を挟んで、由姫が声をかけた。
「大丈夫、だったんですか?」
「……みたい。ちゃんと消すから安心して、だって」
「よかったじゃないですか! これで悩みも全部解消ですね!」
「うん。まさかこんなに……あっさりOKしてくれるなんて思わなかった。悩んでたのがホント、馬鹿みたいな……でも」
「でも?」
「その代わり、お願いがあるんだけど……だって。明日、学校で言うって」
 閉じた携帯を握りしめる。
 中島はどこか腑に落ちないような顔で、首を傾げた。


「あの……中島さん、すいません。それってなんだか、少し嫌な予感がするんですけど……」
「私もする……。なんだろう、一体」
 わずかに湿り気を帯びた風が吹き抜け、由姫と中島の髪を揺らした。
 少しオレンジが掛かってきた放課後の空の下、奇妙な見解の一致に、二人は顔を見合わせる。
 その夕空を切り裂くように、一筋の飛行機雲が、まっすぐに伸びていた。

127H :2011/03/26(土) 19:37:28.92 ID:V9EEqCC8







「――じゃあ、また明日ね。ばいばい」

 携帯を下ろして、クローズ。
 大瀬は残ったエスプレッソを飲み干して、カップを置いた。
 そして丸いテーブルの向こうに視線を向け直す。
 向かい合わせに座っているのは、同じ制服の少女である。
「OKでした? 先輩」
「そうね……明日のお昼か放課後になるけど、大丈夫だと思う。そっちの方は……」
「たぶん大丈夫です。あとは細かいタイミングだけですね。……楽しみです」
「ええ、こういう気分って本当に久し振り。協力してくれてありがとう、いつきちゃん」

 学校からは離れた場所にある、オープンテラスのコーヒーショップ。
 白い飛行機雲の伸びる同じ空の下で、二人の少女は笑顔で約束を交わした。




128H :2011/03/26(土) 19:39:02.42 ID:V9EEqCC8

 以上です。
 思ったより長くなったんで、ここで話数を一旦切ります。

 次が12話、本筋の最終回。
 エピローグと合せてあと残り2回です。

129名無しさん@ピンキー :2011/03/27(日) 07:01:21.60 ID:IYTiMQDj
>>129
GJ!
原発から避難したいけど、これ完結するまで全裸で待つよ!

130名無しさん@ピンキー :2011/03/28(月) 13:37:52.37 ID:9uqfZO4G
>>129
内部被曝は怖いからマスクだけはしておけ

131名無しさん@ピンキー :2011/03/29(火) 22:33:49.72 ID:G8UljCUd
GJ
もうすぐ完結かぁ……同じく原発が不安だが、最後まで待つ

132名無しさん@ピンキー :2011/04/01(金) 00:39:22.45 ID:vFXZzq87
http://shizuku44.blog114.fc2.com/

ここ普段は尿小説のサイトなんだが、
今日はエイプリルフールネタかスカ小説になってる。
騙されたと思って覗いてみそ

133名無しさん@ピンキー :2011/04/01(金) 03:00:19.15 ID:pt8+vAwX
>>132 期待しないで覗いて、もう賢者さ。なんだとそんな馬鹿な…

134sage :2011/04/02(土) 12:13:25.12 ID:WurR8NEV
>>132
もう見れなかったぜ…
まさか4/1に上げられてる3つがスカ仕様だったのか?

135名無しさん@ピンキー :2011/04/02(土) 12:15:32.19 ID:WurR8NEV
しょうもないミスで上げちまった、すまん…

136名無しさん@ピンキー :2011/04/02(土) 15:11:03.29 ID:Af/dfUiR
ウンチまみれで 投稿者:変態ウンチ少女 (8月10日(木)14時30分56秒)

先日、二回目になるけど例の無職のお姉さんと川原の土手でひさしぶりに会ったの。
高架の下で道路からは見えないとこだから、2人でスッポンポンになってアソコを舐めあってから私が持って来た、
いちぢく浣腸をお互いに入れあったの。しばらく我慢していたら2人ともお腹がぐるぐると言い出して69になって
お互いにお尻の穴を舐めあっていたんだけど、私もお姉さんも我慢の限界が近づいているみたいで、お尻の穴が
ひくひくして来たの。お姉さんが私のアソコを舐めながら ああ^〜もうウンチが出るう〜〜と言うまもなく、
私の顔にどば〜っとウンチが流れこんできて、それと同時に私もお姉さんの口と顔にウンチを思い切りひりだしてあげたわ。
もう顔中にウンチまみれよ。お互いにウンチを塗りあいながら体中にぬってから私がお姉さんのお尻にもう一発浣腸してから
ウンチまみれのアソコを押し付けながら腰を使いウンチを手ですくいとり、口の中に押し込むと舐めているのよ。
お互いにおしっこをかけあったりウンチを何回もぬりあい楽しんだわ。最後は69のままお互いの口目掛けてイッちゃった。
3人や4人でウンチまみれでやりたいわ。お姉さんもウンチ遊びが好きみたい。私は163*50*16、お姉さんは、
165*45*20よ一緒にウンチまみれになりたい人連絡ちょうだい。岡山県の北部よ。まあ、岡山市内ならいけるわ。
はやくウンチまみれになろうね。



137名無しさん@ピンキー :2011/04/02(土) 15:32:11.49 ID:UkjM44uH
すごく……既視感を覚えるネタですね

138名無しさん@ピンキー :2011/04/02(土) 19:18:24.96 ID:yOtFgmPw
>>134
いや、全然別のもの。
サイト名すら別のになってた

139名無しさん@ピンキー :2011/04/02(土) 23:25:08.26 ID:31nxgrXv
すげえ良かったんだがもう見られないのだろうか

140名無しさん@ピンキー :2011/04/03(日) 02:19:55.34 ID:ZOzqzbN7
誰かが保存してればみれるんじゃね

141名無しさん@ピンキー :2011/04/03(日) 02:40:04.29 ID:ELNlTpIu
見た小説ほとんどがスカトロだったから、スカトロサイトかと思ってたわ。
今日見たら完全におしっこサイトになっててびっくり。

むしろ>>132の普段はおしっこサイトっていうのがウソなのかと思ってた。


142名無しさん@ピンキー :2011/04/04(月) 10:24:09.60 ID:umIAzyys
>>141と全く同じこと思ったw



保存しとけばよかった…orz

143名無しさん@ピンキー :2011/04/04(月) 18:49:04.93 ID:DrYZSi/l
あれだけの完成度のものが1日限定公開とかもったいない

144名無しさん@ピンキー :2011/04/05(火) 01:55:28.41 ID:2LMsWlrS
ホントになんだったんだろう
あれをエイプリルフールのためだけに使うとか

145H :2011/04/06(水) 00:33:40.54 ID:p3rfhh/V
数日中に次の投下出来そうです
この次で本編最終のつもりでしたが、また前後篇に別れます…
つい書きすぎた

146名無しさん@ピンキー :2011/04/06(水) 14:11:52.45 ID:woeIaZqG
つ スカ小説界の菊○秀行という二つ名がつくくらいに完結を延ばすという選択肢
最終章前→中→最終章完結編1→2→3という感じに

腎虚でちぬかもしれんけど楽しみすぎる

147名無しさん@ピンキー :2011/04/06(水) 16:09:02.37 ID:mMG6x1q3
途中に外伝や回想録が入るとなおよし

148名無しさん@ピンキー :2011/04/06(水) 18:30:13.52 ID:UQKQODL0
なんか最近
しりネコ!の閲覧数の伸びが良いんだけど

こんなに長く一つの話書くの初めてやわ(≡ω≡.)

ぼちぼちやってこうかなと思ってます

149H :2011/04/06(水) 22:55:59.01 ID:p3rfhh/V
思ったより早く出来ました。
最終話前半投下します。


150H :2011/04/06(水) 22:57:16.83 ID:p3rfhh/V


                             【1】


 ――その日、中島一乃はひどく緊張していた。

 彼女はとある中堅の公立高校に通う二年生。
 女子バレー部所属で、ショートの黒髪と、健康的な日焼けした肌が目を引く少女である。
 7月15日、火曜日。
 夏の日差しが降り注ぐ、よく晴れた日の朝。
 彼女はある覚悟を持って、学校の門をくぐろうとしていた。

「どうせならもう、朝一番でおーせに聞きたかったけどね……」
 夏の暑さで、半袖の制服には既にじっとりと汗がにじむ。
 愛用のスポーツバッグを右肩に歩きながら、彼女はぽつりとつぶやいた。
 今日は大瀬とは一緒ではない。
 風紀の副委員長である彼女は、自転車用の西門でいつもと同じように登校者の服装や、遅刻した生徒のチェックを
しているはずである。
 今向かっているのは、徒歩通学用の正門。
 話も出来ないのに、あえて西門を使う勇気はなかった。

(……お。今日も仕事してるね)
 歩道から曲がり、年季の入ったコンクリート造りの門を抜けると、すぐに正門担当の風紀委員たちの姿が眼に入った。
 今はもう三年生はいない。
 赤の校章の二年生が白の一年生を従えて、風紀の腕章を制服の右肩に、違反者に眼を光らせていた。
 中島は軽く右手を上げてその視線にこたえる。
「……おはよう、四条さん」
「おはようございます、中島さん」
 風紀委員長、四条由姫も存在感を放ってそこにいた。
 挨拶を交わす二人。
 その中島の顔に、前のような刺々しさはなかった。
「……昨日はありがとね」
「いえ。私も、役に立ててよかったです」
 しばし、由姫の顔が委員長のそれから同じ教室のクラスメイトに戻る。
 二人の会話は、それだけだった。
「ごくろうさま、一年生さん」
 隣にいた高崎にも、中島は声をかけた。
 夏の青空がよく似合う、さわやかな笑顔だ。そのまま颯爽と、昇降口の方に歩いて行く。
 その背中には、以前の力強さが戻っていた。

(昼休みになったら、会いに行こう。……とりあえず、心の準備だけはしとこうか)
 四条に会って、緊張も少しほぐれた。
 きっと大丈夫、大したことじゃない。
 歩きながら熱気混じりの息を吐いて、中島は自分に言い聞かせた。



151H :2011/04/06(水) 22:57:48.79 ID:p3rfhh/V



「ええと……あの、四条先輩」
「はい。なんです?」
「この前の人ですよね、今の二年生の人って。仲直りできたんですね」
「仲直り?」
 人の流れが増え、騒がしくなってきた正門前。
 中島が立ち去ってからしばらくの後、一年の風紀委員、高崎が思い出したように言った。
 チェック用紙のバインダーを下ろして、由姫はしばし考える。
「……ああ、そう言えばありました、そんなこと」
 言われるまで、すっかり忘れていた。
 何日か前、妙に不機嫌な様子で自分と高崎を見ていた中島の姿を彼女は思い出す。
 あのとき「怒っていた」ように見えたのも、今考えるとあの悩みのせいだったのだろう。
 昨日の放課後、話をして良かったと、改めて思った。
(あとは……彼女さんのお願いのことですね)
 由姫は数秒だけ、背後の――昇降口の方を振り返った。もう彼女の背中は見えない。
 気がかりなことが、まだ一つ残っていた。
 盗撮動画を消す代わりにお願いがあるという、中島の彼女の言葉。
 少々嫌な予感がする。
 もし、これが自分と「以前の」いつきであれば、データと引き換えになにか新しいパターンのプレイを
強要させられていたのではないだろうか。
 由姫は何気なく、彼方の入道雲を見上げた。
(もし、あのままエスカレートしていたら……)
 先月までの、彼女とのやり取りを思い出す。
 これが出来たらデータ一つ消して上げますよ、などと言って無理難題を押し付けてくるとか、あの頃の彼女なら普通に
あり得そうだ。
 例えば出したモノを全身に塗りたくってオナニーしなさいとか、もしくは下剤を飲んでローターを仕込んだままノーパンで
朝番に立ちなさいとか、あるいは朝一番のうんちを弁当箱に、おしっこを水筒に入れて学校に持って来ることとか……。






152H :2011/04/06(水) 22:59:05.89 ID:p3rfhh/V



「……あの、四条先輩?」

「え? ああ、ごめんなさい。ちょっと寝不足で」
 額に手を当てる。
 心配そうに声をかけてきた高崎に、由姫は慌てて誤魔化した。
(……まぁ、“そういうこと”は絶対にないでしょうけど。私といつきさんじゃあ、ないんだから)
 つい、想像してしまった自分が少し悲しくなったが――気を取り直して彼女は、登校してくる生徒たちの列に視線を向けた。
 しかし心の隅には、やはり中島のことが引っかかっている。
 自分たち以外で初めて知った……女の子同士のカップル。
 それも同じ学校、同じクラスの生徒となれば、全く他人事などではない。
(頑張って下さい、中島さん)
 別に相手が誰なのかは知らなくていいが――二人のことは応援したい。
 “嫌な予感”のことも、できれば勘違いであって欲しい。
 心の中で、由姫はクラスメイトにエールを送った。


 ぷひゅっ


(んっ……あ、あれ?)
 ――と、門の向こう、生徒たちの流れに目を向ける由姫の身体が、びくっと反応した。
 思いがけず、肛門からわずかなガスが漏れ出たのである。
 反射的に手でおしりを押えそうになったのを、彼女はすんでの所で我慢した。
 大勢の生徒の前で、恥ずかしい格好は出来ない。

 ぐ……くきゅぅぅぅ……

 そして、ガスの後にやってきたのは腸内からの異音と痛みだった。
 ここ数日の便秘のせいでずっとあった違和感と圧迫感が、いつのまにか便意に変っている。
 何の前触れも無く、突然動き始めたのだ。
 由姫の直腸に溜まっていた、三日分の大便が。
(ん……と、どうしよう。こんな、突然したくなるなんて……)
 冷や汗をかきながら、由姫はさり気なくおなかをさする。
 大切な風紀委員の仕事の真っ最中だ。
 バインダーでカムフラージュしたものの、誰かに感付かれないか気が気ではない。
 おはようございますと挨拶して門を抜けていく生徒に、焦る気持ちを隠して笑顔で返事をした。

153H :2011/04/06(水) 23:00:19.33 ID:p3rfhh/V

(ひょっとして、昨日から食べ始めたヨーグルトのせいでしょうか……?)
 思い当たる節はいくつかあった。
 が、とにかく確実なのは、一秒毎に、ぐんぐんと腸内の圧力が高まってきていること。
 何日もおなかの中に抱えこんで大きくなった褐色の排泄物の塊が、奥の方から押されて降りてこようとしているのだ。

 ぐる……ぐりゅりゅ……!

(お、おなかが痛い……!)
 委員会の仲間どころか、全学年の生徒が自分の前を次々に通り過ぎていく、衆人環視の状況である。
 皆の前に立つ風紀委員長の手前、済ました笑顔の裏側は、涙目だった。
 違反者をチェック用紙に記入するペン先も、肛門に感じる大便の刺激で、わなわなと震え始めていた。
 中途半端なところで仕事を放り出したくはない。
 大したことはないだろうと朝番が終わるまで我慢するつもりだったが、まるで下剤でも飲んだかのように、じわじわと
痛みが大きくなっていく。
(薬も何も、使ってないのに……!)
 大腸の奥の方で、便の液状化が始まったようだった。
 浣腸でも下剤でもなく、ここまで大きな便意が来たのは本当に久しぶりだ。
 ……うんちがしたい。
 トイレに行って、スッキリしたい……!
 人間が普遍的に持つ、生理的欲求。
 それを、ただ責任感でねじ伏せるのには限界があった。

「た……高崎さん、ちょっと」
「はい? 何ですか先輩」
「あの……少し気分が悪くなってしまって……保健室に行ってきます。すいませんが倉橋君と、後をお願いします」
「えっ。大丈夫なんですか?」
「ちょっと休んだら大丈夫ですから。……あ……んっ……! そ、それじゃ、お願いします……」
 右腕の“風紀”の腕章を乱雑に外してポケットにしまい込み、正門に背を向けて彼女は駆けだした。
 心配そうに視線を送る高崎を振り返ることもなく。

154H :2011/04/06(水) 23:02:07.83 ID:p3rfhh/V



 ぷぶっ ぷしゅっ……
 
「はぁ……はぁ……んああ……」
 走りながら、悩ましげな声が漏れる。
 腸内で濃縮されたガスが肛門の隙間から噴き出すのを抑えられない。
 いわゆる、噴火の前兆現象が始まっていた。
 朝のラッシュアワーを迎えて、正門から昇降口までは既に大勢の生徒であふれている。
 もちろんクラスメイトや、あちこちの知りあいも中には混じっているが――今の彼女にはただの障害物だ。
 ぞろぞろと歩いて行く彼らの列をかき分けるようにして、由姫は一直線に昇降口へと走っていった。
 ……多分、もうそんなに長く我慢できない。
(早く、早く……! 急がなきゃ、早く……!)
 脳内で繰り返しながら、やっと昇降口にたどり着き、校内に飛び込んだ。
 走って直腸内の大便の塊が振られたせいか、余計に便意が高まった気がする。
 自分自身では気づいていなかったが、この暑さの中で、彼女の顔は真っ青になりかけていた。
 だが上履きに履き替え、そして再びダッシュで彼女が向かったその先は――なぜか、トイレではなかった。

(ええと……080、234……)
 彼女が立ち止まったのは昇降口を上がってすぐの、用務員室前の公衆電話だった。
 廊下のカウンターに置かれた緑色の箱の前に立って、彼女は歯を食いしばりながら緑色の受話器を持ち上げる。
 同時に財布から出したテレホンカードを挿入し、素早く、暗記した電話番号をプッシュ。
 こういうときだけは――携帯電話を持っていないことを残念に思った。
 やがてコール音が受話器から響いてくる。
 一回、二回、三回、四回。
 ……長い。
(まだ予鈴も鳴ってないんだから……出られるはずでしょう!? んんっ……!)
 大きな受話器を両手で持ちながら、もじもじと、由姫は下半身をくねらせる。
 じっと立っているのが既に苦痛だ。
 肛門だけでは、大きすぎる便の圧力に耐えきれない。巨大な塊で押されて、つい口が開いてきてしまう。
 その度に由姫は渾身の力で、ぐっ……と肛門を締め付けて大便の塊を押し返すのだが、どんなに力を入れても、それはもう
元あった場所には戻ってくれない。
 いっそおしりを手で押えつけたかったが、次々に生徒が往来するこの廊下で、そんなみっともない真似は不可能だ。
 もどかしさと便意に歯ぎしりする。
 一秒毎に大きくなっていく体内の圧迫感と便意を我慢しながら、由姫はそれでも彼女が――いつきが電話に出てくれるのを
待ち続けた。
 今日の朝は一緒ではなかったが、中島の少し前に正門を通っていて、挨拶もしている。
 この時間はもう自分の教室に居るはずだ。

155H :2011/04/06(水) 23:03:39.83 ID:p3rfhh/V

(……うそ!?)
 受話器の向こうから、ようやく反応があった。
 しかしそれは「留守番電話に接続します」の通告だった。
「そんな……せっかく我慢したのに……!」
 失望感を露わに、由姫は受話器を睨みつける。
 そして、乱暴に受話器を置いて――

「どうしたんです? 先輩。こんな時間に電話してくるなんて」

「えっ!?」
 受話器を握った格好のまま、ぱっと真横を向く。
 すぐそこに、いつきが立っていた。
 閉じた携帯電話を右手に……よく見ると少々息が荒い。
 一年生の教室からここまで、走ってきたのだろうか。
「なんで……分かったんですか?」
「えーと、まぁ、直感です」
 言って、いつきは笑った。
 ……今時、公衆電話を使って自分に電話をかけてくる相手など、由姫の他にまずいない。
 そして風紀委員は今の時間、門の所に立っているはずであり、そこから一番近い公衆電話はこの用務員室前だ。
 簡単な推理だった。
「……で、何かあったんですよね、先輩」
「あ、はい。その……」
 言われて、由姫は思い出した。
 驚きで少しの間だけ引っ込んでいてくれたようだったが、今にも中身が飛び出そうな状態は変わりがない。
 もう時間がなかった。
 由姫はいつきに歩み寄ると、一回深呼吸をして気を落ち着けてから……彼女の耳元で、静かに言った。

「……うんちがしたいんです。さっき急におなかが痛くなって……三日分全部、今にも出ちゃいそうなんです……」

 赤らめた顔で、子犬のように震えながら。
 由姫はそこまで告げると、一度言葉を切った。そして、いつきの手をそっと握る。
「それで……その、一緒にどうかな…って」
「……はい。喜んで」
 慈しむような微笑みと共に、いつきは手を握り返す。
 二人の間に、それ以上の言葉はいらなかった。

156H :2011/04/06(水) 23:05:36.53 ID:p3rfhh/V



「――じゃあ、後ろ向きに座ってくれますか? 前の時みたいに」
「は……はい」

 用務員室から一番近い、一階倉庫横の女子トイレ。
 その一番手前の個室に彼女らはいた。
 最近車イス用に改修された、二人で入っても余裕のある大きな個室である。
 そして普通教室と反対方向のここなら、予鈴前は生徒もあまり来ないはずだった。
「先輩から誘ってくれたのって、初めてですよね。……嬉しいです」
「そ、そうでしたっけ……んんっ……」
 いつきに従って、由姫は開けた洋式便器に腰を下ろした。
 言われた通り便器の水タンクを両腕で抱えるようにして、普通に用を足すのとは逆向きに。
 夏の蒸し暑さの中、両手に感じる陶器の冷たさが心地良かった。
 既にスカートもショーツも完全に脱ぎ去って、おしりも肛門も、じわっと湿った性器まで丸見えだ。
 下半身には靴下と上履きしか身に付けていない。
 苦痛と圧迫感でぶるぶると震える白い大きなおしりをいつきのほうに突き出して、由姫は排便体勢を整えた。
 便意を我慢し始めてから約十分、せき止めておくのもこの辺が限界だ。
 便座について安心してしまったのか、最後の抑えの肛門も内側から押されて盛上り、もう1センチ以上開いたまま
閉じなくなってしまっていた。
「も……いい? もう……うんちしていいですか……?」
 由姫はタンクに身体を預けたまま、振り返らずに聞いた。
 ある意味条件反射というか、二人の間のお約束的な問いかけだ。
 こんな時でさえいつきの同意を求めるのは、調教で刻まれた二人の絆と言うべきなのだろうか。
 だが、それに対していつきの返した言葉は、今までとは少し異なっていた。
「あの、もっとおしりをこっちに寄せてもらえませんか?」
「え? ……こう、ですか?」
 肛門がよく見えない、ということだろうか。
 少しおしりを浮かせて、由姫はいつきの方に――真後ろに向かって若干移動した。
「いえ、もっとです。もっと」
「……? は、はい」
 言われるがまま、ずりずりと、由姫はおしりを後ろに向かって動かしていく。
 正直、真意を測りかねる。
 これでは肛門が便器からはみ出てしまうのでは……。

157H :2011/04/06(水) 23:06:44.93 ID:p3rfhh/V

「はい、おっけーです♪」
「えっ!?」
 後ろを振り返った由姫が見たのは、便器の前――いや、突き出た由姫のおしりの前にしゃがみこんで、満面の笑みを浮かべる
いつきの姿だった。
 その両手には、長く幾重にも重ねてタオルのようにした、白いトイレットペーパー。
 つまり、彼女が言いたいのは……。

「……ちゃんと、受け止めて下さいね……」
 迷ったのは二、三秒だった。
 もう頭は、とにかく排便をしたいということ以外考えられなくなってきている。
 由姫は初めて、いつきの身体を便器に使うことを決心した。
「はぁ……ああああ……!!」
 タンクを掴む両手の指が、ぶるぶると震える。
 のどの奥から搾り出すような声を上げて、由姫は肛門の力を全て“出す”方向へとシフトさせた。
 その奥、出口からわずかに顔を覗かせて止まっていた大便の先端が、ゆっくりと動き始める。
 腸に水分を吸われ、茶色から黒へと変色しつつある、硬い巨大な汚物の塊が……。

「くぅっ! あ、ああぁ……いっ……痛いっ……」

 と、由姫が背中をのけぞらせた。
 あまりに我慢しすぎたからなのか、それとも元からか、大きく育ちすぎた大便の頭は、彼女の肛門の最大直径を
超えてしまっていた。
 予想に反し出口で止まってしまった塊が、由姫に更なる苦痛を与える。
 黒色の便塊が肛門を限界以上に拡げようとする痛みと、腸の奥で液状の便が暴れる二つの痛みが同時に襲ってきたのである。
「ああ、うそ……こんなの、やだ……!」
 おしりをゆさゆさと振ってみてもダメだった。
 直腸のサイズそのままの大便は、いくら拡張を施された由姫の肛門でも太すぎる。力を入れても、硬すぎる先端は全く潰れず、
そのまま出口に引っかかってしまう。
 まるで、いつきにアナル栓と貞操帯を仕込まれたときのような……。
「だいぶキツそうですね……手伝ってあげましょうか? 先輩」
「えっ?」
 耳元の、優しげなささやきにドキッとする。
 気が付くといつの間にか、いつきの顔賀が横にあった。

158H :2011/04/06(水) 23:08:19.43 ID:p3rfhh/V

「……イチヂク、ですか?」
「いえ、そうじゃなくて。ほら、前にもしてあげたこと、あったじゃないですか。覚えてません?」
 彼女が目の前にかざしたのは、彼女自身の手。
 指先を振りながら笑顔でピースを作るその様子を見て、由姫は思い出した。
「……はい。お願い、します……」
「ホントに、かわいいんだから、先輩」
 返事の代わりに、いつきは由姫の髪を撫でた。
 そして自分のスカートを捲り上げ、純白のショーツの奥に右手を突っ込む。
「んっ……んんっ……! はぁ……♡」
 くちゅくちゅと、淫猥な音が個室の外にまで響く。
 立ったままショーツの奥の奥を……自分の性器をひとしきりかき混ぜてから、ゆっくりと取り出した右手の指先には、
彼女自身から溢れ出た粘液がねっとりと絡み付いていた。
 いつきは、その糸を引く指先に軽くキスをしてから――由姫の半分開きかけた肛門へ、先端をあてがった。

「ん…ひっ……くああぁっ! あっ!!」

「さきっちょのうんち、かき出してあげます……。優しくしますから、ちょっと我慢して下さいね、先輩」
「ひぅう……んう……」
 いつきの秘部からあふれ出たジュースを、ローションにして。
 肛門からわずかに頭を出していた黒色の大便と、ピンク色の直腸の壁の隙間に、彼女の細い中指が滑り込んでいく。
 めりめりと音を立てて、2センチ、3センチ、4センチと……。
 一旦出かかった大便が押し戻されそうになる刺激と、一緒に体内に侵入してくる新たな異物感。
 それに反応して、下半身が脳にあげてくる苦痛と快楽。
 由姫はひたすら、固く目をつぶってその両方の波に耐えていた。
「はーい、根元まで全部入っちゃいましたよ〜」
「はひ……あ、あぁっ!?」
 病院の看護師のような物言いだった。
 続けて、いつきはその埋没させた中指を、直腸内でぐぐっと折り曲げる。
「うわ、ホントにすっごい硬い……。これじゃ、痛いはずです。ホントに三日分ですかこれ?」
 いつきは感嘆の声を上げた。
 由姫の体内にたまっていた大便の大きさ、硬さ、そして熱を指先で味わう。
 固まりかけた紙粘土に指を突っ込んだら、こんな感じだろうか?
 ここまで硬いうんちに触ったのは、彼女も久しぶりだった。

159H :2011/04/06(水) 23:09:36.30 ID:p3rfhh/V

「じゃあ、いきますよ。大丈夫、すぐ気持ちよくなりますからね〜」
「ん…ひうっ! んんっ……!」
 あえぎ声を押し殺し、ぶるぶると震える由姫の背中と肛門とを見つめながら、実に楽しそうな様子で彼女は指先を動かし始める。
 押して引いて、曲げて伸ばして、右に左に回転させて……。
 大便がいっぱいに詰まった直腸内を、その大量の大便ごとほじくりかえす。
 それはあたかも、削岩機で固い岩盤を突き崩すかのようだった。
「あ! ほら、出てきましたよ♪」
「ふぁ……あ?」
 十秒ほどすると、手のひらのほうを上にして、いつきはぴたっと手の動きを止めた。
 すると指で粉砕された大便の先端が、ようやく動き出した。
 根元までねじ込まれたままのいつきの中指をレールにして、細かい粒に分離した大便が、手のひらの上に少しずつ
積み重なっていく。
 うっとりとした表情で、彼女はその感触と臭いを心の底から楽しんでいた。
「あはは、甘納豆みたいになっちゃいましたね。……もういいかな。じゃ、抜きますよ」
「う……あ、ああっ……♡」
 言ってから中指を引き抜く。
 するといつきは、今取り出した大便の粒を、両手でぎゅっと押し固めた。
 再び一つの塊となった大便を、床に置いていたさっきのペーパーの上に、ちょこんと乗せる。
 元から彼女の手で拡張されていた由姫の肛門は、今の摘便でほぐされて一杯まで開きっぱなしになっていた。
 ……これで、準備は整った。
「はい、もう大丈夫ですよね? それじゃあ……思いっきり。三日分のうんち、出しちゃって下さい♡」
「は……はいぃ……♡」
 上ずった返事で、由姫は再び腹筋に力を入れた。
 障害物が取り除かれた。
 やっと……全部出せる。
 彼女に、受け止めてもらえる……。
 由姫もいつきも、興奮は最高潮に達しようとしていた。

「もうでる……あ…うんち出る……! お願い、私の……全部! 受け止めて下さいっ!!」

 おしりを突き出して叫んだ彼女の頭に、もう理性は残っていない。
 その言葉に、しゃがんでペーパーを構えるいつきの眼が、妖しく光った。
「あ……あ。凄い……」
 四日ぶりの排便は、ゆっくりと始まった。
 最初に、まだ中に残っていた小さな粒がポロポロと、ウサギの糞のように穴から落ちてきた。
 床に落とさないように気を付けて受け止めると、次に少し柔らかくなった――大便らしい茶色を持った塊が、一本の棒状になって
生まれ出てくる。
 一定速度で、途切れることなく。



160H :2011/04/06(水) 23:12:14.54 ID:p3rfhh/V

「ふぅ……ふぅ……んうぅっ!」
「いいですよ、そのまま、そのまま……」
 それをいつきは、さっき乗っけた先端のあとにくっつけるようにして、ペーパーの上に受け止めた。
 ずっしりと、手のひらに大便の重さと温かさを感じる。
 さらにそのまま、彼女はベルトコンベアーで運ぶように、大便がひねり出されるスピードに合わせながら横へ横へと
ペーパーを動かしていく。
 幅を取って幾重にも、タオル状に重ねたトイレットペーパーはこのためだった。
 長い長い、茶色いしっぽのような大便が、由姫の肛門からまっすぐに白いペーパーの上に伸びていく……。
 
 むりゅ……む……ぼ、ぶりゅっ!

「んああぁ……はぁ、あ……。ぜ、ぜんぶ……出ました……♡」
 全身の力が抜けていく。
 最後の最後に、半分液状化したペースト状の便が飛び出て、由姫の三日振りの排泄は終わった。
 しかし大仕事を終えた肛門は口を開いたまま、まだ元に戻らない。
 だらしなく開き、よだれを流す彼女の口元と性器に同調するように……。
(きもち……よかったぁ……)
 あまりの快感に、由姫の視界は歪んでいた。
 極太の大便が直腸と肛門の内側を擦り上げる刺激も好きだが、大量の汚物を排出し終えた瞬間の、身体がふわっと
浮き上がるような感じがもうたまらない。
 イチヂク浣腸の痛みと、一気にぶちまけてしまう爽快さもいいが……苦悶と共に、力んでゆっくりひねり出す感覚はまた別格だ。
 誇張でもなんでもなく、身体も心も軽くなった。
 生理現象に逆らって、排便を我慢し続ける苦痛。
 でも、その苦痛の元である大便が肛門を通り、体の外に出た瞬間に快楽を生むという矛盾。
 苦しみを我慢すれば我慢するほど、うんちを溜めれば溜めるほど、それは大きくなる。

 ――普通の女の子は、これを知らないんだ。
 膣やクリトリスを……アソコを弄るだけの、単純な気持ちよさなんかとは全然違うのに。
 比べることなんか出来ないのに……。

 ゆらゆらと、由姫の精神は宙を漂っていた。
 学習して、経験を積んで、初めてたどり着くことが出来る快楽の境地に、彼女は身を委ねていた。





161H :2011/04/06(水) 23:12:51.50 ID:p3rfhh/V

「……ああ、もう凄すぎですよ……♡ 臭いを嗅ぐだけで、イっちゃいそうです……」
 一方のいつきもまた、興奮で子供のようにはしゃいでいた。
 言われた通りにしっかりと両手で由姫の大便を受け止め、うっとりしながら大事そうに抱えている。
 ペーパーの巾が足りてよかった。
 この長さ、太さ、色、そして強烈な刺激臭……文句の付けようがない。
 欲しかったものが、自分の手の中にあった。
「ほら、見て下さいよ先輩♪ こーんな、立派なうんちが生まれちゃいました」
「は……ああ……?」
 いつきが由姫の眼前に、それを差し出す。
 異常な快楽の海に流され、いまだ意識が半分白濁する中、彼女は見せ付けられた大便の大きさに唖然としてしまった。
 端から端まで……軽く40センチはある。
 いつきの手のひらの上、白いペーパーに乗ったそれは、途中で切れることなく――先端と最後を除いてほぼ完璧な一本の
棒状を保っていた。
 最初の方の黒に近い茶色から、奥の方の柔らかい、明るい茶色に段々と変化していく過程が一目瞭然だ。
 太さも凄い。
 一番大きかったはずの先端は崩れているが、それでも中間部分の直径だけで5センチはある。
 それだけ自分の肛門が拡がった証拠だ。こんな巨大な汚物を自分が……。
 いつきの言った通り、とてもたった三日分には見えない。
 彼女の勧めで“便量が増えて通りが良くなるメニュー”を試してみた結果なのだろうか……?
(んっく……。うああっ……臭い……!)
 おまけにこの、鼻の神経を溶かされそうな凄まじい臭気。
 産み落とした自分でさえ、息をするたびに目元が歪む。
 他の誰かが今このトイレに入ってきたら、どんなに我慢した状態でも、驚いて逃げるのではないだろうか。
 ……普通なら。

162H :2011/04/06(水) 23:14:03.87 ID:p3rfhh/V

「あ……あたま、おかしくなりそう……」
「私もです。……一緒に、おかしくなっちゃいましょう、先輩……」
 目の前がぼやけてくるほどの、産みたての大便のにおいに包まれて。
 由姫といつきはお互いをむさぼり合うように、濃厚なキスを交わした。
 いつきが赤ん坊のように抱えるそれから発せられる気体は、二人にとって、もはや麻薬にも似た存在と言って良かった。
 唇を重ねながら、恍惚とするいつきの顔と自分の大便とを交互に見つめて、由姫の精神は言葉で表現しがたい、混沌とした
快楽の渦の中へと落ちていった。




 ――とは言え、いつまでも余韻を楽しむことは出来ない。
 廊下のスピーカーから予鈴のベルが鳴り響き、二人を現実に引き戻してしまう。
「……時間です。もう戻らないといけません」
 時間とともに快楽の渦が小さくなって、ぼやけた頭もはっきりしてきた。
 ゆっくりと唇を離し、由姫は名残惜しそうに言った。
 ぐずぐずしているとHRどころか授業が始まってしまう。
 非日常の時間は、一旦終了だ。
「はい。もったいないですけど、捨てますね、これ。……ところで、先輩」
「何です?」
「明日の放課後って予定空いてます? ちょっと、会って欲しい人がいるんですけど」

 にっこりと微笑んで、いつきはそう言った。








163H :2011/04/06(水) 23:14:37.64 ID:p3rfhh/V





                             【2】


「中島先輩、お疲れ様でしたー!」
「ん、おつかれー」

 ――本校舎の、昇降口ホール。
 時刻は太陽が傾きを増し、地面に落とした影がかなり長くなった頃。
 放課後の練習を終え、片付けを済ませて制服に着替えた女子バレー部の面々が下校しようとしているところである。
 全員、基礎練の走りこみで顔も腕もきれいに小麦色だ。
 中島の姿も、何人かの一年生グループに混じって、そこにあった。
「ん……っと、それじゃ、あたしらもそろそろ帰りますか」
「はい、中島先輩。でも……あー、やだなぁ。こんなに疲れて頑張ってるのに、テストの点数は別問題なんですよね」
「うだうだ言ってんじゃないの。こればっかりはもう宿命なんだから。ため息なんかついたってしょうがないじゃない」
 言って、中島は愛用のスポーツバッグを持ち上げながら背伸びをした。
 そして結局、自分も小さくため息をつく。
 彼女の表情には少々、練習疲れとはまた別の影が差していた。 
 テストの点は正直どうでもよかったが、例の悩みはいまだ解決していない。
(一日、おーせに会えなかったな……今日って言ってたのに)
 バッグを降ろして携帯を取り出し、着信がないことをもう一度確認した。
 ……昼休みに彼女のクラスに行ってみたが、いない。
 メールを打っても返ってこない。
 中休みはクラスの仕事があって行けなかった。
 釈然としないものを抱えたまま、中島は終業後、いつものように部活に出たのだった。
「ん? と……あれ? おーせ?」
 歩きながら携帯をポケットにしまって、視線を上げる。
 後輩と別れ、昇降口ホールの真ん中、下駄箱の二年生ゾーンに入ろうとした中島は、一人の女子生徒が反対の廊下に
立っていることに気付いた。
「おつかれさま」
 背の高い、肩までのセミロングの髪がよく似合う少女。
 大瀬だった。
 鞄を左手に、微笑んで彼女は右手を振る。
 昇降口の廊下の壁に寄りかかって、ずっと待っていたらしい。

164H :2011/04/06(水) 23:15:10.71 ID:p3rfhh/V

「待っててくれたんだ。……ていうか、メールは?」
「ごめん! 電池切れ。新品だからって油断しちゃった」
「ああ、なんだ……そっかぁ」
 軽く頭を掻く。
 それだけの事かと、中島は笑った。
「充電器借りられたの放課後だったし、委員会もあったしね……ところで、なんでそんなに離れるの?」
 近くへ歩み寄ろうとすると、中島はなぜか逆に数歩後退した。
 怪訝な様子で、大瀬が聞く。
「いや、だって……汗臭いし。今日はシャワー室使えなかったから……」
「いいじゃない。私は好きだよ、一乃の汗のにおい」
「ちょっ……だから学校でそういうのやめてって」
 臆面もなく、屈託のない笑顔で軽く言い放つ大瀬である。
 中島は慌てて後輩たちの方を振り返った。
 まだ何人か集まってお喋りを続けていたが、幸い誰もこちらを見ていない。安堵して、軽くため息を一つ。
 それを見て、大瀬はくすっと笑った。
「……じゃ、とりあえず外に出よっか。もうすぐ昇降口も閉まるし」
「うん。帰ろ」
 大瀬と一緒に、中島は二年生の靴箱の列に入る。
 日は大きく傾き、照明が付いているものの、靴箱の列の間は少し薄暗い。
 少し離れて靴を履きかえる大瀬の姿を、中島は横目で見つめる。
 元からのスタイルの良さと動作の落ち着きのせいだろうが、何をやっても絵になると思った。
(……にしても、性格変わったなぁ……。前までのおーせとはなんかもう、半分別人っぽいと言うか)
 クラスメイトだった頃の彼女と、頭の中で比較する
 あの一件で髪型を変えて以来、確かに彼女の雰囲気は変わった。
 クールで真面目一徹の「静」のイメージから、明るく積極的な「動」のイメージに。
 見た目のことだけではない。
 これまで通りの「風紀委員の優等生」であることには何の変わりもないのだが……何と言うか、軽く人をおちょくるような
発言が増えた気がする。
 今のもそうだ。
 誰も聞いてないと自分だけ分かった上で、大きな声であんなことを言う。
(けど、まぁ……いいよね。死にたいとか言ってるよりは)
 ひょっとして、PTSDをはねのけた反動なのだろうか?
 しかし比べるのも無意味だが、過去にとらわれて引き籠っていた時の彼女より、今の活発な彼女の方がいいに決まっている。
(あとはあの事さえ、何とかなればね……)
 一つの決意を固めるように、中島は下靴の紐をぎゅっと締めた。

165H :2011/04/06(水) 23:15:45.31 ID:p3rfhh/V




「――で、昨日おーせが言ってたお願いのことなんだけど。いったい、なに?」
 聞こうと決心して学校を出てから結局、15分も経っていた。
 沿道の建物がまぶしいオレンジに染まる、学校からの帰り道。
 楡の木の幹が、歩道の上に等間隔の影を落としている。
 いつもはバスで通り過ぎる並木道だ。
 夕方で本数が少なくなったので、駅まで30分、二人は徒歩の帰り道を選んだ。

「今日話すって言ってたよね? 昨日、電話で」
「ああ、うん。あのね……二つ、あるんだ」
「二つ?」
 決意を込めて聞いたものの、妙に神妙な大瀬の様子にドキッとしてしまった。
 中島は心の中で身構える。
 どうやら大瀬の方も、言い出すきっかけを掴めずにいたらしい。
 歩みはそのまま、周りに同じ学校の生徒がいないことを確かめてから、彼女は切り出した。
「まず一つ目なんだけど……私のこと、いいかげん名前で呼んで欲しい」
 言って、ぴっと人差し指を立てる。
 彼女にしては珍しい、強い口調の言葉だった。
「へ? ……あ、ああ。そんなことか……」
「そんなこととは失礼ね。恋人なんだから、そういう事もこだわりたいの。一応、怒ってるんだよ? 私。……いつ名前で
呼んでくれるんだろうって、期待してたんだから」
 言葉通り、彼女の声は不機嫌そうな空気をはらんでいた。
 気まずさを誤魔化すように、中島は頬を掻いてみせる。
「……わかった。ごめん。気付かなかった」
 中島は素直に謝った。
 “あの日”は別として、こういう、不満げな感情を隠さない大瀬を見たのは初めてだ。
 しかし、負の面を見せてくれるというのもある意味、他人ではなくなった証拠だろう。
 名前で呼ばないのはただ単に、名字で呼ぶのが当たり前みたいになっていたからだが、彼女の気持ちは尊重したい。
 中島は慎重に言葉を選ぶ。

166H :2011/04/06(水) 23:16:20.11 ID:p3rfhh/V

「けどさ、名前で呼ぶって言ったって……学校とか、人の見てるところはやっぱり名字のままがいいと思う。周りにばれないように
するんだったら、ちょっとでもカムフラージュはしないといけないんじゃない?」
「まぁ……そうね、それはあるけど。じゃあ二人きりの時とメールは、今後は名字禁止ね。それならいいでしょ?」
「おっけー。これからはそうする。……で、もう一つは?」
 笑顔で軽く返事をして、中島は続きを促した。
 この分なら、二つ目もそこまで大したことではなさそうだ。
 夏休みに二人で旅行に行こうとか、家に泊まりに行ってもいい? とか、そのくらいのレベルで――


「……歩きながらは、ちょっと。もう少しで公園あるよね。そこで話すから」
「えっ? ……うん。わかった」
 前言撤回。
 急に言葉を濁した大瀬の表情で、楽観論は吹き飛んだ。
 中島はもう一度覚悟を決め直し、その後は公園に着くまで、二人ともほとんど無言のまま歩いたのだった。











167H :2011/04/06(水) 23:20:03.15 ID:p3rfhh/V
以上です。
最終章にして、ついにいつきと同じ境地にまで達してしまった委員長なのでした。
ちなみにいつきが言っていた「前」とは5話の最初の話です。


次で後半と、エピローグまでまとめて投下出来ればと考えています。
時期については、GWまでを目途に。
……というより、GWを超えてしまったらまた仕事がとんでもないことにる時期を迎えるので、完成が間に合わなかったら
その次は11月になると思います。

168名無しさん@ピンキー :2011/04/07(木) 10:12:27.60 ID:wokiD+YX
良い仕事だ

169名無しさん@ピンキー :2011/04/07(木) 11:39:17.45 ID:2Kp9iItP
お見事です

170名無しさん@ピンキー :2011/04/08(金) 00:43:26.19 ID:m2Edrxfh
ドキドキします

171名無しさん@ピンキー :2011/04/08(金) 21:57:35.82 ID:9tPlX+9n
スカSSへのレスとは思えんな
素直に「超抜けた!」でいいじゃん

しかしスカで長編ってどうやって考えてるんだ・・・

172 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/11(月) 02:44:01.68 ID:bIukPf23
愛が感じられる


173名無しさん@ピンキー :2011/04/13(水) 22:08:57.95 ID:EXnpizaP
とうとう委員長が排泄による快楽を見出したか
GJ

174H :2011/04/14(木) 01:31:49.74 ID:12AKqq6f
いつき(15)
 「うんちを出すきってのはね、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてなきゃダメなのよ
  独りで静かで豊かで……」


皆様、レスありがとうございます。GW完成が怪しくなってきた……
中学時代のいつきの話とか書いてみたいんですけど、余裕が全くない
それ以前に元ネタわかる人がいるか心配なんですが

175名無しさん@ピンキー :2011/04/14(木) 20:45:21.17 ID:Hq5Rc3jj
>>174
元ネタ風に
うーん・・・うんことうんちで排泄物がダブってしまった

176名無しさん@ピンキー :2011/04/15(金) 20:46:47.77 ID:PXrtEFvj
>>174
 
『孤独のグルメ』ですね、わかりますわかります。


177名無しさん@ピンキー :2011/04/15(金) 23:46:11.64 ID:M1jPOrBE
このうんこを(ひり)出したのは誰だぁー!

それは至高ですねごめんなさいごめんなさい

178名無しさん@ピンキー :2011/04/17(日) 14:04:18.82 ID:URoJPgof
むしろ、『個室』のグルメかと

179名無しさん@ピンキー :2011/04/17(日) 20:01:11.69 ID:tD4hLyuS
>>個室のグルメ

 特にストーリーとかはなくて、スカ趣味のある美少女が
 学校、公園、駅、デパート等々のトイレで
「今のはいまいちだったな……緩かった。スッキリはしたけど」
 とか
「太いのいっぱい出た……♪ やっぱり“うんちする”っていうのはこうでなくちゃね」 
 とか
「今日は天気もいいし、外でうんちに挑戦してみようかな」
 とか、
 いろんな場所(自宅以外)で排便を楽しむ様子をただ淡々と描くだけの話……?


そうそう、こーいうのでいいんだよ、こーいうので

180名無しさん@ピンキー :2011/04/17(日) 23:37:05.20 ID:ApaP/pnb
自分は某キャラを本人の知らない間に便秘にして
なんででないんだろう的なネタがもえる一族です なんだそりゃ

181名無しさん@ピンキー :2011/04/19(火) 22:07:33.62 ID:rls4ld9k
自分も好みのキャラを便秘にして、あらゆる手段を使って排出させる的なネタが萌える一族です

182名無しさん@ピンキー :2011/04/20(水) 22:08:53.62 ID:lmGMZg9Q
便秘の美少女が思い切り踏ん張ってる描写ってめちゃくちゃいいよね

183名無しさん@ピンキー :2011/04/21(木) 16:26:23.08 ID:ESsDtl08
便秘もいいけどやはり下痢萌え

184名無しさん@ピンキー :2011/04/21(木) 19:40:01.21 ID:Wagg0N7l
健康的な快便も捨てがたい

185名無しさん@ピンキー :2011/04/21(木) 22:32:19.06 ID:NyQt6m9H
かわいい女の子がきったないうんこを苦しみながらひり出すギャップに興奮するのであって、
うんこに貴賎はない
ビチビチも、もりもりも、ガチガチもみんないい


ただし三次元、テメーはだめだ

186H :2011/04/30(土) 20:54:17.98 ID:Qcuym4x+
ちょっと近況。
最終回、GW中にギリギリ完成するかどうかってとこです。
ただでさえ時間がないのに、例の12話を見てしまったせいで最終回後の二次創作を書きたくて仕方がない。いけませんねぇ……。
まぁとりあえず我慢して本編のほうを書いてます。我慢しきれなくなったら浮気するかも知れません。

これだけではあれなんで、簡単な小ネタ投下。


1871レスネタ :2011/04/30(土) 20:56:20.72 ID:Qcuym4x+

 Yahoo!J○PAN知恵袋 

 幼稚園に通う娘を持つ35歳です、娘の教育のことで少し困っています・・・
 (miyaranさん)



 35歳の父親です、もうすぐ5歳になる長女が、幼稚園に通っています。
 実は娘が、トイレに行った後「いっぱいうんちすると、なんできもちよくなるのー?」などと聞いてくるのです。
 排泄についてもきちんとしつけなければならない時期ですし、私はとりあえず
「そうかそうか、ちゃんとトイレでできるようになったんだね、えらいね」
 と言ってほめてあげるのですが、ふと思うのです。

 将来的に、娘が性的に何か良くない方向に向かう可能性がなくはないかと。

 漠然とした質問で申し訳ないのですが、子供のトイレに関するしつけをきちんと行う上で「こうするべき」という意見があれば聞かせていただきたいのです。
 杞憂に過ぎないかもしれませんが、よろしくお願いします。





188名無しさん@ピンキー :2011/05/01(日) 21:11:51.22 ID:td7Qzm/c
http://corinzu.sakura.ne.jp/biguploader/src/scat2_0003.zip.html
4/1の例のアレ。黄金週間ということでひとつ!
個人的に素晴らしい作品だったので。

189名無しさん@ピンキー :2011/05/01(日) 21:27:16.85 ID:U7OhnVam
miyaranさんw

190名無しさん@ピンキー :2011/05/02(月) 01:57:00.15 ID:RkiVl506
GJ!

191名無しさん@ピンキー :2011/05/07(土) 22:45:21.83 ID:JA2GkZIx
棒を突っ込んだり、水を入れたり、汚染水を出しちゃったり、
マスクフェチ、見えない怖い物にビクンビクン、社会的にも叩かれて感じちゃう、
原子炉とスカトロって似てないか?w

192名無しさん@ピンキー :2011/05/08(日) 00:06:07.28 ID:rlI3jgPz
廃棄物を出したくても出せないってのがな……

>>188
もうそれ読めないと思ってた。ありがとう

193名無しさん@ピンキー :2011/05/10(火) 00:05:10.62 ID:bQ5DZBKM
おならしただけで、放射性物質を撒き散らすなと言われたw

194名無しさん@ピンキー :2011/05/10(火) 00:11:57.11 ID:veRKUFiX
>>193
へ〜

195名無しさん@ピンキー :2011/05/10(火) 00:28:45.00 ID:bRhWDmXU
ところで>>129は大丈夫か

196名無しさん@ピンキー :2011/05/11(水) 06:33:29.36 ID:0CsMiwNR
ここなら知っている人がいるかと思って聞いてみたい。

前、見かけた『保健室の遊戯』って言う百合スカモノのSSがまとめて置いてあるとこを知ってる人いる?

どっかで見かけたんだけど、どうしても思いだせんのよ。

197名無しさん@ピンキー :2011/05/11(水) 17:09:14.49 ID:OQRvsmGW
>>196
>>188にある分しかしらない

198H :2011/05/11(水) 22:50:11.51 ID:s4kS7hnD

 また調子に乗って書きすぎました。
 練りこみがまだ足りませんが、残念ながら時間切れです。
 最終回+エピローグを投下します。

 それからすいませんが、読む前に下の写真を見ておいて下さい。
ttp://cap.in.coocan.jp/s/1305120658148.jpg
ttp://cap.in.coocan.jp/s/1305120753108.jpg

 では。

199H :2011/05/11(水) 22:51:31.28 ID:s4kS7hnD


                              【3】



 真昼に比べれば、風も出て、幾分か蒸し暑さの和らいだ夕方の時間。
 オレンジ色に輝く太陽は日没の時間よりも早く、遠くの高層ビルの背中に隠れてもう見えなくなっていた。
 段々と、一日の終わりが近づいてくる。
 そんな黄昏時の、とある緑地公園のベンチに、二人の制服姿の少女が並んで腰を下ろしていた。

(なんだろう、この空気……)

 日が落ちていくにつれ園内で遊ぶ子供の姿は減っていったが、代わってバスケの練習に励む、大学生と思しきグループが
コートで走り回っている。
 流れていく雲と、公園の風景とを交互に眺めながら、彼女――中島はどうにも説明できない居心地の悪さを感じていた。
 木の背もたれに身体を預けて、猫のようにボールの動きを目で追う。
 学校の帰り道、ここへ二人で来て座ってから、無言のまま、もう何分が過ぎただろう。
(……聞きにくい)
 なぜか分からないが、やけに舌と口が重く感じられる。
 中島はショートカットの頭を掻いてから、視線を横に向けた。
 一緒にベンチに座っている、彼女より背の高い、長い髪の少女。
 誰あろう、同じ二年生の大瀬初美である。
 彼女らの間には、ちょうど人間一人分の隙間があいていた。
 並んで座った二人の間に存在する距離。
 それが、恋人同士であるはずの、彼女らの状況を如実に示していた。

200H :2011/05/11(水) 22:53:15.18 ID:s4kS7hnD



「で、結局なに? 二つ目って」
 深呼吸を一回してから、中島は意を決して自分から大瀬に話しかけた。
 二つあると言っていた大瀬の「お願い」のことだ。
 このままただ座っていたのでは、どうにも埒があかない。
「うん。えっとね……その……」
 だが、両手を膝の上にぐっと握って、大瀬はそれでも口をつぐんでいた。
 若干、顔を赤く染めているようにも見える。
 ……それほど、言いにくいことなのだろうか。
 本当に一体何なのだろうと、中島は不審げな眼を向ける。
(じれったいなぁ……はっきり言えばいいのに)
 膝に頬杖をついて、小さくため息を一つ。
 大きな緊張と、少しの苛立ちが中島の心を不安定にする。
 ついさっきまでの、人をおちょくるような態度ばかり取っていた彼女とはまるで正反対だ。
 どうにも煮え切らないどころか、こちらを見ようともしない。
(一体なんだろう。バレーやめて、いつも一緒にいて、とか……? いや、それはこの前否定してたっけ)

 あの日から、生理が来なくなった。……わけはない。男と女じゃないんだから。
 恋人として、両親にきちんと紹介したい。……ありそうで怖い。
 実はもうデータ流出しちゃってました、許して。……だったらちょっと、マジでヤバいなぁ……。

 視線の先の定まらない、挙動不審な彼女の横顔を眺めながら、とりあえず自分の知識で思いつく限りの候補を挙げてみる。
 結局、中島の悩みはちっとも減っていないのだった。
(大体、Hまでしちゃった仲で今更…………あれ?)
 今更言うのを遠慮しなければならないことなどないだろうに……。
 そう思った所で、彼女は一つの可能性を思いつく。
 こういう大瀬の姿に、中島は見覚えがあった。
「あのさぁ」
「なに?」
「……えと、その……こんな風に、ゆっくり二人で居るのもいいなって思って。テスト前はああだったし、テスト期間中も
あんまり一緒に居られなかったし」
「うん。そうだね……」
 笑顔で語りかける中島に、大瀬はおなじように微笑んでうなずいた。
 ほんの少しだけ、二人の間の張り詰めた空気が和らぐ。


201H :2011/05/11(水) 22:56:28.72 ID:s4kS7hnD


 ――したいの? ひょっとして。


 その一言が言えなかった。
 中島が、見覚えがあると思った大瀬の姿。
 一体何が心に引っかかっているのかと思ったら、あの二度目のお見舞いに行った土曜日、二人で入ったお風呂で見た彼女だ。
 白い両肩を震わせ、目に涙をためながら、「触って欲しい」とお願いをしてきた時の……。
 確かによく考えたら、初めての時以来、全くHしていない。
 直後にテストが始まり、例の悩みの事もあり、更にはお互いの生理も重なって、そんな気分になど全くならなかったと
いうのが原因ではあるが……。
(いや、でも、ねぇ……)
 じとっとした眼つきで、中島は頬を掻く。
 言おうとして結局、寸前でそれを飲み込んでしまった。
 ……もし、違っていたら恥ずかし過ぎる。
 もう一つの頭で無難な会話を続けて、どうにか間を持たせながら、中島は一体どうするべきか悩んでいた。
(ていうか、こういう時ってどう言って誘えば……じゃない。確かめればいいんだろう)
 ベンチに座る二人の前を、犬の散歩やジョギングする親子連れが、何人も通り過ぎていった。傍目には、高校生が二人、
ただ友人同士のおしゃべりを楽しいでいるようにしか見えないだろう。
 だが変な焦燥感に、中島は内心苛立っていた。
 自分の頭の中にこういった経験値はほぼ皆無である。
 いっそ昨日のように、由姫にアドバイスを求めたいくらいだった。

“したいの?”では……何をと聞き返えされたら困る。
 ストレートに“Hしたくなっちゃった?”じゃあいくらなんでも下品すぎる。
 どうしたらいいだろう。
(大体それ、私が言わなきゃならんの……? あのデータを持ってるんだから、いっそ強引にでも押し倒せばいいのに。
二回目の時みたいに)
 それは無理に確かめるようなことではないのかもしれない。
 だがこんな中途半端な気持ちでは、家に帰れない。




202H :2011/05/11(水) 22:58:42.14 ID:s4kS7hnD


“わかるよ。この前の時と、おんなじ顔になってる”

“えっ そんなに私、Hしたいっていう顔してた!?”

“馬鹿。なんでメールだとストレートに言っちゃうかな。……せっかく気をつかって、そういう言葉使わないようにしてたのに”

“ごめん。でも口じゃ言えないよ。恥ずかしい……”

“私をベッドに押し倒す度胸はあるのにね”





(……ん?)
 無言の会話は、そこで途切れた。
 音が聞こえない。
 中島が横に目を向けると、大瀬は携帯を握りしめ、また真っ赤になってうつむいていた。
 ……ついさっきの、強気な姿とは似ても似つかない。
 まるでお見舞いに行った時の、元気を失っていた彼女の様だ。
 大瀬の中に、正反対の二人の彼女が同居している。
 性格の二面性……ひょっとしたら、PTSDの後遺症かもしれない。

(……ていうか、これがあれと引き換えにするほどの“お願い”だったとはね……。まぁ、それだけ大事に想われてる、ってことか)
 やれやれ、といった表情で中島は携帯をスカートのポケットに仕舞う。
 色々と思うところはあったが、結局、彼女は以前と変わったわけではない。
 それだけはわかった。
 中島は座ったまま、大瀬との距離を縮め、身体を寄せた。
「遠慮なんかしなくたっていいじゃない。恋人なんだから。それに、別に男と女じゃないし。妊娠とか気にしなくていいし。
もっと気軽に言えばいいんだよ」
 そして肩に、そっと手を置いた。
 公園に来た時からずっとあった二人の間が、ようやく埋まる。
 恋人というよりも、むしろ小さな兄妹をあやすかのような口調だった。

「で、どうする? したい? したくない?」
「……したい」
 視線は合わせないまま。
 大瀬は自分の手だけ、肩の中島の手に添わせる。
「じゃあ、決まり」
 その、弱気な彼女の手を中島は、ぎゅっと握り返した。



203H :2011/05/11(水) 22:59:39.17 ID:s4kS7hnD


(……仕方ない、か)
 会話を続けたおかげで、固かった大瀬の表情もだいぶ和らいできたようだ。
 彼女との“世間話”が一区切りついたところで、中島は自分の携帯を取り出し、操作を始めた。
「あれ?」
 二分後、大瀬がスカートのポケットに手を入れた。
 真新しい携帯が振動し、メールの着信を彼女に告げる。


“初美のお願いって、先週の土曜日と同じこと?”


「……!」
 受信メールを開き、本文に目を通した大瀬は、何とも言えない複雑な表情を浮かべた。
 視線は画面に釘付けになっている。
 中島は彼女の返答を待たずに、二通目を素早く作成して、また送信した。


“違ってたらごめん。でももしそうなら、私もしたい。”


「テストも終わったし。ストレス解消にさ」
 メールに続けて、中島は言った。
 両手を頭の後ろに背伸びをして、彼女も大瀬の方は見ていない。
 だが、やがてカチカチと文章を打込む音が、かすかに耳に届いてきた。
 そのまま待つこと数十秒。
 返信は、一言だけだった。



“なんでわかっちゃったの?”


(……やっぱりか)
 その返事で、何故かちょっと安心した。
 今まで変に身構えていたのが、なんだか馬鹿に思えてくるような……。
 中島はまた、その返事を打つ。

204H :2011/05/11(水) 23:01:29.43 ID:s4kS7hnD


“わかるよ。この前の時と、おんなじ顔になってる”

“えっ そんなに私、Hしたいっていう顔してた!?”

“馬鹿。なんでメールだとストレートに言っちゃうかな。……せっかく気をつかって、そういう言葉使わないようにしてたのに”

“ごめん。でも口じゃ言えないよ。恥ずかしい……”

“私をベッドに押し倒す度胸はあるのにね”





(……ん?)
 無言の会話は、そこで途切れた。
 音が聞こえない。
 中島が横に目を向けると、大瀬は携帯を握りしめ、また真っ赤になってうつむいていた。
 ……ついさっきの、強気な姿とは似ても似つかない。
 まるでお見舞いに行った時の、元気を失っていた彼女の様だ。
 大瀬の中に、正反対の二人の彼女が同居している。
 性格の二面性……ひょっとしたら、PTSDの後遺症かもしれない。

(……ていうか、これがあれと引き換えにするほどの“お願い”だったとはね……。まぁ、それだけ大事に想われてる、ってことか)
 やれやれ、といった表情で中島は携帯をスカートのポケットに仕舞う。
 色々と思うところはあったが、結局、彼女は以前と変わったわけではない。
 それだけはわかった。
 中島は座ったまま、大瀬との距離を縮め、身体を寄せた。
「遠慮なんかしなくたっていいじゃない。恋人なんだから。それに、別に男と女じゃないし。妊娠とか気にしなくていいし。
もっと気軽に言えばいいんだよ」
 そして肩に、そっと手を置いた。
 公園に来た時からずっとあった二人の間が、ようやく埋まる。
 恋人というよりも、むしろ小さな兄妹をあやすかのような口調だった。

「で、どうする? したい? したくない?」
「……したい」
 視線は合わせないまま。
 大瀬は自分の手だけ、肩の中島の手に添わせる。
「じゃあ、決まり」
 その、弱気な彼女の手を中島は、ぎゅっと握り返した。



205H :2011/05/11(水) 23:04:22.67 ID:s4kS7hnD


                                 【4】



「車いす用の中って、こんな風になってたんだ……」
 大きな白い扉を開けると、自動的に天井の照明が灯った。
 その空間を見渡して、感嘆の言葉を漏らしたのは大瀬である。
 中に入ると、自分の鞄を両手で抱えながら、きょろきょろと物珍しそうに視線を走らせる。
 身障者、あるいは小さな子供を持つ母親用の、複合多目的トイレ。
 この2.5メートル四方の大きな個室の中に入るのは、彼女は初めてだった。
「うーん……まぁ普通は入らないよね、ここ」
 応えながら彼女の後ろで中島は、入口の引戸にカギをかけた。
 そして手慣れた様子で、おむつ交換用の台を降ろして自分のスポーツバッグを置く。
 二人はさっきのベンチから少し歩いたところにある公園内のトイレまで来て、誰も見ていないのを見計らってここに入ったのだった。
「入った事あるの?」
「一番下の弟の子守で、何回か。男子トイレになんか入れないし、女子トイレに男の子連れ込むのもなんかアレだし」
「ふーん…。初めて入ったけど、秘密の部屋って感じだね」
 言って、大瀬は鞄を中島のバッグの隣に置く。
 確かにこの正方形の部屋の中は、普通のトイレにはない、珍しいものの宝庫だった。
 母親用の授乳台に、乳児を乗せるための椅子、可動式のごちゃごちゃした手摺と操作パネル付きの洋便器。
 白を基調とした、清潔感のある衛生器具が機能的に配置されている。
 そして、何故かシャワーヘッドと大きな鏡の付いた、便器のような違うような……ぱっと見、よくわからない設備まで。
「シャワーまであるけど……これもトイレなの? なんのため?」
「ああ、一応それもトイレなんだって。おむつ交換の時に、汚れた赤ちゃんのおしりをシャワーで洗ったりとか。ほら、
そこに小さな子供乗っけるイスあるじゃない?」
「ああ、なるほど……」
 そのシャワーヘッドに軽く手を触れ、感心した様子の大瀬だったが、実は中島は嘘をついていた。
 掃除用シンクが洗面台と合体して変形したようなその設備は、人工肛門装着者が用を足すためのもの。シャワーは
人工肛門装具一式を洗うためのものだ。
 赤ちゃん用の便器などではない。
 だが、こんなときにそんなことを馬鹿正直に言う必要もない。
 彼女自身、できれば知りたくなかったことだ。
「なんかすごいね、ここ」
「ムードもへったくれもないけどね。けどマンガみたいにホテルとか行ける訳ないし、家は家族がいるし……ここで我慢して」
「気にしないよそんなこと、私は。一乃と……その、えーと……できるなら、どこでも」
 恥ずかしそうに背を向けながら、この期に及んでなお口に出すのを拒む大瀬だった。 

 ……と、その彼女の腕を中島は強く掴んだ。
 そのまま強引に抱き寄せ、キスをする。


206H :2011/05/11(水) 23:07:34.69 ID:s4kS7hnD

「ん……あっ!」
 そしてもう片方の手で、大瀬の乳房をまさぐる。
 制服の上から、手全体で包み込むように……。
「全くもう。あんた学校の中と外でキャラ変わりすぎ。さっきは私の汗のにおいが好きとか、何の遠慮もなしで平気で
言ってくれてたくせに」
「それは、だって……あっ……!」
「だったら私も遠慮しないよ。初実の望み通り……犯してあげる!」
 さっきまでの優しい顔とは違う、不敵な笑みを浮かべて。
 大瀬の身体を白いタイルの壁に押し付け、右手をスカートの下からその奥へと侵入させる。
 左手はそのまま、小さく円を描くように、控え目な彼女のふくらみをもみしだき続ける。

 ――全く、もう。
 Hしたいなら、したいって言ってくれればそれで済んだのに……。

 こんなことのためにあれを使い、もったいぶって……それで何日も悩まされたのかと思うと、急に腹が立ってきた。
 ひとつ、仕返ししてやろう。
中島はそう思った。
「ほら、ここでしょ? いじって欲しかったのは」
「ん……うんっ……」
 伸ばした人差し指の先に、シルクの滑らかな感覚が伝わる。
 乳房と同じ、柔らかさと弾力とが同居する彼女の局部……その大事な部分を覆うショーツの上を、中島は指一本でなぞっていく。
 だが突きたての餅をこねるような、ねちっこい左の手つきとは逆に、下はそっと……過剰なくらいに優しく触れる。
「やだ、いじわるしないで……!」
 快感の期待を焦らされ、大瀬の表情が、“逆の苦痛”に歪んだ。
 股間に触れる中島の右手は、すりすりと、本当にさわるだけの軽いタッチで表面を撫で続けている。
“痒いところ”を、引っ掻くどころか逆にくすぐられているようなものだ。
「なに? えっちしたいって言えないくらい、真面目で純情な初実だったら……このくらい優しくしてあげるのがちょうど
いいんじゃないの?」
 もちろん、その反応は織り込み済みである。
 意地の悪い笑顔で、中島は返した。


207H :2011/05/11(水) 23:09:20.75 ID:s4kS7hnD

「ああ、もう……ごめん! 謝るから! ほら……わかるでしょ? もうおっきくなっちゃってるのが……」
「……あ、ほんとだ。見つけた」
 ぴた、と中島の指先がその場所で止まる。
 指先を前後させてショーツの表面をなぞっているうちに、彼女の股間のある一点がぷっくりと、できものか何かのように
膨れているのがわかった。
 そっと、上から押してみる。
「んっ……そう! そこ……!」
 布地の上からでも、密着した胸の鼓動にリンクして――その突起がびくびくと脈打っているのが、指先を通じて中島に伝わる。
 彼女の身体の、一番いやらしい部分……。
 そこが、刺激を欲しがって肥大化している。
「私の、クリトリス……直接触って欲しい。いっぱい弄って欲しい。おねがい……!」
「……よく言えました。じゃ、下全部脱いじゃおっか」
 その言葉に、大瀬は無言で頷いた。
 ひととき二人は離れ、同時にスカートとショーツを脱ぎ去る。
 脱いだものは、棚のカバンの横にたたんで置いた。
 外と切り離され、閉鎖された小さな世界の中で。
 二人の少女が下半身の全てを無防備に晒しながら向かい合う。
 服を脱いで、大事な部分を他人に見せつける……非日常の世界への入口だ。
「やっぱりきれい……毛も薄いし……いいなぁ。プールとかでも、ほとんど手入れとか必要ないでしょ?」
「言わないでよ、恥ずかしい……!」
 目の前に存在する大瀬の性器を目の当たりにして、素直な感嘆の声が漏れた。
 靴と靴下だけはそのまま、下半身全裸で床にしゃがみ込むと、中島はまじまじとその部分に見入ってしまった。
 これほどじっくりと彼女の――いや、他人の女性器を見たのは初めてだ。
 知らず知らずのうちに、自分の鼓動も高鳴っていく。
「あはは、かわいいなぁ。クリトリスだけ、こんなにおっきくなっちゃって」
 逆三角形の局部の真ん中、縦一文字に閉じた美しいクレバス。
 その先端に、鮮やかなピンク色の丸い突起だけが、ちょこんと包皮から顔を出して露出していた。
 その下の割れ目の奥からは、むわっと、なんとも表現できない……むせるような匂いが溢れてきている。
 膣口から滲み出した彼女の愛液の匂い。……発情した、女の匂いだ。
 もう待ちきれない、と無言で訴えていた。
「……おねがい」
 潤んだ瞳で、大瀬が両手を差し出す。
 今度は中島が、黙ってうなずいた。
 立ち上り、また大瀬の身体を壁に押し付けると、右手を再び彼女の股間に――



208H :2011/05/11(水) 23:10:10.38 ID:s4kS7hnD

「ふ……んうっ! ん、あああっ……!」
 密着した中島の身体を両手で抱き締めて、大瀬が身体を大きくのけぞらせた。
 細い指がピンクの突起にねっとりと絡みつき、1オクターブ高い嬌声が部屋の中に響く。
 あの日以来、彼女がずっと待ちわびた瞬間だった。
「そ、そこ……もっと……♡」
 抱きしめる腕に、更に力が入った。
 中島の左手は大瀬の右肩に。
 そしてその指先がクリトリスを、肉の割れ目の奥をこすり上げるたび、大瀬の身体がびくびくと波打った。
(……こんな感じかな? もうちょっとゆっくりかな……?)
 快感に身体を震わす大瀬の様子を見ながら、中島は指先の動きを調節する。
 前回は本当に勢いだけでやってしまったし、まだまだ背中には初心者マークが付いたままだ。指先に大瀬の愛液をたっぷりと
絡ませながら、前回同様なるべく一定のペースで大瀬の性器を愛撫していく。
 もちろん、クリトリスとその周辺を特に入念に……。
「だっ……だめぇ……! 声、出ちゃう……♡」
「ちょ、ガマンしてよ、ヤバいから」
 大瀬の顔と口元が快楽に歪む。
 それを、強引に自分の唇を重ねて黙らせた。
(危ない……でも、これならもっと……)
 安心した中島は、徐々に指の動きを激しくしていく。
 往復びんたのように、さきっちょで弾く。
 一本の指の内側全体を使って、やすりがけするようにこすり上げる。
 時に親指と中指で、ぷっくり膨れたそこを、優しく押しつぶすように……。
 細い指の先端でクリトリスを愛される、その度に密着した大瀬の身体がしなるように震え、そして溢れる粘液の量も増えていった。

「はぁ、はぁ……あ、も、もう! いっ……く…い、あ、ああああああ…………♡」
「え!? あっ……おっとと」
 突然、痙攣とともに大瀬の身体から力が抜け、ずるずると膝から崩れていきそうになる。
 それを中島が慌てて支えた。
 二つの腕で支えられたまま、大瀬はうつろな瞳で快楽の余韻に浸っている。
(あれ、ええと……なんか唐突だったけど。……とりあえずおっけー、なのかな?)
 これで、二回目。
 うまくやれるか不安だったが、どうにか満足させてあげることが出来たようだ。
 中島は彼女の身体を抱きかかえて、洋便器に座らせる。
 そして一息ついて手を洗ってから、そのきれいな髪を軽く撫でた。
 

209H :2011/05/11(水) 23:11:28.28 ID:s4kS7hnD



「……一乃」
「ん? なに?」
 大瀬は便器の横の手摺で身体を支えながら、かすれるような声で呼んだ。
 中島は腰を折って、彼女と同じ高さに視線を下げる。
 すると大瀬は伏し目がちに、授乳台に置かれた自分の鞄を指差した。
「私の鞄の中……右下に入ってる小さい箱、出して」
「カバン? ああ、いいけど」
 ぱっと、踵を返すと、中島は台の上に放り出してあった学校指定の鞄を手にとった。
 口を開け、教科書やノートが詰まった、その脇の隙間に言われた通り手を突っ込む。
 すると確かに、手のひらサイズの小さな紙箱があった。
 何だろうと思いながら取り出して――中島はその箱の正体に、数秒ほど固まってしまった。
「……え? 何? これって……!」
 青字に白のラインで十字が切られた、パッケージデザイン。
 出てきたのはイチヂク浣腸30ccの紙箱だった。
「え、ええと……一乃? これを、どうしろと……?」
 土曜日の思い出が、中島の頭の中にフラッシュバックする。
 パッケージを手にしたまま、妙にぎこちない動きでゆっくりと、大瀬の方を振り向った。
「それを……私に、入れてくれない?」
「え? ……って、便秘だったの? ひょっとして」
「……うん。二日前くらいから、全然」
「なんだ、そっか……でもそういうのは、自分でやった方が安心するんじゃないの?」
 とん、とイチヂクの箱を台の上、鞄の脇に置いて中島は言った。
 自分も授乳台にもたれかかり、一休みする。
 元々、弟たちで下の世話に慣れているのに加えて、あの惨劇の後始末までしたのだ。
 もはや今となっては、浣腸を頼まれたくらいで彼女は動じない。
 ただ、
“もう一回、一乃に浣腸させて”
 ということなのか……と思って少しドキドキしてしまったのは内緒である。


210H :2011/05/11(水) 23:12:13.13 ID:s4kS7hnD

「……やだ。一乃に入れて欲しい」
「ええ? なにそれ、なんかちっちゃい子みたいよ、その言い方」
 ぷいと顔をそむけ、駄々をこねる子供のようなその物言いに、中島は軽く笑った。
 二人とも下半身丸出しのまま、奇妙な会話が続く。
「子供だもん。……子供でいさせてよ、一乃の前でだけは」
「初実……?」
「……甘えさせて。大好きなあなたに……。これが私の、本当のお願い」
「そっか……ごめん。ずっと、無理してたんだね……」
 そう言って、中島は大瀬を抱きしめた。
「嬉しいよ。そうやって、本音を聞かせてくれる方が。学校での、強がってるかっこいい初実も好きだけど。甘えんぼの、
かわいい初実の方が、私はずっと好き」
「……本当?」
「うん。本当だよ。……それに、私の方が年上なんだから。遠慮なんかしないで、思う存分お姉さんに甘えちゃいなさい! ね?」
「……ありがとう。でも年上って、たった二週間じゃ」
「言わないの、そーいうのは」
 無粋な突っ込みを、キスで黙らせた。
(甘えたい……か。かわいいじゃない)
 そして期待と恥ずかしさの両方に胸を熱くする大瀬の目の前で、イチヂクの封を開けた。
 画像データの事も、人をおちょくるような言動の数々も……考えてみれば悪戯ざかりの、小さな子供のやるようなことだ。
 建前も体裁もプライドも、何もかも脱ぎ捨てた本当の自分を受け入れて欲しい。
 そんなの、恋人なら当然の願いごとだ。

211H :2011/05/11(水) 23:13:56.71 ID:s4kS7hnD



「……ん、入ったよ。じゃあ……うんちいっぱい出して、スッキリしよっか?」
「うん。……イチヂクで、私のおしり……綺麗にして。出すところまで、全部見てて……!」
 便器に座ったまま手と手を握り合い、二人は微笑んだ。
 傍らの床には、口のあいたイチヂクの紙箱。
 洋便器に腰かけて、大きく脚を開いた大瀬の肛門には、ピンク色の容器の先端が既に挿入されていた。
 ……それをつまんでいるのは、中島の右手。
 あとは彼女が、その指先に少し力を入れるだけだ。
「ほんとに、何年振りだろ。他人のおしりに浣腸入れるなんて」
 中腰で、大瀬の股間に腕を伸ばした少々間抜けな格好で、中島は笑った。
「え? ……初めてじゃないの?」
「一番下の弟と、二番目の妹にね……。前に話したじゃない? お母さんが忙し過ぎて、兄弟の子守やってた事あるって」
「そうなんだ……やったこと……ん、んんんっ?」
 “初めてじゃない”
 という中島の言葉に、少しばかり残念そうな目をしたその瞬間だった。
 ピンクの筒先から透明のグリセリン溶液が直腸内にほとばしり、大瀬はつないだ中島の手を強く握り返した。
 不意打ちの刺激に、ほんの少し液が外へ飛び出てしまったが、あとは絶対に漏らさないよう、腹筋に力を入れて肛門を締め付けた。
「おなか、熱い……」
「ほら、見てよ。これだけ……今初実のおなかに入っちゃったよ」
 入れてすぐに、便意は始まらない。
 ほんのわずかな平穏の時間、大瀬は恋人にグリセリンを注入される背徳感に身をよじらせる。
 その眼前に、中島は指でつぶされた、ピンク色の容器を晒してみせた。
「私が初めてじゃないのが嫌なの? ……本当、子供なんだね。初実って。こんなに大人っぽくて、かっこいいのに」
 そしてそれをすぐ、ぽいと床に放り投げて――彼女は意地の悪い笑顔で、大瀬の耳元に口を寄せた。
 その一言一言に、大瀬の背筋がぞくぞくと震える。
「うん……! 一乃の前でだけだよ、こんなの……こんな私を見せられるの……」
「ふーん。じゃあ、ちょっと左向いてくれない? 身体ごと」
 中島は握っていた手を離し、身体をひねるジェスチャーを見せた。
 ここは通常の、狭い洋式の個室ではない。
 大瀬が座っている洋便器は、左右両側に介護者が付くスペースがある。
「えっと……こう、でいいの?」
 グリセリンが漏れないよう気をつけながら、彼女は指示通りに左へ――中島が背中側に来るように、90度身体を動かした。
 ……何をするつもりだろう。
 両手を太腿の上に、そう思っていると――突然、自分の身体が宙に浮き上がった。

212H :2011/05/11(水) 23:15:23.85 ID:s4kS7hnD

「え!? ちょっ……何!?」
 白いタイルの壁が見えていたはずの視界に、天井の電灯が写っている。
 一瞬、何が起こったのか分からなかった。
 中島は、何も言わず――いきなり背後から大瀬の太腿の下に両手を回すと、そのまま力任せに彼女の身体を
持ち上げてしまったのである。
「い……よいしょっと!」
 胸と腰で背中を、両腕で両脚を支えながら。
 部活で鍛え上げた腕力と下半身のバネに物を言わせて、彼女はそのまま、大瀬を抱きかかえた状態で立ち上がってしまった。
 現役バレー部の、面目躍如である。
「うそ、ねぇ、なに!? なにするの!?」
 あわてる彼女の腸内で、浣腸がじわじわと効き始めてきていた。
 不意に液が飛び出ないよう気をつけながら、大瀬はじたばたと脚を動かして抵抗する。
 だが中島は意にも介さず、彼女の身体を持ち上げたまま数歩、横に移動した。
 例の、シャワーが付いた謎の便器の真正面である。

「何って……きちんと子供扱いしてあげてるんじゃないの。……ほら」
「え……ええっ!?」
 言われて、前を見て……そこで大瀬は気付く。
 自分が今、どんな恥ずかしい格好で拘束されているのかを……!
「ああ、やだっ! やめてよ、こんなの……!」
 見た瞬間、彼女は目をそむけて顔を両手で隠してしまった。
 今中島が立つ真正面には、大きな鏡。
 そこに映っているのは自分だ。
 両脚を折った状態で持ち上げられ、ぐいっと左右に大きく開かれて……腰から下、大事な部分が丸見えになっている、
あられもない姿の……。
 恥丘の茂みも、いじられて愛液にふやけた性器も、健気に便意に耐える小さな肛門も、すべて。
 上半身は学校の制服を着たまま、下は靴と靴下だけ履いたままなのが、また一段と卑猥さを高めている。
 およそ考えつく限り、女の子として一番恥ずかしい格好である。


213H :2011/05/11(水) 23:17:31.64 ID:s4kS7hnD

「まぁ普通はあんまり覚えてないと思うけど。初実だって子供の頃、こんな風にしてもらったことあるんじゃないかな?」
「うそ、“子供扱い”って……こんなの、恥ずかし過ぎる……!」
 その中島の言葉で、ようやく意味がわかった。
 幼稚園や小学校1年生くらいのときに、トイレを親が手伝うような――いわゆる“小さな子供におしっこをさせるポーズ”を
自分は取らされたのだ。
 それも、鏡の真正面で。
 この格好で、抱きかかえられたまま脱糞しろと中島は言っているのである。
「降ろして、お願い……い、あ…ああああああっ……」

 ぐる……きゅうぅ……!

 だが抵抗する余裕は、もうなかった。
 イチヂクの注入から既に数分。
 時間の経過と共に腸内に浸透したグリセリンで、便意が急上昇していく。
 この格好では脚を閉じて耐える事も出来ない。
 下手に体をゆすったら、それだけで中身が全部出てしまいそうだった。
「あ、そろそろうんち漏れそう? ほらほら、ガマンなんかしなくていいんだよ? 子供なんだったら、全然恥ずかしくなんかないよね?」
 持ち上げた大瀬の肩越しに、中島は鏡を見ていた。
 ピンクに充血した性器のすぐ下で、大瀬の小さな肛門がひくひくと動くのがはっきりとわかる。
 流石というなんというか、人間一人を持ち上げ続けながら、中島はまだまだ余裕の表情だった。
 自分の素っ裸の下半身も一緒に見えているのは、流石にもちょっと恥ずかしかったが……。
「でも、でもこんなところで……! せめてトイレでさせて……!」
 身動きの取れないまま。
 卑猥なポーズを取らされた大瀬は、高まる便意を必死で我慢しながら、涙目で懇願した。
 股間の向こう、自分のおしりの下には白い陶器製の器が見えるが――どうしても、それが便器だとは思えない。
 目の前には鏡と水栓と、壁付けのシャワーユニット。
 これではまるで風呂場か……洗面台に向かって排便しようとしているようだ。
「えー? なんか勘違いしてるみたいだけど……これもトイレなんだよ? ちゃんと、大の方。本当だって」
「……いいの? ここでうんちしちゃっていいの?」
「おっけーだよ。大丈夫、私が許す! ……見せてよ、初実の一番恥ずかしいところ」


214H :2011/05/11(水) 23:21:18.11 ID:s4kS7hnD

「うう……もう、知らないよ!」
 大瀬は覚悟した。
 恥ずかしさと、不安と、浣腸の便意とか頭の中で混ざり合い、もう正常な思考が出来なくなりかけていたが……。
 どのみちもう、限界が近い。
 ちょっとでも動いたら全部出てしまう……。
 だったら子供らしく何もかも放り出して、言われるままにここでぶちまけてしまおうと思った。
 彼女が、いいと言ってくれている。
「んっ……んんんっ……!」
 決壊寸前の彼女の肛門から、ぽたぽたと、茶色に染まったグリセリン溶液が垂れる。
 大瀬は顔を隠すのを止めて――代わりに、両脚を掴む中島の手の上に、自分の手をそれぞれ添えた。
 そして更に背中を丸めて、股間をぐっと前に突き出す。
「出る……出るよ! もう……! もう我慢できな……あ! ああああああああ……」


 ぴゅっ……ぶしゅっ!
  ……ばちゃっ! むぼっ……ぼしゃぼしゃっ………どぼっ……!!


 心の準備が終わるのと、その瞬間がやって来るのとは、ほとんど同時だった。
 便意に負けて括約筋の力を緩めた途端に、下品な音を立てて汚物の塊が彼女の肛門から次々に生まれ、飛び出していく。
 清楚でかわいらしい、彼女の性器のすぐ下で。
 丸二日間溜まっていたこげ茶色の大便が、浣腸でぐちゃぐちゃになった状態で滝のように……。
 落ちていく大便は、持ち上げられたおしりと便器との大きな落差で、滝つぼに爆ぜて盛大な音を立てていた。
「んっ……あ……! ま、まだ出るぅ……!」
「うわ、すごいいっぱい出るね……。いいよ。全部絞り出すまで、付き合ってあげる」
 浣腸の苦痛と排便の快楽、その両方が、大瀬の声と体を震わせる。
 小さくつぼみのようだった美しい肛門は、もう見る影もない。
 中島に見られながらの……四度目の脱糞。
 その瞬間、大瀬の頭は完全に真っ白になっていた。
 不安もストレスも、自分を守るためのプライドも。
 全てが大便と、大便が溶け込んでべとべとになった浣腸液と一緒になって、おしりの穴から排泄されていく。
 家の廊下で、風呂場で、ダイニングで……今まで、中島の前で脱糞した時の記憶も一緒になって、彼女の精神を異常な快楽へと
導いていった。


215H :2011/05/11(水) 23:21:50.80 ID:s4kS7hnD


 ぴしゅ…… ぴちゃっ……


「全部……出ちゃった……」
 ようやく、最後のひとしずくまでしぼり終わった。
 身体を抱えられたまま、半分放心状態で、大瀬は言葉を紡ぐ。
 こげ茶色の濁流がおさまった後、黄色いおしっこの放物線を描いて、おなかの中にはもう何も残っていない。
 脱糞と失禁の迸りがようやく終わったあとには――真っ白だったはずの陶器製の器は、見るも無残に茶色く汚れていた。
 前と、後ろ。
 苦痛と快楽、背徳感と解放感とをむさぼり、それぞれに涎を垂らす大瀬の性器と肛門は、どこか満足げだった。
「いっぱいうんち出せてよかったね。……じゃ、降ろすよ。拭いてあげる」
「……うん」
 優しく告げ、ゆっくりと彼女の身体を床に下ろした。
 そして大瀬は言われるまま壁に手をついて、お尻を突き出す。
「ごめんね……こんなことさせちゃって……」
「何よ、今更。お漏らしの後片付け3回もした仲じゃないの。……四条とあの一年生もやってたし。もう慣れちゃったよ」
 謝る大瀬に、中島は軽く笑った。
 むわっと、個室には大瀬の大便の強烈な臭いがたちこめている。
 が、普通なら嫌悪感を覚えるこの匂いにも、もうすっかり慣れてしまった。
 むしろ子守をしていた中学時代を思い出して、懐かしくすら感じる。
 言いながら彼女は、トイレットペーパーで浣腸液に汚れた肛門と、ついでにぬるぬるになったままの性器も優しく拭った。
 そして大瀬が便をぶちまけた所へ一緒に放り込むと、洗浄スイッチを押して全部一気に洗い流した。
 ついでに壁に飛び散った便の飛沫まで、丁寧にふき取る。
「はい、おわり。きれいになったよ」
「……ありがとう。じゃあ……お返し、してもいい?」
 振り返ろうとしたところで、ふいに大瀬が後ろから中島に抱きついた。
 両手を中島の肩に、ぐっと身体を密着させる。
 鍛えられたその背中に、彼女の胸の弾力を伝えるように……。
「次は、私がしてあげたい。いいでしょ……?」
「……うん」
 耳元をくすぐる、熱い吐息と優しげな声。
 今度は中島が、顔を赤くする番だった。




216H :2011/05/11(水) 23:22:58.23 ID:s4kS7hnD



「ええと……これでいいの?」
「……あ、ごめん、もうちょっとバックして。……うん、おっけー」

 二人の声が部屋の中に響く。
 中島は、大瀬の指示に従って洋便器にゆっくりと腰を下ろした。
 ただし普通の座り方ではない。
 後ろが大瀬で、前が中島。
 一人で使うはずの洋式便器に、二人同時に――まるでバイクのタンデムシートのごとく縦に並び、密着して座っている。
「……で。何がしたいわけ? これ」
 変な座り方のまま、ぐいっと身体を後ろにひねって、中島が聞いた。
 下ろしたおしりを大瀬の脚の間に挟まれながら、中島はちょこんと便器の前半分に、両脚を閉じて腰かけている。
 そして相変わらず、二人とも下半身だけ全裸のままだった。
「ん〜と、一乃の背中ってなんだか安心するんだよね。それにこの体勢だったら一乃のおっぱい揉み放題だし……それにね」
 にこにこと、上機嫌で大瀬は答えた。
 それと同時に、右手をさりげなく、壁付けのシャワーユニットの方に伸ばす。
「……え?」
 いぶかしむ中島の脚を、後ろから左手でぐいっと開いて。
 局部を露出させると、ホースを引っ張り――手に取ったシャワーヘッドを、彼女の股間に滑り込ませた。
「……あっ!? ちょ、つめた……んっ……あ、あああっ! な、なにこれ……!」
 びくっと、電流が流れたように中島の背筋がしなった。
 最初だけ、冷たい水に驚いたが――股間にあてがわれたヘッドから適温に調整されたお湯が流れ始めると、その優しい愛撫に
細い身体をよじらせる。
「……こういうことが、できるからだよ」
 得意げに答える大瀬の言葉はほとんど届かない。
 瞳を歪ませ、横の手摺を強く握って中島は快感に耐える。
 シャワーの水流による、性器への刺激。
 初めての感覚だった。
 頬を染め、喘ぎ声を漏らす彼女を実に楽しそうな笑顔で見つめながら、大瀬は左手で操作パネルのスイッチをいじっていた。
 便座に座ってなら、床も足も濡れない。
 この部屋の中に入って、シャワー見たときから、できないかと考えていた事だった。


217H :2011/05/11(水) 23:24:18.58 ID:s4kS7hnD

「気持ちいいでしょ、これ……ウォシュレットなんかと全然違うもんね」
「ひっ……? は……あ、あああっ……!」
 返事が出来る状態ではなかった。
 やっと慣れてきたところで、また少し水流の強さが上がる。
 快感の波に腰全体が浮くように、勝手にあの部分が反応してしまう。
 そして、逃げられない。
 ただ便座に座っているだけ、身体を拘束されているわけでも、なんでもないのに……。
「私ね……これ大好きなんだ。シャワーのお湯で、アソコ洗うの。お風呂行ったらいつも、ついやっちゃう。声を我慢するのが大変だけど」
 その反応に満足したように、大瀬は彼女の頬にキスをする。
 快感に身を捩じらせる中島の表情を見ながら、壁の総合操作パネルで、大瀬はシャワーの水流や温度を微妙に変化させていった。
「はあっ……! あっ、ああああ……♡」
「あ、これが気に入った? じゃあ……」
 声のトーンの変化を聞き逃さない。
 左手をパネルから離し、これでようやく中島の胸を触れるようになった。
 片手では少々やりにくいが、二人羽織のように後ろから手を回して、中島の制服のボタンを外していく。
「脱ぎかけって言うのも、なんかえっちでいいよね……あれ? 手伝ってくれるの? 一乃」
「……もう、じれったいのよ! ていうか、脱いでほしいなら脱げってひとこと言えばいいじゃない……」
 喘ぎ声の代わりに、文句が漏れた。
 言いながら、中島はシャツもスポーツブラも、着ていた物全部をぱぱっと脱いで手摺にひっかける。
 相変わらずの早業だった。
 これで靴と靴下以外、身につけるものは何もない。
 部活で日焼けした肩と首周り、そして白いままの胸の艶やかさが美しく映える。
 スポーツブラで抑えつけられていた彼女の豊かな乳房も、ようやく本来の曲線とボリュームを取り戻した。
「ありがとっ。じゃあ、いっぱい……こねてあげるね」
「んんっ……! あ、ああっ……♡」
 宣言するのと同時に、左手全体を使って乳房をぎゅっともみしだく。
 髪を撫でてあげたいところだったが、今は両手がふさがっているので、代わりに日焼けした首筋に舌先を這わせた。
 もちろん右手は休むことなく、シャワーで性器への愛撫を執拗に続けていく。
「気持ちいいなぁ……本当。なんで、一乃のおっぱいって触ってるだけで幸せになるんだろ……?」
 うっとりとしながら、大瀬は手を動かし続ける。
 素直なその気持ちが、自然と言葉になって口からこぼれた。
 汗まみれの中島の背中に密着しながら、その匂いと胸の柔らかさ、そして彼女の喘ぎ声を堪能する。
 さっき自分がされていた時とはまた違った幸福感が、大瀬の控え目な胸の奥に溢れていた。
 実際の所、オナニーで自分の胸をもむ時の手触りと弾力と、全く何の変わりもないはずなのに、全然違うと感じてしまう。
 きっと、大きさという魔法のせいだろう。


218H :2011/05/11(水) 23:25:10.00 ID:s4kS7hnD

(ん〜……腕があと二本あったらいいのに)
 上と下、片手ずつなのがもどかしい。
 二つの手でアソコとおしりを同時にいじりながら、残った二本の腕でおっぱいをもみしだくところを想像する。
 中学の修学旅行、博物館で見た阿修羅像をふと彼女は思い出した。
 だが、ないものは無い。
「物足りなかったら、自分で触ってもいいんだよ?」
 手を動かし続けながら、少し申し訳なさそうに、彼女はささやいた。
 しかし、中島はそれに反発する。
「……いや。それじゃオナニーと同じになっちゃう。……それよりさっきのイチヂク、一個残ってたよね」
「えっ……うん、そこにあるけど」
「それ、私に使って。……前みたいに」
 数秒、大瀬は返答に詰まってしまった。
 あまりに意外なその言葉に、しばし愛撫の手も止まる。
「……無理しなくてもいいよ? ていうか、そんなこと言われるなんて全然思わなかった」
「ムリなんかしてない。私も、初実と一緒がいい。……駄目なんて言わないで。ねぇ、いいでしょ……?」
 震える手先を伸ばし、中島は自分の乳房を弄る大瀬の手を掴む。
 彼女らしからぬ、潤んだような声で……。
「……うん。わかった。……してあげる」
 そして、大瀬も。
 さっきとは打って変わった神妙な口調で、彼女の言葉に応えた。
 そして……床に放り出されていたあの紙箱が、拾い上げられる。
 言葉は不要だった。
 中島は無言で立上ると、両手で、自分のおしりをぐっと左右に押し広げる。
 イチヂク浣腸を、受け入れるために……。
 鍛えられた両脚が、緊張と興奮とでがくがくと震えていた。
「……いくよ?」



219H :2011/05/11(水) 23:25:50.70 ID:s4kS7hnD


 ぷちゅっ…… ちゅうぅぅぅ……

「ん……うんっ……!」
 閉じた肛門に深々とイチヂクが挿入され、中島はさっきの喘ぎ声とはまた違った、悩ましげな声を上げた。
 カプセルに封入された空気と一緒に、グリセリン溶液30ccが彼女の体内に飲み込まれる。
 便秘でもなんでもないのに、ただ脱糞するために浣腸を入れる。
 それも、自分からイチヂクのおねだりをして。
 公園のトイレの中で、裸になって、女の子におしりを向けて……。
(もう……頭が変になりそう……!)
 腸内に侵入してきた異物感に、感じるのは嫌悪ではなく、純粋な興奮だった。
 女の子同士でお互いに浣腸を入れあいっこし、脱糞するのを見せ合う……あまりに背徳的なシチュエーションに、中島の頭は
許容量をはるかに超える脳内麻薬で犯されていた。
「ね、私にも見せて。一乃の、一番恥ずかしいところ……」
 大瀬はつぶしたカプセルを床に置くと、自分も残った服を全部脱いだ。
 そして便器から立ち上がり、汗まみれの身体で、震える中島を正面から抱きしめる。
 大瀬の胸の中に包まれながら、彼女は消え入りそうな声で言葉をつむいだ。
「……見ててくれる? ……見せちゃっていい?」
「いいよ、もちろん。だって今まで、何回も私の見てくれたでしょ? ……これもお返し。嬉しかったよ。私と一緒がいいって、
言ってくれたの……」
 涙目ですがりつく中島に、自分も本音で語りかけた。
 大好きな恋人と一緒にいる幸せが、その胸の奥に溢れる。
 幸福感の反対側でずっと天秤にかかっていた、彼女が離れていくかもしれないという恐怖も、もうない。
 きっと彼女は、何があっても一緒にいてくれる……。

220H :2011/05/11(水) 23:27:48.12 ID:s4kS7hnD


 ぐる……く…きゅうぅぅ……

「あ…あああっ……! きた……も、もう、私……!」
 急激に高まる便意と興奮とで、甲高い、声にならない叫びが漏れた。
 グリセリンの刺激にほとんど慣れていないせいもあるが、もともとシャワーの愛撫でかき乱されていた中島の理性では、
浣腸の刺激に長くは耐えられない。
 絡み合った二人の足もとに、薄茶色に染まった液体が数滴落ち、ぱっと弾けた。
「それじゃあ……こっち来て、おしり乗っけて」
 ゆっくりと身体を離し、大瀬は中島を横に誘導する。
 その先は、さっき彼女が脱糞したあの便器だった。
 一緒がいいと言った、中島の言葉に答えたのである。
「んっ……はっ……! はあぁ……!」
 だがその足取りは、生まれたての子馬のようにおぼつかない。
 肛門の中身がこれ以上漏れないように、内股でおなかを押えながら、一歩一歩……。
 グリセリンが腸内で暴れる刺激で、彼女の視界は段々と白濁しつつあった。
 限界が、一気に近づいてくる。
「こ……これでいい……? あっ……あ、駄目っ!」

 ぷっ… ぷちゅちゅっ…

 たった数歩の行程をやっとのことでたどり着き、上目遣いに、大瀬に言った瞬間だった。
 つま先立ちになり、後ろ向きで、気力を振り絞って便器におしりを乗せた……その途端に、グリセリンと便の混じったものが少量、
肛門から飛び出てしまった。
 間一髪床を汚さないですんだが、もう本当に我慢の限度が近い。
 ……今すぐ排便をしたい。うんちの塊ををぶちまけたい。
 駄目だ。まだしたくない。
 大きな洋式便器に、便座を上げたまま座ったような格好で、相反する二つの心に中島は必死で耐えていた。
 そして歯を食いしばり、脂汗を全身に流す彼女を、再び大瀬が両腕に包む。
「……がんばったね。いいよ、もう。何もかも、我慢しなくて……」
 慈悲に満ちた、その言葉と一緒に。
 穏やかな笑顔で、大瀬はその唇にそっとキスをする。
 それが、最後の扉を開ける鍵だった。
「うん…見てて……くっ、あ……あ、あっ! 駄目、もう出……」


 ぶ……びっ! ぶびゅびゅっ……! びしゃっ!! どぽっ!!



221H :2011/05/11(水) 23:30:17.23 ID:s4kS7hnD


「………く、あ…ああああああっ……!」
 抱きしめた大瀬の背中に、中島の爪が食い込む。
 太い大便の奔流がほとばしったのは、ほんの一秒か二秒の間だった。
 ずっと肛門を押さえつけていた内向きの力が瞬間的に押し出す方向へ転換され、猛スピードで飛び出た塊が便器の水面を
一気に茶色く染め上げ、飛沫が激しく飛び散った。
 まさに決壊、という表現がぴったりと当てはまる……。
 そしてまたこげ茶色に汚れた便器とは対照的に、彼女の視界は白一色に染まっていた。
 ゆっくり排泄する時の刺激とはまるで違う。
 いつもは時間をかけて味わう排便の快感が、一瞬の内に凝縮されて脳へと駆け上がってきたのだ。
 雷に打たれたような、その巨大な快楽の波に抗うことは不可能だった。
 理性はもうない。
 遠慮も何もなく、絞め殺さんばかりに力いっぱい大瀬にしがみついて、彼女はその刺激に必死で耐えていた。
 直腸に溜まっていた大便を出し終えてなお、浣腸でにじみ出した腸液と軟便がどろどろのペースト状になって、ぽっかり
口をあけた肛門から休み休み……少しずつ排出されていく。

「はあっ……! あ、ひぅうっ……!」
「いっぱい出たね……かわいかったよ、一乃」
 未だ止まない便意と排便の快感に、鍛え上げられた細身の身体がひくひくと痙攣していた。
 そして大瀬は、極限の快楽と苦痛に身をよじらせながら自分にしがみつく中島に、優しく声をかける。
 背中に食い込む爪も、締め付けられる身体の痛みも気にならない。
 あの日、自分がしてもらったように……。
 その痛みで少しでも彼女と、苦しみを分か合いたかった。

 だが――そのうちに大瀬は、中島が泣いている事に気付く。

「ふ……うぅ……ふぇぇ…… うぇええ…… もう、最低だ……あたし……」
「えっ、なんで? ……どうしたの?」
「今、私……うんちした瞬間、思いっきりイっちゃった……。もう完全に変態だよ……お嫁に行けないよ……!」

 子供に戻ったかのように、中島は大瀬の胸で泣きじゃくった。
 言葉をかける代わりに、大瀬は彼女の乱れた髪をそっと撫でる。
 裸のまま抱しめあい、心と心で感じ合いながら……。
 その彼女たちの足元で、つぶれたイチヂクのカプセルが二つ、同じように仲睦まじく寄り添っていた。








222H :2011/05/11(水) 23:32:01.02 ID:s4kS7hnD



                             【5】



「もう、あんなに月が高い……」

 疲れ切った瞳で、中島はすっかり暗くなった空を見上げた。
 たっぷりと行為を楽しみ、後始末をして個室から出てきた二人を出迎えたのは、夜空に輝く白い三日月だった。
「うん、きれいな月……。すっかり遅くなっちゃったね」
 隣に並んで、大瀬が言った。
 いくら夏と言えども、流石にこの時間は完全に日も落ちる。
 急いで家に帰らないと、“部活が長引いた”で誤魔化すのにも、流石に限度がある時間だ。
 もちろんもう、公園内の目に付く場所には他に人の姿は全くなかった。
「ま、しょうがないよ。……帰ろう」
 言って、大きなため息をつきそうになったのを、中島はなんとか我慢する。
 いくら若いとは言え部活の、激しい練習の後である。
 気持ち良かったし、色々スッキリもしたけれど、その代償の疲労感も半端ではない。
 体中、お互いの汗と唾液と涙その他がたっぷりと染み付いて、べたべただ。
 まだ熱の残るその身体に、幾分か涼しくなった夜の風が心地よかった。

「ねぇ……一乃」
「なに?」
 中島はふっと、振り返る。
 歩きだそうとして、後ろから大瀬に制服の袖をひっぱられていた。
「時々でいいから、また……イチヂク使って遊ぼうね」
 頬を染め、上目遣いで大瀬はお願いをした。
 中島と同様疲れてはいるが、水銀灯に照らされるその瞳はむしろ、さっきよりきれいになっているような気がした。
「え? ええと……うん。時々、ね」
 苦笑しながら、中島は彼女の手を取った。
 ……正直、それしか答えようがない。
そのまま水銀灯の光が照らす暗い園内の道を、二人で駅の方へと歩いていく。
 この時間、この暗さなら、女の子同士で手をつないで歩いても、問題ないだろう。
 通行人はほとんどいない。

223H :2011/05/11(水) 23:33:40.40 ID:s4kS7hnD

(あーあ……もう完璧、あの二人と同類になっちゃった……)
 だが中島の胸中はやはり複雑だった。
 レズで、同じ学校に恋人がいて、その上二人とも重度のスカトロプレイにはまってしまって……冷静になって考えると、
頭がくらくらしてくる。
 正直言って、救いようがない。
 周りにバレたら人生終了レベルの爆弾を抱えてしまった。
 画像データのことだけは、解決したけれど……。
 涼しげな夜の風に吹かれながら、中島は今更ながらに事の重大さを考てしまう。
 二人とも無言のまま、つないだ手の中だけがやけに熱かった。
「……ねぇ、一乃」
 公園を抜けて、静かな住宅街の通りへと出る。
 まばらな街灯の下、ゆっくりと歩いていると、またふいに大瀬が話しかけてきた。
「なに?」
「……大好き」


「……ふっ…。は、あはははっ!」

「え!? 何その反応……なんで笑うの!? 私今、すっごい真剣だったのに!!」
「ごめんごめん。ちょうど、私も……そう言おうと思ってたところだったんだ。あんまりタイミング良かったから、つい」
「ええ〜……なにそれ、嘘っぽいよ。それに笑ったのは事実なんだから……ペナルティーだよ。もうひとつお願い、聞いてもらうからね」
 中島の前に立ちふさがるようにして、びしっと、大瀬は右手の人差し指を立てた。
 どこかで見覚えのある、彼女の仕草。
 反対の手は腰に当て、鋭いまなざしを向けるその姿はまるで、学校の……風紀の副委員長の彼女、そのものだった。
「お願い……ああ、うん。わかった」
 そして実際ウソなので、中島は何も言えない。
 よくもとっさにこんな言い訳が出てくると、自分に驚いたくらいだった。
(大好き、か……。ホント、現金な女だったんだ。私って)
 さっきまであった不安も、心の中のよどみも何もかも。
 今の大瀬の、たった一言できれいさっぱり吹き飛んでしまっていた。
 呆れるくらいに単細胞な自分自身を、彼女は笑ったのだ。
 そんなこと言えるはずがない。
「……で、なに?」
「そんな、大したことじゃないんだけどね。明日の放課後、ちょっと時間作って」
「明日か……いいよ。何があるの?」
「ちょっとね、会って欲しい人がいるんだ。私の友達なんだけど」
 言って、彼女はいつもと変わらない、やわらかな笑顔を浮かべたのだった。






224H :2011/05/11(水) 23:34:10.85 ID:s4kS7hnD


                            【6】



「ん〜…………。なんでだろ、すごい緊張する……」

 翌、水曜日の放課後。
 大瀬との約束通り、昇降口横の緑化スペースに中島はいた。
 学校の中でも一番緑の多い、休み時間は学年を問わず多くの生徒が集まる場所である。
 この時間なら太陽の光も校舎に遮られ、よく風も吹くので外でも割と過ごしやすい。
 彼女は一人、いつもと同じ制服姿で。
 足を組みながらベンチに腰掛け、ぼんやりと空を見上げていた。
 ちなみに、一昨日、由姫と一緒に腰かけていたのも同じベンチである。
 夕方ではあるが、流石にまだ日は高い。
 目の前には抜けるような清々しい夏の青空が広がるも、彼女の胸中はあまり穏やかではなかった。
 もっとも、大瀬と恋仲になって以来、本当の意味で心穏やかに過ごせた時間などないに等しかったが……。
 グラウンドの方から聞こえてくる運動部員たちの掛け声をBGMに、はるか遠くの飛行機雲を中島はぼんやりと眺める。
(なんか、引っかかるんだよね……)
 終業のHRから時間も経ち、クラブ活動のない生徒はほとんど帰宅してしまっている。
 そんな時間に、ある人を連れてくるからこの場所で待っていて欲しい、という大瀬の言葉が気にかかっていた。
 一緒に会いに行くのではなく、連れてくる。
 自分の知っている人かそうでないかさえ、聞いても教えてくれなかった。
 何やら嫌な予感がする。
「けど、まぁ、OKしちゃったしなぁ……」
 軽く背伸びを一回。
 どうにも落ち着かないが、ここで座っているしかない。
 中島はハンカチで汗を拭きつつ、携帯をいじって時間を潰した。

「……ごめん、お待たせ!」
 アプリのゲームにも飽きてきた頃、背後から耳に慣れた声が聞こえた。
 ベンチに座ったまま、その方向を振り向く。
 校舎の曲がり角……渡り廊下の所から、こちらに手を振る大瀬の姿が見える。
 アプリを閉じて携帯の画面を見ると、きっちり約束の時間通りだった。
 そのまま外へ出て、彼女は煉瓦調の歩道をこちらに歩いてきた。

225H :2011/05/11(水) 23:34:48.98 ID:s4kS7hnD

(……ん? あれ……)
 そしてこっちも軽く手を振ろうとして――中島は首を傾げる。
 歩いてくる大瀬の後ろに、同じく制服姿の女子生徒が一人。
 こちらの視線に気づくと、その少女は歩きながらお辞儀をして見せた。
 だが少なくとも、自分の知り合いではない。
 彼女は中島のいるベンチの手前まで来ると、大瀬と一緒に立ち止まる。
「……一年生? この子のこと? 昨日言ってたのって……」
 立ち上がり、ベンチを挟んで向かい合いながら、中島は尋ねる。
 やはり見覚えのない生徒だった。
 胸の名札と校章の色は白、確かに一年生だ。
 背は自分より一回り小さい、見た感じは文科系の……名字は「らんみや」と読むのだろうか?
 笑顔がかわいい、珍しい名字の女の子だ。
「……あれ? おーせ?」
 しかし、大瀬は質問に答えない。
 何か意味ありげな笑顔で、無言で中島の隣に来ると、連れてきたその一年生に自分も向かい合った。
 そして、そのまま。
「なに? ちょっと……」
「紹介するね。彼女が、今付き合ってる私の恋人。中島一乃」
 さらりと言って、大瀬は中島の肩をぽんと叩いた。


「え、えええええええええええええええええええええええ!?!?」


 胸の奥の奥から絞り出すかのような絶叫があたりに響き渡った。
 衝撃と混乱と焦燥とが、電流のように中島の頭を駆け巡る。
 それがひと段落したところで、顔面蒼白になりながら、彼女は大瀬に詰め寄った。
「ちょ…ばっ……ばかーっ!! 絶対秘密だって言ったじゃないっ……!」
 一気に1リットルくらい、全身から汗が噴き出したような気がした。
 あまりのショックに両目を思い切り見開いて、中島は大瀬の両肩をがしっと掴む。
 一体何を考えての行動なのか、さっぱり理解できない。
 だが、当の大瀬は実に愉快そうな顔で、にこにこと微笑むだけだった。


226H :2011/05/11(水) 23:35:33.59 ID:s4kS7hnD

「いいのいいの。この子は知ってるから。ね? いつきちゃん」
「はい! 素敵な人ですね……おめでとうございます、大瀬先輩!」
「知ってるって……ちょっと、なにそれ、どういう……」
 完全に二人から置き去りにされ、中島はうまく言葉を結べない。
 中島は、さっぱり事態を飲み込めずにいた。
 混乱のあまり、おどおどと……視線の先も全く定まらない。動悸もずっと激しいままだ。
 いつきから煌めくような祝福の笑顔を送られても、ただ困惑するばかりである。
 むしろそのエネルギーに満ち溢れた笑顔に気押されそうだった。
「大丈夫ですよ、中島先輩。心配しなくても、私も同じですから」
「同じって……何が?」
 明るさいっぱいのいつきと対照的な、血の気の引いた顔で中島は聞き返す。
 その中島に、いつきも自分を指さしながら秘密を暴露した。
「私も、女の子の恋人がいる女の子、なんですよ。同じ秘密を持っている仲間です。だから安心して下さい」
「ま、そういうこと。ごめんね、一乃。ちょっとびっくりさせようと思って」
「そ……そうなんだ……?」

 ――だったら最初にそう言ってよ……。

 中島は両手で胸を押えて、特大のため息をついた。
 なんで大瀬にそんな知り合いがいるんだとか、その前にそれは本当なのかとか、色々と言いたい事を飲み込んでの一言である。
 とりあえず一安心……していいのだろう。多分きっと。
 しかし自分たちとあの二人の他に、まだそんなのが存在しているとは、本当に夢にも思わなかった。

「私が大瀬先輩と知り合ったのは、少し前のことなんですけど。人に言えないことですから、私も正直に色んなことを話せる仲間が出来て、
すごく嬉しいんです。だからどうしても、私も挨拶しておきたかったんです」
 言葉通りの嬉しそうな顔で、いつきは中島の両手を取った。
「どうしても紹介して欲しいって頼まれて、断れなくて。……ごめんね、一乃。驚かせすぎちゃった?」
「いや、うん、それはもう……それはもうわかったけど……」
 力なく両手を拘束されたまま、中島は困惑から抜けきれないでいた。
 後できちんと、大瀬に話を聞く必要がある。
 しかし、それにしても、周りに知り合いが誰もいなくてよかった……。







227H :2011/05/11(水) 23:36:02.44 ID:s4kS7hnD

「――なんの騒ぎです?」

「えっ!?」
 二度目の衝撃が、彼女の胸を襲う。
 またもや聞き覚えのある声が聞こえ、そしてその方向に目を向けた。

「初美ちゃん、それに中島さんも? ……蘭宮さんまで一緒ですか」
「四条……さん?」
 またもや、中島の目が点になる。
 現れたのはなんと四条由姫だった。
 知り合いどころか、お互いにそれぞれ爆弾のような秘密を抱えた危険人物である。
「待ってたわよ、由姫」
 だが絶句する中島を尻目に、大瀬は笑顔で手を振っていた。
(……さすが先輩。タイミングばっちりです!)
 そしていつきは心の中で、大きくガッツポーズをしていた。
 彼女は中島を解放し、由姫の方を向きなおす。

 ここまでは――彼女らの計画通りだった。
 大瀬との打ち合わせでは、いつきに中島を紹介し、次いで由姫に大瀬と中島がカミングアウトする、という手筈になっていた。
 由姫には、すぐ近くの校舎の影で待機してもらって、大きな叫び声が聞こえたら出てきて欲しいと言ってあったのだ。
 大瀬の発案による、サプライズイベントである。
(いよいよクライマックスですね……)
 いつきの胸が、期待に昂ぶっていく。
 ……世の中に、本当に数少ない同好の志だ。
 せっかく同じ学校に通っているのだから、お互い秘密にしているのはもったいない。
 この機会に仲良くなって、一緒に遊びに行ったりいろんな話しをしたり……。
 きっと毎日がもっと楽しくなる。
 あとはここで、大瀬と中島が由姫の目の前でキスをして、そのあと由姫といつきが二人の前でお返しにキスをして見せれば完成だ。
 どうせなら、相手をびっくりさせた方が面白い。
 これも大瀬の提案である。

228H :2011/05/11(水) 23:36:57.28 ID:s4kS7hnD

「えーと、それじゃあ……一乃、ごめん。ちょっとだけ、目をつぶっててくれない?」
「えっ!? ……それ何か嫌な予感がするんだけど? それに四条さんまで来るとか……どういうこと? ちゃんと説明してよ」
「ああ、そう言えば前科あったんだっけ私。大丈夫だよ。今回は一乃に変な事とかしないから。説明も、これ終わったらきちんとする。約束するわ」
「本当でしょうね? ……わかったよ、これでいい?」
 釈然としないまま、渋々、といった顔で中島は立ったまま両目を閉じた。
 その彼女に、大瀬はまっすぐに向かい合う。
「……あの、昨日いつきさんが言っていた、会って欲しい人っていうのは、大瀬さんと中島さんのことだったんですか? ……それにさっきから三人で、
何をしているんです? あの変な声は一体?」
 向かい合う大瀬と中島から、少しだけ離れた位置で。
 いつきと並んで――由姫は怪訝な顔をしながら、事態の推移を見守っていた。
 なんでここに自分が呼ばれたのか、さっぱり話の流れが見えない。
 とりあえず小声で、いつきに問い質す。
「面白い事ですよ。先輩のための、ちょっとしたイベントです。見ていたらわかりますから」
 いつきが、やはり小声で答えた。
 それ以上話したら、タネ明かしになってしまう。
 なんとももどかしいが、これもあと少しの我慢だ。
(計画どおりです。で、このあとは……)
 ……と、いつきの笑顔が微妙に黒くなった。
 大瀬と中島の二人も、話を聞いていると、やることはかなりの所までやっているということだ。だったらもういっそ四人で、身体で親交を深めても
いいんじゃないかと彼女は考えていた。少なくとも以前それとなく話したときは、大瀬は割と乗り気だったように見えた。
 実は既にちょっとした手を使って、体育用具庫のカギも確保してあったりする。

 ――他のカップルがどういう風にしてるのかは物凄く興味があるし、先輩が他の人に見られながらイくところも見てみたい。
 一体どんな風に恥ずかしがってくれるだろう。
 最近はどうも慣れてきて、あんまり恥ずかしがってくれなくなったから、こういうのもアリなんじゃないかなと思う。
 もちろん相手の二人の了解を得られたらという前提があるけど、ダメなら冗談だと流せばいいし。

(本当に、この学校に入ってよかった……。ありがとう、神様)
 じとっとした目で腕組みをする由姫の隣で、いつきは安らかな表情で目を閉じた。
 頭の中で、両膝を地面につきながら、神に祈りを奉げるポーズをとる。
 この半月の間、一日一日が本当に充実している。通学も家の手伝いも夜遅くまでの勉強も、全く苦にならない。
 夜、早く朝にならないかな……と思いながら、明日を楽しみにしてベッドに入る。
 こんな幸せな時間は人生で初めてだ。
 そして、新しい仲間まで見つかった。絶対にいないだろうと思っていた、同じ秘密を持つ女の子が……。
 あの日、由姫に受け入れられた時と同じかそれ以上の喜びと高揚感が、成長途上のいつきの胸に溢れていた。




229H :2011/05/11(水) 23:39:07.57 ID:s4kS7hnD


(……あれ?)
 だが。
 そこで大瀬は、なぜか予定とは違う行動に出る。
 いつきの見守る中、大瀬は笑顔のまま、なぜか突然90度横を向いて、いつきの隣に――由姫の方に歩み寄った。
 そのまま由姫の両肩に手を置き、背をまるめて顔を近づけ、そして不審に思った由姫が何かを言おうとしたその瞬間に――

「んっ」

「……あ、ああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 遠く、学校の外でランニングしていた運動部員たちが、思わず振り返るほどの大音量だった。 
 約一秒の時間を置いてから、今度はいつきの絶叫が辺り一面に響き渡る。
 そのあまりの衝撃と自分の叫び声で、彼女の頭の中がぐらぐらとゆれた。
 それ以上、何も反応することが出来ない。
 ……何を見たのか。
 大瀬は一体何を考えたか……あろうことか中島ではなく、由姫にキスをしたのである。
 いつきの目の前で、それも重なりあった唇がはっきり見えるように。

「……今まで散々私を振り回してくれたお返しよ。せいぜい混乱しなさい」
 時間にして、四秒ほども。
 ようやく二人の濃厚接触が終わった。
 ぺろっと小さく唇を舐めると、大瀬は由姫の肩から手を離して、いつになく冷たい眼でそう言った。
「な…なな……なななななななな」
 そして由姫も、何も反応することが出来ない。両手の指先をわなわなと震わせながら、目を点にして固まってしまっている。
 無理もない。
 何の前触れも無くいきなり唇を奪われるどころか、思いっきり舌を入れられてしまった。
 それも、親友と思っていた大瀬初美に……。
 キス慣れしているとはいえ、あまりに衝撃的な行動に硬直してしまい、突き飛ばして逃げることもできなかった。
 いつきも同様である。
 至近距離でなすすべなく恋人の唇を奪われ、絶叫の後は全く言葉もない。
 由姫と同じに目を点にして、その場から一歩も動けず、さながらカーネルサンダース人形のごとくその場に立ち尽くしていた。
「……ごちそうさま」
 茫然自失の二人を順番に見下ろして、大瀬は小さく鼻を鳴らす。

230H :2011/05/11(水) 23:41:07.94 ID:s4kS7hnD


 ――由姫は由姫で、いつきちゃんと幸せになればいい。自分は自分。一乃と一緒に、どこまでも行くわ。


 ここからは、誰かの後を追うんじゃない。
 自分が先頭だ。
 それは勉強と真面目さだけが取り柄で、周りに流されっ放しだった今までの自分――由姫を好きだった自分への、別れのキスだった。
 もちろん言葉通り、この二人への仕返しの意味も、多分に含まれていたが……。
 最後の最後に、彼女はいつきを手玉に取って見せたのである。
「仕返しって……なにそれ意味がわからな……」
 どうにか衝撃から立ち直り、言葉を紡ぐ由姫。
 だが大瀬はその彼女を無視するように、くるっと、笑顔で背中を向けた。

「じゃあねー。一乃、行きましょ」
「行きましょって……何? ちょっとアンタ、何したの今!? おーせ!?」
「先輩、中和です! 今すぐ私で中和しましょうっ!」
「あっ! ダメですってこんな所じゃ……ちょっ……あれ、待ってよ初美ちゃん!? なにこれ!? なんなの!?」

 最初にいつきに目が行ったために事態を把握し切れず、思考が追い付いてない中島。
 どうにか硬直が解け、唇を奪還しようと抱きついてきたいつきと、それを振りほどこうとする由姫。
 だが背中を向け、悠然と歩き始めた大瀬は、誰の問いかけにも答えない。


「……あはは、あはははっ。 あ―――――――スッキリした!」


 両腕を思いっきり伸ばして、深呼吸。
 満面の笑顔で見上げた真夏の空は、どこまでも突き抜けるように青かった。











231H :2011/05/11(水) 23:43:10.30 ID:s4kS7hnD


                          【エピローグ】


 ――その後、混乱が収束するまでには、勿論それなりの時間がかかった。
 

 由姫は、大瀬と中島に秘密がばれていたこと、情事を覗かれていたことを知って恥ずかしさのあまり再度家に引きこもりかけ、
中島の身体を張った説得でなんとか持ち直した。

 友達になれると思っていた大瀬に裏切られたいつきは、
「二度と先輩に近づかないで下さい!」
 と怒りに任せて彼女に決闘を挑んだりした。
 が、結局はそれがきっかけでまた大瀬と仲良くなって、堂々とスカトロプレイの話ができる仲間を得たことを喜んだりしている。
 由姫の頭痛の種は尽きないが、時間が経つにつれ由姫も大瀬と、いつきとの仲のように折り合いをつけられるようになってきている。

 中島は、例のキスについては仕返しのための「本気の悪戯」だったことを理解したので、それ以上は騒がなかった。
 蟻地獄に落ちたかのごとく、どっぷりと変態の道にはまりこんでしまった彼女は、時々ため息を付きつつも、約束を守って健気に
大瀬に寄り添っている。
 段々とエスカレートしていく大瀬の欲求に、逆に由姫に愚痴をこぼす彼女である。

 そして、大瀬は由姫と同じく、これまで通り風紀委員の仕事をしている。
 笑顔で高校生活を満喫する彼女は、髪と一緒に、振り回されっぱなしだった過去の自分に別れを告げられたようだ。
 いつきの指導の元、自分自身のみならず、中島の身体の開発にも余念がない。
 交際を迫って来る男子(時には女子)を一刀両断に切り捨てつつ、人の見ていない所では思う存分中島といちゃつく毎日である。


 ……そして、時は流れる。



232H :2011/05/11(水) 23:44:45.95 ID:s4kS7hnD



「……行ってしまうんですね、先輩」
「ええ。出来れば、一緒に連れて行ってあげたいですけど……残念です」
 ある日の、早朝の学校。
 二人の女子生徒が、青空の下――人気のない校舎裏で手を握り合っていた。
 一人は青、もう一人は黄色の校章。
 それぞれ三年生と二年生に進級した、由姫といつきである。
 風のない、穏やかな春の空気に包まれながら、彼女らはこのあと訪れる別れを惜しんでいた。
「仕方ないですよね……私は二年生で、先輩は三年生なんだから。もう、最初から分かりきっていたことですよね」
 いつきは肩を震わせ、涙をこらえていた。
 明日から、学校に来ても由姫の姿はない。
 どう足掻いたとしても、どう努力したとしても、この差は埋めようがない。
 悔しさが、いつきの胸にあふれた。


「泣かないで下さいよ、いつきさん。私だって辛いんですから……。ほら、ちゃんと沖縄のおみやげも買ってきますから。
我慢して下さい」
「一週間も会えなくなるなんて……! 本当に、修学旅行なんて無かったらいいのに……!」
 涙声で、いつきは由姫にすがりついた。
 そう。
 由姫たち三年生は今日から一週間の日程で、沖縄へ修学旅行へと出かけるのだ。
 当たり前だが、二年生以下の生徒は居残りである。
 二人は朝、バスの集合時間までのわずかな時間に、じばしの別れの挨拶をしていたのだった。

「で、何がいいですか? お土産は」
「……ゴーヤチャンプルーとか沖縄そばとか、サーターアンダギーとかパパイヤとかお願いします」
 涙を拭いて、いつきは答えた。
 しかし見事に食べ物ばかりである。
「うーん……パパイヤとかはともかく、持ち帰りだと、空港で売ってるレトルトのとかになりますけど。まぁ、わかりました。
お土産リストに……」

233H :2011/05/11(水) 23:45:24.12 ID:s4kS7hnD

「違いますよ。それじゃ荷物が増えて先輩が大変じゃないですか。手に持って帰って来て下さいなんて、言ってないですよ? 私」
 いつもの顔に戻ったいつきは、ぽん、と軽く由姫のおなかをたたいた。
 数秒経って、ようやくその意味するところを察した由姫は苦笑する。
「ええ……ちょっと、またそれですか? 本当にもう、しょうがない人ですねぇ……。一体あなた、私が好きなの? それとも、
私のうんちが好きなの?」
「あはは、やだなぁ先輩。前に言ったじゃないですか」
 その問いかけに、いつきは笑った。
 そして一呼吸おいて、由姫の手を取って自分の胸にあてる。
「先輩は私の、世界で一番大切な人です。けど、強いて言うなら、おっきなうんちの塊でおしりを犯されて感じてるときの先輩が、
一番好きなんです。それだけです」
 よどみも照れもない。
 包み隠すものの何もない、いつきの本心だった。
「ちなみに二番目はですね」
「聞いていません。……どうせ、いつきさんに浣腸するときの私でしょう?」
「正解! 流石です」
「……全く。負けますよ、いつきさんには。けど、不思議ですね……」
「なにが、ですか?」
 いつきが聞き返すと、由姫はふっと笑って髪を触った。
「……以前のことです。二年生のとき、いつきさんと知り合ったばかりの頃は、毎日学校に来るのが本当に嫌で嫌で、
仕方なかったんですよ? こんな拷問みたいな生活が、この先いつまで続くんだろうって。それが今では……
旅行でたった一週間離れるだけなのに、こんなに寂しいって思う自分がいるんです」
 言って、由姫は瞳を閉じた。

 ――昨日の夜、日記帳を読み返した。
 こんな毎日、もういやだ。
 いっそ死にたい……。
 そんな、ネガティブなことばかりだった。それが今は……。




234H :2011/05/11(水) 23:46:08.43 ID:s4kS7hnD

「先輩、私は……」
「……ああ、別に、今更そのことを怒ってるわけではないですけどね。ほんのちょっとだけ、寂しくなったんです。
こんなに長い時間、あなたと一緒にいて……それで本当に離ればなれになったら、どうなっちゃうんだろう、って」
「いつでも心は一緒ですよ。私もちゃんと、先輩と一緒にガマンします。一週間」
 いつきは柔らかに微笑む。
 全く答えになっていないが、そのあまりにも彼女らしい言葉で、逆になんだか安心した由姫だった。
 不安など、どうでもよくなってくる。

「私も参加しようかな、それ」

 ――と、ふいに声をかけられ、二人は同時にその方向を向く。
 いつの間にか、すぐそばの校舎の窓から、大瀬が笑顔で身体を乗り出していた。
「あ、大瀬先輩。おはようございます。ていうか、いつからそこに?」
「世界で一番大切な……のあたりから。相変わらず愛されてるわねぇ、由姫」
「初美ちゃん……また見てたんだ」
 にこにこと、“いいものを見せてもらった”とでも言いたげな大瀬に、じとっとした視線を返す由姫である。
 これで何回目だろうか。
 どうやって嗅ぎつけるのか、気が付くとすぐ近くで情事を覗かれていたりするので全く油断がならない。
 しかもそれを、いつきが全く気にしないので、余計に性質が悪いのだった。
「くれぐれも気を付けて下さいね、先輩。ハブとか大瀬先輩とかに。寝込みを襲われないように、注意した方がいいです」
「いつきちゃん……あなたも、結構根に持つ人なのね……もうそんなことしないってば」
「そーよ、大丈夫。初実は私が、鎖つけて見張っとくから」
 大瀬に続いて顔を出した中島が、彼女の両腕を後ろからがしっと掴んだ。
「……あれ、いつのまに」
「あれ、じゃないでしょ。せっかくの二人きりの時間を邪魔しちゃダメじゃないの。……悪いわね、四条さん。すぐこれ片付けるから」
「……毎回ごめん。中島さん」
「いいって。……けど、今からこれじゃ、来年本当に卒業したらどうするのよ? あんたたち」
 それは由姫といつき、両方への問いかけだった。
 中島の言葉に、二人はしばし黙って顔を見合わせる。

235H :2011/05/11(水) 23:46:33.49 ID:s4kS7hnD

「うーん。それはまぁ、その時までに考えます。それに、未来のために必要なら、どんな試練だって乗り越えて見せますよ」
 答えたのはいつきだった。
 そしてぐっと、ファイティングポーズで力強く拳を握って見せる。

 ただひたすら由姫に追いつくことを目指して勉強を重ねた結果、入学時は学年の底辺あたりを彷徨っていたいつきの成績は、
二年に上がった今では試験順位トップ10以内に名を連ねるまでに向上していた。
 人間、明確な目標を持って本当に必死になれば、大抵のことは何とかなるという見本である。
 今後は由姫が目指している大学に合わせ、過去問対策など本格的な受験勉強に取り掛かかるつもりだが、受験とは別に英会話の
勉強にも余念がない。
 大学卒業後の進路までは流石にまだ漠然としか考えていないが、どんな職でもつぶしが利くようにと、それから海外で由姫と
二人だけの結婚式を挙げることまで考えてのことだ。
 彼女の未来は常に、由姫とともにある。

「そういう一乃は大丈夫? もし私と離れ離れになっても」
 後ろ手に拘束された格好のまま、大瀬が聞いた。
「受験失敗を前提にしないでよ……きっちり受かってみせるわ。……ていうか、そろそろじゃないの? 集合時間」
「あ、そうですね。じゃあ、行きましょうか」
「行ってらっしゃい。先輩」
 名残惜しそうに、いつきが手を振る。
「メールしてあげるわ、由姫の代わりに。今日のメニューは何だったってね」
「ありがとうです、大瀬先輩」
 そして三人はいつきと別れ、集合場所に駆けて行った。



236H :2011/05/11(水) 23:47:13.74 ID:s4kS7hnD


「……あ、もう来てますね」
 正門前の集合場所に行くと、学校の塀の向こうに、空港行きの大型バスが4台並んで停車しているのが見えた。
「遅いじゃないか、早く整列しなさい」
「はいっ、すみません!」
 引率の先生にどやされながら、三人は同じクラスの集合位置に入った。
 班ごとに列を作って並び、順番にバスに乗り込んでいく。
 由姫の席は車の真ん中あたりの窓側。その隣は中島だ。
 事前のくじびきでそう決まっていた。ちなみに大瀬は二人の真後ろである。
「あとは空港まで一直線ね。由姫は車酔いとか、大丈夫だった?」
「うん、それは全然。初実ちゃんは?」
「私は普通、かな。とりあえず寝るわ。昨日も色々、遅くまでヤってたから」
「またあんたはそういう……」
 その中島の言葉が終わらないうちに、大瀬は背もたれを倒してさっさと目を閉じてしまった。疲れているのは、本当らしい。
「全く、もう……。ホント、去年の自分が今の私達を見たらなんて言うかな」
「え?」
 満席になった出発直前の車内は、生徒たちの雑多な喋り声で満ちている。
 その騒がしさの中で、中島は腕組みをして、ぽつりと言った。
「去年の修学旅行、私も部の先輩の見送りやったからさ。二年生の初めの頃のこと、ちょっと思い出しちゃって」
「去年のこと……ですか。……ごめんなさい。私たちが、巻き込んじゃったから……」
「あ、そういうことじゃないよ? 誰が悪いってことはないんだから。それは分かってるし。まぁ、諦めと慣れが入ったって
だけなのかもしれないけどさ……四条さんは? どう?」
「えっ?」
「どんな風に思ってるのかなって。今の……この毎日のこと。さっきだって、せっかくの修学旅行なのにあんな約束しちゃったし」
 中島がそう言った直後に添乗員のアナウンスがあり、音を立てて出入り口の扉が閉じられた。
 エンジンがうなりを上げ、バスが出発する。
 段々とスピードを増す窓の向こうの景色の中に目を向けると、校庭まで来て手を振っている、いつきの姿が数秒だけ見えた。
「そうですね……」
 流れていく外の景色に、過ぎ去ったこの一年の記憶を重ねる。
 由姫は膝の上で、そっと両手を握った。


237H :2011/05/11(水) 23:47:45.66 ID:s4kS7hnD


 ――確かに私も、時々思うんです。
 もしも今の私の……いえ、今の私たちの日常を、何も知らなかった頃の私が見たなら、一体どう思うのか。
 風紀委員長なのに、女の子の恋人がいて、毎日毎日うんちにまみれていやらしいことをして。
 しかも友達と……親友の初美ちゃんと中島さんまで一緒になって、いけないことばっかり……。

“それでも、責任ある風紀委員長と副委員長ですか! 恥を知りなさい!”

 そう一喝されるでしょうね、きっと。
 ……そういう気持ち、全然無いわけじゃないんですよ?
 いけないとこをしてるって、自覚はあるんです。
 まじめに勉強して、校則を守って普通に学校に通って……以前の、穏やかな学校生活が懐かしいって思う時もあります。
 でも、戻りたいとは思わない。
 もし戻ってやりなおしたとしたら、いつきさんと一緒の道には、二度と行けない。
 それでは、だめなんです。



238H :2011/05/11(水) 23:49:59.18 ID:s4kS7hnD

 だって今も……これから一週間ずっとうんちをガマンし続けなきゃいけないっていうのに、私、こんなに興奮してる。わくわくしてる。
 旅行を楽しむよりも、日程が終わって、うんちをおなかいっぱいに抱えて帰ってきて……どんな風に彼女と、これを分かち合うか。
 今からもう、それを考えてしまっているんです。
 お互いに浣腸しあって、抱き合いながら下着の中に?
 あの公園の草むらで一緒に、二人のうんちとうんちを重ね合う?
 イチヂクなしだったら、また石みたいにかちかちになっちゃうだろうから、二人で順番に、おしりを指でほぐしあって……。
 そんなことばっかり。
 ……ただの、自分への言い訳ですね。
 あの頃には本当に夢にも思わなかったような、とても奇妙で堕落した――でも何故かとても充実した、新しい学校生活。
 このままどこまで行けるのか、先を考えると不安は尽きないですけど。
 それでも。

「悪くない、と思います」

 中島さんに向けたその言葉と笑顔は、もしかするとただの強がりだったのかもしれない。
 でも、あの人の側にいない私は、もう想像できない。
 いずれ来る、卒業の日の前に一秒でも長く、彼女と触れ合っていたい。

「……そっか。実は私も」

 そう言って、中島さんは笑いました。
 今日も……明日も。
 そして多分これからも。
 この、とても奇妙な私たちの日常は……まだまだ当分、終わりそうにないようです。









239H :2011/05/11(水) 23:51:09.84 ID:s4kS7hnD

 以上、本編最後の投下でした。
 そしてあとがきです。

 くしくも前半の最終、6話を投下したのもGW明けでした。
 ここまで、年単位で辛抱強く付き合ってくれた皆さんに、感謝します。
 それから早乙女先生にも。あのイラストがなかったら、ここまで続いてなかったでしょう。心から感謝です。

 今後は、最低11月までは何も書けません。
 次はエピローグの中にある、大瀬といつきの対決を短編で書こうと思ってます。
 そのあとは注文の多い園芸店の話を収めないといけませんね……。
 エンドレスで続けて欲しいというレスがありましたが、何かネタを思いついたら、今後も短編で、この四人のことを
書くこともあるかもしれません。
 しかし、このラストに持っていこうと考えたのが3年前。
 まさかここまで時間がかかるとは……。
 それに長く続けたことで、自分の語彙力の限界も露呈してしまいました。
 しばらくは、文章を書くのは休みます。


 では、また。

240H :2011/05/11(水) 23:52:23.73 ID:s4kS7hnD
あ、言い忘れましたが>>202は無視して下さい。投下ミスです。

241名無しさん@ピンキー :2011/05/12(木) 09:07:33.36 ID:oZWcEKk/
えっとですね・・・電車内でいきりたった愚息をどうしてくださるのか!
GJ!

242名無しさん@ピンキー :2011/05/12(木) 19:34:29.82 ID:kYs9ri9Q
>>239
GJ!!
おーせが予想の斜め上を行った行動に出て爆笑しましたw
皆幸せで本当に良かった……
そして、長い間本当にお疲れ様でした。
ゆっくり休んで英気を養ってください

243名無しさん@ピンキー :2011/05/12(木) 20:43:11.86 ID:IQHPD8qo
>>239
あなたがトイレの神様か

個人的には、今のキャラにこだわらず新しいネタで短編でも1レスでも無理しない範囲でお願いします

244名無しさん@ピンキー :2011/05/14(土) 20:13:14.63 ID:E+UZ+wZm
              )
             (
         ,,        )      )
         ゙ミ;;;;;,_           (
          ミ;;;;;;;;、;:..,,.,,,,,
          i;i;i;i; '',',;^′..ヽ
          ゙ゞy、、;:..、)  }
           .¨.、,_,,、_,,r_,ノ′
         /;:;":;.:;";i; '',',;;;_~;;;′.ヽ
        ゙{y、、;:...:,:.:.、;:..:,:.:. ._  、}
        ".¨,;;;;==-ー=v ''ノ==ミ_,ノ′
       /;i;i; '',',ィ.tァュ,;;;;;;;/ ィ、ァュ´゙^′..ヽ 
       ゙{y、、;:...:,:`~"、;:.:,:ヽ .`~".、)  、}
       ".¨////'‐ .:ノv、冫) ////r_,ノ′
      /i;i; '',',;;;_~υ⌒ハヘ__, ノ;;ヾ.ミ゙´゙^′.ソ.ヽ
      ゙{y、、;:..ゞ.:,:.:_,,:ν⌒Y⌒ヽ、゚o,,'.、)  、}<今日も元気だウンコがうまいだろぉ…ハァハァハァ ウッ!
      ヾ,,..;::;;;::,;,::;)Kェエエェエェ-冫,,、_,,r_,ノ′
            ヽ、___, ノ


245名無しさん@ピンキー :2011/05/15(日) 19:25:07.77 ID:qPhXEJpT
 おお、H氏よ! GJにして乙!! そして、あまり間を置かずに投稿するのが心苦しいですが、いかせてもらいます。

 四月のノイタミナで始まったり始まってなかったりする『あの日見た花の名前を僕達は知らない。』から、『あなる』こと
『安城鳴子<あんじょうなるこ>』を軸にしたものを、多くの妄想を用いて書いてみました。
 今回は我慢と放屁ばかりですが、次回では、あなるとめんまにたくさん出して貰うシチュを盛り込んでおきます。



246アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:27:45.38 ID:qPhXEJpT




「……お母さん。カレーにヨーグルトを足したでしょ?」
 母娘が居間のテーブルに着いて、いっしょにいただきますを言ってカレーを一口。瞬間、口の中に走る酸味と、自分の作った料理を
いじられたことに、鳴子は大いにムカついた。しかし母が、温める際にヨーグルトを入れたことを認め、すっぱい顔でカレーを口にして
いるから、鳴子もカレーを食べることにする。
「……昨日の晩のときはちゃんと、カレーの味がしてたから痛んでいるってワケじゃないけど……どのくらい入れ」
「残ってたのを全部入れたのは、さすがにちょっと多かったみたい。てへ」
「たのって、多過ぎよ! じゃあ実際には、ほとんど一パックまるまるってことじゃない?! ってか、いい歳したおばさんが
『てへ』とかありえないから!」
 鳴子の先を次ぐように答えた母のあんまりな言葉に、今度は迷うことなくキレる。こんなことならカレーを仕上げる際に、もう少し
ヨーグルトを食べておけばよかった。
「だって、賞味期限が一週間も過ぎてたんだもん。だから鳴子、もう一人分あるから食べちゃって」
 しかも、いけしゃあしゃあと娘に残飯整理をさせようとしてくる。
「……イヤ。今、そんな食欲ないし……って言ってる側から、なんであたしの皿を持っていこうとしてるのよ!」
「あら、ばれちゃった。でもそんなこと言って、もう半分も食べてるじゃない。まったく、ちゃんと噛んでるのかねぇ……」
「ちょ……っ! 待……っ!」
 鳴子は腰を捻って、かっぷくのいい背中に手を伸ばすも、腹部の圧迫感にあえなく諦めた。置き場のないスプーンを手にしたまま、
コップに口をつける。

247アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:29:14.39 ID:qPhXEJpT
(……だいぶ脹らんできちゃったな)
 いつものボトムがきつく、こうして座っているとベルトが左右に引っ張られているのがわかる。
「……ちょっと……ベルトを緩め」「お待ち〜」「……きゃっ?!」「おおう。イマドキJKの悲鳴をゲットだぜ〜」
 あまり見られたくないところを見られ、少し飛び上がってしまった。
「ちょいと鳴子、これ食べて……どうしたんだい、お腹を押さえて。もしかして本当に痛んでたのかねぇ……。
 鳴子、図書館に行く前に薬を飲んでいきなよ」
「ち……違うって。これは、そうじゃなくて……」
 居たたまれなさから、思わず立ち上がった鳴子を引き止めて、今度は薬を取りに母は席を立つ。
 トイレで出す物を出して……とは思わず、かといってこのまま母を放っていくのも忍びない。
 確かに食欲は無いが、まあ……食べられないわけじゃない。
 鳴子は溜め息を吐いて座り直し、盛られたカレーにポテトサラダを載せて口に運ぶ。
 娘の様子に、「あたしにも寄越しなよ」と、鳴子の皿から自分の皿にカレーを移しに掛かる。
「でね、鳴子。薬が切れちゃってたから、帰りに買ってきてちょうだい。それと、また仁ちゃんとぽっぽちゃん。それにゆきあつくん
と鶴子ちゃんも今度、ウチに遊びに連れておいでよ」と、いつもの人遣いの荒さとお節介を発揮してくる。
 先ほどとは違う居たたまれなさに、鳴子は自分の分の遅い朝食をお腹に収めると、着替えをしに自分の部屋に向かった。

248アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:30:34.10 ID:qPhXEJpT


 まずは下。
 ショートパンツから、ハウスウェアとして買ったスパッツを穿く。でも生地が薄めで、浮き出た下着のラインが気になるので直に
穿くことにした。
 高校に上がり、我ながら女らしい身体になったと思いつつ、ナイロン生地に包まれたお尻に手を這わせる……。曲線を描いて沈み込む中心、
その窄まりに指先が吸い込まれて変な声が出る。
 首周りが大きく開いたTシャツを脱いで、インナーのキャミはそのままに、両サイドに引っ詰めたおさげを解く。

 ――あ〜、そうそう。この前ね、あんたの代わりに仁ちゃんちにおまんじゅうを持って行ったときにねぇ。仁ちゃんも今度の日曜日に、
図書館に行ってみなよって言っておいたからねぇ〜。

 母の、居間を去ろうとする鳴子にかけてきた言葉が過ぎり…………裾の長い、脹らんだ腹部を隠せる白のロングTシャツに袖を通していた。
 いくつものデザイン、いくつものカラーから白を選んだのは別に、あの引き篭もりに見せようとか思ったわけではない…………はず。
 髪をいじり、Tシャツの、ハートと羽でイメージされた天使に手を伸ばす。
 彼と仲のよかった少女を……いつも「じんたん」の隣にいた「めんま」。彼女の、天使のような笑顔に容姿。それと、あのワンピースの
白を思い出したから。


249アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:31:41.01 ID:qPhXEJpT
「ん……ふ、ぅ……っ」
 両手が双房を揉んでいると下腹部に動きが見られ、そこから痛みにも似た疼きが這い登ってきた。
「くぅ……。あ……っ。はあ、ぁ……」
 さらに指に力を込めて、鳴子は微熱の宿り出した身体でベッドの側に膝をついて、半身を預けた。
「なんで……いつもよりはや、いンっ! ぅ、ふぅ……」
 鳴子は食事をすると条件反射のように便意を催し……そしてコレも、いつものソレだと理解はできる。でもコレの訪れは、早くても
食後三十分は経ってからのはずなのに……。

「はあ……ぅ……。で……っ……んあ、あ……」
 ぷすぅ……。ぷぶ……ぶびゅびりぶぷぅ……。

 一週間物のヨーグルト、1パック400グラム。その内の八割強もの量が入ったカレーも怪しいといえば怪しいが、
この感じからして下痢の、あの抗い難い痛みではない。
「早く……速く…………図書館、に……」
 自分の吐き出した便臭に嬲られる鳴子を、便意の誘惑が疲弊させていく。それからじきに、図書館まで我慢せずに自宅で……と、
至極真っ当な判断を下すだろう。
「んく……っ」
 鳴子は身体を、便意からの解放ではなく別の悦びで満足させようと、ティッシュボックスに手を伸ばした。スパッツを下ろし、
四つ折りにしたティッシュを窄まりに当てて、内<なか>のモノを指で押し込む。
「ンふウ……っ!」
 先端の、やや硬くなった便がぐにゅりと奥へ滑り込むと、鳴子の乾いたくちびるから熱い吐息が漏れた。

250アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:33:45.11 ID:qPhXEJpT

『あなる』
 小さかった頃の仲良しグループから、鳴子はそう呼ばれていた。
 当時はそのあだ名に対し、仲間たちからの親しみを感じていた。それも鳴子が成長し、その単語の本来意味するところを知ってから
というもの、過去のそれにまつわる赤面物の恥じらいだけでなく、なぜか『アナル』にも目覚めてしまう。
 年頃の女性にしては食べる方で、日に二回の排便も珍しくない。便秘知らずな体質も手伝い、鳴子は次第に肛門がこじ開けられて
擦られる刺激に夢中になっていった。

「ん、ん……。イ、いァ……ンふっ、ん……」
 手で肛門を塞ぎ、息んでは直腸内で便を圧縮。行き場のない便が横に拡がり、肛門が開いていく様がティッシュ越しに、
まさに手に取るようにわかる。
 部屋の鍵も掛けずにアナルオナニーを……ノックをするよう、鳴子が何度言っても聞かない母が階下に居るというのに。
「んあっ! ふう……ンンッ、んアぁ……」
 窓辺に飾られた写真立て……その中でピースをする少年が、潤んだ目に映る。
(…………ほんと。じん……宿海のこと言えない。言えた義理じゃ、ない……。一番恥ずかしいのはあたし、の方だ……)
 今日で…………朝、宿海が久しぶりに学校に来て……でも帰ってしまってから三日“分”。
 これは当て付けだ……自分をこんなアンニュイな気分にさせた彼への……彼女への、屈折した想い。
「……んんっ。……めんまぁ…………アはあァ……くっ、ウゥ……」
 あの頃の夏が写る写真立て……伸ばした指が、空色の瞳を輝かせる少女に触れて、鳴子は密やかにないた。

251アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:35:34.25 ID:qPhXEJpT



 便意と無事に折り合いをつけることができた鳴子は、図書館へ向けて自転車を漕ぎ進めていた。
 背景に山と、そして自宅からそう離れないうちから見えていたのが、新設されてまだ三日という『埼玉総合保健センター』だ。
 二年半かけて建設されたこの施設は、一階から四階までが診療所に保健所が。五階に図書館、六階が食事所となっており、
秩父市民の健康と文化と食を提供する拠点というのがコンセプトなのだという。

「……ったく。一度に五冊も料理の本を借りていながら、あのヨーグルトの使い方って、マジでありえないんですけど。
ハンドルも重たいし……ホント、人遣いの荒いおばん」
 ついでに返してきてと渡された本の上に載せられた広報誌。その内容を道中で思い返しているうちに到着。ぼやきながら、
すでにぎっしり埋まっている駐輪場に自転車を挿し込んで、ぷるつく細腕でショルダーバッグを右肩に掛ける。
(用があるのは、あくまで五階。他は、あくまでついで……)
 一階から六階までを、メタリックな壁面と窓ガラスとで作る等間隔の美を見上げて、鳴子は自分にそう言い聞かせる。真新しい匂い
のする自動ドアを潜り、脇に立つ警備員の挨拶に頭を下げて奥へと……そしてロビーを見渡す。

252アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:37:23.74 ID:qPhXEJpT
 左の壁側、ロビーの中間の位置に受付があり、その向かいにエレベーターと階段があった。外から見た、高さよりも横にどっしりと
した印象とは違って、一階ロビーはさして広くは感じられなかった。それは一階から五階までを貫く吹き抜けを、周りの施設で取り囲んでいる
造りだからに他ならない。それを裏付けるように、口を開いた通路の先にはいくつもの扉があり、そこを白衣を着た職員が。
そういった他の通用口からも白衣に混じって、一般利用者の出入りする姿が見えた。
 この一階にもトイレはあるものの、そこは無視。まずは用事を済ませて、それからゆっくり……。
「くぅ……っ……。ふはぁ……」
 個室の一つに入り『5』と『とじる』のボタンを押し、エレベーターの扉が閉まるのと同時に息を吐く。実は総合センターに着く前
から鳴子の体はすでに期待に熱り、この清涼な匂いを嗅いでいるうちに身体ができあがってしまっていた。
 どうにも鳴子は外の、それもデパートといった掃除の行き届いたトイレでの花摘みが好みだった。だから以前に『九月の一日に、
保健医療と文化の拠点が秩父に誕生』という新聞記事を見てから、鳴子は今日という機会を窺っていた。
「はあ……ん……ンふっ……。はァ……アは……ンンっ…………」
 鳴子は後ろから押すように両手を腰に当てて背筋を伸ばし、それから少し本気で息んだ。排便には無理のある姿勢が肛門を堅く閉ざし、
便が直腸の中で圧縮されていくのがわかる。

「んんっ、はあぁ……くうンッ! んはァ……ふン……ッ」
 ぴゅす……。びぴ、ぶぴっぴぷ! ぶりゅっぷすぅ……ぶ、ぶぷうぅ……。

253アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:39:06.61 ID:qPhXEJpT

 その際に、便で占められた内を空気の固まりが腸壁を押し退け、無理やり出てくる手ごたえと、鳴るたびに音階の異なる調べに
鳴子の胸がとくとくと高鳴っていく。
 上も下も夏の陽気と淫靡な汗によって身体に張り付き、特にスパッツの黒はより濃く、ナイロン生地が肉付きのいい鳴子のラム肉を
締め付けて、まるで下になにも穿いていないかのような着心地に感じられた。
 腹部の脹らみは、朝食に加え、出しても出しても湧き出てくるガスによってぱんぱんに張り詰めていた。こんな身体でへその出る服
なんて、人前ではとても着られない。着替えてきて正解だった。
 ポン、という音と共にエレベーターの扉が開くと、まともな意識と入れ代わった。
 人に流されやすく、そんな自分を変えようと。そうして得たこの容姿で彼を……。でも、こんな小心が宿海との決定的な決別を
招いたのは、高校の同じクラスになれてすぐ……。

「広っ! それに人がいっぱい!! 図書館なのにありえないんですけどっ!」
 独りでいるとよく罹る物思いを、声を出して、人いきれのするフロアの出入口で掃った。
 夏休み明けの最初の日曜日ということで、家族連れと子供の姿が目立つ。
 汗の浮いた額といっしょに目元を拭って、案内版を覗く。好みのジャンルのある棚を確認後、あのぼさぼさ頭が目に入らないかと、
鳴子は広大な館内に目を彷徨わせながら歩き出す。便淫は、先のネガティブ思考で少しだけ引っ込んでくれた。

254アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:40:11.98 ID:qPhXEJpT

 今でこそ鳴子はどこから見てもギャル、ともすればキツイ目つきが擦れた印象を与えかねない外見に反し、中学生から活字と慣れ親しむ
ようになり――今はファッション雑誌ばかり読んでいるけど――、秩父図書館にも足を運んでいた。
 あるとき、鳴子はだいぶ話を合わせられるようになった友達の二人に、思い切って小説の話題を振ってみた。が、にわかギャルな
自分とは違い、彼女たちは“本物”で、生暖かい眼差しと極薄の反応という苦い結果となり、鳴子はへこんでしまう。しかし、珍しく
鳴子の方から話を振ってきたことに思うところがあったのか「ってか、アタシも? ケータイショーセツくらいなら読んだりするし。
アタシも鳴子もブンケーじゃね?」「あたしの友だちの妹がケータイ小説を書いてるって言われて。それも何気に自慢されてきて、
あのときは微妙にむかついたわー」と、二人からフォローみたいなことを言われ、文系少女と祭り上げられたことが結構嬉しかった
ことを覚えている。

 携帯小説の棚があったので、適当に一冊抜き取り、それとはぐれてしまった作家の本を二冊。そして鳴子は急ぎ、カウンターへ取って返す。
(……なにこれ。すごく混んでなくない……?)
 指先を冷たく濡らす冷や汗をTシャツの裾で拭う鳴子の目には……人、人、人。受付カウンター前の幅広の通路には、行列らしき
モノでひしめいていた。

255アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:42:09.60 ID:qPhXEJpT
(早く……トイレに行きたいのに……)
 ここはいったん本を置き、トイレに行くべきか…………すぐ近くにある出入口に鳴子が目を向けたときだった。
「ひや……っ?!」
 驚いて上げた鳴子の声に、近くにいる人たちの目がこっちを向く。
(……あ、子供……)
 お尻に当たってきたものを触ってみると、小さな子供がしがみついていた。その短い髪の毛から、そして肩越しに見下ろすと、男の子らしい。
「……ちょっと…………や、やだっ? な……ッ?! やあッ! ンアっ!」
 再び上った鳴子の、それもヘンに上擦った声に、その場が少しだけ静かになった。
(この……エロガキ!)
 顔が見えなくたって解る。こいつは……男だ。
「んんっ! くぅ、あぁ……ンンゥッ!」
 背の低さを……子供という立場を利用し、鳴子の尻の谷間に顔を埋めて、あまつさえ“すりすり”してくる。
(ちょっと……っ! なにこいつ?! なんで離れないの!)
 周りに気付かれないよう穏便に引き剥がしているとはいえ……全然、これっぽっちも離れようとしない。母の胸にそうするように、
子供は尻の谷間にほおずりをしていた。しかもコイツ……。
「ヤ……やだ! ちょ……っ? えっ、やあ……っ?」
 ありえないことに、鳴子の尻の臭いを嗅いでいた。

256アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:44:20.59 ID:qPhXEJpT

「……おい、あの女。さっきから、やけにエロくね?」「どこどこ!」

「おとーさーん。あのおねえちゃんを見てたら、ぼくのおちんちんもかたくなってきたよ。これってぼっきっていうんだよねー?」
「息子と……二人だけで来て正解だったろぉ……ハアハアハア、ウッ!」

「ナ〇様ボイスの喘ぎ声ヤバス!」「〇ギ様にも乳をッ!」「馬鹿め! ナ〇に胸など不要だ!」「不要なのはオマエだッ!! と言うか、
ナニ〇ギ様を呼び捨てにしているかッ!」「はあ? なんだ、その『ナニナ〇様』とは。貴様の脳内キャラか? それともフタナリか?」
「フタナ〇おっぱお様ヤバス!!」「ブタ〇ギばくにう様やばすッ!!」「ヤバイのは貴様らの頭だ。それとブタナ〇言うな。悪、即、バラすぞ?」

 他にも、ぶしつけに携帯を向けてくる輩に、そんな男性に文句を言って止めさせる女性……。
 こういうなりになってから、いやらしい目つきで見られることが多くなった。それと、嫌悪に嫉妬。
 そんな奴らは睨みつけてやるのが一番だと、高校で出来た友達から教えられた。しかしこの状況では、このマセガキをどうにか
しないことには動けない。それと先ほどから職員の、利用者に向けての説明が鳴子を悔やませていた。

257アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:45:37.70 ID:qPhXEJpT

「当図書館の新設にあたり、ただいまこちらのカウンターで図書利用券の作成および更新をしています! 初めて本を借りる方は利用券の作成を!
 利用券をお持ちの方は更新の手続きをお願いします! くり返しますっ! ただいまこちらの――」

 もう少し早く聞いていれば……。広報誌なりサイトによく目を通しておけば……。そうすれば、こんなエロガキに捕まることなんてなく…………
そして今頃は綺麗なトイレで……。
 後悔先に立たず。ゆえに、益体もないたらればでもしていなければやっていられない鳴子だった。

「まぁあまだ地・味っ・だ・NE! きいすゥも地・味っ・だ・NE! ふゥわふわ!! 履き古しのぉーズブォン脱いっでナ〇様の
ナカにずぅぅぅむ淫っ!!」「〇ギ様とざ〇げちゃんが元にフュ〇ジョンすれば…………あ。そこに紫〇さんも挿れればちょおやばす
って言うか、おれ天才ッッ!!」                                 「他人のフリ他人のフリ」

「ソコのキモヲタどもガア――!! さっキからナニ私ノ鳴子をオカズにサカッてンだあアアアアーッッッ!!
 今からオマエらパーツに死て私の小遣イにすルカらとリアエズソコデシンドケ」

258アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:46:57.69 ID:qPhXEJpT

 その女性は剣呑を叫ぶや机を蹴って、訳の解らないことを喚き散らす三人の頭上へと、タイトスカートから伸びる脚を斧の如く
振り下ろして飛び込み……と言うか。鳴子を悔やませていたのは、なんと知った顔の人だった。
(って言うか……っ! 私をオカズにしてるのは……むしろこいつ!)
「アはっ……ッ! あっ……熱い……」
 窄まりに鼻を押し付けて、吸っては顔を上にずらし、窄まりに息を吹き込んでくる。
 人のお尻を風船かなにかとカン違いしているのか……って言うか、親の顔が見てみたい。
(でも、それはあたしも同じ……。人のことは言えない)
 まさかの、本の管理人たる者の姿に、周りが怯えるあまり静まる間も、子供からの口撃は激しさを増し……余波が股間へと飛び火していた。
(ぐっちゃぐちゃ……。私のココ……こんな小さい子にめちゃくちゃにされてる……)
 鳴子はアナルが開発済みゆえに、たとえ子供からの刺激でも感じてしまい、それに加えて女性器への攻めである。使い慣れない花弁でも、
使い慣れた尻穴からの快楽が“上書き”して、一時的に女性器の感度をアナル並みにしていた。それとも……自分はやっぱり
腐れビッチだから……?
 子供だから、人前だから……と消極的になったがために、今や鳴子は年端も行かない子供相手に骨抜きにされ、この状況に甘んじてさえいる。
「……めんま……。じんた……っア、んン……っッ」
 肉壷と尻穴を……ふたりにほじくられる想像をしながら……鳴子は声を、指を噛み締めて押し殺す。

259アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:48:41.35 ID:qPhXEJpT

「……あ…………あぁ。ぃ……や、あぁ……」
 無音でおならが……達したことで締まった窄まりが元に……花が開いていくように、そこから洩れ出てきた。
「んっ! くう……っ! あっ? ふぅっ……んやっアやああーっ!」
 ぷっ、ぷっ、ぴぷっ! ぶぴっ、ぴゅっ! ぷぼぼ、ぶぶぅ……。

 恐慌状態の中を、鳴子はピンボール、もしくはビリヤードの玉のように弾かれて、そのたびに恥ずかしい音と臭いを振り撒いて
辿り着いた先は、各種手続きをするための作業机。
 一度達したおかげでようやく羞恥心が正常に機能してきた。人のいる方から向き合う位置に着け、机で下半身の痴態を周囲から
隠すことができた。
さらに、いかにも手続きをしていると周りにアピールするため、机の上に用紙を置き、右手にはボールペンを持って偽装を施した。
「この……離して…………。離せっ……たっらあーッ!!」
 頭を引き剥がすのではなく、腰に巻きついた腕からなんとかしようと、鳴子は力の入らない左手で引き剥がしに掛かる。
 所詮は小さなエロガキ。鳴子の怒りの籠った左がほどなくして、小さな左手を捕らえた。
「んンっ、ンッ?! こンッ……のエロガキっ!!」
 何度このセリフを心の中で叫んだか。
 片手が掴まれたことで焦ったのか、爪がクリトリスを潰して蜜壷の内へめり込んだ。
 一手一殺。鳴子は二人の左手を机に磔にして、ボールペンを捨てた右を相手の、残った右へと伸ばし。

「あ……っ!」
 ぶぼっびっびっぶびゅっ! ぴびゅぶぼっぴぶ――!!
「ンあッ? ウンッ、やあっ、アああッ!!」

 右肩からずり落ちたショルダーバッグを肘で受け止めると、その衝撃は料理の本五冊分で。それに見合ったおならが計十発…………
肘の痛みなんてどうでもいいほど、周りからの視線が痛い。

260アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:49:49.88 ID:qPhXEJpT

「……ししっ? 真太ーあああっ!! ああ、あんた……よりにもよって人様のお、おしりになにやってるのよーっっ!!」
 しんとなってから割とすぐに女の子の声がして、すると鳴子の腰から子供がぱっと離れた。それから慌てて逃げようとする襟首を掴んで、
その小さな女の子が頭を下げてくる。この針の筵に漂う、濃くてすえた臭いを気にする風もなく。
 小さな体に不釣合いな大きな胸。その女の子は胸にエロガキを貼り付けて、「これって、この子のクセなんです」と言い、その後に
「重度の臭いフェチでもあって……ごめんなさい!」と小さな声で、エロガキの代わりに赤くなって理由を口にした。
 自分たちは図書館に遊びにきて、最上階まで競争していて、その途中に先行していた自分のエロ弟の奇行を見かけ、こうして駆けつけたと。
そして遅れてやってきた友達は慣れっこなのか、周りの大人たちから姉弟を護るように寄り添って、頭を低く垂らしてくる。
みんなで探検をして……男の子が三人に女の子が三人。あのときと……自分たちといっしょ。リーダーが女の子……ひとりでどこにでも
行ってしまうという弟の、その姉ってところだけが違うだけで。
 鳴子はその眩しすぎる光景に、込み上げてくるものを堪えることができず、子供たちばかりか周りの人たちまで、無闇に困らせて
しまうのだった。




261アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:51:43.86 ID:qPhXEJpT
                              ☆

 埼玉総合保健センターの最上階、その窓際の手すりに寄り掛かって、宿海仁太<やどみじんた>は生まれ育った秩父の町を、
正確には地上のある一帯を見ていた。
「あなる……こないね……」
 仁太と手すりの隙間に立って、自分と同じか、それ以上の真剣な眼差しを地上に向けている少女が呟く。
「そうだ」
 な……と言い掛けたのを、つい止めてしまって。
「また図書館に行ってみるか……。それでまだ混んでいたら、奥の方で本でも読んで……。ってか、めんま。腹は、まだ痛むか?」

(めんま……本間芽衣子<ほんまめいこ>。
 あの夏の日の……俺の心無い言葉で…………。
 それを謝りたくて、俺が作り出した夏の獣……。俺の、具現化した罪)

「え……えへへー」
 無邪気な笑みを浮かべ、めんまはするりと仁太の懐から抜け出た。そして細くて長い手足を元気よく振って歩いていくと……。
「め・ん・ま・の・おっなかーは、もう大丈夫ーう……だってー、ば・よーう……で・す・よ! だ・か・ら、バイバイバイエルーン。
めんま、今度はバイエルンが食べたーい」
「バイエルンじゃなくてフランクフルトな。それと、肉の次には野菜を食えってか、ありえないくらい語呂が悪いんですけど!」
「あははは! じんたん、つるこみたーい。それと、つっこみあなるーうっ!」
「はは。よくわかったな。それと……」
(寄りによって、『突っ込み』と『あなる』をくっつけるな)
「んー? それと……なに? じんたん」

 数年ぶりに行った安城の部屋で、めんまの為に探し物をするあなるのデカい尻……。
 数年ぶりに集まった秘密基地で、近くの沢で足を滑らせる安城を受け止めて、股間に押し付けられたあなるの尻のボリューム……。

262アナルで愛して。 :2011/05/15(日) 19:52:53.39 ID:qPhXEJpT

「じんたーん。早く早くー!」
 レストランの他に出店もあるフロアに、めんまの白いワンピースの裾がふわりと舞っていた。その儚い姿と甘ったるい声に引かれながら、
仁太は地上の駐輪所辺りを一瞥する。
(おばさんの話だと今日らしいけど……。あっちこっち、めんまと探検しているうちにすれ違っていた……なんてないよな…………?)

「おとーさーん。ぼく、アイスクリームがたべたーい」「図書館の暴動に巻き込まれる前に逃げてきて正解だったろぉ……ハアハアハア、ウッ!」
「ほら、じんたーん。またそんな猫背になって歩いてー。男なら、しゃきーん・ザ・ですよ?」
「……なんにでも、ですよをつけるな。このだめんま」
「うー。だめんまって、じんたんひどいー」
 仁太を待ち切れずに戻ってきためんまに手を引かれる姿を、周りから――猫のパントマイムとでも思われたい――見られる恥ずかしさに、
股間の硬度が落ちてくれないでいる。
「よ……よし、めんま! 腹ごしらえしたらあなるを、また図書館で張り込むにゃー!」
 柔らかくなーれ、と思ったわけではないが、招き猫にした手で口元を隠してしゃべったら、語尾まで猫のそれになってしまった。
「にゃー! じーく、あなる!」
「ジーク、あなる!」
 口調は直したが、しかし今度はめんまの掛け声を復唱してしまったために、周囲から白い目が仁太を射殺しに掛かる。結果、
仁太はその場を超バスター――逃げ出す――するのだった。




  続く。

263名無しさん@ピンキー :2011/05/15(日) 20:28:10.87 ID:f2MIAsGz
>>262
続く。まで読んだ
アニメはまだ見てないんだけど公共の電波でアナルアナル叫んじゃうの?


264名無しさん@ピンキー :2011/05/15(日) 22:27:28.52 ID:YQq+wJnR
乙なんだけど、なんと言うかその、もう少し読みやすくというか……

265名無しさん@ピンキー :2011/05/19(木) 00:15:34.86 ID:5+QEooUi
sage

266名無しさん@ピンキー :2011/05/19(木) 09:29:25.80 ID:xiyDkhYc
>>262

続き楽しみにしています。


267H :2011/05/19(木) 23:42:48.19 ID:Izi0JM69

 あとがきその二です。

>>241 >>242 >>243 >>245
 最後まで読んでくれたことを、まずは感謝です。
 実のところ、ここまで引っ張った挙句にこんな普通の終わり方でいいんだろうかと、結構悩んだりもしてました。

 最後は究極の興奮を求めて真昼間の街中で脱糞、そのままいつきと二人、公衆の面前で出したモノを
一緒に塗り食いしながらEND……って感じで頼む。

 というレスが過去にあって、ちょっとぐらっと来たりもしてました。
 「エロだけじゃなく、読んで面白い話」を目指してたんですが、実際どうだったんでしょう?
少しでも楽しんでもらえたのなら、幸いです。
 あと最後なので、これを書くに当たって影響を受けた物とかを。


・電撃文庫 ダブルブリッド
 文章構成、心理描写など。結構前のラノベです。
 長い話が書きたいと思ったのは、これの1巻の影響によるところがとても大きいです。

・フルメタ短編
 番外編サブタイトルの付け方は、これの方式です。
 第3話ではネタをひとつ借りています。

・我流痴帯
 問答無用。
 ここがなければ最初の話も書いてませんでした。


 以上。
 休むと言ったけど新作のアイデアが溢れて溜まって困ってます。
 仕事柄、高校とかの女子便所によく入るんですが、色々考えてしまいますね……。

 それから、今まで書いたもの全部をZIPにまとめました。
 よろしければどうぞ。
 ttp://corinzu.sakura.ne.jp/biguploader/src/scat2_0010.zip.html


268:2011/05/21(土) 04:46:33.27 ID:QRaq4ZZW
「先生…?」
「なんだ?」
「あの、すごく……
 時間が経ったような気がする」

確かに長い春休みだった。
終業式から始業式までほんの数週間。それが何ヶ月も続いたかのような錯覚に囚われる。

黒髪、おさなくて、子犬みたいなうるんだ目で俺を見つめる。
熱っぽく、半開きのくちびるから液体がしたたる。
鎖骨、まくれあがったスカート、くるぶし、足首、臍、肩胛骨、背骨、てのひらの肉感、耳たぶ、首筋、
有澤えな。俺の生徒。彼女を構成するパーツのおよそすべてを、もう俺は知ってる。

「あんまりいじめないでください…」
「ふーん」
揃えた四本の指が双臀の谷間をぬるりと滑る。
「ひぅっ!…はぁぁ」
滴る。液が、口から、性器から、異物の隙間から。
「これ、有澤が欲しがったんじゃなかったっけ?」
粘液まみれの指でつかむ。滑る度に嗚咽が聞こえる。
「学校でも一日中入れっぱなしでいいから、それでも欲しいんだって」

目の前には丸くて白いケツ。じっとり汗ばんでる。
すぐ上、腰のあたりに両手が折り重なって、手首にはフェイスタオルがこぶを作っている。
やろうと思えば縄抜けなんて簡単に出来る。そうやって縛った。でもこの子は捕らわれてる。自発的に。

「あっ…はぅ、いじめ、ないで…」
涙声で、封じられた穴からだらりと一筋の粘液をこぼす。
時折ひくつく窄まりは赤く充血して内側の粘膜が露出しつつある。
知っている。
直腸粘膜をひっくり返して排便したくて堪らないのだろう。そういう時の有澤は壮絶に濡れる。
腹ん中には浣腸液が仕込んである。それもローションを多分に含んだやつ。
少量ずつ漏れているのだから、内壁との摩擦はだいぶ軽くなっているはずだ。
自分の体で一番気持ちのいいところ、彼女本人が言ったので相当なのだろう、そこをぬるぬる擦り付けられているはずだ。卑猥すぎる異物で。

269:2011/05/21(土) 04:47:09.64 ID:QRaq4ZZW
有澤えなは今、排便するための穴にずっぽりとディルドをくわえている。
太さはそうでもないが、プラグに比べると長さはずっとある。

「いきなり…こんなに大きいのなんて…聞いてません」
荒く呼吸しながら言葉を吐き出す。発声の振動すらきつそうだ。
こうしてやってからそろそろ10分が経過した頃だろうか。
「あぁぁ、うんちの穴が…こんなにおっきいので……犯されてる」
ぶちゅう…
気泡混じりの液体がねじり出てきて、泡が色の付いたよだれを垂らす。
「先生…だめ、もううんちの穴いじめないで…もう我慢できません…うんちしたい…」
「はいはい、しょうがない奴だな」
ぬるついた手で柄を掴むと、有澤は安堵したような溜息を吐く。
「おっと」
柄に絡み付いたローションで手元が狂った。ずぶり、一瞬沈み込む。
「んぁぁあっ!」
ぴしゃっ。小さく失禁する。既に何度も小便を漏らしている。もう、そう量は出ないらしい。
「はぁ…はぁ…もうだめぇうんちさせてよぉ…お願いします!」
ぐずぐずの涙声で訴えてくる。可愛い。こんなにいとおしい生物が、他に存在するんだろうか?

270:2011/05/21(土) 04:47:51.16 ID:QRaq4ZZW
「よしよし、分かったから泣くな。有澤が泣けば泣くほど、もっといじめたくなるだけだから。」
髪を撫でる。細く柔らかい髪はしっとりと湿ってる。
「ひっく…うぅ…抜いて、抜いてくださいぃ…」
「あー、はいはい。」
ぬちゃ…
尻を割り開いてやる。再び柄を掴もうとして思い直す。
ぬるつく指を拭かなければ。
有澤の手首を拘束するタオルで片手を拭う。
「んっ…せんせぇ…」
有澤が指を絡めてくる。不自由そうに。それがどことなく健気で、そそる。
「有澤、ほら、放して。ディルド抜かなくていいのか?」
「うー、いやぁ」
名残惜しそうに指を外す。

拭った片手で柄を掴む。もう片方の手でディルドの周りの柔肉を押さえつけ、
抜く。
じゅぽっ
「〜〜〜〜!!!!」

271:2011/05/21(土) 04:48:34.64 ID:QRaq4ZZW
弓なりになって声にならない声で叫ぶ。
ローションと浣腸液のどろどろの混合物が、赤くひりつきそうな粘膜から、どくどくと噴出する。
「は、はぅ、あっ…ぐ」
有澤が床に突っ伏す。腕を後ろ手に縛られ、膝を折り曲げ、柔らかな乳房を微かに揺らしながら。
「ん…うんち…出ちゃう」
汗ばんだ肩越しにこちらを振り返る。涙とよだれでぐしゃぐしゃ。髪を食ってる。
「うん、見ててやるから、たんまりひり出せ、な。」
言って腰を立てる。上半身は突っ伏したまま。バックで犯されるのを待ってる女の体制。
ただ違うのは、今から入れるのではなく、出すのだということ。
「ぁ…やぁぁ…んっんっ」
ミチミチ、見る間に菊穴の直径が広がっていく。
汚水を排出しながら、真っ黒な塊が顔を覗かせる。自己申告によれば五日分。
まぁ、同じ光景を俺が最後に見たのも五日前なわけだが。

「ん…んぐ…ふっ、んふ…」
白くてでかい尻をぶるぶる震わせる。
ぶちゅ…ぐちゅ…
徐々に、徐々に、その姿を現してくる。
「相変わらず、ぶっとい糞だよなぁ」
「や…恥ずかしい…。ん、んんんんっ!んぐっ」
ずぶぼっ
見るからに硬そうな、ごつごつした物体が捻り出てきた。
美少女脱糞の瞬間。
この子のすごいとこはそれだけじゃない。モノがバカでかくて大量だってことだ。
しかもわざわざ脱糞で最上の快感を得るために、故意に嵩を増すような食生活までする「努力家」のド変態。

272:2011/05/21(土) 04:48:58.36 ID:QRaq4ZZW
「うぅぅ…あっあっ、うんち…うんち出てるよせんせぇ」
「あぁ、出てるな」
「かたくて、おっきいの…あぁんうんち穴きもちいの!ごりごりするの、すごいの!うんち…きもちいい…」
「おお、そいつはよかったな」

ごとん!
重量感のある鈍い音を立てて、それは床に落ちる。
性器から床に糸が引く。「たまらない」らしい。相当なもんだ。

「ふぁ、はずかしいの、きもちいいの」
うわごとのように言いながら、「二発目」。
むりゅぅ…ぶ…ぶぶ…
うんこ花火…そんな蔑称のあるアレと同様に、静かに少しずつ、捻り出す。
「あ…あふ…はぅん」
乳房を床に擦り付ける。腰をなまめかしく捩る。そうして、排便を続ける。
実にいい光景である。
粘土のような部分を出し終えると、続いてぼとぼとと繊維質な大便が床に山を成す。
まったくとんでもない量の脱糞をする。
「うんち…終わっちゃう…」
さみしそうに呟きながら、最後にちゅぷちゅぷと欠片を排泄する。
「あ…はぁぁ、終わっちゃった…もっといっぱいうんちしたかったのにぃ…」

273名無しさん@ピンキー :2011/05/21(土) 04:50:41.45 ID:QRaq4ZZW
H氏、おつかれさまでした。
大団円を目の当たりにしたリビドーのままに書いちゃったけど
すっきりすると事後書く気がしないんだぜ
後悔はしてないんだぜ

274名無しさん@ピンキー :2011/05/21(土) 19:48:03.68 ID:uIORZj5a
おお、これはまた……お久しぶりです

こっちの二人も相変わらずのようで安心

275名無しさん@ピンキー :2011/05/21(土) 23:41:46.90 ID:a7HvkBpC
>>267
乙です。
以前のうp時はパスかけてた気がするけど、そこのところは大丈夫?

276名無しさん@ピンキー :2011/05/28(土) 17:55:03.68 ID:H41RoPKx
投下します。

内容 魔法少女まどか☆マギカ二次創作

カップリング 杏子×さやか



9話「そんなの、あたしが許さない」のネタバレあり。
アニメの9話未視聴の方は注意してください。

さやか、杏子が嫌いな方、もしくは杏さやアンチの方はスルー推奨。


277アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 17:56:31.73 ID:H41RoPKx
 ――見滝原市の商店街にあるCDショップ。
 その片隅にひっそりとスペースを確保しているクラシックコーナーに、美樹さやかはいた。
 しかし、そこで商品を物色する彼女の相好は酷く陰鬱なもので、かつてのように期待に満ちたものはない。
 サファイアのような青い瞳をどす黒く濁らせているのが、暗い表情を作るのに拍車を掛けていた。
 学校帰りにこのCDショップへ寄り、恭介が好みそうなクラシックのCDを購入して見舞いに向かう。
 それは、以前までのさやかにとって数少ない日課の一つ。
 変わることのない日常というパズルを組み上げる上で、大切なピースだった。
 しかし、医者に見放された恭介の腕を治すべく魔法少女になった結果……彼女の運命は大きく狂ってしまった。
 そのパズルはもう、組み上げる事すら不可能なほどに壊れてしまっている。

“あたし……何やってんだろ? もうこんな事しても意味ないのに……”

 ある日の放課後、退院してから数日も経たぬ内に復学した恭介が、仁美と公園のベンチで楽しそうに談笑する光景を見て以来、
彼とは話してすらいない。
 さやか自身が、恭介と距離を置いているのだ。
 何故なら自分はもう……普通の人間ではないから。
 屍同然となった身体で、想い人と同じ時間を過ごせると思えるほど、彼女は図々しくない。

 こんな身体で抱きしめてなんていえない……。
 キスしてなんていえない……。
 そんな呪縛じみた思いが、彼女の繊細な心を苛む。

 唇を強く噛み締め、さやかは制服のポケットからソウルジェムを取り出す。
 自らの魂を変換して生成された宝石……ソウルジェム。
 魔法少女になったばかりの頃、淡く輝いていたそれは、著しい魔力の消耗によって穢れが溜まり、すっかり淀みきっていた。
 だが、それでも彼女はグリーフシードを使わない。

 見返りを求めたり利己的主義には走らない魔法少女になる……自分の為ではなく、巴マミのように誰かを守る為に魔法を使う。
 その志を貫徹しようとすべく、彼女は意固地になっていたのだ。
 しかし、彼女はまだ気付いていない。
 誰かを救うたび、反比例して自分の心には恨みや妬みが蓄積していくことを……。
 誰かの幸せを願う分、他の誰かを呪わずにはいられないことを……。
 奇跡を願った分、相応の絶望が自分に返ってくることを……。
 魔法少女には、そういった仕組みが形成されていることを、彼女はまだ気付いていなかった。


× ×


 購入したCDが入っている袋を片手に提げ、店を出たさやかは街の散策を始めた。
 目的はもちろん、魔女を探すため。
 大切なもの、縁(よすが)とするものを悉く失った自分には、魔女討伐しかない。
 それをしなければ、心の均衡を保つことすら困難になっているのだ。
 自分には魔法少女としての才能も素質もない。
 だからこそ、魔女を倒して自分の存在意義を示さなければならなかった。
 焦燥に駆られる心が、自然と歩くスピードを速めていく。

「……あれ?」
 ふと、さやかは街の中で見知った姿を発見する。
 ダークレッドの髪を黒いリボンでポニーテールに束ね、淡いグリーンのダブルジップパーカーとプードルファー付きの
ショートパンツに身を包んだ少女……佐倉杏子だ。

 彼女は今、片手に小さな紙袋を抱え、しきりに周囲を見回している。
 平素、自信に満ちた杏子にしては、珍しく挙動不審だ。
 誰もいないことを確認して安堵したのか、ほっと一息つくと建物と建物の間に身体を滑り込ませ、路地裏へと入っていく。


278アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 17:57:41.25 ID:H41RoPKx
「……」
 魔法少女になった直後は傲慢な態度で自分に闘いを仕掛けられてきたので、当初、さやかは好印象を抱いていなかった。
 だが、最近はどういうわけか、杏子の方から接触してくる事が多い。
 それ故に、杏子が一体何をしようとしているのか……少しばかり気になった。
 意を決して彼女に倣い、さやかは建物の間に入る。
 一体何でこんなところに……?
 自分と同じように魔女探索でもしてるのだろうか……?
 そう思って間もなく、彼女がここに来た目的を理解した。

「どうだ? 美味いか?」
 眼前に映る光景。
 それは、さやかを驚かせるには充分なものだった。
 路地裏で杏子は体躯を屈ませて、生後四ヶ月辺りの子猫にたい焼きを差し出している。
 子猫はそれが食べ物だと気付くと、たい焼きの頭をちびちびと齧り始めた。
「ははは。たくさん喰ってデカくなれよ……あ、でも喰い過ぎたらデブ猫になっちまうな」
 返事が返ってくるはずもないのに、杏子は勝手に語りかけながら猫の頭をそっと撫でる。
 すると、たい焼きに夢中でがっついていた猫は、心地よさそうに目を細め、頭を揺らした。

「お前も一人ぼっちか……でも心配すんなよ。アタシがこの街にいる限りは、こうやって食いモン持って来てやるからさ」
 頭を撫でていた手を、今度はおとがいに持っていき、まるで慈しむように指先でくすぐる杏子。
 彼女が背後のさやかに気付いている様子は全くなかった。
「へぇ……あんたにもそういう所あったんだ。ちょっと意外」
「んがっ!?」
 不意打ち同然に声を掛けられ、杏子は素っ頓狂な声を上げて仰け反った。

「ととっ……へぶぅっ!?」
 直後に、彼女は屈んだ状態からバランスを崩して盛大に倒れこむと、右斜め前方の位置にあったゴミ袋の山に顔ごと突っ込む。
 幸い、それがクッションになったため、大した怪我はなかったが、その様子に驚いた子猫が逃げてしまった。

「さ、さ、さ、さ、さ、さ、さ……さやかっ!?」
 何とかゴミ袋の山から顔を離すと、彼女は尻餅を付いた格好で背後を振り返る。
 紅玉のような赤い瞳をこれ以上ないくらいに見開いて声を張り上げる杏子の顔は、以前彼女が食べていた林檎のように赤くなっていた。
 頭や肩にバナナの皮やミカンの皮、魚の骨などを乗せて狼狽する姿は、何とまぁ滑稽である。

「……何やってんのよ?」
 呆れながらも、さやかは杏子の傍らに座って身体に付いた生ごみを取ってやる。
「べっ……別にいいだろ!!」
 拗ねたように口を尖らせてそっぽを向く杏子は、新しいチョコプレッツェルをパーカーのポケットから取り出して咥える。
 こんな所をさやかに見られるとは思わなかった。
 いや、さやかだからこそまだ良かったのかもしれない。
 これが暁美ほむらだったら、あの無愛想極まりない態度で皮肉を言ってきた事だろう。
 そう考えると、杏子は胸の辺りがムカムカしてきた。
「……ま、アンタで助かったよ」
「え? 何が?」
「何でもねぇ。こっちの話だ」
 言いながら、杏子は紙袋から新しいたい焼きを取り出して、さやかに差し出す。
「前に言ったでしょ。受け取らないって……」
「これはアタシが稼いだ金で買ったやつさ。だから、やましいもんは何もねぇよ」

279アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 17:58:38.29 ID:H41RoPKx
 意外な言葉に、さやかは開いた口を閉じるのも失念して杏子を見据える。
 どう見ても、杏子の外見年齢は自分とそう変わらない。
 稼ぐといっても、世間一般の労働は年齢的に無理なはずだ。

「まさか……援こ」
「変な想像すんじゃねぇっ!! ここらへんのバイトで稼いだんだよ!!」
 さやかの言葉を見事に遮って杏子が叫ぶ。
 そんなことを思われたのが相当に心外だったのか、先ほどとは別の意味で顔を真っ赤にしていた。
「へ、へぇ……そうなんだぁ」
「テメェはアタシを何だと思ってんだよ?」
 頬に汗を垂らして相槌を打つさやかを、杏子はジト目で睨みつける。

「まぁ、流石に普通に働きたいって言えば断られるのは目に見えてっからな。その辺はちょいと魔法で記憶を弄って働かせてもらったよ」
 咥えていたチョコプレッツェルをさっさと胃の中に収め、杏子は悪戯っぽく笑う。
 その笑顔は、以前さやかを殺そうとしていた彼女からは想像もできないほど、無邪気さに満ち満ちていた。
「っつーわけでだ、これなら喰っても何一つ文句はないだろ?」
 言いながら、杏子はたい焼きを、半ば強引に握らせる。
「はぁ……分かったよ」
 強引極まりない押しに、とうとう根負けしたさやかは、たい焼きを頭から噛り付いた。
 生地のふんわりとした食感と、つぶ餡の程よい甘味。
 それらが口腔に満ちて、さやかは思わず顔を綻ばせてしまう。
 笑った事なんて何日ぶりだろうか?
 述懐してから、自分の表情から笑顔が消えていた事を、今更ながら思い出す。

“あたし……まだ笑うこと出来たんだ……”

 そう考えながら、さやかはもう一口たい焼きを頬張った。
「この近くにアタシの泊まってるホテルがあるんだ。良かったら寄ってくかい?」
 おもむろに、杏子が口を開く。
 再度予想だにしなかった言葉に、さやかの相好が微笑から驚愕に変わる。
 しかし、それも一瞬の事。
 小さくかぶりを振って断りの意を示す。
「いいよ……あたしは……魔女を探さないといけないし」
「ほんの少しくらいいいだろ? 寄ってけって」
「あっ!? ちょっと、杏子!?」
 聞いておきながら本人の意志を完全無視する形で、杏子はさやかの手を引いて歩き出す。
 はたして杏子に引きずられるような形で、さやかは足を進めていった。


×            ×


 市内にあるホテルの一室――杏子が寝泊りするその部屋は、見滝原市の町並みを一望できる階にあった。
 室内は意外と広く、普通のシティホテルに比べれば寝具も調度品も瀟洒なそこは、恐らく高級ホテルの類と見て間違いないだろう。
 しかし、コンビニの買い物袋やお菓子の空き箱、林檎の芯、ファーストフードのゴミばかりが床に散乱しているのを見ると、妙に雰囲気が安っぽく感じてしまうから不思議だ。

「汚いなぁ……ちゃんと掃除しなさいよ」
「うるせぇ。寝られれば良いじゃねぇか」
 さやかの小言を一蹴して、杏子はベッドの上に腰を下ろした。

「そういや、ずっと持ってるそれ……何なんだ?」
「あぁ……これ?」
 杏子が指差すものを視線で追ったさやかは、手に持っていたものの存在を思い出す。
「――クラシックのCD。幼馴染みが好きだった奴なんだ」
 以前までの彼女であれば想像も出来ないような冷めた声で、さやかは袋に入ったCDを見つめる。

280アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:01:01.12 ID:H41RoPKx
「でも、もう必要……無いんだよね……なのに……何で買っちゃったんだろう?」
 もう一度聞こえてくる、凍えた声音。
 無機質極まりないその声に、杏子の顔が強張る。
「友達がね……その幼馴染みの事……好きだったんだって。ははっ、それを聞いた時にさ、
その子を魔女から助けなければ良かったって思っちゃったんだ……あんたの前で人の為に祈った事を後悔していないとか言っておきながら……あたし、凄く後悔しちゃったよ」

 紡ぎ出す声は、徐々に……徐々に震えていく。
 それは、彼女の悲嘆を物語るには充分なものであった。
「何で……何であたしじゃなくて仁美なの? どうして恭介の傍にいるのがあたしじゃないの……? 恭介の腕を治したのはあたしなんだよ? それなのにどうして……?」
 ギリッと拳を握り締め、さやかは今の今まで抑圧させていた負の感情……嫉妬や怨嗟、憎悪といったものを次々と吐き出していく。
 彼女は以前、見返りは求めないと言っていた。
 しかし本心は、自分の願った奇跡によって恭介の腕が治ったことを、彼に感謝してもらいたかった。
 それが、嘘偽り無いさやかの本音である。
「あたしだって恭介に今すぐ好きって伝えたい……もう一度二人で音楽を聴きたい……
もう一度恭介の演奏を傍で聴きたい……恭介に……恭介に愛されたい……でも、でも……もうそれが出来ない……あたしには何も出来ないんだよっっっ!!」
 ヒステリックに叫んだまま、さやかはCDが入った袋を壁に向かって投げつける。
 衝突すると同時に、ぱきんっ、というプラスチックのCDケースが割れる音が室内に響き渡った。
「恭介……ひぐっ……えぐっ……きょう……すけぇ……」
 顔を悲哀で歪め、滂沱の涙で頬を濡らすさやかは、その場でへたり込み、ぐずぐずと泣きじゃくる。
 今この場に、いつもまどか達の前で明るく振る舞う美樹さやかの姿はない。
 室内にいるのは、魔法少女として理想と現実のギャップに苦しみ、『穢れ』に心を蝕まれ、懊悩煩悶を重ねて身も心も疲れ果てた一人の無力な少女だった。

「なぁ……さやか」
 それまで無言でさやかの話を聞いていた杏子が、唐突に口を開く。
「あたしじゃダメか?」
「……えっ?」
「あたしが傍にいるんじゃ……ダメか……あたしじゃあ、あの男の代わりにはならないか?」
「何……言ってんの?」
 杏子が巫山戯ているのかと思い、さやかは憤怒の形相を向けた。
 しかし、杏子の真摯な表情が、それが冗談ではない事を如実に物語っている。
「きょう……こ……?」
 眼前にいる少女の名を紡いだ時には、さやかは杏子に抱きしめられていた。
「魔法少女になるきっかけは……アンタもアタシと同じ間違いから始まった……今のアンタは……
他人がどうやっても分からないような苦痛を両手いっぱいに抱え込んで、後悔に押しつぶされそうになって……1ミリの希望もない絶望の淵に立たされてるかもしれない」

 一度言葉を区切ってから、杏子はさやかの双眸を見据える。
「アンタの痛みを代わってあげることは出来ない……でも、傍にいてアンタの苦しみや悲しみを聞いてあげれる事は出来る。だから……アタシが傍にいるんじゃダメか?」
「杏子……」
「分かってるよ……こんな台詞、柄じゃないのもさ。でも、アタシはもう……大切な人が壊れていくのを、見たくねぇんだ」

 平素の杏子とは異なる、弱々しく悲痛な声。
 その声で紡がれた言葉は、かつて自分が願った奇跡で家族を失ってしまった杏子の心の内だった。
「同情なんかで……そんな事言われても……んぅっ!?」
 言い終えぬ間に、さやかの唇は杏子によって塞がれる。
「同情なんかじゃねぇ……好きだから……」
 一度言葉を区切ってから、杏子はさやかの目を見据える。
「好きだから……これからも一緒にいて欲しいから……だから……」
 もう一度、杏子は自分の唇をさやかの唇に重ねる。
 突然の告白に暫し呆然としていたさやかだったが、何故か彼女を拒むという選択肢は、頭から浮かんでこない。
 自分に唇を押し当ててきた少女の背中に手を回し、さやかは受け入れの意を示した。

            ×            ×

「正直ね……まだよく分かんないよ」
「何がだ?」
「女の子同士でこういう事、していいのかなって……」
 ブレザーとスカート、ブラウスを脱ぎ、ブラとショーツだけになったさやかは、両腕で自分の肩を抱くようにして身を縮こませる。
 いくら同姓とはいえ、肌を人前に晒すのは、年頃の彼女には羞恥の極みにある行為だろう。
「アタシは別に気にしないよ。さやかとなら平気だしね」

281アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:03:01.95 ID:H41RoPKx
 頬を染めるさやかとは対照的に、杏子は手早く着ていた服を脱いで下着姿になる。
 動きやすいアウトゴムのショーツに慎ましやかな胸を隠すスポーツブラが、いかにも彼女らしい。

「あ、あたしは……正直……ちょっと怖い……かな」
 肩を抱く腕に力を込め、さやかは俯きながら言葉尻を濁らせる。
 体躯を小刻みに震わせている辺り、本当に怖がっているようだ。
「……さやか、手ぇ貸してみな」
「え?」
 杏子に言われるまま、さやかは肩から手を離し、杏子の前に手を差し出す。
 その手を、杏子は自分の控えめな胸にそっと当てた。
 人肌よりもほんの少し熱を持ったそこから、掌を伝って心臓が高鳴る感覚が伝わってくる。
 まるで長距離走を終えた後のように、リズムが速い。
「……ドキドキしてる」
「あぁ……さやかの傍にいるだけで、こんなにもドキドキしてる……らしくないよなぁ」
 自嘲気味に笑ってから、杏子は潤んだ目をさやかに向けた。

「気にしないとは言ったけどさ、アタシも初めての事だから怖い……だけど、さやかが一緒なら……その怖さも和らぐよ」
「杏子……」
「久し振りだよ……誰かの温もりが欲しいって思ったのはさ。それに、誰かがこんなに傍にいるだけで安心したのって、初めてなんだ」
 熱っぽい吐息を漏らす杏子に、さやかの胸が大きく高鳴る。
 少なくとも、自分に同性愛の気はないと思っていた。
 親友の鹿目まどかとじゃれ合う事はあったが、それはあくまで友達としてのスキンシップのみ。
 それ以上の事はないし、望む気もない。
 だが……今の杏子は、同姓のさやかが見ても可愛いとすら思えてくる。
 普段はベテランの魔法少女として、勝ち気な彼女が見せる淫靡な雰囲気に、さやかの子宮と女芯が甘い疼きに襲われる。
「……」
 何も語らぬまま、今度はさやかの方から唇を求めた。
「んっ……んぅ……」
「うぅん……むっ……」
 互いに唇を付けては離すを繰り返し、さやかは杏子の上唇を自分の唇で挟む。
 杏子もまた、お返しといわんばかりに、下唇を自分の唇で優しく挟んだ。
「んむっ……んんっっっ……」
 何度目かのバードキスを繰り返した後、杏子は舌を突き出して
さやかの唇をこじ開けると、ゆっくりと口内に舌先を侵入させる。
「んっ!? ううぅんっっっ……」

 最初は口腔に入り込んでくる異物感に顔を顰めたさやかだったが、
それも一瞬の事。
 生温かいそれを迎え入れるべく、僅かに口を開けてから、自らの舌先を杏子の舌に絡ませる。
 ぴちゃ……ぴちゃっと猫が水を飲むような音が響くとともに、二人はお互いの口腔を貪るように舌を蠢かした。

「ぷっ……ふぁ……」
「んっ……うぅ……」
 唇を離すと、二人の舌から引き伸ばされた蜜糸が、音もなく切れる。
 未だ肢体を震わせながら、さやかは杏子と同じように熱い吐息を漏らし続ける。
 それが先刻の恐怖によるものなのか、それとも興奮によるものなのかは、自分でも判別が付かなかった。
 そんな彼女の胸に、杏子は手を伸ばす。
「ひゃんっ!!」
「結構デカイよなぁ……」
 短い悲鳴を上げるさやかに対し、杏子は感嘆の声を漏らしながら、ブラジャー越しにさやかの双丘に触れて、掌で包み込むように揉み上げる。

「うわっ……もう乳首勃ってるし」
「ば、馬鹿ぁ……いちいち言わなくて良いからぁ……」
「いや、でもさぁ……凄い固くなってるし、触る度にビクビクって震えてる」
「あぁ〜もうっ! だから言わなくていいんだってばぁ……」


282アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:03:52.82 ID:H41RoPKx
 生々しく詳細を説明する杏子に、さやかは髪を振り乱しながら叫びを上げる。
 耳まで真っ赤にした顔と1オクターブ上がった甘い声音は、彼女の羞恥や切なさを物語っていた。
 杏子は杏子で、自分の愛撫によって感じているのが純粋に嬉しいらしく、ブラの下から指を滑り込ませて中に潜んでいた小粒の突起を弄る。

 弄る、といってもその手つきは決して乱暴ではない。
 乳房から乳輪、突起に掛けて螺旋を描くようになぞり、軽く中指で弾くように愛撫する。
 ガサツな杏子の性格とは正反対の繊細な手付きだ。
 恐らく、それだけさやかを大切に思ってのことなのだろう。
「はぁ……はぁ……んぅっ……杏子ぉ……」

 太ももを擦り合わせながら切なそうな吐息を漏らすさやかを見て、杏子は彼女の髪をそっと撫でる。
 サイドを黄色のヘアピンで留められた、痛み一つないぺイルブルーの髪。
 さらさらとした感触が、杏子の掌に心地良さを与えてくれた。
 思わず甘えたくなるほど母性に満ちた手の感触に、さやかは思わず杏子の胸に顔をうずめてしまう。

「はは、可愛いところあんじゃん」
 乳房を愛撫していた手をそろそろとブラから抜いて、肋骨から腹部、脇腹、臍の順になぞっていく。
「あうぅっ、んあぁっっっ! 」
 柔らかな肌に指が触れる度に、過敏な反応を示すさやかを愛おしく想いながら、撫でる手を徐々に下降させていく。
いよいよ杏子の手がショーツ越しに下腹部に触れ、未成熟な肉芽が
指先に当たった。
「ひぅっ!!」
 まだ包皮を被ったまま、しかもショーツ越しとはいえ、いきなりクリトリスに触れられたさやかは、悲鳴に近い声を上げて肢体を震わせる。

「痛かったか?」
「う、ううん……大丈夫。でも……今の凄かった」
 全身を小刻みに震わせるさやかは、囁くように言葉を紡ぐ。
 性感が徐々に高まりつつあるせいか、声色は先刻までの緊張していたものから、艶めいたものに変化していった。
 さやかの言葉を聞いて安心した杏子は、布一枚を隔てて秘裂に人差し指を前後に這わせる。
 ただし、その動きは悪戯に『あけび口』をなぞるのではなく、指を尺取虫のように蠢かし、指の腹に陰唇から粒肉が当たるようにしている。
 その巧みな動きは、自慰さえ満足に行った事がないさやかを蕩けさせるには充分なものだった。
「んやぁぁぁぁぁぁっっっ!! きょ、杏子……っ! ちょ、ちょっと待っ……ひゃうあぁぁぁぁぁっっっ!!」
 杏子の愛撫を制止するために、声を発しようとしたさやかだったが、秘部を弄られた事によって生まれた甘痛い疼きが彼女から抗議の言葉を奪っていく。
 すでにショーツの二重布部分はじんわりと楕円形のシミが広がっており、室内に濃厚な女臭が充満していた。
「すごっ……ヌルヌルしてる」
「うぅ……んはぁ……はぁんっ……や、やぁぁぁっ……」
 鼻にかかる甘ったるい声を漏らすさやかの下着に手を滑り込ませ、杏子は直接秘唇に触れた。
 猫の毛のように柔らかい陰毛の感触を掌で楽しみながら、杏子は包皮を剥いてから肉芽を指先でつつき、充血して肉厚になった小陰唇を丁寧に摩る。
 その動きを何度も何度も繰り返していくと、さやかは無意識に腰をくねらせていた。
「ひぃあっ!! んふっ……うぅぅぅんっっ……な、何で……? 何でこんなにぃ……身体がビクビクするのぉ……分かんない……分かんないよぉ……」
 自分の意志とは関係なしに身体が痙攣する事に、さやかは戸惑いを隠せない。
 初めて味わう女の悦びは、脳から脊髄を痺れさせてしまうほど甘美なもので、先刻から下腹部の辺り……子宮が熱を帯びて収縮しているのが分かった。
 悦楽に身体が反応している証拠である。
 先刻から内腿に滴っていたガムシロップのような蜜がどんどん量を増し、ついには粘性を含んだ白汁……いわゆる子宮頚管粘液がショーツのクロッチから溢れ出してきた。
「……」
 さやかが放心している隙に、杏子は愛撫の手を一度休める。
「……ふぇぇ?」

283アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:04:46.68 ID:H41RoPKx
 突然中断されたことに戸惑いと不満を感じたのか、さやかは焦点の合わぬ瞳で杏子を恨めしげに見つめる。
 そんなさやかを尻目に、杏子は持っていた一粒の錠剤を口に放り込んでから再び唇を重ねた。
 舌とは違う、何か小さな異物を入れられたような感覚。
 それにさやかは顔を顰める。
 しかし、唐突に口の奥まで押し込まれたせいか、それを唾液と共に嚥下してしまう。
「杏子……あたし今何か飲み込んで……うぅっ!!」
 言い終えぬ間に、さやかは激しい腹痛に見舞われる。
 それはまるで、内臓に錐(きり)を突き立てられ、寸刻みに先端を刺されていくかのような、じわじわと来る痛みだった。
 しかもその鋭痛は、治まるどころか時を刻むごとに自己主張を増していく。
 激痛に為す術もなく、さやかは両膝を折ってカーペットに額を付けながら蹲る。
 誰の目から見ても、さやかが苦悶に苛まれているのが分かった。

「さやか……本当に可愛い……だから、あんたの全部を見せてもらうよ。綺麗なとこばかりじゃない……汚いところも、全部……ね」
 さやかの背後に回り、膝を折って屈んだ杏子は、彼女の尻朶を掌で何度も撫でる。
 しばらくその柔肉の感触を堪能してから、快楽とは別の形で身体を痙攣させるさやかのショーツを、杏子は丁寧に下ろした。

「だ、ダメ……杏子。触らないで……で、出ちゃう……からぁ……」
「気にすんなって。ウンコぶちまけたらアタシが受け止めてやるから。遠慮なく出しちまえよ」
「なっ……!? あんた……なにしたの?」
「さっき飲み込んだ奴あるだろ? あれさ……下剤なんだ。しかも超即効性のある奴」
 悪びれた様子もなく嘯く杏子の言葉に、さやかは顔色を絶句した。
「な、何でそんな事……すんのよぉ……」
「言ったろ? アタシはさやかの綺麗なところも汚いところも見たいって……だからさ」
 そういって杏子は、舌先をさやかの臀部に這わせる。
 白磁器のように白い双臀は、発育途中でありながら、しっかりと女らしい丸みを帯びていた。
 尻朶全体に血色の良い舌を這わせながら、杏子は笑う。
 しかし、表情に映る笑みは、猫のようなツリ目と牙のような犬歯のせいか、さやかにはその笑みが小悪魔のようなものに映っていた。

「い、嫌……う、ウンチ……出ちゃう……出ちゃうぅぅぅぅぅぅっっっ!!」
「いいぜ。気にせず全部出しなよ」
 慰めるような声音で囁いたあと、杏子はさやかの魚口に唇を押し付けた。

 ――瞬間。

ぼびゅぅぅぅうぅうううううううぅぅぅううぅうぅぅぅぅぅうぅぅぅぅっっっっっ!!!
ぶびっ、ぶぼぼぼぼぼぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ!!!!!
ぶびっ、ぶびっ!!
ぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅ!!!!!!!!
ぶりゅりゅりゅりゅりゅっっっっ!!
びちびちびちびちびちっ、ぶほっ、ぼびゅ、ぶっ、ぷぅ〜………ぶぼぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっっっ!!!


 凄まじい濁流音とともに、さやかの肛門が爆ぜた。
 文字通りそれは、爆発の如し。
 汚らしい湿めった放屁と同時に土砂の如く茶濁の下痢便が微塵の容赦もなく噴出。
 それは、当然排泄器官に口付けしていた杏子の顔面に全てぶちまけられ、勝ち気な容貌や赤髪、肩から胸にかけてを糞便色に染めていく。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!! と、止めへっっ!! ウンチとめへぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
杏子!! た、助けて……助けてよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!
杏子のこと、汚しちゃうからぁぁぁぁぁぁ……止まって……お願いだから止まってよぉぉぉぉぉぉぉぉっっ……」

 絶叫しながら、さやかは必死に決壊した肛門を閉めようとするが、一度弛緩した括約筋は元に戻ってはくれない。
 胸焼けするような刺激臭とナマモノが腐ったような腐乱臭。
 それらが女臭と混じり合い、言い例えようのない強烈な悪臭が杏子の鼻腔を刺激していく。
「あっ……あぁぁぁっ……」
 止める事の叶わない糞便の濁流に、さやかは涙を流しながら虚ろな声を発する。
 自分の中で何もかもが崩れていく途方もない音を、下痢便噴出音と一緒に聞きながら、さやかは尋常でない量の泥便を数十分にも渡って放出していくしかなかった。

284アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:05:26.69 ID:H41RoPKx
「これが……さやかのウンコ……」
 下痢便噴出がようやく終焉を迎えた頃、吐息のように小さな呟きを発して、杏子は汚物色に染まった両手や肩、鎖骨、胸を見る。
 自らの周囲に飛び散った糞便のせいで、身体は元より室内も悲惨な有り様になっていたが、彼女に嫌悪の表情はない。
 寧ろ、恍惚としていた。
 顔や胸部に飛散した泥便を指で掬い取り、口元に運んでいくと、杏子はそれをじっくりと舐めしゃぶる。
 糞便独特の苦味や臭み、そして口の中でにちゃにちゃと粘る食感を余す事なく味わう。

「甘くて……舌がジンジンして……美味い……」
 それを肩越しに見つめるさやかは、また下腹が甘痛く疼いているのに気が付く。
 排泄時に少し腰が抜けてしまったさやかは、ゆっくりと体勢を変え、杏子の正面に座った。
「ゴメンね……こんなに杏子の顔汚しちゃって……」
 未だ糞便で汚れた頬から顎のラインに掛けてを、さやかはサーモンピンクの舌を突き出して舐めていく。
 まるで、親猫が子猫に毛づくろいをするように舐めるその仕草に卑猥さは欠片もなく、寧ろ慈しみに満ちていた。
「な、何言ってんだよ? さやかは悪くないだろ」
「でも、漏らしちゃったのはあたしだもん……こんなに可愛い顔、うんちまみれにしちゃって……」
「か、可愛くなんか……んぶっ!?」

 否定の言葉を述べようとした杏子だったが、途中でさやかの唇に塞がれて最後まで言い切ることは叶わなかった。
 しばし密着させていた唇を離してから、さやかはうっとりとした表情で杏子を見据える。
「お願い……杏子……杏子のも……食べさせて……」
「えっ……?」
「杏子ばっかり……ずるいよぉ……あたしも杏子の綺麗なところと、汚いところ……受け入れたい……だから……お願い」
「さやか……分かったよ」
 淫蕩に満ちた瞳と媚びるような声音での懇願。
 それらに胸を高鳴らせ、子宮が熱くなっていくのが分かる杏子に、拒否という考えはない。
「アタシのウンコ……腹いっぱいになるまで喰ってくれ」
「うんっ……」
 まるで幼児に戻ったかのような無垢な笑顔で、さやかは頷いた。


            × ×


 杏子が脚を広げて四つん這いになると、さやかは杏子の股間……正確には両ふくらはぎの間に顔を固定する。
 既にストレッチショーツは脱ぎ捨てており、恥毛が一切生えていない恥丘や濁り蜜で潤んだ秘裂、セピア色の小さな窄まりまでが全てさやかの視界に晒された。
「杏子の……綺麗」
「あ、あんまりずっと見るなよぉ……」
「だって……毛が全然生えてない」
「う、うるせぇ! それ以上言ったら怒るからなっ!!」
「あっ……ご、ゴメン……」
「うぅ〜……どうせアタシは発育遅いよ」
 双眸を涙で潤ませながら不貞腐れる杏子を見て、さやかは純粋に可愛いと思ってしまった。
「杏子……お願い……思いっきり出して……あたしの顔を……トイレだと思ってさ」
「あぁ……分かってるよ」

285アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:06:43.00 ID:H41RoPKx
 さやかの懇願に短く答えてから、杏子は腹部に力を込めて息みはじめる。
「ふっ……うぅぅぅぅぅぅぅんっっっっっっ……!!」
 羞恥と息みで顔を真っ赤にした杏子が、自分の菊門を凝視している少女の前で身体を震わせる。
 歯を食い縛り、その顔を苦悶に歪める杏子は、腸の中の物を自力で押し出そうと必死だった。
「んぐっ……んぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!」

 ぼびゅっ!! びぃぶぶぶぶぶぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっ!!!! ぼぶぶぶぶぅぅびぃぃぃぃぃぃっっっ!!
 ぶぼぅっ! ぶびぶぅぅぅぅぅぅぅぅ……びゅぼうっ!

 さやかの放屁とは異なり、杏子のは乾いた音が奏でられるのみだった。
 匂いはそれほどキツくはないものの、音量は室内に反響するほど大きい。
 その特大な音量に、杏子の顔が先刻よりも色濃い朱で彩られる。
「くっ……うぅぅぅぅ……」
「はぁ……杏子のオナラ……凄い音ぉ……はぁ……んっ……」
 羞恥で目を瞑る杏子に対し、さやかは喜悦の表情で鼻腔をひくひくと動かし、大気中の異臭を嗅いでいた。
「さ、さやかぁ……出るっ……もうすぐ出るから……な……」
「あぁ……はぁん……楽しみだよぉ……」
「うぅぅぅんっっっっっ……うぐっ……んぐぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!!」


 ぶりゅぅぅぅぅっ!!! ぶぶびびびぃぃぃぃぃぃぃ……むりゅうぅぅぅぅぅぅ……ぶぅすぅぅぅぅ……ぼびぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぅぅぅぅぅぅっっっっっ!!!!!
 ぶぼぅぅぅぅぅぅうぅぅううぅぅぅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅっっっっっっ!!!!!!
 むりゅ……むりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……ぼとっ、ぼとっ……。
 むちゅぶびゅびゅちゅちゅちゅうぅぅぅうぅぅうぅうぅっっっっっ!!!!
 ぶすっ……ぷすぅぅぅぅぅぅぅ……ぶびぼぅぅぅっ!!!!


 杏子がもう一度力強く息むと、激しい破裂音とともにその時は訪れた。
 薄墨色の窄まりが徐々に開口していくと同時に、糞便が排泄される。
 その光景はまるで、食肉加工用機械から押し出される腸詰め前のソーセージのように、茶色と黄土色交じりの排泄物が尻穴からにゅるにゅると限りなくひり出されていく。
「はぁ……出てきたぁ……杏子のうんちぃ……沢山出てきたぁ……いっぱい食べてるからぁ……量も凄いよぉ……」
「い、言うなよぉ……アタシだって恥ずかしいんだぞ……」
「だめぇ……さっきあたしに恥ずかしいことしたお返しだよぉ」
「うぅぅぅ……」
 千切れることなく見事に連なる糞便。
 太さは成熟したバナナ程度のサイズだが、さやかの言う通り量が尋常ではなかった。
 排泄された大便は、止まる事を失念してしまったのではないかと思いたくなるほど長く、気が付けば4mを軽く超えてしまっている。
 出始めの頃はさやかが口を開けていた為、先端から10センチ程度なら口腔に収まることが出来た。
 しかし、その後は当然容量オーバーであり、はみ出た糞便は強襲体勢のマムシのようにさやかの顔面で蟠っている。
「んぐっ……んぶぅぅぅぅぅっっっっ!!」
 口だけでなく、鼻腔まで大便に塞がれ、呼吸することすらままならなくなったさやかは、獣のような品性のない叫び声を上げる。
 しかしそれは苦悶に満ち満ちたものとは違い、心なしか艶を帯びている。


 ぶしゅーっ……ぷすっ。
 ぶびびびっ……ぼぶぅっ!
 むりゅ……むりゅ……ぼとっ。


 延々と連なる長い一本糞がようやく全て出し終え、杏子がさやかの顔の状況を確認する。
 言わずもがな、かなり悲惨な有様であった。
 顔全体が汚物の山で覆われてしまい、目も口も鼻も何も見えない。
 辛うじて分かるパーツが、耳だけという状態であった。


286アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:07:32.78 ID:H41RoPKx
「んぐっ……んぐっ……はぁぁぁ……杏子のうんちぃ……はぁぁぁ……暖かくて……臭くて……美味しい……」
 杏子の排便が終わりを迎えると、さやかは口の中に入った糞便を噛まずに嚥下してから両手を顔の前まで持って行き、排便の山をグチャグチャに崩して顔面と胸に塗っていく。
「さやか……」
 何の躊躇もなく自分の身体にまぶしていく糞便の匂い、温もりに陶酔するさやかを見て、杏子は自分の中に眠る牝獣を呼び覚ます。

 ――もっとさやかと気持ちよくなりたい……。
 ――もっとさやかと愛し合いたい……。

 その想いに駆られた杏子は四つん這いから、さやかの肢体と重なり合うような体勢になる。
 糞便にまみれた少女二人の肢体が折り重なる光景。
 そこに猥雑さは微塵もなく、まるで一様の絵画であるかのように美しい。
「杏子ぉ……キス……してぇ……」
 さやかが甘えるように呟く。
 呟きに対して言葉で答えることなく杏子は、無言のまま下痢便で汚濁色に彩られた唇を重ねた。
 先刻とは明らかに異なるキスの味。
 苦味とエグ味が同居したそのキスは、杏子の理性全てを奪うには充分なものだった。
 もう考えることすらも煩わしく感じた杏子は、さやかの唇だけでなく、頬や額、鼻、耳――果ては肩から鎖骨のライン、臍の窪み、乳房、二の腕、肘、腿、脹脛、足の甲などに何度もキスしていく。
「もっと……もっと……気持ち良い事……してあげるよ。さやか……」
 暫くの間、延々とボディキスに没頭していた杏子がそっと囁いてから、身を離す。
 次いで、彼女はさやかの身体を抱きかかえてベッドに足を進めた。
 魔法少女として幾多もの死線を潜り抜けてきたためか、抱き締められれば折れそうなくらい華奢な体躯に似合わず、その力は意外と強い。

「きゃっ!! ちょ、ちょっと杏子!?」
 突然の事に戸惑いを隠せないさやかは、頬を赤らめて抗議の眼差しを送るものの、それを無視してさやかの身体をベッドに乗せる。
 先刻とは比較しようのない肉悦を得る次の行いを想像して、杏子の顔が妖美な笑みに歪んでいた。


            × ×


 身体全体を包み込むように沈む柔らかなマットレスの心地良さを味わいながら、さやかは眼前に映る杏子の瞳に見入っていた。
 勝ち気で、傲岸で利己的な彼女が見せる笑みとは違う、蠱惑的な魅力を孕んで光る双眸に、さやかは心を奪われている事すら気付いていない。
「杏子……お願いが……あるの……」
「お願い?」
「うん……今だけ……今だけでいいの……ずっと辛いことばっかりだったから、それを忘れさせて……杏子の温もりで嫌なこと全部……忘れさせて……」
「……今だけなんて、ケチった事言うなよ」
 捨てられた子犬のように哀願し、媚びるさやかを見て、杏子がくすり、と笑う。
「さやかが辛かった時……苦しかった時……それを忘れさせてやる」
「杏子……」
「そんな泣きそうな顔するなよ」
「ゴメンね……その……凄く嬉しくて……」
 零れそうになる涙を指で拭うさやかの蒼髪を、杏子はもう一度撫でる。
 今度はさらさらとした感触だけでなく、糞便でにちゃにちゃという粘り気を含んだ手触りも伝わってくるが、寧ろそれが心地良い。
 双眸を潤ませるさやかを心から愛おしく感じる杏子は、彼女の身体をいったん横臥させ、片足の腿に手を回して抱えた。
「あっ……やぁぁぁっ……」
 片足を天井へ向けて大きく開くという体勢ゆえに、潤みきって
ふやけた牝肉が杏子の方からは丸見えになってしまう。
 それに気付いたさやかは、力ない羞恥の声を発してから、キツく目を瞑った。

287アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:08:03.63 ID:H41RoPKx
「行くよ……さやか……」
 身悶えるさやかを、更なる羞恥が襲ったのは杏子の声が聞こえた後だった。
 自分の片足を抱えた杏子が腰を大きく突き出し、自分の下腹部――正確には自分の性器を、さやかの性器に押し付ける。
 くちゅっ、という湿っぽい淫音が、水を打ったように静まり返る室内に響き渡った。
 その様相に驚いて瞑っていた目を見開き、さやかは息を詰まらせる。
 互いの充血した秘貝を擦り合わせる性技……いわゆる貝合わせと呼ばれるものだ。
「ふやぁっ!! 何……これ……あぁっ……やっ……うやぁぁ……あうぅぅぅぅぅ……あはぁぁぁ……」
 充血して鳥のささみ肉のように厚ぼったくなった大陰唇や愛液のせいで淫靡な光沢を放ち続ける小陰唇、そして屹立した粒肉。
 それらが杏子の貝口と密着すると、さやかの全身に電流にも似た衝撃が駆け抜ける。
 身体が否応なしに痙攣し、もう自分の意志ではコントロールすることすら出来なくなってしまった。
 びくびくと小刻みに震える身体がようやく収まりを見せたのは、互いの性器が密着してから二分後の事だった。
「どうだ? さやか」
 痙攣が治まるのを見計らい、杏子は声をかける。
 まだ完全には止まらず、微弱な震えがまだ続いていた。

「な、何なのぉ……これぇ? 一瞬……身体がぁ……こわれひゃうかとぉ……思っちゃったよぉ……」
 汚物にまみれた顔をだらしなく弛緩させて、さやかは途切れ途切れに言葉を発す。
 充分すぎるほどの湿り気を帯びた性器同士の密着は、指で肉ビラやクリトリスを弄られるよりも数倍……いや、数十倍もの悦楽を
さやかに与えてくれる。
 それは、さやかの理性を蕩けさせるに充分なほどの快楽を孕んでおり、直情的で融通の利かない彼女を骨抜きにしてしまうほど凄まじい。

「じゃあ……動くよ。さやか……んくぅ!?……んはぁぁぁ……あぅぅぅ……ひぃあぅぅっっ!!」
 呟きから数秒も経たぬ間に、杏子はさやかの片足を抱え、肩に乗せたまま腰を前後に動かし始める。
 松葉崩しに似た体勢で、抽送するように卑猥な花びらを擦り付けていくと、脳髄を駆け巡る悦楽に容易く屈してしまい、ほぼ無意識に嬌声を漏らしてしまった。
 さやかの下痢便で彩られたその肢体に、汗が浮かんで便とともに滴り落ちていく。
 二人の体臭と牝臭、すえた糞便臭が大気の中で混じり合い、もはやこの部屋の元の匂いが何だったのかさえ思い出せない。
 それほどまでに、室内の匂いは噎せ返るほどに濃厚過ぎて、表現のしようがなかった。

「くっ……んふっ……あはぅ……はぁ……うぁ……んっ……さやか……さやかぁ……!!」
 苦しそうな、それでいて切なそうな声を何度も何度も上げながら、杏子は腰を動かすのを辞めなかった。
 先刻までゆっくりとしていた動きは、いつしか男の挿入時のピストンと遜色ない運動に変わっており、その荒々しさは動物による繁殖活動の様相を呈していた。
 まさに本能剥き出しの情交。
 一層交わりが強くなったせいか、牝臭さが更に強みを増す。

「んっ……んくぅ……はぁ……はぁ……!!」
 腰を左右にくねらせて膨張した肉豆で、さやかの肉豆を何度も弾き、次いで恥丘を押し付けてクリトリス同士を潰し合い、二対のラビアが濃厚なキスを交わすと、それに倣って肉ビラが密着し合う。

「ひぃあぁぁうぅぅぅっっっ!! こ、腰が……抜けっ……ちゃうよぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!」
 くにっ、くにっと二つの陰核が擦り合わされるたび、さやかは折れるのではないかと心配したくなるほど背中を反らし、ややブリッチ気味の体勢で硬直。
 初めてといっていた杏子の言葉が信用できないくらい、その性技は洗練されていて、腰椎が溶けてしまいそうな熱さに襲われていた。

「きょう……こっ!! な、なにぃ……これっ……い、嫌ぁ! 怖いっ……怖い……よぉ!!」
 自分の両脚の間で腰を動かしている彼女を見つめながら、さやかは恥も外聞もなく泣きじゃくった。
 乳首は痛々しいまでに屹立し、子宮がずっと疼き続けて痙攣が止まらない。
 性感が極限まで高まり、先刻から何度も経験している小さなオルガスムスとは比にならない『波』を味わっており、言い知れぬ恐怖を感じているのだ。
 まるで死海に投げ出されたかのような浮遊感は心地良くも、やはり不安で寂しい。
「大丈夫……手ぇ握っててやるから」

288アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:08:33.69 ID:H41RoPKx
 泣き腫らした目で自分を見つめるさやかに笑みを向けながら、杏子は軟便が付いた彼女の手を握る。
 にちゃあっという感触とともに、握り合った手の中で糞便が潰れて形を変えた。
「絶対離しちゃヤダよっ、ギュッてしててくれなきゃヤダよ! どこにも行っちゃヤダよ杏子ぉっ!! 独りにしないでっ、捨てないでぇぇぇぇっっっ!!!」
「あぁ、独りにしない……ずっと……ずっとアタシが傍にいてやるよ」
 意地やプライドといったもの全てを投げ捨て、さやかは懸命に泣訴する。
 喪失感と悲しみに満ちた心が、自然と哀願の言葉を叫ばせていた。
 心の底から吐き出した本当の気持ちを受け入れた杏子は、しっかりと頷いてから、激しいストロークで恥骨を打ちつける。
 たっぷりと塗りこんだ二人の糞便と、際限なく溢れ出る子宮頚管粘液がローション代わりとなって肉芽同士が衝突した瞬間、さやかは目の前の景色が混濁し、閃光が何度も煌くのを見た。

「んくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!」
「うぅんっ、あぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!」

 二人揃って大口を開けながら、訪れた強大な悦楽の波に為す術なく攫われる。
 溶けてしまいそうなほど熱い肉悦に脳髄から脊髄までを焼き尽くされ、身体を仰け反らせたままぴくりとも動かなくなってしまう。
 今までの比ではない牝獣の嬌声を室内に響かせながら、二人は身体中から汗を噴き出していた。
 その汗もまた、塗りたくった糞便によって茶色や黄土色に染まってしまう。
「きょう……こぉ……」
「さや……かぁ……」
 互いの存在を、温もりを、脈動を、確かめ合うべく二人はお互いの名前を呼んだ。
 甘い吐息が二人の顔を挟んで混じる度に、彼女達は安堵する。
 重なり合う性器が蠢く感覚を心地良く感じながら、二人は消退期の余韻を味わっていた。


            × ×


 全てを終えた後、シャワーを借りて身体を清めたさやかは制服を着直し、スクールバッグを肩に掛けてからドアの前まで足を進めた。
 さやかよりも先にシャワーを浴びた杏子は、服を着るのが面倒くさいという理由から、未だに一糸纏わぬ姿である。
「行くのか?」
「うん……今のあたしは魔女を殺すことしかないから」
「はぁ……アンタさぁ……自分が闘えば闘うほど傷付いてるの分かってる? 身体は痛みを感じなくても、心まではそうもいかないだろ?」
「分かってるよ……分かってるけどさ」
 リボンタイを締め直してから、さやかは言葉を続ける。
「でも……あたしは……どんな結果になろうとも、誰かを守るために魔女を倒し続ける」
「はぁ……本当強情だねぇ」

289アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:09:11.70 ID:H41RoPKx
 決意を固め、凛然とした表情を見せるさやかに対して、杏子はもう何も言う気はないといわんばかりに、寝返りを打つ。

“心配してやってんのに……馬鹿”

 さやかが決めた事なら別段、口を出す気はない。
 彼女の頑固さはよく知っている。
 しかし、どうしても面白くないのだろう。
 憮然とした表情で横臥したまま、杏子は窓に映る景色を睨んでいた。
「杏子……」
「何だよ?」
「ありがとう……ね。杏子のお陰で、少しは楽になった」
「……」
「前、あんたに借りは作らないとか言ったけど……結局、借り作っちゃったね……」
「べ、別に貸し借りだと思って――」
「本当にありがとう……こんな救いようのないバカに……傍にいてやるっていってくれて」
 それだけを言い残して、さやかは部屋を出て行った。
「さやか……」
 閉められた木製の扉をじっと見据えながら、杏子は呟く。
 部屋の中に満ちた物寂しい雰囲気を紛らわすべく、彼女はベッドから身を離すと床に置いてあった紙袋から林檎を一つ取り出して、それを齧る。

「ありがとう……か」
 さやかの言葉を、杏子は林檎を噛み締めながら復唱する。
 もし……さやかとの出会いが魔法少女としてではなく、普通のものだったとしたら……?
 友達になって……そこから恋仲に発展して愛し合い、いつも一緒にいること出来ただろうか……?
 絶望する事も知らず、平穏なまま二人で一緒にいることが出来ただろうか……?
 思ってから、そんな考えはナンセンスだと笑い飛ばして、杏子はもう一度ベッドに寝転んだ。


            ×            ×


 コンサートホールを髣髴とさせるその結界は、少女が在りし日の感動を夢見た世界を具現化させたものだった。
 オーケストラのようにヴァイオリンだけの合奏を奏でているのは人間ではなく、魔女の手下……使い魔達。
 それらを操っているのは、美樹さやか――否、魔女となった今の姿では、Oktavia von Seckendorff(オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ)と呼称するのが相応だろう。

 属性は恋慕。
 西洋甲冑と青い外套を纏い、片刃の洋剣を携えた人魚の魔女は、この結界とともに思い出だけを乗せて走る。
 しかし、その運命は二度と未来に転がることはない。
 もう何も届かない。
 もう何も知る事はない。
 今はただ、使い魔達の演奏を阻む者を許さない――例えそれが、親友だった少女、自分の傍にいてくれると約束してくれた少女であっても……。


290アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:10:09.05 ID:H41RoPKx
「さやかちゃん……辞めて……お願い。思い出して……こんな事……さやかちゃんだって嫌だったはずだよ……
さやかちゃん正義の味方になるんでしょ? ねぇお願い……元のさやかちゃんに戻ってぇぇぇぇ!」
 杏子が生み出した防御結界越しに、鹿目まどかは弱々しい声でオクタヴィアを呼び続ける。
 しかし、オクタヴィアはその呼び掛けに答える事もなく頭上に車輪を召還し、放っていく。
「聞き分けが無ぇにも……程があるぜ……さやかっ!!」
 肉薄する車輪の悉くを槍で弾き、最後の車輪を長柄で受け止めると、力任せに押し返す杏子。
 しかし、間髪入れずに召喚された第二波の車輪群が、先を争って杏子に殺到した。
 その数、およそ30。
「――っ!!」
 虚空を疾駆する車輪に、杏子は防御する暇さえ与えられず大群の強襲を真っ向から受け事となる。
「杏子ちゃんっ!!」
「大丈夫……この程度……屁でもねぇ……アンタは呼び続けろ……さやかを……っ!」

 周囲が濛々と白煙を上げる中、頬に汗を滴らせ、肩で息をしながらも杏子は自身の得物で身体を支える。
 強がった言葉を吐きながらも、その様は酷く痛々しい。
「Uuuuuuuuuuu……!!!」
 地を這うような唸り声を上げながら、オクタヴィアは剣を振るい、再三、召喚した車輪を放った。
 しかし、今度は虚空を走るのではなく、古代戦車(チャリオット)よろしく地を駆けて容赦なく杏子の体躯に襲い掛かる。
 それに対して杏子は、さやかを傷付けない為か、反撃する様子を見せない。
 その結果、車輪による蹂躙を甘んじて受ける有り様となってしまう。
「ぐあっ!!」
「辞めて……もう辞めて! さやかちゃんっ!! 私たちに気付いてぇぇぇぇっっっ!!!」
 もう一度響くまどかの悲鳴。
 喉を潰さんばかりの絶叫ゆえに、掠れる声が結界に反響する。
 涙を流しながら……それでも、まどかは叫んだ。
 大切な友達のために……。

 ――はっ……いつぞやのお返しかい?
 そういえばアタシ達、最初は殺し合う仲だったっけねぇ……。
生ぬるいって、あの時アタシがもっとぶちのめしても、アンタは立ち上がってきたじゃんかよ……。
 怒ってんだろ? 何もかも許せないんだろ?
 分かるよ……それで気が済んだら目ぇ覚ましなよ。
 なぁ……。

 幾多もの蹂躙によって傷付き、夥しい量の鮮血を流す杏子は、胸中でさやかに語り掛ける。
 正直なところ、もうこの状況を打破できる自信はなかった。
 しかし……それでも、退くわけにはいかない。
 さやかを元に戻すまでは……。
「がぁぁぁっ!?」
 途方も無く続いた猛攻は、最後の一撃となる射出によって終焉を迎えた。
 車輪に身体を弾き飛ばされた杏子は、自らが展開させた防御障壁に衝突。
 それゆえに、集中力を途切らせしまい、まどかを守っていた防御結界が消滅してしまった。

291アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:11:19.47 ID:H41RoPKx
「Uuuuuuuuuuuuuuuu……」
 防御結界が砕け散るとともに、オクタヴィアは唸りながら手を伸ばして、まどかの体躯を握り締める。
「さやか……ちゃん……お願いだから……」

 どれだけ呼びかけようとも、オクタヴィアは反応を示す気配はない。
 それどころか、手に更なる力を込めて、まどかを圧死させんとしている。
 その様相を見咎めた杏子の相好が、見る見るうちに般若のようなものに変わっていく。
「――ッ!! さやかぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」
 激昂する杏子が一足跳びで跳躍した刹那、槍を薙いでオクタヴィアの腕を切断。
 斬撃によって斬られた腕から蒼い血が激流の如く迸る。
「アンタ……信じてるって言ってたじゃないか!! この力で人を幸せに出来るって……!!」

 血を吐くかのように糾す杏子に応じる様子もなく、オクタヴィアは床に向けて片刃の剣を振るった。
 鉄槌の如く振り下ろした白刃が床を裂くとともに、足元が崩壊し、オクタヴィアと杏子、気を失って仰臥しているまどかが共に落ちていく。

 “――頼むよ、神様……こんな人生だったんだ。せめて一度くらい、幸せな夢を見させて……”

 杏子は願った。
 せめて……せめて……最後だけは……希望に満ちた世界を見せて欲しい。
 全てが無駄だという事を分かっていながら……杏子は願わずにはいられなかった。
 ふと、深淵の結界の中にもう一人の少女が現れる。
 時間停止能力を持つ魔法少女――暁美ほむら。
 流れる砂鉄のような黒髪を靡かせ、気絶しているまどかを虚空で抱きかかえたまま、彼女は音もなく地面に片足を付け着地する。
 その背後で、杏子が手放した槍が乾いた音を立てて落ち、紫炎に包まれて消滅した。
「杏子……あなた……」
「よぉ……その子を頼む……アタシの馬鹿に付き合せちまった……」
 頬や額に惨たらしい裂傷を刻み、満身創痍となった杏子は、ほむらを見据えながら防御結界を発生させた。
 それは己が身を守るためではなく、まどかとほむらを守るために生み出した結界だ。

「足手まといを連れたまま闘わない主義だろ……? 良いんだよ。それが正解さ。ただ一つだけ、守りたいものを守り通せば良い……ははっ、何だかな……?
アタシだって、今までずっとそうしてきたはずなのに……」
 振り返って再びオクタヴィアを見据えながら、杏子はリボンを解いてポニーテールを下ろす。
 ダークレッドの髪が滝のように肩から背中にかけて流れ落ちると、髪留めとしていたアクセサリーが虚空に投げ出された。
 それは、かつて彼女の父が首に掛けていたロザリオ。
 ルビーのような赤い宝石が中心に埋め込まれたそれを、空中で掴んでから、まるで祈りを捧げるように両手で握り締める。
「行きな……こいつはアタシが引き受ける」
 杏子の言葉に、ほむらは未だ意識を手放しているまどかの矮躯を抱いたまま無言で頷くと、結界から姿を消した。


292アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:12:26.32 ID:H41RoPKx
 ほむらが脱出したのと同時に、杏子の足元としている地面が隆起して、巨大な槍が出現する。
 多節棍のように連環で柄が繋がれたオーバーサイズのそれは、大きさは違えど形状は杏子が執っていた槍と寸分違わぬ得物。
 オクタヴィアの巨躯と同等のサイズがあるそれは、まるで蛇のように鎌首をもたげている。
 その槍の先端……正しくは、穂先に一番近い柄の上に、杏子は乗っていた。

 為すべき事は全てやった。
 しかし……ついぞ、さやかを元に戻すことは出来なかった。
 全ての望みが絶たれたこの状況を、人は絶望というのだろう。
 しかし、杏子の表情に悲嘆の色はなかった。
 この状況でありながらも、杏子は慈愛に満ちた表情をオクタヴィアに向ける。
「心配すんなよさやか……独りぼっちは、寂しいもんな……いいよ、一緒にいてやるよ……さやか」

 ロザリオにそっと口付けしてから宙に投げ放ち、杏子はオクタヴィアに向けて今一度召喚した自分の得物を構える。
 刹那の間に、杏子の体躯が流星の如く輝線を描いて奔った。
 死を覚悟した真正面からの特攻は、彼女の体躯を音速……否、それすらも遥かに凌駕した超音速の弾丸に変える。

 やがて、穂先がオクタヴィアの顔面を穿った瞬間、ロザリオに形を変えていたソウルジェムが、音を立てて砕け散る。
 はたしてそれは、杏子の魂の消滅を示すと同時に、オクタヴィアの身体と結界が爆ぜる結果を生み出す。
 杏子が命と引き換えに発動させた自爆魔法。
 それによって生じた強大なエクスプロージョンは、尋常でない規模のものだった。
 魔女の結界が消滅した後、杏子とオクタヴィアが対峙していたそこには、もう何も残ってはいない。
 ただ建設途中のビルの一室が、蕭々と静寂を守っているだけであった。


            ×            ×


 目を覚まして最初に見たそこは、ぼんやりとした真っ白な風景だった。
「……あれ?」
 得心の行かぬ顔で辺りを見回してみるが、白一色の空間が広がるばかりで、景色らしい景色はない。
 茫漠としたそこは、自分が見慣れた見滝原市でもなければ魔女の結界でもない。
 でも、何故かここは自然と安らかな気持ちになれる。
 恐らくこの場所に害を為すものは存在しないだろう。
 直感的に、さやかはそう察していた。
「さやかー!!」
 しかし、ここはどこなのだろう……?
 一体何故、自分はこんな所にいるのだろう……?
 疑問を述懐するさやかの背後から、聞き慣れた声が聞こえてくる。
 振り返ったその先には、赤髪をポニーテールに結び、パーカーとデニムのショートパンツに身を包んだ少女がいた。




293アタシが傍にいてやるよ :2011/05/28(土) 18:12:52.62 ID:H41RoPKx
「杏子……?」
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ〜……やっと追いついたぁ……」
「ね、ねぇ……杏子。何でアンタがここにいんの? っていうか、ここ……どこなの? あたし、電車に乗った辺りから記憶が無いんだけど……」
「いいじゃねぇか、そんな事。それよりもさ」
 戸惑いながら質すさやかに、杏子は相変わらず悪戯っぽい笑みを浮かべながら、抱えていた紙袋の中を漁る。
「喰うかい?」
 そう言ってから、紙袋からベルギーワッフルを取り出し、さやかに差し出す。
「あ……うん……ありがと」
 自然と受け取っていたワッフルを、口に運ぼうとしたさやかだったが、杏子が物欲しそうにこちらを見ているのに気付く。
 その姿に僅かな苦笑を浮かべてから、さやかはワッフルを半分に割った。
「杏子、一緒に食べよ。はい、半分こ」
「え? いいのか!?」
「言いも何も、元々はアンタのでしょ? それに……一人で食べるより二人で食べた方が美味しいしね」
「ははっ、確かにそうだな。さんきゅ」
 涎を垂らしながら見つめていた杏子は、差し出されたワッフルの半分を受け取ると、即座に口へと運ぶ。
 それに倣って、さやかもワッフルを頬張った。
「美味ぇな」
「うん」

 かつて、ある少女は強く願った。
 せめて一度くらい、幸せな夢を見させて……と。
 ここは、その少女の願いによって創られた世界。
 小さな奇跡によって誕生した、二人だけの世界だ。
 その代償として絶望を生む必要も、新たな犠牲を生む必要もない。
 ここはもう、そういったものとは無縁なのだから。

「さやか……」
「何?」
「ずっと……一緒にいような」
「うん……あたしが傍にいてあげるよ、杏子」
「アタシのマネすんなよ〜」
「あははっ」
 そんな、二人だけのために存在する世界で、口いっぱいに広がる甘味と幸福を噛み締めながら、二人は笑い合った。




交わした約束忘れないよ
目を閉じ確かめる
押し寄せた闇振り払って進むよ

いつになったらなくした未来を
私ここでまた見ることできるの?

溢れ出した不安の影を何度でも裂いて
この世界歩んでこう

とめどなく刻まれた 時は今始まり告げ
変わらない思いをのせ
閉ざされた扉開けよう

目覚めた心は走り出した未来を描くため
難しい道で立ち止まっても
空はきれいな青さでいつも待っててくれる
だから怖くない
もう何があっても挫けない



                           END

294名無しさん@ピンキー :2011/05/28(土) 18:13:25.61 ID:H41RoPKx
以上です。有り難うございました。

295名無しさん@ピンキー :2011/05/29(日) 03:24:41.07 ID:nG023NA4

面白かったよ

296名無しさん@ピンキー :2011/05/29(日) 11:44:17.05 ID:dT+ERBId
gj

297名無しさん@ピンキー :2011/05/29(日) 12:16:49.68 ID:pFZ0nw6H
ライディファンページ、いつの間にか消えてたんだな
投稿小説にスカ分多かっただけに残念

298H :2011/05/29(日) 13:25:56.81 ID:VsjUBNw4
>>294
いいもの読ませてもらいました。

>>275
かけていませんよ、今回は。
本編の最終話を二重に入れていたり、誤字とかの凡ミスがいくつもあるのに後から気付きましたが……。

>>273
お久しぶりです。この二人もハッピーエンドだと信じてます。


299H :2011/06/01(水) 00:50:36.30 ID:EYFxYfEB
書かないと言ったけど1レス超短編の実験作を投下。
はたしてこれでスカトロSSと言えるのかという限界スレスレに挑戦。

300H :2011/06/01(水) 00:52:43.21 ID:EYFxYfEB

 ダイニングテーブルの、白い皿。
 ティーポット。
 料理用の計量器。
 まな板。
 スーパーの袋。
 インスタントコーヒーの瓶。
 敷いたラップ。
 フライパン。
 プラスチックのゴミ箱。
 ふかふかのソファー。
 座布団。 
 床の間の活花。
 お風呂のバスタブ。
 青色の洗面器。
 洗濯機。
 玄関のタイル。
 金魚ばち。
 バイクのメット。
 道端の排水口。
 学級菜園のプランター。
 小さなじょうろ。
 プール。
 野原の窪み。
 帰り道の、神社の賽銭箱。


 脱いだ制服のスカート。
 まだ湿っているスクール水着。
 開けた学校の教科書。
 床に敷いたティッシュ一枚。
 履いたままの、純白のショーツ。
 両手でひろげたコンドーム。
 いっそ、手のひらで、直接。

 ……それとも、やっぱり普通にトイレがいいかな?



 どの器が、一番興奮します?
 なんでも好きなのを選んでくれていいですからね。

 ほら、早く決めてくれないと……あなたを器に、しちゃいますよ……?


 

301H :2011/06/01(水) 01:00:02.01 ID:EYFxYfEB

……以上。
これだけです。
使えないのは承知の上です。
うんことか脱糞とか、直接的な単語を一切使わなかったらどんなSSになるだろうかとさっきふと思ったら、こんなのが出来てしまいました。


302名無しさん@ピンキー :2011/06/01(水) 02:03:24.40 ID:6EFWumYr
時間切れを待つまでもなく私を器にしてください

303名無しさん@ピンキー :2011/06/01(水) 10:41:33.59 ID:auE/k4vz
むしろ

> ……それとも、やっぱり普通にトイレがいいかな?

までで良かった。

304名無しさん@ピンキー :2011/06/02(木) 18:53:11.88 ID:J0sJxB3I
プールでお願いします
肩まで浸かって水着内に固いのをモリモリ

305名無しさん@ピンキー :2011/06/02(木) 20:31:01.30 ID:Rlbp7oX/
むしろトイレの洗面台にモリモリ

306名無しさん@ピンキー :2011/06/02(木) 20:51:48.34 ID:yBsAD3p2
>>300
一番なんて存在しない
上から順に全部だ!

307名無しさん@ピンキー :2011/06/03(金) 04:32:14.77 ID:RkuyGYa2
>>306
勇者がきたぞーーー

308名無しさん@ピンキー :2011/06/05(日) 20:52:35.68 ID:XOoyeK0Y
 器もとい、ネタのお題として想像を掻き立てられます。
「スーパーの袋」と後から出た「トイレの洗面台」は、他で使おう考えていたからちょっとびっくり。


 BSフジでも始まり、七月十一日の26:00からテレビ熊本でも放送予定の『あの日見た花の名前を僕達は知らない。』
 その二次創作を、多くの妄想を用いて書いた『アナルで愛して。』の続きです。


309アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 20:57:49.11 ID:XOoyeK0Y




 シャアアアアー…………。

 掃除の行き届いたというより、利用者の数と稼動日数の少なさで新品同然の女子トイレ。
 その一室に三つある個室の一つから、規則正しい水の音がずっと流れ続けていた。おそらくこの階には今も、鳴子<なるこ>以外の
人間はいないのだろう。外から聞こえてくる物音は皆無だった。
「ホント…………。あたしには、うってつけの場所……ん、んン…………」
 便座に座ってウォシュレットを愉しむこと十五分。この四階女子トイレに入ってくる者はまだ誰もいなかった。


310アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:03:56.58 ID:XOoyeK0Y

 ――鳴子はここまで、階段を上ってきたの? よねー。ここ五階だし。やっぱりエレベーターよねー。略して、エレベーターギャール
よねー。じゃあ、わからないか。え? なにがわからないかって言うか、ソレって略してもなければ意味も違う? それとギャールとか
言うな? ……ふん。上の口でもぶーぶーうるさい、屁こきいもりめ。
 ここって、オープンしてからまだ三日でしょう。それで、下のにぃーさんしって使われてなくて。だからこの階って日が落ちても、
気持ち程度にしか電気を点けないのよ。で、昼間はいいけど、夜になるといかにもな雰囲気醸してて、ちょおーちっコワイんだな、コレが。
……ところがね? 今日になって出たらしいんだな、アレが。やっぱり昼間でもあんま薄暗いと出……え? さっきから、なにが出た
かって? にぶちんだねぇ、鳴子たんは。……ユーレーよ。ハレー幽霊。
 

311アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:08:37.09 ID:XOoyeK0Y
 なんでも、四階の女子トイレでブリバリがんばしていたコの話では、ぺたぺたという足音が隣の個室に入って、それからすぐにぶり
ぶりーって下痢Pの音がしたってのよ。
 まあ? 『ぺたぺた』と『姿が見えない』ってワードで、私にはそれが幽霊でなくオ……やば、館長様が見てると言うか睨んでる。
んではでは、続きはまた今度のさいつぇんにってコトで。さよお鳴ら子♪

312アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:13:49.55 ID:XOoyeK0Y

 図書利用券の更新と、本の貸し出しの手続きをしながら聞いた知人の話を振り返り、鳴子はトイレで幽霊……めんまを待ち続けていた。
 どうやら宿海仁太<やどみじんた>も、この図書館に来ていたらしい。来て「いた」と過去形なのは、彼は開館時間の九時すぎにはもう
図書館を訪れていたと、試しに彼の特徴を教えた知人から聞かされ、それから幽霊の話に繋がったのだ。さらに自分たちの話を、近く
で聞くともなく聞いていたらしい体験者の女性職員からは『ぼさぼさ頭で眼鏡を掛け、ヘンな単語が書かれたTシャツを着た少年』を、
トイレから出た通路で見かけたと教えてもらった。そして、このときの時刻がと言うと……。


313アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:17:00.82 ID:XOoyeK0Y
「九時半で……」
 てっきり今も、十時の開館かと思って来てみたら……。
「今は…………十時半」
 今月から、埼玉の全図書館は九時開館になっていたなんて……。
「さすがに……約束なんてしてないんだし。宿海もめんまも、もういないよね」


314アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:20:49.43 ID:XOoyeK0Y

 昔の友達の「ぽっぽ」こと『久川鉄道<ひさかわてつどう>』と共に、鳴子の家に数年ぶりにやって来た宿海仁太。
 数日前、鳴子のバイト先に『のけモン金』なんてひと昔前のゲームを買いに来たかと思えば、次の日には、夢枕に立っためんまが
お願いしてきたとか言って、レアのけモンをゲットする為に自分までのけモンをしてくれと頼まれて。挙句には、見返りにお願いした、
学校に登校することも結局はすっぽかすし……。
「……宿海のバカ。引きこもりのヘタレ。あたしにも、めんまに会わせなさいよ……」



315アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:23:30.06 ID:XOoyeK0Y
 宿海がめんまを見るのも、彼が今も……。だったら自分も、めんまに会えてもいいはず。……いや、会わなくてはならないんだ。
「そしてめんまに……宿海にも、謝らな、いと……ん。ん、ふぅ…………」
 軽く息むだけで直腸の内で丸々と育った便がアナルをこじ開け、その先端に詰められた幾層ものティッシュがウォシュレットによって
削られていく。

316アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:26:09.74 ID:XOoyeK0Y
 どうせもうここでは、宿海ともめんまとも会えないのだし、時間をかけてこのままウォシュレットだけでお尻の内をほじくり尽くす
というのもいいかもしれない……。
 鳴子がそんな思いつきを試そうと、震える指先で水勢を強めようとした矢先。 「……! 誰か来る……?!」
 どさどさと荷物が鳴る音。それが数人分、隣の男子トイレに駆け込んで来た。
「うおおぅ……。痛えよぉおおおー、アニキー!」
「胸板ですりすりさせてくれよん、あにきーッ!」
「……黙れ、ガチホモども。と言うか、この字面だと俺がお前らのアニキに思われるからヤメロ」

317アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:28:50.54 ID:XOoyeK0Y

 この妙なノリの会話は……図書館で乱痴気騒ぎを起こして、はり倒されたはずの三人組。
 宿海でもめんまでもない闖入者に、鳴子の高まりに水が注された。

「胸板と言えば、B男氏<びだんし>クン。
 ボクの記憶が確かなら、キミとあのおっぱいナ〇様似のボイス使いとは、同中という設定だったのではなイカ?」
「――この肉のヨロイをカンタンに貫いていきやがった…。なかなかの技だ…。まともに食らってたらアウトだったぜ…」

318アナルで愛して。 中 :2011/06/05(日) 21:38:29.52 ID:XOoyeK0Y
 投稿の途中ですが、すみません。
 書き込む際に二分近く待たされ、また本文が長いと判断されて思うように書き込めず、まことに勝手ですがこの続きは明日に。
 板の機嫌が直っていることを願って……(本当にすみません)。

319名無しさん@ピンキー :2011/06/05(日) 23:39:13.34 ID:3GTKWxNX
現行のSS書きの控室より

626 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/06/04(土) 16:16:03.05 ID:jG5jbRcn [1/2]
うpロダが無いスレ、とかで嘆く人が定期的に現れるけど、
そういう人はSS保管庫からエロパロ板アップローダを使ってみると幸せになるかも知れない。

ttp://u3.getuploader.com/eroparo

ちなみにここのテンプレの2chエロパロ板SS保管庫のTOPからでもいける。
ここのテンプレに入れてもいいんじゃないかな、とも思ってるんだが。


このろだに文章上げて、url貼ればいいんじゃないかな?かな?

320名無しさん@ピンキー :2011/06/06(月) 08:00:57.17 ID:Zqx54vbH
>>319
 後でじっくり読んで、検討させてもらおうかな? かな?(ありがとうございます)


 では、昨日の続きです。

321アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:10:48.90 ID:Zqx54vbH
「いや、B。贅肉云々関係なく、お前。脳天にあの女司書の踵を食らっていただろう。それとAが何か言っている」
「おろろ〜ん。そうでござったよ、Aちゃんどの。
 その名は鳴子。安城鳴子ッ! あれはそう……時に、西暦2008年の10月。『かん〇ぎ』のOP『mott」
「おい、B。長くなるなら端折って、結論だけ言え」
「ぬ、そうであるな。
 じゃあその頃にニ〇ニコで、彼女の歌がアップされたのでござるよ」


322アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:14:22.57 ID:Zqx54vbH
「ほうほう。イカにもなリア充ギャルの、意外な隠れキャラを垣間見た動画だったんだ」
「いないな。これはサウンドオンリーでね。歌の最後になぜか自分の名前と、それも住所まで言っていたからか、数時間で削除対象に
された知る人ぞ知るブツなのだよ。
 ちなみに当時の彼女は、くせっ毛の眼鏡っ娘だったのだ。……コレをどう見るであるか? ご両人ッ!」
「いわゆる、ひとつの『高校デビュー』……DAR〇☆」「右に同じく。で、以後の彼女の末路は?」
「末路って、おま……。でも、Cぶ知氏<しぶちし>好みの結果は、自分が知る限りでは起こらなかったみたいだね。先述の通り、すぐ
に削除されたし、その理由もあまりの巧さが“幸いして”、OPをそのまま流したと取られたのかもしれない」

323アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:16:31.90 ID:Zqx54vbH
「それは僥倖……DAR〇☆」「右に同じく。それとB。何だ、その俺好みの結果とは?」
「何だか、B男氏クンがまともになってきている謎。ふとっちょなのに」
「Aちゃんッ! キモリア充みたいに『肉感的』と『ヲタ』を安易にくっつけるんじゃなかとよーッ?! それと、素の自分はこうなの
ですッ! 今は頭の血とか漢汁がヌけたからで、そういうAちゃんこそ、まともになってきている謎。それとCぶ知氏は、『末路とは』
でググれ」
「ふむ……。末路の件は反省、留意しておこう。それと『キモリア充』か……。ググってヒットしなければ使ってみるか」
「こうして三人は傷の手当てを済ませてターンエンド。ここからは、鳴子さんにターンをお返し〇ッスルー!」
「……血ダルマなお前達を見ていて思ったんだが、傷の手当てなら一階の診療所に行けばよかったんじゃないか?」
「……あ」「ぴょッ?」

324アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:20:54.89 ID:Zqx54vbH


「――手を握れ、もし……ないクセにっ、強があって『ついてこい』 なんてっ……」
 シャ――――。
「背ぇっ……伸びばぁかァあっ?! ……りの、あなーたが好ぅき……ぃっ」
 最大水勢にしたウォシュレットがお尻の内を掘っていく刺激に、当時の友達を唸らせた歌声が噛みまくりのボロボロになる。
これではあの三人組と同レベルだ。だから、彼らがなにを言っているのか、あの場では解らなかったけど――鳴子も冷静ではなかった
こともあり――こうして口ずさんでみると、あれは鳴子もよく知った歌だったのだ。
「まだまぁ、アあ……ッ」
 シャ――――。
「……ンッ! ふぅ…………んン。う……ウんっ!」
 まさか、お尻を……便をウォシュレットでほじくるのがこんなにも、気持ちがいいなんて……。


325アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:23:31.79 ID:Zqx54vbH
 鳴子は別に歌う必要がなかった歌を止めて、水流がアナルにどストライクにくるよう前屈みになって、未知なる刺激に身を委ねた。
「やど……み。宿海……やど…………。じ……じん、ンんッ?!」
 なにかの弾みで、ウォシュレットのぬるま湯が肉芽を打ち、意識が当時に行きかけていた鳴子を驚かせた。

326アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:27:32.92 ID:Zqx54vbH

 鳴子の好きなアニメのアニソンが配信されたからと、友人に言葉巧みに誘われ、初めてカラオケボックスに行った中学一年の秋。
 友人が言うには、鳴子の声はそのアニメのヒロインの声にそっくりだと熱弁を揮われ、マイクを握らされるまま歌ってみた。
 照れつつも最後まで歌い終わると、このカラオケ店での初使用時は住所と名前を入力しないといけないと言われ、それと任意に
オーディションに応募できるとも教えられ、ついでだから送っておいたとも教えられる。
 照れ隠しに思わずはり倒したその友人は、人格はともかく歳のわりには人を見る目があり、口を衝いて出る言葉には人を動かし
その気にさせる力があった。だから次の日からは学年問わず、鳴子の声なり歌声を聴きに訪れる生徒からしばらくの間、逃げる日々が
続くことになった。


327アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:31:02.57 ID:Zqx54vbH
 ひとつ屋根の下で共に過ごす主人公とヒロイン。宿海と同じ名を持つ少年と、鳴子と同じ声の少女。
 シャ――――。
「ん……んンう! …………宿海がナカ、に……ア、はあッ!」
 歩いて行ける距離に互いの家があるのに、地区が違うために宿海とは通う中学を違えてしまう。
 当時は、主人公とヒロインの仲が羨ましかっただけで……。でも今は、そのふたりを宿海と自分に置き換えて、お尻のナカを犯される
想像をして悦に浸っている……。
 彼に聴かせたいと願い、そしてあわよくば以前と同じように寄りを戻したい……。そう思って、歌を練習してきたのに…………。

328アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:34:14.26 ID:Zqx54vbH
「ああ……。お尻のナカにずくずくきて…………いい……」
 涙を浮かべ、よだれまで垂らして……。今の鳴子の姿はまさに宿海の言う通り、腐れビッチそのものだった。
「……ぁ、はぁ……。うん、ちがばらばらに、飛び散ってる……」
 お尻になにか付着してきた感触に気づき、自慰とウォシュレットを一旦停めて股から覗き見ると……細切れになった便がびっしりと
便座の内側に張りついていた。
 シャアアアアー…………。
「ぁ……ん……。はあ…………ああぁ……」
 水を流して、ティッシュで前を押さえから腰をくねらせて、水勢を弱めた水流でお尻を洗い流す。

329アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:37:11.84 ID:Zqx54vbH
「ふぅ、んっ…………ンッアっあふうッ?!」
 ぶぶっびぶふぅ!!
 ぬるつくそこも綺麗にしようとしたら、軽く達した上におならを噴かしてしまった。
 シャアアアー…………。
「ンあ……ぁ。んんぅ……ふぅ、うぅ……。ンあっ…………はああ……」
 まだ内には若干の便が残っている。ウォシュレットによる突貫が直腸内部の便の多くを削ったことによりアナルの開きが鈍く、
鳴子は水勢を弱めたウォシュレットを当てて、興の乗った吐息で息む。出なければそれでも構わない量で、鳴子は便座から少しだけ
はみ出し気味のお尻を両手でぐいっと、アナルの開き具合を助けるように掴んだ。

330アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:39:41.40 ID:Zqx54vbH
「ンあっ! う……うんッ! あはァ…………あッ、あ……ッ!」
 先ほどまで水勢を最大にして受けていたから、普通の強さでもお尻に痛みが走った。でも、その痛みも今は気持ち好く感じる。
「め……。めんま……っ。あンっ? ンンッ、ウんっ!」
 そのぬるさ、ユルさはめんまを思わせ……彼女にお尻の穴を舐められていると想像したら、感度のギアが一段上がった。
「…………あたしのヘンタイ。あたしって絶対、Mの総受けだ……」
 薄々気づいていた自分の性癖に、少しへこむ。

331アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:44:32.33 ID:Zqx54vbH
 シャアアー…………。
「ん、あぁ……。でちゃう……。めんまに吸われて……めんまの口にううっ、うんちが出ちゃうぅ……っ!」
 さらに水勢を下げて、めんまに近づけていき…………。
「アあ……っ、アぁッ?! 出るぅ、ううっ…………ッ!」
 ぶぶっ、ぶぼどばどぼ!! ぶばばっ……しゅゔばんっ!
 おならと共に、残りの便塊が大砲の砲弾の如く飛び出し、軟便がウォシュレットによって拡散し、鳴子のお尻が再び汚れた。しかも
それが引き金となって、ぎゅう……とお尻の穴が窄まり……。
「あはア……っ! ゥあッ、あっ!」
 二十分弱の篭城自慰に終止符が打たれるのだった。

332アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:46:40.22 ID:Zqx54vbH

 ぺたたたたた。
「……っ!」
 鳴子が後始末をしていると、裸足の子供が走って床を鳴らす音が隣の個室に駆け込んで来た。そしてすぐに。
 ぶりっぶりぶりぶぶっ……ぶば――っっ!!
 顔をしかめたくなるほどの濁音が鳴り響いてくる。そして、汚物が水に流される音が消えると……。
 ぶぴゅるびびぶっ……びぁらぶばば――っっ!!
 再び軟便が派手に炸裂する音が轟く。
 その都度流すのが面倒になったのか、その後も下痢便の音だけが三回も流れた。

333アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:50:37.12 ID:Zqx54vbH

 隣の……仕切りの向こうには、一体誰がいるのか……。
 始めこそめんまかと思ったものの、こうも恥ずかしげのない排便行為は中年女性か子供のどちらかだろう。しかし、計五回という
脱糞を、それも女子供の腹で出来るとは思えない。まさか男、それも巨漢の変質者が、女性がいるトイレを狙って用を足しに来た
なんてことは……。
「……まさか、ね」
 そんな不吉な想像に思い当たる要素……その手の男が発する気配、圧迫感といったものは隣からは感じられず、代わりに“希薄な”
誰かがいることは確かだった。


334アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:53:10.35 ID:Zqx54vbH
(…………よし)
 胸の内でひとつ呟いて、でも念の為に、相手を刺激しないよう鳴子は音を立てないようにショルダーバッグを肩に掛ける。ドアの鍵
も静かに外し……でも、消臭機の大きな音が鳴子の保身をあざ笑っていた。
 最悪、個室にいるのが変質者なら振り返ったりせずに逃げる。女子供なら問題はない。
 鏡の中の後ろ……個室のドアノブを見つめながら、鳴子は頭に浮かべた行動を整理する。

335アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:55:27.07 ID:Zqx54vbH
(ビンゴなら……話をしよう。あたしの前にも出てきてくれたことにお礼を言って、それからごめんなさいって。そして近くにいる
だろう宿海にも……って、幽霊とかめんまじゃ姿が見えないじゃん)
 などと恐怖も感じずにズレたことを考えている自分にセルフツッコミを入れていると、ぶおおーんと消臭機の立てる大きな音と、
がちゃこんと鍵の外れる音が。そして、鏡の中のドアが勢いよく開かれた。

336アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 08:57:48.55 ID:Zqx54vbH
『               』

「……めんま、なの……?」
 幽霊イコールめんまと強く念じていたからだろう。その「ズレた現象」を目の当たりにしても、鏡の中の声なき「それ」を鳴子はめんま
と認識して歩み寄っていた。それにこの臭いは以前にも、鳴子の……自分の家のトイレで嗅いだことがある。
 あのときも下痢便の……水っぽくてにちゃついた臭いがいっぱいで、トイレから出てきためんまとじんたんからも臭いが染み込んでいて……。

337アナルで愛して。 中 :2011/06/06(月) 09:00:48.58 ID:Zqx54vbH
『   るーっ!」
「……あぁ…………っ」
 前へ……めんまへ伸ばした手があたたかなものを感じて、そして首にデジャブが……そう、“体重”が掛かる。
「……安城か…………?」
「……宿海…………」
 彼から見ると、今の自分は首にめんまをぶら下げた格好をしているのだろう。女子トイレの出入口から目だけを覗かせた宿海が、
鳴子とめんまを見つめていた。




  続く。


338名無しさん@ピンキー :2011/06/08(水) 16:58:11.91 ID:3YWoPxay
にゃーん

339名無しさん@ピンキー :2011/06/09(木) 01:55:30.47 ID:/H+Q3Zlz
いいね!すごくいい!

340名無しさん@自治スレで設定変更議論中 :2011/06/11(土) 01:17:00.20 ID:1EWyjPKr
「園芸店」の美緒と、
大量娘の薫ちゃんと、
それから由姫といつきが目指してる大学が実は一緒で、

しかもそこには既に関谷君が通ってるとかいう電波を受信した
色々カオスなことになりそうだ……

341名無しさん@自治スレで設定変更議論中 :2011/06/18(土) 17:24:29.96 ID:+JWeTh3z


342名無しさん@自治スレで設定変更議論中 :2011/06/23(木) 13:10:27.68 ID:8wPcZXHH
むむむ

343名無しさん@自治スレで設定変更議論中 :2011/06/23(木) 23:07:16.47 ID:uQk/q8yh

 海の家とかにあるような仮設の、前の人の便カスがこびりついたきったない汲み取りの和式便器にまたがって、
 鼻がひん曲がりそうなアンモニア臭に耐えつつ数週間に渡って溜め続けた巨大な便秘うんこを
 横綱土俵入りのごとく力いっぱいふんばる女の子とか、
 想像するだけで勃起するよね

344名無しさん@自治スレで設定変更議論中 :2011/06/27(月) 09:19:09.75 ID:ergqhAs7
>>343
それで一時間ぐらい気張ったあと、生ごみのようなオナラしか出せずに
泣きそうな顔でお腹さすりながらトイレから出てきた女の子に、笑顔でカメラ向けたい

345名無しさん@ピンキー :2011/07/02(土) 16:12:30.18 ID:vrnhIbYL
夏といえば海とか川原でバーベキューなんかいいよなあ
そしてうっかり食べすぎちゃった大量娘が上流や砂浜の隅で水中大量脱糞したりしてさ

潮の流れで皆の近くに大量のブツが流れついて大騒ぎとか、下流の方で深刻な水質汚濁なんかが起きちゃったりしてもいいよね

346名無しさん@ピンキー :2011/07/02(土) 23:06:12.09 ID:K8v9kEeD
それって正に無差別脱糞テロだ……

しかし河川に糞尿垂れ流しって普通に犯罪じゃなかったっけ?

347名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 00:06:19.47 ID:xhYUae9N
水質汚濁属性はないからそれはいらんな……

348名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 00:50:23.38 ID:FNcYFIvo
(*‘ω‘ *)から来ました

349名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 00:51:16.13 ID:O9LJc+yI
<(*‘ω‘ *)/

350名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 00:52:44.22 ID:CP21V9Jg
(*‘ω‘ *)は汚いのはちょっと・・・

351名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 00:53:23.31 ID:7l3VChkc
〜(*‘ω‘ *)〜

352名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 00:54:10.80 ID:40ARVqpY
<(*‘ω‘ *)>

353名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 01:03:25.56 ID:1dzxC41j
何だお前は

354名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 08:53:06.01 ID:cCPgD2ug
>>346
罪名は?

355名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 11:48:55.34 ID:VUho4q+e
>>345
遊人の校内射精でそれに近いネタがあった気がする
川の上流でうんこ→下流ではその水でカレーを作って・・・みたいな感じだったかな

356名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 14:12:54.47 ID:a/tkeE/H
我流痴帯の小説だと、学校の屋上、貯水槽近くでうんこ風呂を作ってるってネタがあったな。
しかも寄生虫入り。あの人の昔の発想はマジでおかしい。
水質汚濁のネタはなさそうだったが。

357名無しさん@ピンキー :2011/07/03(日) 20:58:54.09 ID:1dzxC41j
>>354
河川法と水質汚濁防止法違反

個人の緊急避難の場合どうなるかは知らんけど

358名無しさん@ピンキー :2011/07/04(月) 18:30:56.26 ID:6RANRSoU
幼馴染みとの関係〜舞華〜の続編、投下します。

※逆アナル責めあり。苦手な人は注意してください。

359幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:32:10.19 ID:6RANRSoU
 二年生に進級してから早一ヶ月。
 僕、高見孝太は私立天城音学園のカフェテラスで昼食を取っていた。
 吹き抜けになっている広々としたこのサンルームは、学園の人気スポットの一つでもあり、お昼時には上級生、
下級生問わず沢山の生徒で溢れ返っている。

 こんな瀟洒な場所で昼食が摂れるのは、やっぱり私立高校の特権かもしれないなぁ……。
 そういえば県立に行った中学時代の友達に、このカフェテラスのことを話したら『不平等かつ不公平だ!!』って
嘆いてたっけ……。
 涙目になりながら。

 でも……贅沢を言うつもりはないけど、ここだって良い事ばかりじゃない。
 短所だってもちろんある。
 万事全てにおいてメリット、デメリットがあるのはこの世の常だ。

「暑い……」
 ポツリと、僕は小さな呟きを漏らす。
 ……このカフェテラスのデメリット。
 それは、窓際の壁が全てガラス製であるため、陽光が直接入ってしまうというものだ。

 しかも今日は日差しがキツいから……凄く暑い。
 地面に水を撒いたら、数秒で蒸発してしまいそうな気温だ。
 昨日は大窓越しに柔らかな光が射し込み、思わず船を漕いじゃ
うくらい心地良いんだけど……今日は無理。
 寝たら間違いなくミイラになってしまう。
 何もしなくても汗が吹き出てくるこの暑さに辟易しながら、僕はリブサンドを一口齧る。

「ねぇねぇ、孝ちゃん」
「うん?」
 直射日光を素通しする窓を見つめていると、僕の向かいに座っている舞華が、イチゴ牛乳のブリックパックを持ったまま声を掛けてきた。

 普通の人より食べるのが早い舞華は、買ってきたトマトサンド、サラダロール、苺のショートサンドとBIGチーズバーガーを三個ずつ食べ、
最後に大盛りやきそば二パックを既に平らげてしまい、空になった包装のビニールやタッパーの山をテーブルに置いている。

「どうしたの舞華?」
「あのね、孝ちゃんは今日の放課後、予定ある?」
「放課後?」
 首をかしげつつ、僕は今日の予定を確認してみる。
 う〜ん……確か一昨日買ったアルバムをウォークマンに取り込もうと思ってたけど、それは別に今日じゃなくてもいいから、本当の意味で予定らしい予定はない。

「これといって特にないかな。暇だよ」
「本当!?」
 僕の言葉を聞いた瞬間、舞華が瞳を輝かせる。
 まるで散歩に連れて行ってもらえることを知って一生懸命尻尾を振る子犬みたいだ。

「じゃあ今日孝ちゃんの家に行ってもいい!?」
「う、うん……」
 テーブルから身を乗り出して再度質す舞華に、一瞬たじろぎながらも、僕は小さく頷いた。
 急にどうしたんだろう……?

「実はね、孝ちゃんに見せたいものあるんだぁ」
「見せたいもの?」
「うんっ!!」
「へぇ……何を見せてくれるの?」
「えへへ……家に着いたら見せてあげるから、それまでなーいしょっ」

 むぅ……そこまでもったいぶって言われると気になるなぁ。
 そんな僕の胸中もお構いなしに、舞華は椅子に座り直すとブリックパックに刺さったストローを口に咥える。
 うーん、一体何だろう?
 僕に内緒にする事なんてかなり珍しい。
 大抵どんな秘密でも、うっかり喋ってしまう癖があるのに。

360幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:34:12.21 ID:6RANRSoU
 そういえば……この一ヶ月間、ずっと舞華とセックスしていない。
 どういう風の吹き回しなのかは知らないけれど、先月、舞華は僕を求めてくることが無かった。
 いつもなら毎日求めてくるのに。
 それを舞華に話してみたら、今はちょっとした理由があって出来ないらしい。
 その理由は来月になったらその答えを出すから待っててと言われた。

 倦怠期……という事はないと思う。
 それ以外ではいつもと変わらず、どこに行くにも何をするにも僕にベッタリだし。
 でも、最近は休日になると一人でどこかへ出掛けてるみたいだ。
 もしかして……それに関連することなのかな?
 とにかく、それだけ舞華が秘密にしておきたい事らしいから、僕は家に帰るまでの楽しみにしておこう。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ……


「ん?」
 ふと、地鳴りにも似た音が聞こえてくると同時に、背後から漂うドス黒いオーラを感じて、なんの気なしに振り向く。
 瞬間、僕は目の前の光景に目を剥いた。

「高見の奴……神崎さんとあんなに馴れ馴れしく喋りやがって……」
「死ね。今すぐ死ね。即刻死ね。三秒で死ね高見」
「とうとう圓明流の四門を開けるときが来たか……手始めに朱雀だな」
「えっーと……テトロドトキシンの致死量って何mgだったっけかなぁ」
「おーい藤野。ちょっとカラシニコフ持って来てくれー。高見の頭を破裂した西瓜みたいにするから」

 背中からどっと嫌な汗が噴き出す。
 さっきみたいに暑くて出てくる汗じゃない。
 凄く……冷たい汗だ。

 微塵の容赦もない殺意を僕に向けて放っているのは、舞華のファンクラブに所属する男子生徒達。
 自称、『神崎舞華親衛隊』の方々だ。
 その生徒達が今、カフェテラスの席に座りながら僕に怨嗟と憎悪に満ち満ちた視線と剣呑な単語を向けている。

 天城音学園のアイドルたる神崎舞華。
 彼らにとって舞華は、まさに女神の如く崇拝すべき存在なのだ。
 曰く、彼らは舞華に話し掛ける事すら最大限に神経を使うという。
 そんな状態だからこそ、幼馴染みとして――自分の身を守るべく、校内では僕と舞華は恋人同士という事を伏せて
いる――常に舞華と仲良く話している僕は、邪魔者でしかない。
 いや、そんな生易しいものじゃない。
 恐らく彼らにとって僕は、抹消すべき存在でしかないんだろう。
 ○される……ここにいたら僕は確実に○される。

361幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:35:14.81 ID:6RANRSoU
「ま、舞華。ちょっと……移動しようか」
「ふにゃ? 孝ちゃんまだ食べ終わってないのに?」
「大丈夫大丈夫。今お腹いっぱいだから!!」

 食べかけのリブサンドをテーブルに置いて立ち上がると、僕は舞華の手を引いてカフェテラスから脱出した。
 背中を穿つような鋭さを孕んでいる視線を受けながらも、歩みを止めない。

 止めたら間違いなく僕の命が消滅しそうだから。
 あぁ……リブサンド、もっと食べたかったなぁ……。
 食べ物を粗末にするような愚行だけはしたくなかったのに。
 仕方ない、今日はあきらめよう。
 すぐ後ろにいる舞華に聞こえないよう、僕は吐息よりも更に小さいため息を吐いた。



            ×            ×



 入り日が最も茜色に輝く夕暮れ時。
 全ての授業科目を終え、放課後になると僕は舞華と並んで通学路を歩いていた。
 他愛のない話をしつつ、二人で笑い合う。
 平素と何ら変わりのない光景。
 でも、心なしか舞華の態度に落ち着きがない気がする。
 気のせいだろうか?
 などと考えていたら、いつの間にか僕の家にまで辿り着いていた。

 合鍵で玄関を開け、靴を脱いでから居間に入ると、肩に掛けていたスクールバッグを置く。
 高見家は、神崎家と違ってリビングが和室になっている。
 床には畳が敷かれ、檜で作られた座卓が中央に鎮座しているんだ。
 それを囲むように桐の茶箪笥やテレビスタンドに乗った36V型の液晶テレビ、父さんが仕事で使うパソコンがレイアウトされている。

 古き良き日本のお茶の間っていうのは、こういうのを言うのかも知れない。
 ……BRAVIAの液晶テレビやデスクトップパソコンが居間の雰囲気に馴染まなくて浮いてるけど。

「舞華、何か飲む?」
 ブレザーを脱ぎつつ居間に直結した台所へと向かう僕は、舞華の方を向いてから言った。
「ふぇ!?、う……うんっ! 今は喉渇いてないから、だ、大丈夫だよ!!」

 僕に倣ってスクールバックを置き、敷かれた座布団の上にアヒル座りで座った舞華は、素っ頓狂な声を上げる。
 やっぱり……舞華はどこか落ち着かない様子だった。
 そわそわしてるっていうか……挙動不審というか……目があっちこっち泳いでるっていうか……一体どうしたんだろう?

「そう? ならいいんだけど……」
 疑問に思いつつも、冷蔵庫を開けてウーロン茶の缶を取り出し、プルタブを起こしてから、それを一気に呷った。
 渇ききった喉を潤してくれる感覚が心地良い。
 心身ともに清涼感で満たされ、生き返った僕はふぅ……っと一息付いてからネクタイを外し、ワイシャツのボタンを二つ開ける。

 開放感に浸りながら僕は、再度居間へと向かった。
「で、舞華。見せたいものって……何?」
 缶を座卓に置いてから、僕は舞華を見据えて質す。
 さて……嘘や隠し事が大の苦手な彼女がここまで内緒にする事っていうのは、一体何なんだろう……?

362幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:38:28.66 ID:6RANRSoU
「う、うん……それはね……」
 僕の言葉に、舞華は戸惑いがちになりながらも、意を決したのか相好を引き締めて立ち上がり、制服のブレザーを脱ぎ捨てた。
 これから始まることは、舞華にとってよほど特別なことなのか、傍から見ても並々ならない決意を胸に秘めているのが分かる。
「……?」
 とはいえ……突拍子もない彼女の行動に、僕は首を傾げるばかりだった。
 もしかして……もうセックスを始めようって意味なのかな?
 でも、今の舞華を見る限りじゃスイッチが入ってるようには見えないし……。
 頬を赤らめてはいるけれど、興奮した様子はない。

 ダメだ……舞華のことは大体分かっていたつもりだったけど、今回ばかりは舞華が何をしたいのか全く理解できない。
 そう思っている間にも、舞華はリボンタイを緩めてからブラウスのボタンを一つ一つゆっくりと外していく。

 一体何が始まるんだろう……?
 期待と不安がない交ぜになった感情で舞華の行動を見据える僕は、テーブルに置いたウーロン茶の存在を失念するほど、
舞華の姿に釘付けになっていた。

「孝ちゃん……見て。舞華は、孝ちゃんが望む女になれました」
 一言だけそう紡いでから、舞華は脇部分が少し黄ばんだブラウスを脱ぎ、次いでスカートのホックを外してファスナーを下ろすと、
几帳面な折目の付いたプリーツスカートが、
重力に従って床に落ちた。
 下着を付けることを彼女に禁じているため、制服を脱いだら彼女は一糸纏わない姿となる。
「……」
 言葉を失う、っていう言葉はこういう時に使うべきなんだろうか?
 眼前の光景そのものに目を奪われた僕は、呆けたように口を開け、舞華の身体に見入ってしまう。

 幼少期からずっと見てきた彼女の裸。
 それが今、凄まじい変貌を遂げているのだから。
 豊かに発育した乳房の中心にある大きい蕾。
 充血して屹立したそれには、バーベル型のピアスが嵌められ、窪んだヘソには乳首に装着されたのとは形状が異なる
球体型のもの……いわゆるボールピアスが舞華の皮膚を貫いている。

 アルミサッシの大窓から射し込む斜陽がシルバーのピアスに反射して、美麗な光景を生み出していた。
 余りにも現実離れした光景と、正体を知らなければ清純な雰囲気を纏う彼女には不釣合いな装飾。
 それらは僕の思考を奪うのには充分なものだった。

 見所はそれだけじゃない。
 ボディピアスにばかり目を奪われて見落としていたけれど、見慣れた幼馴染みの肢体は胸部から脇腹、肩から手首、大腿にかけて
スタイリッシュな黒い刺青――いわゆるトライバルタトゥーが舞華の白い肌と陰陽相克して僕を魅了する。
 それは呼吸するのを忘れてしまうほど見事な出来栄えで、まるで一人の人間がオブジェになったのではないかと見紛うほどだった。

「えへへ……ピアッシングはニードルでやってみたんだけど、タトゥーは女の彫り師の人にやってもらったんだぁ。凄く腕のいい人でね、彫られてた時は全然痛くなかったし、
料金は前に孝ちゃんから貰ったお金の範囲で納まったよ」

 頬に朱を差してはにかむ舞華は、呆然とする僕に構わず得意げに言葉を紡ぐ。
「それとね……ベロにもちゃんとピアス付いてるよ。学校じゃ付けてるのバレたら大変だから外しておいたんだけど、
下校のときにトイレでこっそり付けたの……って、あれ? 孝ちゃん……?」
 そこまで言葉を続けてから、舞華は僕が無反応である事に気が付き、僕の顔を覗き込んできた。

363幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:40:13.64 ID:6RANRSoU
「も、もしかして……気に入らなかった……? で、でも孝ちゃんのリクエストにはちゃんと答えたつもり
だし……何がいけなかったんだろう?」
「綺麗だ……」
 徐々に不安の色を滲ませていく舞華を見つめながら、僕はぽつり、と一言呟いた。
 その言葉は考慮の末に出たものではなく、無意識のうちに発したものだ。

「凄く……凄く綺麗だよ舞華!! 凄い……本当凄いよ!!」
 興奮したままの口調で、僕は一気にまくし立てる。
 自分でも気分が昂ぶっているのが分かった。
 こんなにも……こんなにも装飾を施して女の子は美しくなるものなのか。
 こういう時、賞賛の言葉が陳腐なものしか出てこない自分のボキャブラリーの乏しさが悔やまれる。
 だけど……これだけは言える。

 舞華は、以前よりもずっと可愛くて綺麗になった。
 今の姿を見て興奮するなというのが無理な相談だよ。
 人体改造という領域に踏み込んだ幼馴染みの肉体。
 それはまさに美麗でありながら扇情的なアート。
 インゴットの金貨よりも遥かに価値のある一級品だ。

 何より……僕の要望を忠実に答えてくれた眼前の少女を見て、酷く胸を打たれた。
 あぁ……これが舞華の見せたかったものなら、それは僕にとってかけがえのないご褒美だ。
 本当に僕は、最高の恋人を見つけることが出来た。
 これを幸福といわずに何と言うだろう?

「ふ、ふにゃぁぁぁ……孝ちゃん、煽て過ぎだよぉ」
 声音に困惑の色を含ませて恥じらいながらも、舞華は満更でもない様子でしなを作る。
 座布団の上で胡坐をかいていた僕は、昂ぶった気持ちを抑える事なく立ち上がり、舞華の頬に両手を添えてキスをした。

「んっ……孝ちゃん……」
 ふっくらとして瑞々しい唇に自分の唇を重ねたあと、双眸を閉じている舞華の表情を見据えてから、指先で耳朶をそっと愛撫する。
「んゃ……ふぅ……んっ……」
 頬を赤らめ、歯槽膿漏特有の生臭い吐息を漏らし始めた舞華の唇に、もう一度唇を重ねた。
 いつもと同じように、唇と唇が触れ合うバードキスから舌と舌を絡ませる官能的なディープキスへの移行。
 舞華も僕のやらんとしている事を理解したのか、肉感的な唇を僅かに開けて僕の舌を迎え入える。

「んっ……うぅっ……まい……かぁ……」
「うぅ……んっ……ちゅっ……ちゅぅ……こう……ちゃぁ……んっ……」

 舌を滑り込ませ、生温かい彼女の口腔と舌を愛撫するたびに、僕は荒い吐息を漏らす。
 ぬめりを帯びた舌と舌が口内でぬちゅ……ぬちゅっという音を響かせて絡み合うたび、舞華の舌に嵌めたピアスが当たる。

 硬質な金属の感触が触れるたび、僕は改めて歓喜した。
 有り難う……舞華。
 僕のワガママにいつも答えてくれて。
「あはっ、孝ちゃんもう勃起しちゃってるよぉ……」
 唇を離し、腐った魚介類のような臭い吐息を吐きながら、舞華は制服のズボン越しに僕の股間を撫で上げ、生地を押し上げて
上反りになっているペニスを中指でなぞる。

「まぁ……その……一ヶ月も出してなかったからね」
「ずっとセックスしてあげられなくてゴメンねぇ……本当はしてあげたかったんだけど……身体の事、
秘密にしておきたかったから出来なかったの」
 申し訳なさそうに謝罪の辞を述べてから、舞華は片手で僕のベルトを外してズボンとボクサーパンツを下ろす。
 すっかり慣れたもので、その一連の動作には淀みがなかった。
「わぁ……孝ちゃんの久しぶりのおチンポさん……やっぱりぶっとぉい……」

364幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:41:23.20 ID:6RANRSoU
 双眸を熱っぽく潤ませて、僕の屹立した怒張を見つめている舞華は、まるで産みたての卵を掴むような優しい手つきで肉幹をそっと握った。
「うっ!!」
「はぁ……はぁ……んっ……孝ちゃん……チンポが元気にビクビク跳ねてるよぉ……それにぃ……」

 一度言葉を区切ると、舞華は僕の首筋から喉仏を舐めながら手を陰嚢に滑らせ、袋ごと睾丸を揉みしだく。
「ここにぃ……一ヶ月溜まりに溜まった超濃厚キンタマ汁が詰まってるんだよねぇ……考えるだけで子宮がじんじん疼いちゃうよぉ……」
「うぅっ……あっ、あぁっ! 舞華ぁ……」

 身体を痙攣させながら情けない声を上げる僕は、脳髄まで痺れるような感覚に襲われて、おとがいを仰け反らせる。
 うぅ……凄い。
 溜まっているからっていうのもあるけど、改造された舞華の身体に興奮して性感がいつもの何倍も高まっているから、
少しペニスを触られただけで蓄積された精子が暴発してしまいそうだった。
 何より、日を追う毎に磨き抜かれていく舞華の性技に、僕は翻弄されてしまう。

「はぁ……んっ……ねぇ……孝ちゃん……あのね……一つお願いがあるんだけど……いい?」
 僕の首に真っ赤な舌をナメクジが這うのと同じスピードで動かしながら、空いている片方の手――正しくは指先でシャツ越しに
僕の乳首を弄ぶ舞華は、蠱惑的な瞳を向けながら僕に聞いた。
「はぁ……はぁ……お願い……?」
「うん……私ね、孝ちゃんのこと思いっきり責めてみたいの。ダメ?」

 ……えっ?
 突然の舞華の告白。
 それを聞いて僕は暫し唖然とする。
 えーと……それはつまり、僕の方が受け身になるっていう事でいい……のかな?
 別段嫌悪感はないけど……ちょっと恥ずかしいような気が。

「ダメ……かなぁ?」
 上目遣いで僕を見据えながら、舞華はもう一度問いかけてくる。
「う〜ん……いいよ」
 暫しの逡巡の後、僕は舞華の目を見据えて言った。
 舞華は僕の要望に答えてくれたんだから、僕も舞華の要望に答えてあげないと不公平だもんね。

「えへへ……じゃあ今日は、孝ちゃんにいーっぱい恥ずかしい事しちゃうから覚悟してね?」
「ははっ……お手柔らかにね」

 僕の許可を得て無邪気にはしゃぎ、笑う舞華。
 でも……僕はそのとき、しっかりと見咎めていた。
 顔は笑っていても、その双眸が、肉食獣のように爛々とした輝きを宿していることを……。
 その瞳を見た僕は、辛うじて苦笑を返すことしか出来なかった。



            ×            ×



「孝ちゃん。足もう少し広げて……うん、それでいいよ。あっ、お尻はちゃんと突き出さないとダメだからね」
 言われるまま、座卓の上で四つん這いになった僕は、臀部の位置に顔を合わせている舞華を肩越しに見つめていた。

「えへへ……孝ちゃんのお尻の穴が丸見え〜」
 いつもと同じように無垢な笑い声を響かせながら、舞華は僕の臀部を、まるで食パンを割るように両手で押し開く。
 途端に、かぁ……っと、顔が熱くなっていくのが分かった。
 うぅ……これは……何というか……予想以上に恥ずかしい。
 普段、人には絶対見られたくない場所を恋人に見られている。
 ペニスを見られるのは至って平気なのに……お尻の穴を見られているという状況だけで耳まで火照っていく。


365幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:44:27.63 ID:6RANRSoU
「はぁ〜……孝ちゃんって肌スベスベだし、お尻の穴も毛が生えてないから綺麗……いいなぁ〜……私なんか
針みたいに硬いケツ毛でびっしり生えてるのにぃ」
 しかも、舞華が僕の尻穴を凝視しながら克明に箇所を説明しているという状況もあるせいか、羞恥もひとしおだ。

 うぅ……排泄器官を見られるのってこんなに恥ずかしかったんだ……。
 処女喪失して間もなかったころ、舞華が僕にアナルを凝視されるたびに、恨めしい声で
『恥ずかしいよぉ……』って言ってた気持ちが分かった気がした。
「うぅ……舞華。結構恥ずかしいね……これ」
「ふにゃぁぁぁぁぁ……恥ずかしがってる孝ちゃん可愛いよぉぉぉ」

 肩越しに舞華の姿を見ると、彼女は喜悦に満ちた声音を発して顔を綻ばせている。
 心底嬉しそうな表情だった。
 なんでだろう? 凄く不安な気持ちに駆られるのは。

「孝ちゃ〜ん」
「うん? 何?」
「今度、舞華がぺニバンで孝ちゃんのケツマンコバージン奪ってあげるね」
「いや……その……それは許して」
「ぶ〜、孝ちゃんのケチッ」
 いや、舞華さん……ケチとかそういう問題じゃないです。
「う〜んと……じゃあ孝ちゃん、指なら入れていいでしょ? 私の指、細いから痛くないと思うよ?」

 少し考えるような仕草をしてから、舞華は言った。
 まぁ……それくらいなら、大丈夫かな?
 正直言えば、少し怖い。
 でも……初めてだった頃の舞華も、こういう風に恥ずかしいのと怖い気持ちでいっぱいだったはず。
 なのに舞華は……いつも僕を信用してくれて、その身を委ねてくれた。
 僕だって舞華のことを信じてあげれなくてどうする?
 信じて委ねよう……世界でたった一人の大切な恋人を。

「いいよ。でも、ゆっくりやってもらえる?」
「うんっ! いつも私がケツマンコで気持ちよくしてもらえるんだもん。優しく優しく、ゆっくりやって孝ちゃんにも
アナル責めの良さを覚えてもらいたいなぁ」

 正真正銘、恋する乙女のように恍惚とした声音でそんな事を語る舞華に対し、僕は何も言えない。
 ただ、いずれ訪れる『その時』を、じっと待つばかりだ。
「すんっ……すんっ……えへへ……孝ちゃんのケツ穴ぁ……匂いがキツくて頭くらくらしてきちゃうぅぅ……んっ……んふぅ……」
「ぅっ!!」
 僕の排泄口に鼻を近付け、その匂いを充分に堪能してから、舞華は尻穴に唇を密着させる。
 その瞬間、僕は情けない悲鳴を上げて身体を震わせた。

「んっ……ちゅるっ……れぅ……うぅんっ……ふぅぅむっ……」
 唾液を滲ませて、舞華は僕の魚口に舌を這わせ始める。
 放射線状に広がるシワの一本一本を丁寧になぞるような舌遣いに腰が抜けちゃいそうになったけど、何とか耐える。
 でも、その後が本当に凄かった。
 唾でぬめった舌の表面を何回も往復させるだけじゃなく、舌先で穴をこじ開けるように突くんだから。
 しかも、こじ開けた後に舌を腸内にめり込ませた後、器用に舌先を動かして腸壁全体を舐め回してくる。
 その未知の快楽に、自分自身の存在が深淵に飲み込まれてしまいそうな錯覚に陥る。
 気持ちいい……。
 それが僕の、アナル責めに対する素直な感情だった。
 口にするのはちょっと抵抗があるから、唇を強く噛んで堪えるけど。

366幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:46:23.56 ID:6RANRSoU
「はぁ……んっ……これくらいやれば大丈夫かな? じゃあ孝ちゃんの新品未使用の処女マンコ、手マンでほぐしてあげるね」

 舌を肛門から抜いた後、舞華は人差し指を自分の口腔に含んで唾液をまぶし、僕の尻穴に指の先端をあてがってきた。
 指先で菊輪を撫で回すように愛撫してから、ぬちぬちという音を響かせて寸刻みに人差し指を挿入してきた。
「うっ! あぁぁぁぁっ……!!」
 殆ど条件反射で、僕は情けない悲鳴をあげてしまう。
 ズブズブと指が排泄器官に潜り込んでいくたび、脊髄から脳にかけて強烈な痺れに見舞われた。

 まるで排泄物が逆流していくような感覚に、僕は大きく背中を震わせる。
 身体中に鳥肌が立ってきてるのが分かった。
 でも、それは決して嫌悪するものではない。
 17年間味わったことのない鮮烈なそれは、言い表しようのない甘美な痺れだ。

 人はサディズムとマゾヒズムの両方を必ず持っているという。
 だからこそ、僕もこういった羞恥責めやアナル責めに悦びを見出せるのかもしれない。
「孝ちゃん……孝ちゃんの直腸、舞華の指にキュウキュウ吸い付いてくるよぉ……えへへ。男の子なのに、凄いエッチなケツマンコだね」

 蕩けた声で僕の羞恥を煽ると、腸内に侵入させた指を蠢かしながら睾丸に舌を這わせる舞華。
 二つの快楽に、もう頭の中がごちゃごちゃになっておかしくなってしまいそうだった。
 痛みはない。
 気持ち悪くもない。
 でも……やっぱり変な感じがする。
 そういえば、肛門検査のときに指を入れられると女の気持ちが分かるって誰かが言ってたような気が
するけど……うん、今なら本当に理解できます。

「もう一本追加するね〜」
「うぐっ!?」
 なんて事を述懐してる間に、舞華はもう一本指を挿入してきた。
 中指だろうか?
 舞華が後ろにいる以上はっきりと分からないんだけど、挿入された二本指が先刻よりも尻穴を更に拡張させる。

 僕が肛門を弄られる事に慣れてきたと判断したのか、舞華はゆっくりとした動作で抽送を繰り返してきた。
 感覚的でしか分からないけど、多分第二関節から指先の腹辺りまでの距離を往復させてるんだろう。

「あぐぅっ……うっあっ……!?」
「あぁ〜っ、オチンポさん、さっきより膨らんでるぅ……孝ちゃん喜んでくれてるんだね」
 舞華の言うとおり、僕のペニスは先刻よりもずっと猛々しく膨張し、肉幹に血管が浮き出るほど力強さを増していた。
 コリコリと直腸から前立腺を刺激され、ペニスが制御も利かぬまま何度も脈動している。
 恐らく、こんなに屹立したのは今日が初めてかもしれない。
 だって……いつもより二回り膨張してるんだから。

「うぁっ……!? あぁぁぁうぅっっっ!!」
 肛門に指が馴染んでくると、突然舞華は抽送していた二本指を、ベースのフィンガリングのように、ばらばらに動かし始めた。
 腸内を指で押し上げられたり、指で掻き回される感触に、もう思考することすらままならなくなってしまう。
 排泄器官が蹂躙されていく事で、こんなに悦びを見出せるなんて。
 今まで知らなかったのが損だなぁ。
 でも、何か目覚めちゃいけない方向に目覚めちゃってる気がする。
 細かいことを気にするのは辞めよう。


367幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:47:30.33 ID:6RANRSoU
「はぅぅぅぅ……孝ちゃぁん……」
 肛門責めの最中に、突如聞こえてくる幼馴染みの甘えた声音。
 この声は……舞華が我慢できなくなった時に発せられる声だ。
「んぐっ……うぅ……ど、どうしたの?」
「孝ちゃんのケツマンコ弄ってたら、舞華も孝ちゃんにケツマンコ舐めてもらいたくなっちゃったよぉ……」

 あぁ……やっぱり我慢できなくなっちゃったんだね、舞華。
 少し苦笑してから、僕はもう一度肩越しに舞華の顔を見る。
 その表情は、まるでお預けを喰らって切なそうにしている子犬そのものだった。
「いいよ。じゃあ舞華、攻守交替だね」
 僕の言葉に答えるかのように、舞華は相好を淫欲の色に染めたまま、小さく頷いた。



            ×            ×



 さっきまで僕が四つん這いになっていた座卓に、今度は舞華が乗る形になっていた。
 僕の時とは異なり、舞華は仰向けになって脚を大きく開いている。
 さながらそれは、赤ちゃんがおしめを交換してもらう時のような格好だった。

「孝ちゃん……ここにもちゃんとピアス付いてるんだよ」
 脚を広げたまま、舞華は大陰唇を両手の人差し指で開く。
 相変わらずヴァギナは色素沈着が酷く、特に黒ずんだ大陰唇がかなり目立つ。
 その膣からハミ出た牛肉のようなビラが晒されると、その肉ビラにもシルバーのリングピアスが装着されていた。
 ピアスのサイズは14ゲージほど。
 小陰唇に装着するのは、専門用語でインナーラビアっていう名称らしい。

 その光景を見れば、僕の心が驚嘆に支配されるのも当然といえる。
 でも……驚きはそれだけじゃない。
 装飾はもう一つあったんだ。
 それは、舞華の性器の中でも一際目を引くクリトリス。
 幼児のペニスほどの大きさがあるそこにも、ラビアに付いているものと同じリングピアスが飾られていた。
 その背徳的な装飾が、グロテスクな膣と相まって淫靡さに拍車をかけている。

「本当に綺麗だ……」
 一度も洗ったことがないっていう不浄でグロテスクなヴァギナを正面から凝視して、僕は賛美の声を発する。
 女の人は自分を磨けば磨くほど綺麗になるっていうのは、本当なんだなぁ。
「んっ……」
 しばらくの間、ヴァギナを凝視していた僕だけど、尻穴に顔を寄せてから、毛むくじゃらの薔薇蕾にそっと唇を付けた。
 途端に、汗で蒸れた匂いと糞便臭が同居した悪臭が鼻腔を衝く。

 凄く生々しい……嗅いだだけで胸焼けしてくるような糞便の香り。
 僕はその匂いを嗅いでいると、脳髄まで蕩けるような感覚に見舞われてしまう。
 軽い眩暈を覚えながらも、僕は舌を出してセピア色のアヌスを舐めくすぐった。
「ひゃぁんっ!?」
 いきなり排泄器官を舐められてびっくりしたのか、奇妙な悲鳴を上げて舞華は全身を跳ねさせる。

368幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:48:28.66 ID:6RANRSoU
 その仕草が可愛くて、ちょっとだけ悪戯心が芽生えた僕は、さっきのお返しとばかりに放射線状に広がったアヌスの皴を
一本一本丁寧に舐め上げた。
 舌先でその皴をなぞるように舐めると、肛門の周りに生えた縮れ毛が、ジョリジョリと音を立てて頬に当たる。
「んっ……んやぁ……あふっ……んんっ……!?」
 甘い声を漏らして悶える舞華の様子を堪能しながら、僕は糞便の残滓が絡まっている縮れ毛を……上下の歯でしっかり
噛むと、一気に引っ張った。


 ぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちっっっっっ!!!!!


「あぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!」
 響き渡る舞華の絶叫。
 それを聞きながら、僕はもう一度肛門の周りに生えた毛を噛んでから、一気に毟る。
 今度はさっきよりも本数が多い。
「ぎゃうぅぅぅっっっ!! ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
 鞭で打たれた家畜のように暴れ出す舞華は、何とか踏ん張りを利かせて座卓から落ちないように体勢を保っていた。
 やっぱり……痛かったかな? これは。

「こ、孝ちゃん……いきなりケツ毛噛み千切るなんて……酷いよぉぉぉぉぉ……」
 泣訴する舞華の言葉を聞いて、少しばかりやり過ぎちゃったなと反省。
 流石に可哀想だったね。

「ごめん。舞華」
「むぅ〜……」
 肛門から口を離して謝る僕を、舞華は頬をパンパンに膨らませて睨んでいた。
 やっぱりというか何というか、双眸に涙を浮かべている。
 本当にごめんなさい。反省してます。

「んっ……んふぅ……!?」
 それまで僕を睨んでいた舞華だけど、唐突に顔を顰めて苦悶の声を発する。
 さっきまでのように甘い、桃色のような吐息じゃなくて、本当に苦しそうな声音だった。

「はぁ……はぁ……孝ちゃんが……変なことするからぁ……びっくりして……お腹がゴロゴロしてきちゃったよぉ……」

 トライバルタトゥーが彫られた腹部を掌で摩りながら、舞華は頬を赤らめて排泄欲を告げる。
 それはさっきのが原因じゃない気がするけど……まぁいいか。
 とにかく、排泄するための器が必要になってくるね。
 でも……いつも使ってる洗面器は二階の僕の部屋にあるから、今取りに行っても間に合わない。
 かといってお皿とか使うわけには行かないし……。

 う〜ん……あ、そうだ。
 ちょうどいい『器』が身近にあるじゃないか。
「舞華、ここに出して」
「ふにゃ……? って、えぇぇぇぇっっっ!!」
 言いながら『器』を差し出す僕を肩越しに見て、舞華が驚きに満ちた叫び声を上げる。
 僕が『器』と呼称するもの……。
 それは、僕自身の手だった。

 両手を合わせて水を掬うように半円状の形を作り、それを肛門の真下に持っていく。
 これで準備は完了。
 後は舞華の排泄を待つだけだね。
「で、でも……孝ちゃんが汚れちゃうよ……」
「そんなことは気にしなくて大丈夫だから、出して……舞華」
「う、うん……分かった」
 不安そうな面持ちで僕を肩越しに見据えた後、舞華は覚悟を決めて大きく息を吸い込んだ。


369幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:50:27.51 ID:6RANRSoU
「ふっ……!! んぐぅぅぅぅぅぅっっっっっっっっぐいぎぎぎぎぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

 いつものように、歯茎が剥き出しになるほど歯を食い縛り、瞳孔が開いて眼球が血走るほど息む舞華。
 その顔は、普通の人から見れば凄まじく下品で汚らしいものに映るのかもしれない。
 でも……僕にとってその苦悶に満ちた表情は、この上なく可愛いものだと思えるんだ。
 我ながら呆れるほどの惚れ込み具合だと思う。

「ごっ……ごあおごぉぉぁぁぁぁあああっぁぁぁっぃぃぃぃぐぎゅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」
 今度は大きく見開いていた双眸をキツく閉じ、顔がしわくちゃになるほど力を込めると、全身から汗が噴き出し、
菊輪が生き物の口のようにパクパクと蠢きはじめる。
 訪れる楽しみの瞬間を、胸を弾ませて僕は待ち望んだ。

「んんんぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっ!!! 出る……出るぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっ!!!!」
 叫びとともに、いよいよ舞華の脱肛した薔薇蕾が絞り袋の口金のような形になる。
 瞬間……。


ぼぶぅぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!
みぢっ……みぢぃぃぃぃぃっっっっっっ!!!
ぶりゅりゅりゅりゅりゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅじゅっっっっっっ!!!!!
びちっ!! びびちびちびちびちびちびちびびちびちびちびちびちびちっっっっっっ!!!!!
ぶびぴぴぴぴぴびっ!! ぶびゅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!!!
ぶぼぶぅぅぅぅぅばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっ!!!!


「あぐぃぃぃぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃぃぃっっっ!! 出しちゃうぅぅぅぅぅぅうぅぅぅっっっ!!!
孝ちゃんの手にきったなくてぶっとくてくっさいウンコ垂れ流しちゃううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっ!!!!!」

 爆ぜるような声と破裂音を轟かせて、舞華の肛門からドロドロに溶けたチョコレートのような軟便が噴き出した。
 それを何とか両手で受け止めると、再び毛むくじゃらの尻穴から噴き出す軟便。
 一瞬、下痢をしたのかなと思ったけれど、そういう訳ではないらしい。
 下痢便だったらもっと硫黄のようにキツい匂いが来るはずだから。

 最も……今の軟便でもかなり匂いは凄いんだけどね。
 既に泥便でいっぱいになった両手。
 その上に、もう一つ汚物が落ちようとしていた。
 泥便に次いでひり出されたそれは、ボロニアソーセージほどの太さがある見事な一本糞だった。

 腸の中で棒状に形成された長いかぼちゃ色の糞便には、ワカメや昆布などの海藻類、千切りに刻まれたキャベツに
グレープフルーツの果肉や御飯粒、油揚げなどの未消化物が大便に沢山散りばめられている。

 恐らく、ここ数日間に摂取した食事なんだろう。
 でも、殆どが原型のまま糞便と一緒に排泄されてる……舞華、相変わらず食べ物を咀嚼しないで飲み込む癖が治ってないのか。
 慌てずに食べなって言ってるんだけどなぁ。
「んぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!! ぎぎぎぃぃぃぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっっっっ!!!!」


ぶぶぶぶぶびびびびぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっ!!!!!!
むりゅぅぅぅ……ぶしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……ぶびびっっ!!
ぶぼっ!! むりゅ……むりゅうぅぅぅ……


 最後に腸に溜まっていたであろうガスが抜けるような音が聞こえると同時に、舞華の尻穴から吐き出された一本糞は、
根元から千切れて落ち、ようやく排泄が終焉を迎えたことを告げた。
 今日の排便はいつもよりは大人しいような気がする。
 まぁ、彼女だっていつも一ヶ月以上溜めれるわけじゃないし、仕方ないか。
 いつも頑張って、時には物凄い無茶をしてくれてる舞華に文句を言うのは酷いとしか言いようがない。


370幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:52:46.31 ID:6RANRSoU
 さて、じゃあいつものように頑張ってくれた舞華を労うとしよう。
 ……あっ、でもその前に両手にあるコレをどうしよう?
 今、僕の両手には先刻排泄を終えたばかりの舞華の糞便がこんもりと盛られていた。
 うーん……処理するにもこのまま捨てるんじゃあ勿体ないし。
 どうしよう……。

「はぁ……はぁ……孝ちゃぁん……」
 しばらく処理の仕方を決めあぐねていると、舞華が荒い呼吸を繰り返しながら僕を呼んだ。
「うん?」
「それぇ……舞華に全部ちょうだい……舞華のびちびちウンコと極太ウンコぉ……全部使いたいからぁ……欲しいのぉ……」

 座卓の上に四つん這いになっていた状態から、アヒル座りになると、僕の眼前に両手を差し出す。
 言葉通り、糞便が欲しいって意味なんだろう。
 舞華の事だからいつものように食べたり塗ったりするんだろうなぁ。
 そう考えて、特に何の疑問も抱かないまま、僕は舞華の手に山の如く積みあがった便塊を渡した。

 渡す際、にちゃっという音と、小さい頃に泥遊びをして感じたあの粘っこい感覚を感じたけれど、何百、何千回と舞華の
糞便に触れてきた僕に嫌悪感は微塵もなかった。
「えへへぇ……野菜とか果物がそのまんま残ってて美味しそう……」
 恍惚とした表情を浮かべながら、舞華は今しがた排泄した糞便を見つめる。
 恐らく食べたいんだろうなぁ……口から垂れてる涎が滝みたいになってるよ。

「……あっ、そうだ!!」
 突然、舞華は1オクターブほど高くなった声を発する。
 文字通り、余りにも唐突だったので僕は驚くと同時にその場に固まった。
「孝ちゃん、畳の上に寝転んで」
「え?」
 声を張り上げたかと思いきや、今度はいきなり僕に妙な申し出をしてきた。
 さすがの僕も、少しばかり面喰らってしまう。

「えっと……どうしたの舞華? いきなり」
「いい事思いついたんだぁ。だから、早く早く〜」
 まるで遊園地のアトラクションに早く乗りたくて両親の手を引っ張る子供のようにはしゃいで僕を促す。
 ……何なんだろう?
 舞華は本当に一体何がしたいんだろう?
 うーん……今日は舞華の事に関して分からない事だらけだった。

 でも……とりあえず今は、舞華の言葉に従ってみよう。
 促されるまま、僕は敷いてあった座布団をどかして、青畳の上に寝転がる。
 これから一体何が始まるんだろうか?
 一抹の不安を覚えながら、天井に向けていた視線を舞華の方に移すと、舞華は座卓の上から降りて
僕の傍にまで歩み寄ってきた。
「孝ちゃん……舞華ね……また孝ちゃんのこと責めてみたくなっちゃったぁ……だから……ね」
 淫蕩に支配され、普段よりも一層甘ったるくなった声で呟くと、舞華は青筋を隆起させて屹立した僕のペニスに
両手で小山を作った便塊を近付けた。
「孝ちゃんのオチンポさんに私のウンコ、たっぷりプレゼントしてから、挿入してあげる」

 ぬちゅりっ……そういう音が、僕の股間から聞こえてくると同時に、生温かい感触がペニスに伝わる。
 見てみると、舞華が前回やった時と同じように、僕のペニスに糞便を塗りつけていた。
 こうしてみると……やっぱり凄い光景だよね。
 自分の一番大切な生殖器官に排泄物を塗りこまれてるんだから。
 さっき聞こえた音が一層強くなるとともに、僕のペニスは亀頭から肉竿、果ては陰嚢までもが舞華の
グチャグチャになった糞便によって蹂躙されていく。
 果肉や海草、野菜屑などが混じった糞便が陰茎に纏わり付いて、心地良い。

「準備完了〜っと。じゃあ……孝ちゃん、このまま……挿入れちゃうね」

 湿り気を帯び声音で言ってから、舞華は僕を跨ぐ形になって股間の所にしゃがみこむ。
 そして、臍に貼り付いたペニスを掴んで真上に抑えてから、舞華は膣口に亀頭をあてがい……一気に腰を下ろした。

371幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:54:11.61 ID:6RANRSoU
「んゅ……んはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」
 ぬかるんだ音と一緒に、淫声が居間に響き渡る。
 柔らかい糞便が潤滑油代わりになっただけでなく、いつの間にか粘膜がふやけるほど膣が潤みきっているからか、舞華の膣は
糞便まみれのペニスを難なく根元まで呑み込んでしまう。

「はぁ……はぁ……はぁんっ……一ヶ月ぶりのチンポぉ……固くて、カリ首が膣壁にゴリゴリ
擦れるのぉ……ふゃぁんっ……ウンコもぉ……舞華のウンコもぉ……ビラビラとマン肉にたっぷり塗りこまれて気持ち良いよぉ……」
 鼻にかかるような蕩けた声を発しながら僕の腹部に両手を置き、騎乗位の姿勢で腰を使い始める舞華。
 まずは手馴らしとでも言いたげに、ゆったりとしたグラインドを数分間行い、それからピストンに移行する。
 騎乗位……といっても脚は膝立ちではなく、爪先立ちで蛙のように脚を大きく開く体勢だ。

 この姿勢、腰を動かす勢いが強すぎると抜けちゃうんだけど、舞華はそれを絶妙なストロークで調節して膣口からペニスが抜けないようにしている。
 ゆるゆると腰を上げ、膣に包まれていた肉竿が抜けて亀頭が出るか出ないかの位置まで来ると、直ぐさま腰を下ろして、また根元まで挿入。

 これを何度か繰り返していく内に、僕はその摩擦で段々と腰椎が溶けそうなほど熱くなっていた。
 良い……凄く気持ちいいよ……舞華。
 普段は僕が主導権を握って動いてるせいか、舞華にリードされるのはかなり新鮮味がある。

 あぁ……騎乗位もたまにはいいなぁ。
「えへへ……孝ちゃん、これくらいで満足しちゃダメだよ。もっと凄いことしてあげるんだから」
 小悪魔のような悪戯っぽい笑みを浮かべつつ、舞華は一度、腰の動きを止める。

 ……ん?
 これから何が始まるんだろう……?
 そう思った刹那の間に、突如舞華が右に180度回転し始めた。
「うぁっ!!」
 何度目の驚きの声だろう?
 今日の僕は、舞華に翻弄されっぱなしだ。
 舞華が行ったのは、騎乗位――もちろん肉棒は挿入したまま――の状態から身体を回転させる性技……いわゆる花時計って呼ばれるものだ。

 ソープランドでもかなり高等な技術で、出来る人は中々いないって聞いていたけど……舞華、いつの間に覚えたんだろう?
「はぁっ!! んやぁ!! うぅぅぅんっっっ……わ〜いっ、初めてやってみたけど出来たぁ。大成功だよぉ。はぁんっ……あぁぁぁっっ!!」

 眼前に肉付きの良い、熟れた白桃のようなお尻を向けながら、舞華は喜びの声を上げる。
 ……今のが初だったんだ。
 でも、よくがんばったね、偉いよ舞華。
 それにしても……アナル責めといい、今の花時計といい、ますます舞華の性技には磨きがかかっている。

 特にこの花時計は……始めて体験したけど、本当にびっくりする。
 だって、挿入したまま回転するせいで肉棒を柔々と包んでいた膣壁が捻れてペニスに絡まっていくんだから。
 それまでのピストン運動とはまた違った動きに刺激され、僕は危うく暴発してしまいそうだ。

「うぅぅんっ!! 孝ちゃんのチンポ、久しぶりの極太生チンポぉぉぉっっ!! 大好きぃ……大好きなのぉっ!!
 舞華……もうこれ無しで生きられないよぉぉぉっっっ!!! もう舞華はぁ……孝ちゃん限定でセックス依存症
なのぉ……孝ちゃんのチンポ依存症なのぉ……はぁっ!! んぁぁぁぁっっ!!」
 しかも舞華は再びピストン運動を開始させ、蠕動を繰り返す膣で何度も男根を擦り上げて来るから、射精感は静まるどころか高まる一方。

 何とか深呼吸して耐えるけど……自慰もしないまま一ヶ月も射精してなかったせいか、いよいよ僕は限界が近づいてきていた。
 現に、僕の精液は睾丸から既に尿道を通ってきている。

 でも……舞華がまだイってないのに、一人だけでイクなんてそんなのは僕自身が許せなかった。
 耐えなきゃ……耐えなきゃ……。
 胸の内で呪詛の如く呟いていると、再び舞華が右に180度回転して元の位置に戻った。

372幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:56:15.95 ID:6RANRSoU
「うふぅっ!! はぁんっ!! やぁ……やぁぁぁっ!! 孝ひゃんっ……まいかイッひゃう……イッひゃいそうだよぉ……孝ひゃんのチンポ、
まいかのきもひいい所ばっかり当たって擦れりゅからぁ……孝ひゃんのチンポぉ……ずるいぃぃぃっっっ!! 孝ひゃんのことぉ……イカせて
あげたかったのにぃぃぃぃ……まいか、先にイッひゃうよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!」

 元の位置に戻って僕の視界に舞華の顔が映ると、舞華は顔の筋肉をだらしなく弛緩させ、涎や鼻水、涙を垂れ流しながら
淫声を響かせていた。
 口をぽっかり開けながら目をトロンとさせている表情を見て、僕は先刻よりも一層激しい興奮の波に襲われた。

「はぁ……はぁ……舞華ぁ……じゃあ一緒にイこうっ……僕も……そろそろ限界だか……らっ!!」
 最後の気力を振り絞り、僕は舞華の大腿に両手を置くと自らも腰を動かした。
 殆ど力任せの乱暴なピストン。
 それは、理性の枷が外れかけている僕の暴挙だった。

「んひっ!! んひぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっっ!!! あっあっあっあっああああああああああああ
ああああぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁっっっっっっっっ!!!!!」
 それまで無かったピストン運動に、舞華は対処しきれなかったのか、白目を剥きながら舞華は僕の乱暴な動きに委ねたまま、
もう動くことは出来なかった。
「うっ……うぶっ!! ごぶぅぅぅぅっ!!」
 暫く舞華の裸身を上下に揺さぶっていると、舞華が総身を震わせ、紅潮した顔が蝋のように白くなり始めた。

 同時に、ウシガエルが鳴くような強烈な『えずき』を口から漏らす。
 どうしたんだろう……?
 気になったものの、僕のほうが限界が迫ってそれどころじゃなかった。
「うぅっ……うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!」


びゅくっ!! びゅぶぶぶぶぶぶぶぶぶうっ!! どぶぅぅぅぅぅっっっ!!!
びゅるっ、びゅるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!
びゅっ!! びゅくっ!! びぶりゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっっっっっっ!!!!!!!
どぶっ!! どぶりゅ!! びゅくっ!!


 ようやくその時を迎えて、僕は舞華の子宮奥深くまで肉棒を突き込むと、一ヶ月溜まりに溜まった精の塊を存分に叩き込んだ。
 尿道の奥の方がドクドクと何度も脈打ちながら、際限なく精液を先端から吐き出し続ける。
 正直、終わりがないんじゃないかって思うくらい、その射精は続いていた。
 時間にして数分……
 一瞬で終わるはずの射精が、ここまで長く続くなんて……。
 本人である僕も、この状況は驚かずにはいられなかった。

「おぶぅぅるぅぅぅぅぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!! おぶっ、ぐぶぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!!
ごぼぉぉぉぉぉぇぇぇぇぇぇぇぼぉぉおぉぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!!」


 びちゃびちゃびちゃびちゃびちゃびちゃびちゃびちゃびちゃっっっっっっっ!!!!!!


 僕が射精の方に意識を向けていたとき、それまで蒼白の表情だった舞華が大口を開けてクリーム色と黄色が混じった吐瀉物を吐き出した。
 余りにも突然だったので、真下にいた僕は避けることも叶わず――避ける気なんか更々ないけど――逆流した滝の洗礼を受ける事となってしまった。

 幸いにも、目は瞑っていたから眼球に入ることはなかったけど、吐瀉物特有の匂いに頭がクラクラしてきた。
 形容しがたい濃厚な匂いは、しかし僕にとって上質なカクテルの他ならない。
 舞華がお昼に食べていたサラダロールのキャベツやきゅうり、ショートサンドの苺やチーズバーガーのハンバーグ、そして焼きそばの麺や
紅しょうがなどが原型を残したまま混ざり合って僕の顔に浴びせられる。

「美味しい……」
 僕はそれを嫌悪するどころか、それらの未消化物を手を使って口元まで運んでいくと、吟味するようにゆっくりと咀嚼した。
 麺や肉……果肉に野菜屑……本当にどれも美味しい。
 舞華の胃の中で混ざり合った未消化物、特に麺と野菜屑の味は最高の味付けが施されていた。


373幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 18:59:25.44 ID:6RANRSoU
 よく人の吐瀉物を見ると気持ち悪くなって嘔吐する……いわゆる貰いゲロをしてしまう人がいるっていうけど、少なくとも僕は
今まで舞華の吐瀉物を見てそんな風にはなったことない。
 だって……恋人の出す吐瀉物なんて最高のプレゼントじゃないか。
 吐瀉物を見たくらいで気持ち悪くなるほど、僕は舞華に冷めていない。
 本当に好きな人なら、排泄物も吐瀉物も愛せるものだよ。

「げぼぉっ!! ごぼっ、ごぼっ!! 孝……ちゃ……ん」
 口から残りの吐瀉物を吐き出し、何度か大きく咳き込んだあと、舞華は僕の胸に上体を預けてきた。
 勿論、まだ肉茎は入れたまま。

「舞華……?」
「すぅ……すぅ……みゅにゃ……」
 寝ちゃったよ、このお姫様。
 まぁ……久しぶりにハードなセックスだったし、疲れちゃったんだろうね。
 本当はまだまだ物足りないけど、今日は舞華を休ませる意味も兼ねてここまでにしておこう。
 力尽きて赤ちゃんのように穏やかな寝顔を見せる大切な幼馴染みの頭を、僕はそっと撫でた。



               ×                    ×



 それから一ヶ月後。
 六月中旬の日曜日の昼下がり。
 友達との約束も入っておらず、舞華からも連絡が来ないため、珍しく予定が真っ白な僕は、特にする事もないので
自室のベッドに寝転がりながら携帯を弄っていた。

 webでファッションや好きなアーティストの情報をチェックしていると、突然ディスプレイにメール受信中という画面が
表示された。
「せっか〜いでぇ〜一番お姫様〜そういう〜扱い〜心得て〜……よねっ!!」
 携帯電話からお気に入りの着信音が響くと同時に、僕は携帯の操作を切り替えて新着メールを確認する。
 迷惑メールの類なら速攻で受信箱を閉じるんだけど、そうではなかった。

374幼馴染との関係〜舞華〜そのさん! :2011/07/04(月) 19:01:01.66 ID:6RANRSoU
 送り主は……僕のよく知る人物、舞華だ。
【孝ちゃ〜〜〜んっ!! ビックニュースビックニュース!! 今すぐ私の家に来てー!!】
 ケアベアのデコメピクチャをふんだんに使ったメールには、そう書いてあった。
 何だろう……この凄い抽象的過ぎる文章は?
 っていうか主語がない。
 正直、何が言いたいのか全く伝わらなかった。

 とりあえず、行ってみれば分かるっていう事でいいのかな?
 うーん……今日もこれといって予定はないし、舞華の家に行ってみるとしよう。
 重い立つや否や、僕は自宅から距離にして2mほどの場所にあるご近所さん、神崎家に足を運ぶことにした。



            ×            ×



「あ、孝ちゃん。いらっしゃ〜い」
 神崎家の玄関から二階へと上がり、『MAIKAのへや』と書かれたプレートが掛かった木製ドアを開けると、
舞華がベッドに座ったまま僕を迎えてくれた。
「舞華、メールで言ってたビッグニュースって何?」
 どうしてもそれが気になって仕方なかったので、僕は舞華に寄り添うようにしてベッドの上に腰掛けた。

「あのね、孝ちゃん……驚かないで聞いてね」
「う、うん……」
 珍しく舞華が神妙な面持ちになって言った。
 その余りにも真剣な表情に、少したじろぎながらも頷く。
 何だろう……一体何が語られるんだろう……?

「私ね、実は生理がもう二週間も来てないの……それで、昨日産婦人科に行ったらね……」
 ……うん?
 生理が来ない?
 産婦人科?
 何を言ってるんだろう……舞華は?

「お腹の中に……いたの」
「……はいっ?」
「えへへ……孝ちゃんと私の赤ちゃん、出来ちゃった」
 語尾にハートマークが付かんばかりの桃色に染まった幸せそうな声。
 えっ? えっ? 赤ちゃんって何? ねぇ何なの?
 どういうこと? どういうことなの!?
 舞華の衝撃的なカミングアウトに、僕は思考ルーチンは完全に暴走状態だった。
 どうしよう……混乱し過ぎて1+1の演算すらできないよ!!

「えへへ……私、ずっとずっと夢だった赤ちゃん、神様からプレゼントしてもらったよぉぉぉぉ」
 フリーズしている僕をよそに、舞華は頬に両手を当て、照れと喜びを表している。
 ちょっと待て、冷静になるんだ。
 KOOLになれ孝太。
 つまり……舞華と僕の間に子供が出来た……と。
 そして僕は、父親になった……って事でいいのかな?
「えっ……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!」

 ある日の日曜日。
 恐らく生涯初であろう凄まじい絶叫を、僕は声帯から迸らせる。
 その叫びは、恐らく青と白のコントラストで彩られた蒼空を突き抜けていたかもしれない。

 僕たち幼馴染みとの関係は……僕が思いもよらぬ変化を迎えていた。

                                                                  END


375名無しさん@ピンキー :2011/07/04(月) 19:03:18.15 ID:6RANRSoU
以上です。有り難うございました。
舞華シリーズは次回で最終回です。

376名無しさん@ピンキー :2011/07/05(火) 00:16:08.40 ID:eVsFa7cf
乙です
ピアスとタトゥーは好みと違うけど、ここまで描写が濃いのはなかなかないな

377名無しさん@ピンキー :2011/07/05(火) 00:33:13.30 ID:Bk+k4TU6
>>358
ふぅ……
乙です。濃くていいですね。

>>356
それは褒め言葉ですね。
我流痴帯の小説、大好きだったんだけどなあ…

378名無しさん@ピンキー :2011/07/05(火) 16:53:45.86 ID:28bWDs4e
どなたか我流痴帯で公開されてた小説誰か持ってたら上げてくれませんか?
便秘の先輩をマッサージで直してあげる話とかゲロ浣腸とか
昔はサイトごとDLするという発想が無かったのが本当に悔やまれる…

379名無しさん@ピンキー :2011/07/05(火) 17:11:59.21 ID:dwWMMJbt
ttp://www.archive.org/
試してみろ

380名無しさん@ピンキー :2011/07/09(土) 14:13:24.08 ID:xSJOvw/e
>>378
Si_112817.zip
パスは二次のデフォ

381名無しさん@ピンキー :2011/07/10(日) 00:31:50.47 ID:ql6mVft9
>>379
ありがとうございます!これで大半のSSを見つけることができました!
不思議な便利なサイトがあったんですね…

>>380
こちらもありがとうございます!!
↑のサイトからだと、純愛物語が見つからなかったので
諦めていたところにこれはめちゃくちゃ嬉しいです!!

382名無しさん@ピンキー :2011/07/10(日) 03:35:53.67 ID:Ym4Ji6Mh
実は自分も我流痴帯のアーカイブ欲しかったんだ
ありがてえ…ありがてえ…


383名無しさん@ピンキー :2011/07/10(日) 20:35:53.20 ID:DHLQGVrR
懐かしいなあ
プールトイレの話とか農家姉妹のおんぶ脱糞でスカ属性にハマったんだよ

384名無しさん@ピンキー :2011/07/11(月) 03:41:19.16 ID:2JRyyH4a
かれこれ2時間以上ググってるが二次のデフォが分からない…
pinkはここくらいしか来ないからな…orz

385buruburi :2011/07/11(月) 06:52:50.14 ID:451zxPML
このスレだったか別のスカスレに最近書き込まれてた気がするがどこだったかな…

386名無しさん@ピンキー :2011/07/11(月) 08:21:44.22 ID:2JRyyH4a
ありがとう、ありがとう…

387H :2011/07/16(土) 21:43:12.03 ID:+JGMTArJ
 保守にちょっと投下。


388H :2011/07/16(土) 21:44:38.71 ID:+JGMTArJ

「彼女の穴」


 なんで、こんなとこに穴なんか開いてるんだろう。
 ふと「それ」が気になって足を止めたあの時から、私の毎日にちょっとした刺激が加わった。
 誰が、何のために?
 晴れない疑問を抱えながらも、あの便器のようなベンチは今日も当たり前のように私を迎えてくれる。
 私のうんちを、受け入れるために。
 手早く準備ができるよう改造したスカートのファスナーを引き上げると、ひんやりとした夕暮れの風が吹き抜けた。
 興奮で蒸れたおしりが冷やされて、おなかのなかの重たい感じがより一層強くなっていく。
 もうすぐだからね……。
 朝からずっと我慢させていたおなかと、おしりの穴に言い聞かせていると、待ちきれないかのように大きなオナラが漏れ出てきた。
 いっぱいに溜まったうんちがすぐそこまで来ている、私のオナラ。
 頭がクラクラするような……まるで色が付いていそうなすごい臭いだ。
 緑地公園の奥まった場所、滅多に人の来ないこの場所をうんちの臭いで染め上げながら、私はそのベンチに腰を下ろした。

「んっ……あ! で…出るぅ……!」

 木の冷たい感触がおしりに伝わると、それを合図に、一気にうんちが駆け下りてきた。
 あの穴に私のお尻の穴をぴったりと合わせる。
 もう、止められない。
 茶色い、硬い塊がおしりの穴をこすりながら、あの穴を通して長く長く伸びていく。
 とん、と地面に付いたところで一度切れてしまった。でもまたすぐに新しいうんちが、次々にその上に折り重なっていく。
 人のいない、静まり返った公園で。
 透き通るオレンジ色の大きな空を見上げながら、私は脱糞の快楽に浸っていた。
「……」
 帰り際にちらっと、置き去りにする自分のうんちを振り返った。
 こんなことをもう何度も繰り返しているけど、騒ぎになったりベンチの下がうんちで埋まることはない。
 次に来る時には、なぜかキレイに片付いていて、穴の下にはほんの少しの染みが残っているだけだから。

 でもまた何度目か、あの穴の場所に行ったとき――そこには前回の私にうんちが、そのまま残っていた。
 添えられていたのは小さなメモ。書かれていたのはURLとユーザー名、そしてパスワードだった。
 不安と興奮、緊張と期待がごちゃまぜになったまま家に帰り、開いたその先には……克明に記録された、
 私のうんちが全部映っていた。
 写真と一緒に、日付、量、大きさ、色、そして臭い……。
「あ……」

 震える指でスクロールさせて行ったその先にあったのは、メールフォームだった。





389H :2011/07/16(土) 21:46:13.35 ID:+JGMTArJ


 そして、今。
 クスクスと、私の後ろで男が笑っている。
「まったく。脅迫されてる人の顔に見えないよ? ○○ちゃん」
「んっ… 脅迫のつもり……だったの……?」
 いつもの場所で。
 今度はカメラに向かって脱糞しながら、私は笑い返した。
 その質問に答える代りに、男は無言で、そそり立ったペニスを取り出す。
 そして排泄を終えたばかりの、ぐちゃぐちゃに汚れた私のうんちの穴に、ぴたっとあてがった。
 うんちを出すだけにしか使わないはずの、そこに……。
 これから私は、便器になるんだ。
 快楽の期待と興奮で頭がぼーっとしてくる。


 ふと視線を感じて、下に目をやった。
 今まで私が犯していたあの穴が、私を笑っていた。







390H :2011/07/16(土) 21:55:20.40 ID:+JGMTArJ

 以上。

 実はこれ、
 「覗いてはいけない1」の、巻頭カラー漫画の仕事を手伝った時の原稿です。
 新作は書いてる暇がないのでリサイクル。
 実際の本ではこの文章では長過ぎて細か過ぎて、最後の一文以外ああなりましたが。
 やっぱりストーリーを考えるのは楽しいです。

 >>356
 我流痴帯の、あんなSSを書きたいと常々思ってるんですが、どうも自分には無理のようです。
 

 次は多分、園芸店の続きか、以前に言っていた短編か、どちらかを投下すると思います。
 気分次第で、とにかくひたすら甘甘なのが書きたいと思ったら西嶋さんの話に浮気するかも。
 ではまた。

391名無しさん@ピンキー :2011/07/17(日) 10:58:44.02 ID:VgWWo+QR
超gj

392名無しさん@ピンキー :2011/07/20(水) 13:38:32.41 ID:+lAKJPIi
プロの犯行?

393名無しさん@ピンキー :2011/07/20(水) 18:26:17.72 ID:BJfInf0t
>>392
H氏はプロじゃないけど
挿絵の早乙女先生はプロ(商業作家もしてる)


394名無しさん@ピンキー :2011/07/25(月) 13:00:09.84 ID:xNSZvzRK


395名無しさん@ピンキー :2011/07/25(月) 14:13:16.01 ID:1uabPfBi
ほう

396名無しさん@ピンキー :2011/07/26(火) 23:33:06.11 ID:Ir5G7qjX
理想のうんこってどんなうんこ?

397名無しさん@ピンキー :2011/07/29(金) 19:02:41.00 ID:fuSYNhzH
遠野渚先生がー

398名無しさん@ピンキー :2011/07/30(土) 06:59:18.82 ID:dY4z0188
うわわ

399名無しさん@ピンキー :2011/08/01(月) 20:25:29.59 ID:pNnY0xwq
772 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2011/07/30(土) 06:37:37.10 ID:vt3M1PB0
今夜のまどかはなんかそわそわしてるなって思ってたら、
突然自転車を降りて、周囲に誰も居ないのを確認して、
制服のスカートを脱いでしゃがんだのだ。
私は、しばらく何が起こったのかわからなかったけど、すぐに
三脚を下向きにし、カメラのズームをいっぱいにしたわ。
ファインダを覗くと、まどかは苦痛と恥辱の表情を浮かべて、
排泄していたわ。よっぽど辛かったのね。
そのうち表情が安堵感と爽快感で満たされると、まどかは立ち上がり、
ま○こを拭いて雫をとった後、スカートを上げ、何事もなかったように
自転車に乗って立ち去った。
すぐに家を飛び出した私が現場で見た物、それはまだ生暖かい
大量の糞。ガッチリまどかの肛門から出たばかりの糞。臭い。
近くの草を見ると、朝露とは違う液体でぬれていた。
まどかのま○こから排泄されて間もない小便だ。
そっと口に含んでみる。しょっぱい。
思い切って糞も舐めてみる。生温かくて臭い糞。
今、私のうちの冷凍庫には、まどかの糞と小便がパックに入って
保存されている。
だれかほしい人はいるかしら?分けてあげないけど。
これからビデオの使い道をじっくり検討する予定よ。ふふふ。。




400名無しさん@ピンキー :2011/08/01(月) 20:26:05.80 ID:pNnY0xwq
775 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2011/07/31(日) 04:38:22.93 ID:4BJm1mzy
先日、二回目になるのだけれど、まどかと川原の土手でひさしぶりにプレイしたわ。
高架の下で道路からは見えないとこなので、
2人で真っ裸になりま○こを舐めあってから私が持って来た、
いちぢく浣腸をお互いに入れあったの。
しばらく我慢していたら2人ともお腹がぐるぐると言い出して69になり
お互いに肛門を舐めあっていたんだけれど、
私もまどかも我慢の限界が近づいているみたいで、
肛門がひくひくして来たのよ。まどかが私のま○こを舐めながら 
ああ^〜もうウンチが出るう〜〜と言うまもなく、私の顔にどば〜っと糞が流れこんできた、
それと同時に私もまどかの口と顔に糞を思い切りひりだしてあげたわ。
もう顔中に糞まみれ。お互いに糞を塗りあいながら
体中にぬってから私がまどかのお尻にもう一発浣腸してから
糞まみれのバイブを押し込みながら糞を手ですくいとり、口の中に押し込むと舐めているのよ。
お互いに小便をかけあったり糞を何回もぬりあい楽しんだわ。
3人や4人で糞まみれでやりたいわ。まどかも糞遊びが好きみたい。



401名無しさん@ピンキー :2011/08/01(月) 23:15:49.00 ID:xzUdLhYx
マドマギUZEEE

402名無しさん@ピンキー :2011/08/07(日) 21:33:01.92 ID:GTxUP4XH


403名無しさん@ピンキー :2011/08/11(木) 22:19:57.74 ID:SRB51QCY
ガッツで快☆便
なぜかこのフレーズが頭を離れない

404名無しさん@ピンキー :2011/08/12(金) 00:14:07.21 ID:22MprV13
幼馴染みとの関係〜舞華〜の最終話投下します。
前回言い忘れていたのですが、これの後にエピローグがあるので
実質今回の話が最後ではありません。
紛らわしい発言してすいませんでした。


405幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:17:10.85 ID:22MprV13
 駆け足のように幾多の季節が過ぎ去り、桜の花々が舞う季節が訪れた今日。
 僕、高見孝太は、自分の住む街にある教会の中にいた。
 教会といってもそこは、結婚式のためだけに使われる施設、いわゆる結婚式教会だ。
 この施設は結婚式カタログやテレビでも頻繁に紹介されていて、ブライダルフェアの時などは主に
二十代から三十代の女性がこぞって参加するらしい。

 そのウェディングチャペルの中にある控え室で、僕は着慣れない純白のタキシードに身を包み、待ちに待った時を前にして緊張していた。
 シャンデリア風にデザインされた照明を浴びて白さが一層際立つタキシードのネクタイを今一度締め直し、シャツの上に着た
ベストのボタンが掛け違えてないかをドレッサーの鏡で確認する。

 うーん……やっぱりというか何というか……落ち着かない。
 今日は僕も主役の一人だというのは分かっているのに、自分がここにいること自体、凄く場違いな気がしてたまらない。
 これから式を挙げるっていうのに、今一つ実感が湧かないのは、僕がまだ十八という年齢だからだろうか?

 まだ高校三年生という身分だというのに、僕は大切な人の夫となり、そして父親となる。
 これだけの重責を担っていながらもナーバスにならない自分の暢気さに苦笑しながら、僕は式場のスタッフが
淹れてくれたカモミールティーを一口飲む。

 口の中に広がる少しばかりの苦味と、ほのかに香る林檎のような匂いが自然と緊張していた心をほぐしてくれる。
 ……よし、段々リラックスしてきた。
 今日は親戚も出席して来てくれる訳だし、あんまり不恰好なところは見せられないぞ。
 しっかりと気を引き締めよう。

 コンッ、コンッ

 ソーサーの上にカップを置いたところで、やにわに控え室の扉から乾いた音が響き渡る。
「はい」
「失礼します」
 僕が短い返事をしてノックに応じると、扉を開けて入ってきたのは式場の女性スタッフだった。
「新婦様の着付けが終わりました。こちらにお呼びしましょうか?」
「はい、お願いします」
 どうやら僕と同じ今日の主役、舞華のほうも準備が終わったらしい。

 僕の返事を聞いたスタッフが笑顔のまま会釈して退室して扉が閉められる。
 さて、一体どんな風にドレスアップされてるんだろう?
 凄く楽しみだった。

 それから三十秒と掛からぬ間に、再び控え室の扉が遠慮がちに叩かれる。
 もう一度短い返事で応じると、ゆっくり……ゆっくり扉が押し開かれる。
「孝ちゃん……」
 開かれた扉の前に立っていたのは、純白という名が本当に相応しいウエディングドレスを身に纏った舞華だった。
 オーガンジーという生地を用いて作られたロングのブーケを被り、シルクを惜しげもなく使ったオフショルダーのドレスは、
浮き出た鎖骨や華奢な肩、豊かに実った乳房の上部を晒す大胆なデザインになっている。

 ドレス全体のシルエットは、かつての西洋貴族が着ていた召し物のようにスカートの裾が大きく広がった、
いわゆるプリンセスラインというものであり、豪華さと可憐さを絶妙なまでに併せている。
 花嫁というよりは、御伽噺に出てくるようなお姫様のようなドレスだけど、それが童顔の舞華には良く似合っていた。

 その他、アネモネで作られたチョーカーや二の腕くらいの長さまである純白のグローブ、頭頂に乗せられたミニティアラなど。
 全てが舞華の魅力を全面的に押し出していた。
 肩や胸部に刻まれていたトライバルタトゥーは、おしろいで誤魔化しているためか、パッと見では気付かれないようになっている。
 流石にあのタトゥーは衆目に晒すわけにはいかないもんなぁ……仕方ないか。


406幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:18:34.13 ID:22MprV13
「ど、どうかな……孝ちゃん? 変じゃない?」
 ファンデーションが厚めに塗られた顔に不安げな色を滲ませて、舞華は僕に聞いてきた。
 逆に思う。
 ここまで完璧に彩られた花嫁に、一体どういうケチを付ければいいんだろうか?
 どうやって変と思えばいいんだろうか?

「綺麗だよ。舞華」
「ほ、本当? えへへ……よかったぁ」
 先刻の問いかけに僕が答えると、舞華はようやく顔を綻ばせる。
 頬をパールピンクのチークで彩っているせいか、その顔が朱を差しているのかどうか判別が付かない。
 でも、その表情が幸福に満ちているのだけは、ハッキリと分かった。

 僕にとって本当に大切な人。
 幼い時からずっと傍にいてくれた人。
 その人が今日、名実共に僕の妻となる。

「ねぇねぇ赤ちゃん、ママね、パパに褒められたよ。綺麗だって」
 ドレスの生地を押し上げて大きく膨らんだお腹を摩りながら、舞華はもうすぐ産まれてくる我が子に語りかけた。
 その中に宿る新しい命。
 僕と舞華の愛の結晶。
 その子は僕達の関係を変え、そして更なる強い絆を結んでくれた。

 そう――僕たち幼馴染みとの関係は今日を以って、違う形へと変わる。
 夫婦という新しい形へ……。



            ×            ×



 時を遡る事八ヶ月前……昨年の六月。
 つまり、舞華の妊娠が発覚した直ぐ後の事。
 我が家の居間にて、高見家と神崎家による合同家族会議が緊急で行われた。

 座卓に座っているのは父さんと母さん、その間に僕が座り、向かいには海外での仕事を切り上げて一時的に帰国した
オジサンとオバサン……つまり舞華のご両親が座っている。
 その間に、やはり舞華が僕と対座する形で座っていた。
 普段なら僕と両親で団欒を彩る居間は現在、緊迫した雰囲気で充溢していた。

「孝太君……まず説明をしてもらおうか?」
 激昂することもなく、静かな声を響かせてオジサンが僕に質す。
 語調は静かだけど、別段それは努めて冷静にしているふうでもなく、いつもと変わらない。
 僕が子供の頃から聞き慣れたオジサンの声だった。

407幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:20:36.18 ID:22MprV13
「は、はい……」
 緊張のあまり、凄まじく上ずった声で僕は返事をする。
 うぅ……何とも情けない。
 それでも僕はめげずに、三日前、舞華から妊娠の報告を聞いたことを説明する。
 全てを聞き終えてから、オジサンは神妙な面差しで頷き、次いでいつ頃から舞華と付き合い始めたのかを聞いてきた。

 僕は嘘偽りなく、舞華と付き合い始めたのは中学一年の頃からと答える。
 それを聞くと、オジサンはまた首を小さく縦に振った。
「そうか……」
 短く呟いてから、オジサンはもう一度僕を見据える。

「で、孝太君はどうするつもりだい?」
「責任は取ります。ですから……」
「孝太」
 それまで押し黙っていた父さんが、僕の言葉を遮って会話に割り入ってきた。
 普段は滅多に怒ることのない飄々とした父さんからは、想像もできない厳しい声音。
 それを聞いて、僕は顔を強張らせる。

「お前、責任を取るって言ったが……子供一人を喰わせていくのがどれだけ大変か知ってるのか?」
「そ、それは……」
「別に父さんはお前が舞華ちゃんと付き合おうが何しようが文句は言わない。だがな、生半可な覚悟で物事を決めて、
それで舞華ちゃんや子供を苦しめる事になるのも承知の上でお前は責任を取れるのか? これはお前一人の問題じゃないんだぞ」
「――ッ!!」

 言い返す言葉が見つからなかった。
 そうだ……これは僕だけの問題じゃない。
 舞華と、そして子供のことも視野に入れて考えなければいけない事態だったんだ。
 今更ながら、僕は自分の浅はかさと愚かさに気が付く。
 かといって、中絶なんて絶対させたくない。
 僕との子供を身ごもった時に見せた舞華の幸せそうな表情。
 あの顔を見た後で彼女に堕ろそうなんて言える筈もなかった。

 そんな事をすれば舞華に一生癒えない傷を背負わせることになってしまうし、僕自身も人殺しとしての
十字架を生涯背負わなければならない。
 それがどれだけ苦しいことか、普通の人なら考えなくても理解できる。
 でも……子供を産むという選択をしても、結局舞華に辛い思いをさせなければならない。
 以上のことを踏まえても、僕は本当に責任を取れる資格があるのだろうか?

 俯いて自問した刹那、僕は自分に注がれる視線に気が付いて顔を上げる。
 そこには、僕をじっと見据える舞華の姿があった。
 今までの舞華からは想像もできないほど意志の強さを孕んだ瞳。
 彼女はお腹に手を当てながら、静かに、頷いた。

“大丈夫だよ……孝ちゃん”
“私は、絶対にこの子を産む……だから、孝ちゃんは何も心配しないで”

 そう物語る瞳は、僕の姿を捉えて離さない。
 ……僕はバカだ。
 何一人で背負い込んでいるんだ。
 責任を取るなんて大それた事を言ったけれど、結局僕は舞華がいなくちゃ何も出来ないんじゃないか。
 僕とともに今日までの道程を歩いてくれた大切な人が、こんな状況になってもまだ隣を歩いてくれる決意を
固めてくれているのに……本当にバカだ。

408幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:22:34.86 ID:22MprV13
 自分の中で、答えは決まった。
 もう……迷わない。
 決意を再度固め、僕は舞華の両親を見据えた。
 現実を見れていない子供の戯言だと思われてもいい。
 馬鹿な男の夢想だと嘲笑われてもいい。
 それでも……僕は……。
「オジさん、オバさん!!」
 舞華を……。
「僕は舞華を愛しています。それは嘘偽りありません!!」
 世界でたった一人の幼馴染みを……。
「だから……だから……」
 大切な恋人を……。
「舞華と結婚させてください! そして……僕達の子供を産ませてください!!」

 ――幸せにしてあげたい。

 声の限りに叫んでから正座したまま、額が青畳に付くほど低く、低く頭を下げる。
 水を打ったように静まり返る居間で、一秒一秒時が刻まれる。
 沈黙が怖かった。
 返答が怖かった。
 自分でも身体が震えているのが分かる。
「……よく言ってくれたね。孝太君」
 期待と不安がない交ぜになった精神状態で待ち構えていた返答は、意外にも張り詰めたものが一切ない穏やかなものだった。

「いやぁ、実を言うと舞華から妊娠したという話を聞かされた時は最初、相手がどこの馬の骨とも分からぬ男だったら
殴り倒した後にモガディッシュ辺りに放り込んでやろうと思ったんだがね、相手が孝太君だと知って安心したもんだよ」
「……へ?」

 先刻とは打って変わって朗らかな声で言葉を紡ぎ出すオジさんは、
笑いながら母さんの淹れたコーヒーを啜る。
 何がなんだか分からなくなり、僕はただ間の抜けた声を発する事しか出来なかった。
 い、一体どういうことなの……?

「実はな、孝太君。私達と君のご両親は、既に君達が一緒になる事に賛成一致してて、反対するものは誰もいないんだ」
「……はい?」
「あなた、孝太君がついていけてないわよ。もっと懇切に説明してあげなさいな」
「おっと……いかん、いかん」
 咳払いを一つしてから、オジさんは襟元を正す。

「孝太君も知っての通り、私達夫婦は仕事柄、海外に出張することが多く、舞華が小さい頃からずっと寂しい思いをさせてしまっていた。
遊園地や動物園に連れて行ってあげることはおろか、運動会にも授業参観にも出てやれず、いつも泣いている舞華の姿しか
見ることが出来なかった……」
 声に後悔と自責の念を滲ませながら語られるオジさんの思い。
 それを聞いていると、僕は初めて舞華に出会った日を思い出していた。
 確かに……舞華は出会った頃、いつも家の中で泣いていた。
 僕と仲良くなるまで彼女はぬいぐるみで遊んだり、絵を描いたりするだけで一人を過ごしているのも記憶している。
 両親もおらず、ハウスキーパーが月に三回ほど出入りする程度の家。
 そんな中で暮らしていけば、どんな子供だって泣きたくもなる。


409幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:24:37.99 ID:22MprV13
「舞華は昔から気の小さな子で、なかなか友達も作れなくてね……私達も激務に追われながらずっとその事を
心配していた。そんな時、孝太君は舞華と友達になってくれたね。そして、彼女として舞華をずっと大切にしてくれた」
「舞華ってば、電話でいつも孝太君の事話してたのよ。孝ちゃん、孝ちゃんっていつも楽しそうだったわ」
「お、お母さん〜」

 微笑みながら紡がれるオバさんの言葉に、舞華は耳まで真っ赤にしながら抗議の視線を向ける。 
 そんな仕草が可愛らしくて、つい僕も笑みを零してしまう。
「だから、私はいずれこういう事にはなるだろうとは予測していたんだ……まぁ、時期は予想より早かったがね」
「いいじゃない、あなた。お陰でこんなに早く孫の顔が見れるのよ」
「ハハッ、確かにそうだな。……孝太君、不肖な娘だが舞華をどうかよろしくお願いします」

 オバさんの言葉を聞いて一笑してから、オジさんが僕に向かって頭を下げる。
 ……良かった。
 認めてもらえたんだ。
 僕と舞華が結婚するのを。
 これで……これで舞華を幸せにすることが出来る。
 こんなに嬉しいことはない。
 本当に……本当に良かった。
「ところで孝太、結婚するのは良いとして、学校はどうするんだ?」
 述懐している最中に、父さんの質しが聞こえてきて僕は現実に引き戻される。

「えぇっと……ひとまず退学届け出してから働きに……」
「おい、今のご時勢大卒ですら就職先が見つかりにくい状況なんだぞ。中卒じゃあ更に枠が減るだろう」
「……あっ」
 しまった……そこまでも考えてなかった。
 本当に僕って奴は、どうしてこうも思慮が浅いんだろう。
 酷い自己嫌悪に陥ってくる。

「そこでだ、孝太。お前はこのまま学生結婚して高校卒業したら大学に行け。そして子育てや家事も手伝いつつ安定した就職先を
見つけられるよう猛勉強しろ。それがお前の結婚を認める条件だ」
「そうね。今の時代、男の人も育児を手伝う時代だし学生結婚ならちょうど良いんじゃない? 孝太にも子育ての大変さを知るいい機会になると思うわよ」

 父さんに続くように、母さんが言った。
「で、でも……学費は」
「あぁ、それなら心配するな。お前が産まれた時から大学費用の金は積んでおいたから」
「父さん……」
「だからお前は気にせず、舞華ちゃんを全力で支えてやれ」
「ふふふ……孫の顔がこんなにも早く見れるなんて夢みたい。舞華ちゃん、赤ちゃんが産まれたら抱っこさせてね」
「はい、もちろんです!」
 母さんの微笑みに、舞華もまた、笑顔で返す。
 とりあえず険悪な嫁姑関係には頭を悩ませなくて済みそうだ。

410幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:25:28.81 ID:22MprV13
 あぁ……僕はなんて良い人たちに恵まれたんだろう。
 感謝してもしきれない。
「こ、孝ちゃん大丈夫!? どっか痛いの!?」

 ふと、舞華が僕の顔を覗き込んで狼狽する。
 無理もない。
 だって……いま僕は……嬉しさの余り滂沱の涙で頬を濡らしているんだから。

 ありがとう……父さん。
 ありがとう……母さん。
 ありがとう……オジさん。
 ありがとう……オバさん。

 そして……本当にありがとう……舞華。



            ×            ×



 教会に似せた建物で行われた結婚式は滞りなく終わり、僕達はようやく一つの通過儀礼を乗り越えた。
 式の費用は僕の両親とオジさんが工面してくれたという。
 恐らくあの人達は受け取るのを拒否するだろうけど、これから働き始めたら少しずつ返していこう。
 舞華と子供を養うことの他に、新たな目標が出来て、僕は一層気を引き締めた。
 これから残り少ない高校生活と受験勉強、それが終わったらキャンパスライフや就職。
 先々には障害という名の壁ばかりが聳えているけれど、大切な人のためと思えば苦にもならない。

 結婚式のときに着ていたタキシードを脱がぬまま、僕はステンドグラスが月光を射す式場に来ていた。
 最前列の長椅子に座り、指輪交換のとき舞華に嵌めてもらった左手のプラチナリングをじっと見つめる。
「……」
 これからの事に期待を抱いてはいるけれど、不安もある。
 果たして僕は夫として、父として、責務を全うできるんだろうか?
 もし、舞華に愛想を尽かされたら……?
 もし、子供をちゃんと一人前に育てることが出来なかったら……?

 そんなネガティブな感情ばかりが頭の中で膨れ上がる。
 僕は……本当に……
「孝ちゃん?」
 ふいに、聞き慣れた声が背後から聞こえて振り返る。
 そこにいたのは、結婚式で披露したウェディングドレスのままでいる幼馴染みだった。
「舞華……」
 薄暗い室内で月光に照らされた花嫁姿の舞華は、ブーケを靡かせながら僕の傍まで歩み寄ってくる。
「隣……いいかなぁ?」
「え? あ、あぁ……うん」

 少し慌てながらも、僕は舞華の言葉に首肯した。
 それを見て少し不思議な視線を僕に向ける舞華だけど、やがてゆっくりとした動作で長椅子に腰を下ろす。
「……結婚式、終わったね」
「うん……」
「私達、これから夫婦になるんだよね?」
「うん……でも、実を言うとあんまり実感が湧かないんだ」
「私も。孝ちゃんとずっと一緒にいたからなのかな? 今日から夫婦になりますって言われてもピンと来ないんだよね」

 ロンググローブに包まれた手で口元を隠しながら、舞華はくすくすと笑う。
 その後、僕の手を掴んで臨月に入ったお腹へと導いた。
 トクンッ……トクンッ……と脈打つのがハッキリ分かる新しい命。
 僕達の子供は、舞華のお腹の中で逞しく育っている。
 もうすぐだよ……もうすぐ会えるから。
 言葉にはしないまま、我が子にそう語りかけた。

411幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:27:20.85 ID:22MprV13
「女の子かぁ……男の子期待してたから、ちょっと残念だったなぁ」
「こればっかりは仕方ないよ、舞華」
「でもぉ……孝ちゃんに似た男の子だったら、絶対かっこよかったかもしんないよ」
「それは……どうか分からないけど……でもいいじゃないか。来月には無事産まれてくるんだから」
「そうだね。えへへ……あっ、今蹴ったよ」
 ビクッと跳ねる大きなお腹。
 それを見咎めた僕達は、改めて幸福を噛み締める。

「ねぇ……舞華」
「なぁに?」
「その……後悔とかはない?」
「……? どうしてそう思うの?」
「学校も辞めなきゃいけなくなっちゃったし、色々なこと犠牲にしなきゃいけなかったからさ」
「んー……友達と遊べなくなっちゃった事とか、孝ちゃんと学校に行けなくなっちゃったのはちょっと残念だけど、
後悔なんてこれっぽっちもしてないよ。だって……」

 言いさしてから、舞華は僕に真っ直ぐな瞳を向ける。
 一点の曇りもない、純真な瞳。
 綺麗だと、僕は思った。
「私の身体と心と人生と過去と未来は、ぜーんぶ孝ちゃんのものだもん。孝ちゃんの望む未来へ一緒に行けるなら、
私はどんなことだって平気だよ」
「舞華……」
 その瞳を向けて胸中の想いを告げる舞華が、とても愛おしくなって僕は彼女の肩を抱いて引き寄せた。
 本当に……僕にはもったいないくらいの出来た奥さんだ。

「舞華、始めようか。僕達の、僕達だけにしか出来ないもう一つの結婚式を」
「もう一つの結婚式?」
 きょとんとしたまま鸚鵡返しに反芻する舞華に、僕はそっと耳打ちをする。
 途端に、舞華の頬が見る見る内に紅潮していった。
 厚めに塗られたファンデーションもピンク色のチークも既に落ちているので、その顔が羞恥に彩られているのが分かる
 それが僕にバレないようにするためか、俯いて月光を遮り、垂れ下がった黒髪で表情を隠してしまう。

「え、えっと……あの……その……孝ちゃんが望んでるなら……いいよ」
「OK。じゃあ早速始めよう」
「はい……あなた」

 顔を上げ、潤んだ双眸で僕を見据える彼女の顔は、完全に欲情した雌のそれだった。
 妻となって、母となっても、舞華のこの娼婦のような顔は変わることのない淫猥さを秘めている。
 それを見て僕は、自分の昂ぶった性欲を抑えることが出来なくなり、足元に置いていたスポーツバッグのファスナーを開けた。



            ×            ×



「んごっ……おぉぉぉ……」
 静まり返った夜の教会で、苦悶の声が響き渡った。
 それを聞くたび、タキシードのスラックスを押し上げて屹立する僕のペニスが脈動する。
「舞華……」
 眼前で悶える愛しい女の子の名を呼ぶ。
 舞華は今、オフショルダーのウエディングドレスを半脱ぎにした状態で乳房を剥き出し、祭壇に両手を付いたまま尻を突き出していた。


412幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:29:46.75 ID:22MprV13
 スカートは捲り上げているため、剥き身のゆで卵のように白い双臀が露になっている。
 そこから見える剛毛がびっしり生えた薄墨色のアヌスとイカ墨色に変色した肉厚の大陰唇。
 そこから覗く小陰唇とクリトリスに嵌められたリングピアス。
 いずれも、僕の性欲を昂ぶらせるのに一役買っている。
 加えて、幼児のペニスほどある巨大な淫核と豚の内臓のようにドドメ色になったラビアには、
僕の手によって錘という新たな装飾を施されたばかりだ。

 200gの錘を装着したせいか、クリトリスと小陰唇は重力に従って下方に垂れ下がり、淫猥さとグロさの両方を演出している。
 舞華が苦しみの声を上げているのは、この錘が原因だ。
「痛くない?」

 彼女の不安を取り除くべく、努めて優しい声で聞く僕。
 すると、僕のほうを振り向きながら舞華はこくん、と頷いた。
 こちらを向いた舞華の顔――正しくは低い鼻にフックが装着されていて鼻腔が丸見えの、いわゆるブタ鼻になっていた。
 たったそれだけの装飾なのに、舞華の童顔は醜く歪められている。
 それが愛おしくて……卑猥で……たまらなかった。

「じゃあ舞華、これ……入れるよ」
 そういって僕は、スポーツバッグの中から取り出したガラス製の浣腸器を舞華に見せる。
 1000ccの薬液が入る巨大なそれは、自然排便派の舞華には滅多に使うことは無いんだけど、
今日は特別なプレイをするため、急遽用意したものなんだ。
 浣腸器を一度近くの長椅子に置き、僕はスポーツバッグの中からある物を取り出す。
 それは、夏になると麦茶を入れるために使うアクリル製の冷水筒だ。
 その中に入っているのは……舞華がこれまで僕の前でひり出した排泄物を液状に融解したもの。
 以前から舞華の排泄物を何かに使いたいと思っていた僕は、ひそかに糞便をジップロックで封をして冷凍庫に保存していた。
 それを今日という日のために、解凍して冷水筒の中に1リットル分入れておいたんだ。

 ピッチャーの蓋を捻ってから、浣腸器と一緒に出しておいたステンレスボウルに液状化した糞便を注ぎ、中身の全てを移し終えると
浣腸器の嘴を液に付け、プランジャーを引っ張る。
 すると、浣腸器が見る見るうちに茶褐色の液を吸い上げていき、あっという間にシリンダーは1リットル分の排泄物でいっぱいになった。
 これで準備は完了。
 後は……注入するだけだ。
「舞華……行くよ」
「う゛っ……う゛んっ……ぶぶっ……」
 そっと舞華に耳打ちすると、豚のような鳴き声を発しながら首を縦に振る。
 それを確認して、僕は薄墨色に彩られた肉輪の芯に嘴管をあてがうと躊躇なく挿入した。
 にゅちっ……潤滑油の役割を果たした腸汁でふやけた肛壷は、ガラス製の先端を容易に呑み込んで根元まで埋没してしまう。
 幾度となく繰り返してきた肛姦により、
「んぼぶごぶおぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!」
「動かないで! 絶対動いちゃダメだよ!!」

 ガラスのひんやりした感覚に驚いて反射的に身を捩ろうとする舞華を叱責する。
 流石に動いた反動で嘴管が割れたら大変なことになってしまう。
 だから敢えて僕は厳しい声で叫んだ。
「ごごっ……おごぉぉぉぉ……」
 その甲斐あってか、舞華はくぐもった声を漏らしながらも僕の言葉に従い、身体を動かすのを辞めてくれた。
 総身が痙攣しているのを見るに、相当に辛いんだろうなぁ。
 できるだけ早く終わらしてあげたいけれど、ここは慎重にならないと……。
 僕はプランジャーを掌底部分でグッと押し込み、液便を舞華の腸内へと注入していく。

413幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:30:27.68 ID:22MprV13
「ぐごごぉ……ぎゅぐ……ぶぶぐぶぎゅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉっっっっっ!!!」

 融解した茶褐色の便が200cc分一気に侵入していくだけで、舞華は凄まじい悲鳴を上げた。
 イチジク浣腸なら経験あるって言ってたけど、やっぱりこの量はキツイかな……?
 鼓膜を震わせる声を聞いて、僕は一瞬プランジャーを動かすのを躊躇してしまう。

「ごっ……孝ぢゃん……っ」
 動きを止めた僕を肩越しに見据え、舞華は脂汗まみれの豚顔で笑みを作る。
 眉を顰めているのを見るに、かなり無理しているのが窺える笑顔。
 それでも舞華は笑顔を崩さない。
「わ゛っ……私……全然耐えられるがらっ……孝ぢゃんは……遠慮なくやって……」
「舞華……」
「わたじは……孝ぢゃんの……お嫁さんだもん……ごれぐらい……へっじゃら……だよ」

 いじらしく、そして健気な言葉に僕は心を動かされた。
 この娘はどうしてこんなにも良い子なんだろう?
 どうしてこんなにも僕を信頼してくれてるんだろう?
 身勝手で……我侭で……重責を背負わせてしまったどうしようもない僕を……。

 神様……。
 人が愛し合う事に、形は関係ない。
 それは間違いないですよね?
 なら僕は……自分のやり方で。
 今まで築いてきた方法で。
 僕を愛してくれるこの娘を生涯愛します!!

 もう迷うことはない。
 僕は止めていた手を――プランジャーに密着させていた掌底を動かし、汚汁を舞華の腸内へと移していく。
 舞華、神様に見せてあげよう。
 僕たちの永遠の愛の誓いを。
「ごぉぉぉぉぉひぃぃぃぃいぃいぃぃぃいぃぃぃぃいっっっっっ!!!」

 自分のお腹を満たしていく排泄物に悶絶する舞華。
双眸の毛細血管が浮かび上がっていて、炎症を起こして真っ赤になった歯茎を剥き出しながら歯を食い縛る表情は鬼女もかくやといった様相。
 まさに鬼気迫るといった言葉が当て嵌まる顔だった。
 数秒後、1000cc全ての便が入り、空となった浣腸器を僕は長椅子に置く。
「ぶんぐぅぅぅっ……ぶおぅぅぅぅぅぅうぅきぃぃぃぃ……」

 悶える舞華の傍に立ち、そっとお腹を撫でた。
 凄い……さっきよりも二回りほど膨張してる。
 大きさは臨月を迎えた妊婦の比じゃない。
 僕が背中から手を回しても繋ぐことができないほど膨らんだお腹は、さっきよりも大きく脈動していた。

 この中に僕達の子供と糞便が隣り合わせで潜んでる……。
 そう思うだけで僕はもう昂ぶりを抑えられなかった。
 次第に荒くなっていく呼吸をどうにか沈めようとするものの、興奮がそれを遮る。
 切羽詰った状態で、僕はスラックスのファスナーを下ろし、限界まで屹立した包皮被りのペニスを取り出す。

「はぁ……はぁ……」
 荒い息遣いを繰り返すとともに、亀頭を覆う皮を捲ってピンク色の先端を露出させた。
 幾度となく舞華の膣や菊芯に挿入して突き込んで来た肉棒。
 僕の中にある雄の欲望を具現化して猛るそれは、既に舞華のアヌスへ狙いを定めている。

414幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:31:56.89 ID:22MprV13
「んぐぃぃっ……ぐぅ……ふぅぅぅぅぅ……ぶぅぅぅぅぅ……孝ぢゃん……しでぇ……舞華のゲツゥゥゥ……
ケツマンコにハメでぇぇぇぇ……ウンコ汁いっぱいのケツ穴にチンポォォォォォ……直腸をカリ首ですりむけるまで擦りまくっでぇぇぇぇぇ!!」

 毛が見えるほど上を向いた鼻から汁を垂れ流し、涙を零れさせながら舞華は哀願する。
 舞華……とっても可愛いよ。
 本当に舞華が奥さんになってくれて嬉しい。
 だから……たくさんお礼……してあげるね。
 僕はそっと肉幹に右手を添えて魚口に尿道を密着させると、舞華の肩に左手を置く。
 ぎゅちゅ……少しばかり腰を突き出すと、肉が引き伸ばされるような音が聞こえる。
 舞華の薔薇蕾が僅かに侵入した亀頭によって開かれたせいだ。
 それをしっかりと目で確認してから、僕は一気に熱を帯びた肉芯を埋め込む。
「お゛っ!? おごぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!」
 イカを掴んだときに感じる、あのにゅるっとした感覚がペニスに触れると同時に、狭隘な直腸と強靭な括約筋がペニスを絞り潰すかのように締め上げてきた。

「あっ……ぐぅぅぅぅぅっっっっ!?」
 いつもより締め付けが恐ろしいほど強くなっている腸内に、僕も悲鳴を上げる。
 凄い……一体何なんだろうこれ?
 まるで窮屈なゴム管が肉棒に貼り付いてる感じがする。
 こんな感触は、初めて舞華のアナルを貫いた時以来だ。

「ほぐぅっ! ほごぉぉぉぉぉ!! ぶいっ、ぶぃっ、ぶぎぃ……ぶひぃぃぃぃぃぃぃぃっっっっ!!!!」
 アヌスへ挿入すると同時にうな垂れていた頭をグンッと上に反らし、舞華は血走った目を全開にしたまま祭壇の奥に飾られた十字架を睨む。
 ペニスが根元まで挿入されると同時にブタのような悲鳴を発して、ガクガクと総身を痙攣させている彼女の姿は、醜悪でありながら美しい。
 僕はそれを見ながらペニスを絞る腸内を抉るため、抽送を開始した。
 もちろん、これほどキツイと流石に痛いから、僕は腸壁がペニスを許してくれるまではゆっくり動く。
 緩慢に……緩慢に……腰を引いて、ペニスを引き抜いていくと、根元まで埋没していた牡肉が徐々に姿を現していくと、茎部分が糞便と同じ茶褐色に染まっていた。
 さっき入れた液状の排泄物が付着したみたいだね。
 僕はその光景に一層興奮を覚えると、再び舞華の直腸にペニスを押し進めた。
「ぐぅぅおぉぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉおっっっっ!!!!!!」

 女芯を貫いた時に聞こえる淫声とは違う絶叫……いや、これは咆哮っていうべきかな?
 そんなケダモノじみた『吼え』が灯りの消えたチャペルに木霊する。
 同時に、アヌスの締め付けが一層力を増した。
 ぐぅ……!? 何て強いんだ……。
 海綿体が本当に潰されそう……!!
 でも、僕はこんなところで諦める気はなかった。。

 何故か……?
 それは、僕が舞華を愛してるからだ。
 陳腐で単純な感情だと嗤われるかもしれない。
 それでもいい。
 頭や考え、言語で伝え、心で想う愛のほうが遥かに優れている。
 でも、性器を通じてどれだけ愛しているかをぶつけることだって人には出来るはずだ。
 男と女としてではなく、雄雌となって愛の形を表現することだって人には必要なはずだ。

 僕はその想いを込めて緩やかに腰を前後運動させる。
 キュウキュウというより、ギチギチという言葉で形容する括約筋の締め付けはますます強くなっていく。
 でも、それに相反して中の腸壁は次第に締まりが弱々しくなり、柔らかな内臓と蠕動運動で僕のペニスを受け入れてくれていった。
 どうやら舞華のアヌスは侵入者が僕だと気付くと丁重にもてなしてくれたみたいだね。
 その歓迎を受け取って、僕は円を描くように腰を回す。
 カリ首で腸壁を引っかきながら内臓を掻き回すと同時に液便を牡肉で攪拌させる。

415幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:33:27.60 ID:22MprV13
 ぐちゅ……ぐちゅ……ぐちゅ……水で溶いた小麦粉を練りこんでいくような音が周囲に反響して、舞華の排泄器官が蹂躙されていった。
「ぼぉぉぉぅぅうぅっぅぅうっ! 孝ぢゃんにクソ穴マンコレイプざれじゃっでるぅぅぅぅぅぅぅうぅうっっっ!! ダメだよ孝ぢゃんっ!! 
舞華のウンコ穴ごんぶどチンポで掻き回じだら、ケツ穴広がりまくってウンコ駄々漏れになっぢゃうよぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!」
「なってもいいよ……その時は僕が塞いであげる」

 舞華の叫びにそう優しく応える。
 それとは真逆にペニスのストロークは先刻より長く、抽送は激しくなっていた。
 掻き回す度に肛門の肉環から果汁の如く噴き出す汁便。
 それが僕のタキシードや舞華のドレスに付着して、輝かしい純白が汚物色に染まっていく。

 ははっ……こうしてみると、僕達はやっぱり純白よりもこの茶褐色と黄土色がない交ぜになった彩りこそが似合ってるなぁ。
 この色があってこその、僕達の関係なんだから。
 僕は少しばかり苦笑した後、舞華の尻たぶを掴んで前後運動を速めた。
 舞華に快楽を与えたい一身で。
「ごごぉぉぉぉっっっ! ぶびぃぃぃぃぃっっ!! ぶぎぃぃぃぃぃっっっっ!!! だ、だべぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!! 
ケヅ穴中毒で頭おがじぐなるぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!!! 孝ぢゃん、私幸ぜだよぉぉぉぉぉっっ!! こんなに孝ぢゃんに激しいケツハメで愛してもらえるのぉ……
ほんどうにうれじいのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!」

 耳をつんざくほどの声量で吼えながら舞華自身も腰を振りたくり、その動きが僕のピストンとシンクロしてリズミカルな動きを生み出した。
 ピアスと錘を嵌められた105センチの乳房が激しく揺れ動き、内臓の如く変色したラビアも出鱈目に揺れる。
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!!!!」
 その動きが僕に言いようのない快楽を与えてくれて、凄まじい刺激が僕の中枢神経から脳髄を麻痺させる。
 もう……限界だった。
 僕は歯を食い縛り、最後の力を振り絞って腰を限界の速度で動かす。

 やがて……目の前で火花が散ると、自らの意志に反して尿道から雄の欲望が塊となって迸る。
 ペニスが舞華の肛内で幾度となく脈打ち、大腸を白く染め上げんばかりに精液を際限なく吐き出し続ける。
「んぼぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉおぉぉおぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉぉっっっっっっ!!!!!!」
 舞華もまた、猛獣が猛るかのごとく吼え狂うと絶頂を迎えたのか、身体をエビのように反らして天井を仰ぎ、鼻汁と唾液を噴き出しながらオルガスムスを迎えた。

「うぅぅぅぅぅっっっ!! うぐぁっ!!」
 絶え間なく行われた射精がようやく終焉を迎えると、僕はまだ硬さを保ったままのペニスを緩慢な動作で引き抜いていき――亀頭までが出されると、ずるりっという音が聞こえた。

416幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:34:36.31 ID:22MprV13
 糞便色に染まったペニスを吐き出した後の肛門は、僕の陰茎の太さそのままに大口を開いて戻る事はなく、ひくひくと蠢いている。
 それはまるで、獲物を喰らう時に開口するブラックバスの口みたいだ。
 これじゃあ当分括約筋は機能しないか……。
「んぶるぅぅぅぅうぅぅぅっっっっっ!!!! 出る出る出る出る出る出る出る出る出る出る出る出る!!!!! ウンコ吹きだずぅぅぅぅ
ぅぅぅぅうぅぅぅっぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」


――ぼびゅぅぅぅうぅうううううううぅぅぅううぅうぅぅぅぅぅうぅぅぅぅっっっっっ!!!
ぶびっ、ぶぼぼぼぼぼぉぉおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉっっっっっっっっ!!!!!
ぶびっ、ぶびっ!!
ぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅびゅびゅ分ちゅぶちゅぶちゅびびゅちゅびゅびゅゥゥぅぅぅうぅぅぅぅうぅぅぅぅぅうぅぅぅぅっっっっっっ!!!!!
ぶぶっ、ぶびゅっ!!ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ!!!
ぶぶっ、びちびちびちっっっ!!!
ぼぶぅっ!!ぶしゅーーーーーーーーーっっっっ!!!!
 ばぼぼぼぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅっっっっっっっっ!!!!!!!!


 舞華が絶叫すると同時に、開ききって内臓が丸見えの肉門から盛大な音を立てて糞便の濁流が迸る。
 それは文字通り凄まじいものだった。
 舞華のお腹の中に注入された振るい糞便と新しい糞便が混じりあい、嗅覚すら破壊しかねない腐敗臭が鼻を衝く。
 さらに未消化のとうもろこしの粒やブロッコリー、一口サイズにカットされたジャガイモやニンジンまでも排泄されて赤い絨毯を敷いたバージンロードを茶色に彩る。
 なんて素敵な演出なんだろう。
 鉄砲水の如く噴き出し続けるその排便は、月明かりに照らされて輝いており、見ているだけで僕を穏やかな気持ちにさせる。


417幼馴染みとの関係〜舞華〜らすと! :2011/08/12(金) 00:35:59.90 ID:22MprV13
「おぼぅぅぅぅぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉおっぉっっっっっ!!!!! う、ウンコドバドバ出まくっで
止まんないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!! 赤ちゃん聞いて! これがママのウンコ出す時の
音なのぉぉぉぉぉぉっっ!! ママね、ウンコしてるといっぱい気持ちよくなっちゃうんだよ!! それをパパが
教えてくれたんだよ!! だから赤ちゃんも、大好きな人の前でウンコブリブリ出して気持ちよくなってもらえるように、
いーっぱいウンコの音きかせてあげたいのぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!」

 裏返った瞳で天井を見据え、笑顔で我が子に叫びながら腸が空っぽになるまで止まることのない排泄を続ける舞華。
 バージンロードが汚物色に染まっていくのと舞華の痴態を見咎めながら、僕はゆっくりと長椅子に腰を下ろした。



            ×            ×



 舞華の排泄が終わりを迎えた後、僕達は寄り添うようにして長椅子に座った。
 着ている服は大分汚しちゃったけど、それほど悲惨な状態じゃない。
「あのね……孝ちゃん……」
「何?」
 僕の肩に頭を乗せた舞華は、はにかむ表情を十字架に向けて言葉を紡ぐ。
 さっきまでの欲情した娼婦のような顔は陰を潜め、僕がずっと見てきた幼馴染みの顔がそこにはあった。
「私ね……赤ちゃんの名前、もう決めてあるんだぁ」
「そうなの?」
「うん。色々考えてね、こういう名前にしたの」
 そういって舞華は顔を上げると、僕の耳元に口を寄せた。
「――」
 名前を聞いた瞬間、僕は思わず頬を緩めてしまう。
 何ていうか……舞華らしくていいなぁ。

「凄く……良い名前だね」
「本当!?」
「うん。きっとこの子も喜んでくれるさ」
 そっと、もう一度命を宿したお腹に掌を当てる。
 この子と舞華……今の僕には守るべきものが二つも出来た。
 ちょっとばかり大袈裟な表現かもしれないけど、僕にとってそれは何よりも大きな覚悟だ。
 はっきり言えば自信なんて皆無に等しい。
 でも、僕の隣にはこんなにも心強いパートナーがいる。
 だから……やってやるさ。
 この二人を幸せにするためならどんな苦難にも音を上げるつもりはない。

「孝ちゃん……」
 胸中で決意を固めた僕を舞華が澄んだ瞳で見据えて……顔を近付けてくる。
 僕はその呼びかけに応える代わりに顔を寄せて……唇を重ねた。




END





418名無しさん@ピンキー :2011/08/12(金) 00:38:13.01 ID:22MprV13
以上です。有り難うございました。
あとはエピローグを残すのみですので、
最後まで読んで頂ければ幸いです
それでは

419名無しさん@ピンキー :2011/08/12(金) 14:22:59.24 ID:22MprV13
舞華シリーズのエピローグ、完成したのでぶっ続けになりますが投下します。
やっと完結しました……

420幼馴染みとの関係〜舞華〜えぴろーぐ! :2011/08/12(金) 14:24:16.23 ID:22MprV13
 ――PM19:30。
 残業勤務を終えた僕は足早に家路を歩き、自宅のマンションを目指していた。
 普段から懸命に働いているのを見ていてくれた部長が気を利かせてくれたのか、今日は珍しく一時間の

残業で帰らしてくれた。
 お気遣いは凄く有り難いんだけど……明日の書類整理と資材管理が大変そうだなぁ。
 今週中に終わさなきゃいけないし……億劫だ。
 まぁいいか。
 それよりも今は、妻と娘の顔を見るのが僕にとって最優先だし。
 首を窮屈にする濃緑のネクタイを緩めつつ、革靴の底を鳴らす音を大きくして歩く速度を上げる。
 その足を安息のある我が家へ向けて……。



          ×              ×



「ただいまー」
 スチールのドアを開け、僕はゆっくりとした動作で靴を脱いでいく。
 ふぅ……今日も疲れたなぁ。
 そう思いながら靴を脱ぎ終え、玄関の段差を昇ると、突如としてドタドタという足音が聞こえた。
 今日も我が家のお姫様による出迎えが来るか……。
 よし、衝撃に備えておこう。
「パパーッ、おかえりなさーいっっっ!!」
 響く足音が近づいてくると同時に、我が家のお姫様が僕の目の前に姿を表して大ジャンプすると、僕の

首に両手を回して抱き付いてきた。

 うぅ……この衝撃は相変わらず凄いなぁ……。
 まるで飛んできた砂袋がぶつかってくるような感覚だ。
「おっと……ただいま。悠華」
 よろけそうになったのを辛うじて堪えて、僕は愛娘の頭をそっと撫でる。
 ――高見悠華(たかみ ゆうか)。
 僕と舞華の愛の結晶であり、高見家のお姫様だ。
 今年でもう五歳になる。



421幼馴染みとの関係〜舞華〜えぴろーぐ! :2011/08/12(金) 14:24:54.99 ID:22MprV13
「えっへへ〜……パパ、悠華ね、今日幼稚園でミキちゃんの絵描いてあげたら先生に褒められたんだよ」
 僕の頬に自分の頬擦り合わせながら爛漫な笑顔を見せる悠華は、いつものように幼稚園で起きた出来事

を僕に話してくれる。
 僕はそれを聞きながら悠華の頭を撫でると、首にぶら下がる悠華を下ろした。
「ねぇねぇパパ、おかえりのチューは?」
「あっ、そうだったね。ちょっと待ってて」
 手に提げた鞄を足元に置き、僕は悠華と目線を合わせるべく屈んだ後、悠華に顔を近付けた。
 そして、まだ未成熟な悠華の唇に自分の唇を重ね――

「こ、コラァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!! 何やってるのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

!!」
 突然、耳をつんざく絶叫が僕の鼓膜を直撃する。
 キンキンする耳を抑えつつ慌てて声のしたほうを向くと、エプロン姿の妻、舞華が物凄い剣幕で僕達を

睨んでいた。
 昔から変わらない童顔に艶やかな黒髪は少女の時から変わっておらず、悠華を産んだ後も体型は十代の

時のまま。
 それを見るだけで僕は安心した気持ちになれる。

「悠華! パパはお仕事で疲れてるんだから、あんまり抱きついたりしちゃダメでしょ!!」
「いや、舞華。別に僕はだいじょ――」
「パパは黙ってて!!」
「は、はい……」
 舞華の怒声にすっかり萎縮してしまった僕は、情けなさ全開で頷くしかなかった。
 うーん……外見は変わらないけど、何か悠華が産まれてから――正確には僕と悠華がくっついてると凄

く怒るようになったんだよなぁ。
何でだろう?

「やだっ!! 悠華パパが帰ってくるのずっと楽しみにしてたんだもん!!」
 舞華の言葉を聞いて、それまで顔を綻ばせていた悠華が不機嫌さを表すように頬を膨らませてそっぽを

向く。
 うーん……拗ね方が小さい頃の舞華そっくりだなぁ。
「だからってパパに抱きついたりキスしてもらったりするのはダメでしょ! 子供はパパとキスしたらい

けない決まりになってるの!!」
 あの……すいません舞華さん。
 そんな決まり、僕初耳なんですけど……。

「ママだってパパにキスしてるじゃん! ママばっかりずるい!!」
「ママはパパと結婚してるからいいの!!」
「じゃあ悠華もパパと結婚するもん! ママは今日から『あいじん』だからね!!」
 悠華さん、そんな言葉どこで覚えたの?
 お母さんが愛人で娘が妻とかそんなドロドロした複雑怪奇な家庭、パパは嫌だからね。

422幼馴染みとの関係〜舞華〜えぴろーぐ! :2011/08/12(金) 14:25:58.28 ID:22MprV13
「うぅぅぅぅ……!!」
「がるるるる……!!」
 互いに歯を剥き出し、野犬の縄張り争いよろしく唸りながら威嚇する舞華と悠華。
 昔はこんな事なかったんだけど……悠華がませてきてから妙な争いが二人の間で勃発するようになったんだよなぁ。
 一体何でなんだろう?

「ほらほら二人とも、そこまでにして――」
「パパッ!!」
 仲裁しようとして二人の間に入った刹那の間に、舞華と悠華の声が重なる。
「ど、どうしたの……?」
「私と悠華、どっちが好きなの?」
「パパ……悠華とママ、どっちとチューしたい?」
 ……What's?
 やにわに奇想天外な質問をされたせいか、思考回路が若干飛んでしまう。
 っていうか……何で僕に選択が委ねられてるの?
「私だよね?」
「悠華でしょ?」

 事前に打ち合わせしてたんじゃないかってくらい息ピッタリに、舞華と悠華は質してくる。
 ダメだ……もう何がなんだか分からない。
 詰め寄る二人を前にして、僕は聞こえぬよう胸中で溜息を漏らした。



            ×            ×



 入浴と夕飯を済ませ、開放感に満ちた僕はスウェットに着替えた後、リビングのソファでくつろいでいた。
 背もたれに身体を預け、マイヤーズ・コークを入れたグラスを片手にポテトチップスを摘む。
「ふぅ……」
 ドライヤーで乾かしたばかりの前髪を指先で弄りつつ、リビングの照明をぼんやりと眺めながら物思いに耽っていた。
 舞華と結婚した後、すぐに悠華が産まれ、僕は通学と受験勉強、育児に大忙しだった。
 もちろん遊ぶ時間なんて皆無だったけれど、舞華や悠華のことを考えれば何て事はなかった。

 その後、受験に合格して四年間大学に通い、去年の五月、今勤めている大手印刷会社に就職が決まって今に至る。
 結婚してから早五年……気が付けばもう二十三歳。
 産まれたとき、体重悠華があれだけ大きくなったんだから、僕も歳を取って当たり前か。

423幼馴染みとの関係〜舞華〜えぴろーぐ! :2011/08/12(金) 14:26:24.28 ID:22MprV13
 二十代なんてあっという間だっていろんな人がいうけれど、どうやらそれは本当みたいだ。
 苦笑しつつ、僕はグラスを傾けてマイヤーズ・コークを半分ほど飲む。
 ふぅ……少し酔いが回ってきたみたいだ。
 心臓の鼓動が速くなって、頭もボーッとしてくる。
「孝ちゃん」
 アルコールが与えてくれる心地良さに浸っていると、悠華を寝かし付けていた舞華がリビングに入ってきた。
「悠華は?」
「もう寝たよ。最近孝ちゃんの帰り待ってて遅くまで起きてたせいか、今日はぐっすり寝ちゃった」

 娘の寝顔を思い出したのか、舞華はにっこりと笑って僕に歩み寄ってくる。
 僕は隣に座るよう舞華に促すと、小さく頷いてからソファに身を沈めた。
 そんな舞華の頭を、僕は優しく撫でる。
「にゅ……えへへ。孝ちゃんに頭ナデナデしてもらうの久しぶりだぁ」
「そうだっけ?」
「そうだよ〜。最近は悠華ばっかり構ってて全然撫でてくれないんだもん」
 恨めしそうな声を僕に向けて、舞華は唇を尖らせた。
 もしかして……僕が悠華とくっついてると舞華が怒る理由って……ヤキモチかな?
「ゴメンね。舞華」
「むぅ……もっと撫でてくれなきゃ許してあげない」
 僕を上目遣いで睨みつつ、舞華は言った。
 全く……お母さんになったのにこういうところは変わってないんだな。
 僕は舞華の頭に乗せていた掌を優しく動かし、髪の流れに沿って愛撫する。
「ふにゃぁ……」
 幸せそうに気の抜けた声を発しながら、舞華は僕の肩に頭をもたせ掛けてきた。
 それに対し僕は髪を撫でつつ空いた手で舞華の手をそっと握る。


424幼馴染みとの関係〜舞華〜えぴろーぐ! :2011/08/12(金) 14:27:25.26 ID:22MprV13
 幼い頃……出会ったばかりの僕達は、本当にただの幼馴染みだった。
 それから恋人同士になって沢山愛し合い……悠華が宿り……結婚して……家族になったんだ。
 これからも、色々な困難があるかもしれない。
 舞華にも沢山苦労を掛けてしまうかもしれない。
 だけど……今の僕達なら、どんな障害でも乗り越えていける。
 そんな気がした。

 この関係のまま一生添い遂げよう……舞華。
 胸の中でそう告げて、僕は妻のぬくもりを幸福とともに感じながら握った手に指先を絡めていく。
 それに応えるかのように、舞華も指先を絡めてくれる。
 僕達幼馴染みとの関係は……以前よりもずっと強い絆で固く結ばれた。
 その結びを今一度確かめるように、僕は繋いだ手にほんの少し力を込めた。






              幼馴染みとの関係〜舞華〜

                   END

             Thank You for Reading


425名無しさん@ピンキー :2011/08/12(金) 17:12:12.89 ID:BedHfT1L
おつ

426名無しさん@ピンキー :2011/08/12(金) 19:55:06.86 ID:FeX1UJat

gj
おつ

427H :2011/08/16(火) 20:18:42.52 ID:08GVtE+6
>>424
お疲れさまでした。
もうちょっと成長したら「親子丼うんことじ」とか考えてしまった自分は多分おかしいです。


時間もないくせに、読んでたら自分も書きたくなったので投下。


428H :2011/08/16(火) 20:19:25.43 ID:08GVtE+6


 ヒュージな彼女 X



 エレベータ。
 垂直に上昇、下降し、高いところへ人や荷物を運ぶための設備。
 駅、ビル、マンションやその他あらゆる場所で活用される、この社会において、使ったことのない人間は
まずいないだろう、文明の利器である。
 その利用時間は、一回につき、長くても数分程度。

 だが、この二人は、すでに三十分も同じエレベータの籠の中にとどまり続けていた。


「最悪。マジで最悪」
 Tシャツに短パン、背の低い短髪の少年が、舌打ちしながらつぶやいた。
 年の頃は小学校の……高学年くらいだろうか。
 両手を後頭部に、いかにも不機嫌といった顔だった。

「大丈夫だって。もうすぐ係の人が開けてくれるから」
 そしてそのすぐそばで、長い髪の女がなだめるように言った。
 背丈と雰囲気から言って、大学生か、若い社会人といった風の女性だ。
 1.5メートル四方の、小さな鉄の箱の中。
 突然のエレベータの故障で、二人はこの密室にもう三十分も閉じ込められていた。
「さっきもそれ言ったじゃん。何分経った?」
「えーと、十二分かな」
「おせぇじゃん。くっそ、何やってんだよ、イラつくなぁ」
 少年はイライラの感情を隠さない。
 放っておくとエレベータの扉とかに八つ当たりしそうだった。
「落ち着かないとダメだよ、こういう時は。それに我慢強くならないと、この先大変だよ。中学とか高校とかになるったら……」
「はいはい」
 大人に説教なんかされたくないと思っているのが丸わかりの顔だった。
 傍から見たら、少し歳の離れた、仲の悪い姉と弟といった雰囲気だ。
 だが二人は姉弟どころか、知り合いでもなんでもない。たまたまこのエレベータに乗り合わせただけの、赤の他人である。


429H :2011/08/16(火) 20:21:08.58 ID:08GVtE+6

(もし弟とか居たら、こんな感じだったのかなぁ……)
 一人っ子の自分には、想像するしかないが――多分大体あっているのではないだろうか。
 やれやれといった表情で、彼女は愛用のバッグの紐を肩に掛け直した。
 高校時代と変わらない、どこかあどけない瞳とふわふわの長い髪がトレードマークの女の子。
 大学へ進学した、風間薫である。
 紺のスカートに白のブラウスとカーディガン。今日は私服で、休日のおでかけの最中だった。
 こっちの下宿に引っ越してきてから、一月半。入学してからまだ一月経っていない。
 大学での友達はもちろん出来たが、この日は一人気ままに、この「新しい地元」にある大きなショッピングモールの探索に来ていた。
 ……そしてそこで、運悪くエレベータの故障に巻き込まれたのである。
 ゆさゆさと足元が揺れたので、小さめの地震があったのだろう。
 非常電話に出た係の人も、そう言っていた。
 電波が届かないので、携帯では情報が入らないが。
 
「けど、何なんだろ、さっきからこの臭い」
「そうね……多分、機械の油か何かだと思う」
 空調はきちんと動いているようだが、どこかから漂ってくる変な機械油のような臭いが、二人の鼻をおかしくしていた。
 故障で、エレベータの機械から漏れ出たのかもしれない。
 まさか火災には、繋がらないだろうが……。
「……ていうか、おねーさん、落ち着きすぎ。なんで?」
「大人だから。当たり前でしょう」
 疲れたのか、どさっと床に座り込んだ少年に、余裕に満ちた表情で薫は応えた。
“年上”としての意地もあるが、それ以上に自信がある。
 今回だって、落ち着いて辛抱強く待っていればいいだけだ。
 こんな事態に巻き込まれたのは初めてだが、今まで様々な困難を自力で乗り切ってきた経験が彼女のこの冷静さを作り上げていた。

(けどまぁ、もし中学とか高校一年くらいのときの私だったら、大パニックだったでしょうけどね……)
 内心で自分を笑った。
 彼女が乗り越えてきた、「困難」。その90%は、実は、自身の排便の問題に関することである。
 かわいらしいその顔からは全く想像できないことであるが、彼女はなぜか、食べた量の何倍、何十倍もの量の大便を
毎日排泄してしまうという、特異体質の持ち主なのだった。
 その量は平均すると、一回につき一般的な大きさのバケツに二杯から三杯分ほどという、ほとんど冗談のような規模である。
 あまりの排泄量に、普通の水洗便所で用をたすことも苦労が伴う。
 そして実際のところ、“バケツに二杯から三杯”というのは比喩でも何でもなく、一旦バケツに便を出してからでないと、
便器が詰まってしまう――小分けにしないと便器に流せない、という切実な事情があるために分かることなのである。
 ……普通でこうなのだから、もし便秘にでもなろうものなら、それこそ全く目も当てられない。



430H :2011/08/16(火) 20:21:39.47 ID:08GVtE+6

 中学も高校も、この体質のせいでずっと苦労のし通しだった。
 便意は、時と場所を選んではくれないからだ。
 学校を始め、あちこちの公衆トイレで、白い便器の上にとても流せない大便の山を作ってしまい、顔を真っ赤にしながら
そのまま逃げたことは一度や二度ではない。
 トイレなら、まだいい。
 河川敷の草むらで、雑居ビルのスキマの路地で、時に大きな電器店の立体駐車場で。
 間に合わないとき、人の見ていないところがあれば、逃げ込んでは汚物の山を何度も築いてしまった。
 後日、犯行現場を確認に行くと大抵はきれいに片付いていたが……掃除してくれた“誰か”に、心の中で
謝罪せずにはいられなかった。
(今は春だけど……春といえば、あれが酷かったなぁ……)
 ふと思い出したのは、いつかのうららかな春先の連休。
 親戚関係で集まって、川原でバーベキューをしていたときのことだ。
 例の如く、突然の便意を我慢できずに、離れた水辺の茂みに駆け込んで――スカートにサンダルで冷たい川に入って、
そのまま水の流れに大量の大便をまかせた。
 清流を、天然の水洗便所にしてしまったのだ。
 これなら証拠が残らないと考えたのだが、下流の岸、それもキャンプ場の近くに大量に漂着し、翌日大騒ぎになってしまった。
 ……これも思い返すと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
 思い出したくはない、しかし、忘れてはいけない過去の過ちだ。

(本当、“慣れ”ってすごいよ。いろんな意味で)
 彼女は細いおなかをぽんとたたいた。
 今は、あのころとは違う。
 石の上にも三年と言うが、中学と高校三年間を過ごし、そして大学生になった今では、以前に比べればこの体質とも上手く
付き合えるようになっていた。
 “我慢すること”にも、出した大便の後始末にも慣れた。
 最近はどんなタイミングで便意が来るか、どのくらいの量が出そうか、ケースバイケースで予測と自己分析が出来るようにさえなった。
 だから、エレベータに閉じ込められている今も、彼女は落ち着いているのである。
 ……出る量に関しては、全く、なんの改善の兆しも見られなかったが。
(この感じだと、次までまだ余裕あるし……大丈夫)
 おなかの奥に若干の便意を感じるが、今日は朝食後にいつもと同じ、バケツ三杯半出してある。
 朝としては標準的なその量と、昨日食べた食事の内容その他の条件から考えて、かなりの余裕があるはずだ。
 そうそう、エレベータの修理が長引くとも思えない。
 長引いたとしても、このまま一時間や二時間は、余裕で我慢できる。

 ――だが、もちろんそれは「想定外の事態が起こらない」という前提のもとでの話だった。



431H :2011/08/16(火) 20:22:11.78 ID:08GVtE+6


 ぐらっ


「うわっ!?」
 少年が飛び起きた。
 突然、またエレベータが大きく揺れたのだ。そのまま小刻みに、その振動は続く。
 さっきの地震の、余震かも――いや、これが本震なのかもしれない。

(ちょっ……結構大きい!)
 ぐらぐら、ゆさゆさと体が揺さぶられる。なかなか収まらない。
 さっきの、エレベータが止まった時の揺れよりもかなり大きかった。
 薫は壁の手すりにしっかりつかまって、その揺れに耐える。
 もちろん怖いと言う感情はあったが、それ以上に「なんとかして乗り切らなければ」という咄嗟の意思の方が強かった。
 だが事態はさらに悪化する。
「え……あれっ!?」
 天井の照明が突然消えてしまった。
 真っ暗闇は数秒間だけで、すぐ非常照明に切り替わったが、明らかにさっきより暗い。
 なんとか揺れは収まってくれたが、その薄暗さが不安をあおる。
(これって、結構やばいんじゃ……?)
 そう、彼女が思いかけた瞬間だった。

「こわい! 怖いぃっ!! 嫌だぁ!」

「んぅ!?」
 と、突然薫は声にならない声を上げた。
 いきなり少年に抱きつかれ――いや、強烈なタックルを食らったのだ。
 それも硬い頭を、下腹部に、直接。
「ちょ、やめ……離れて……」
「あああ、うわああああああ!!!」
 その言葉は届かない。
 無理もない事だが、彼は完全にパニックに陥っていた。
 そのまま両腕でしっかりと薫の腰を掴んで、一心不乱に全身でしがみつく。抱きしめる。
 ……それが、彼女の腸を刺激する危険行為とは知らずに。
  

 ぐ… ぐりゅりゅ……! きゅうぅ……




432H :2011/08/16(火) 20:22:57.57 ID:08GVtE+6

(あ……あ、これは……まずい……!)
 背筋に、ぞくっとした寒気を感じた。

 ――出る。
 すぐに、間違いなく。
 奥の方のうんちが、動き出したのがはっきりわかる……!

「ちょ、ちょっと……ほら、落ち着いて! 大丈夫だから! 絶対大丈夫だから!」
 今のイレギュラーで、危機が迫っていた。
 しかし、慌てたら終わりである。
 震える少年の頭を撫でて、なだめて、なんとか彼を落ち着かせると、大きく息をして薫は自分の気持ちも安定させた。
(……どれくらい出る?)
 そして、まずは冷静に「被害予測」を行う。
 まだ昼は回っていないし、朝出してからの時間と考えると……多分、小バケツに二杯くらいではないだろうか?
 少なくとも、この時間なら朝ほどは出ない。それは断言できる。
 ……世間一般的に考えて、どちらにせよあり得ない量ではあるが。
 少なくとも、もしも漏らしたりしたら下着の中には絶対に収まりきらない。

 ごろっ…… ぐりゅりゅ……

(どうする? ガマンする?)
 額に脂汗を浮かべながら、おなかをさする。
 二択問題のカウントダウンが進行中だった。
 今、決めなければならない。
 エレベータのスタッフを信じて、ひたすらガマンして待つか、それとも……。
「……ごめん。おねえさん」
「いいよ、大丈夫。大丈夫だよ」
「お姉さんも、怖い?」
「怖くないよ、地震なんか。もうちょっとしたら、絶対救助の人が来てくれるから」
 半分は意地で、薫は微笑みを絶やさない。
 実際問題、地震なんか怖くなかった。
 それよりもっと恐ろしい事が、目に見えない所で今現在進行中である。
 腸の奥の便意は少しずつ、確実に大きくなってきていた。
 またいつもの大量便が、腸を下り、肛門から外に出たがっているのである。
 しかし、その意地にかけて、目の前の前途有望な彼のために、トラウマを与えるような「事故」だけは絶対に避けなければならない。
 薫は、エレベータの非常電話を取り上げた。


433H :2011/08/16(火) 20:24:12.77 ID:08GVtE+6

「修理、まだですか?」
「――すいません! あと二十……いえ、十五分で開けます!」
 中年の男の声が、そう告げた。
 十五分。
 微妙だった。
 完全に我慢しきれるかもしれないし、できないかもしれない。
 だが、逆に考えるなら――

「あの、ええと……ごめん、名前なんだっけ」
「……こめい、ゆうと」
「そっか。じゃあ、ゆうと君。ちょっとあっち向いて、耳ふさいでてくれない?」
「へ? ……なんで?」
「なんでも。で、私がいいって言うまで、こっち向いちゃだめ。わかった? ちゃんとしてくれたらあとでソフトクリーム買ってあげるから」
「……? うん、いいけど……」
 さっきまでとは打って変わって、彼は素直になった。
 よほどさっきの揺れと暗闇が恐ろしかったらしい。
 言われたとおりに反対の隅でくるっと後ろを向き、両手の人差し指を耳の穴に突っ込んだ。
(……よし。うまく行きますように……!)
 大きく、息を吐く。
 薫は、今この場で排便してしまおうという、無謀とも思えるような決意を固めていた。 
 扉が開くまであと十五分。
 さっきはなんとか我慢できるかも、と考えたが、やはりそんなに甘くはないらしい。
 急激に高まる便意が、濁流のように彼女の脳に殺到していた。
 うごめく大腸から直腸に向かって、排泄物の塊が次々に急降下してきているのが、はっきりとわかる。
 ここに至っては、漏らすか自分で出すかという、最低な二択しか残っていなかった。
(あーあ、もう。まさか、本当に使うことになるなんて思わなかった)
 情けなさに、小さなため息が漏れる。 
 高まる便意で苦悶に満ちていた彼女の表情が、今度は赤くなった。
 うまくこの局面を乗り越えられたなら、どんな高層ビルでも二度とエレベータは使うまい。
 心に固く誓い、彼女はバッグの中から、小さな紙箱を取り出した。
 細い指先でつまんだそれは、薬局で売っている一般的な避妊具――コンドームの紙パックである。
 ただし、彼女が自分で買ったものではない。
 先週、サークルの歓迎会でちょっとしたゲーム大会をやった時の、ブービー賞の景品だった。
 セクハラ一歩手前のネタとして押し付けられた“お荷物”である。
 そんなものを後生大事にバッグに入れてあるのには、もちろん理由がある。


434H :2011/08/16(火) 20:25:39.37 ID:08GVtE+6



 ――このゴム製品は、ジャングルで、水筒を無くした時に使うんだ。
    水が、1リットルも入るんだぞ?


 大学での新しい友達に薦められて読んだ、とある小説の主人公の台詞だった。
 劇中でコンドームについて聞かれて、出てきた言葉である。
 ……水が入るんなら?
 ひょっとして、いざという時の“入れ物”に使えるのでは……?
 思い付いてすぐに、実際に家で水道水を入れて実験し、1リットル以上入る事を確かめた。
 それを彼女は今、ついに実戦で使用しようとしているのである。
(……大丈夫だよね? 軍曹)
 紙箱から、銀色に輝く正方形のビニールを一つ取りだした。
 つまんで、目の前に。
 瞳を閉じて彼女は祈り、そして――彼女は避妊具の封を開けた。
(拡げて……それで……)
 慣れない手つきで、外に出した淡いピンク色のそれをくるくると伸ばす。すぐに長さ10センチほどの、風船のような円筒が出来あがった。
 しかし、これで二度目だが、やはり薄すぎる。
 これで1リットルもの水が入るのが本当に不思議だ。
 あまりに頼りなく、不安だった。

 ぐぎゅる…

「んっ…… くぅ……!」
 ここへ来て、更にに便意が高まる。
 ついさっきまで空っぽだった直腸が、もう大便で満杯になっている。
 肛門の裏側に感じる刺激に、彼女はもどかしそうに下半身をよじった。
 迷っている時間はない。
 今はただ、信じるしかない。
 これにすがる以外、助かる道がない。
 彼女はスカートの下に両手を潜り込ませると、下着に手をかけ、覚悟を決めて一気にずり下げた。


435H :2011/08/16(火) 20:26:15.62 ID:08GVtE+6

(……信じるよ、軍曹!)
 ショーツを両脚から抜いてバッグに押し込むと、がばっと脚を開き、しゃがみ込んで排便姿勢を取る。
 そのまま、思いっきり拡げたコンドームの口を自分の肛門にぴたっとあてがった。
 大便が外に漏れ出らさないよう、両手で前後からしっかりと。
 これで準備完了だ。
 心臓が、踊るように激しく脈打っていた。
 小学生とはいえ、男の子の目の前でしゃがみこんで、あろうことかコンドームを便器に使い排泄する……。
 今まで色んな場所で排便を行ってきたが、ここまで恥ずかしいと思ったのは本当に久しぶりだ。
 だが、もう、そんなことは関係ない。
「ふ……んっ! んんっ!!」


 ぷしっ ぷ……む、みちっ……!


 小さくすぼまっていた肛門の口が開くと同時に、腸内のガスが漏れる。
 彼女の、今日二度目の排便が始まった。
(あ……あ、あ……! 出るぅ……!)
 大きな塊が肛門の内側を激しくこするその感覚に、脳が痺れた。
 前回の排便を行ってからまだ数時間しかたっていないとは思えない。実に黒々とした立派な固形便である。
 白い彼女おしりからゆっくりと顔を出し、そのままコンドームの膜の中へと空気を押しのけて詰め込まれていく。
 ぴったりと、隙間無く……。
 薄い膜は彼女の期待通り、それをしっかりと受け止めた。
(んっ……あ……!)
 絶え間なく排出され続ける大便で、すぐにコンドームの中は先端まで一杯になった。
 大きなおしりの下、まっすぐに、避妊具と大便で出来た異形の尻尾が伸びる。
 比較対象として根本的に間違っているだろうが、それは一般的な日本人のサイズをはるかに超えていた。
 しかし、もちろん、これだけで彼女の排便が終わるはずはない。
「ん……ふんっ!」
 息を止め、彼女は腹筋に力を入れた。
 スキンの中がいっぱいになったのは、彼女にも分かった。
 ここから更に押し込むために、スキンを肛門に押しあてながら、勢いをつけて大便を“圧入”する作業に入るのだ。
 

436H :2011/08/16(火) 20:26:52.79 ID:08GVtE+6


「……まだ?」
「まだだよ、まだ!」

 しゃがみ込んで絶え間なく大便をひねり出し続けながら、彼女は叫んだ。
 少年をそのままにしておくのも、もちろん限界がある。
 とにかく急いで、しかし慎重に、腸の中身を全部出してしまわないといけない。
「頑張ってよ、がんばって……」
 自分にではない。
 おしりの下で自分の大便を受け止めてくれている、ぴったりと肛門にあてがったコンドームに向かって、小声でエールを送った。
 見ると、既に下に向かって膨張するスキンの先端はエレベータの床に達し、次々に注入される大便の圧力で、普通ならあり得ない形状に
変形し始めていた。
 垂れ下がった棒の先端、つまり床についた「底部」のあたりから、今度は横方向にどんどん膨らみ始めたのである。
 こうなっては、避妊具も風船と同じだった。
 そしてこの頃になると、排泄される大便も褐色の固い便から明るい色の軟便に変り、圧力を掛けて押し込むのも若干楽になっていていた。

 もりゅ……ぷしゅっ  にちっ……!

(ん〜〜〜〜〜〜〜〜…………!)
 いつもと少し違う、静かな排泄音が薫の耳にだけ届く。
 目を細め、歯を食いしばって排便の刺激に耐える彼女の顔は、緊張と不安と、背徳感とが混然一体となった興奮で、真っ赤に染まっていた。
 彼女のしっぽは膨らんでいくにつれて、ごつごつしていた表面が柔らかい便で包まれていく。
 その形は“尻尾”から、色はともかくドラクエのスライムを想起させるような、独特の形状に変化していた。
 ……世代によっては、某ハンバーグ好きの魔王の壺と言った方がより分かりやすいかもしれない。
(よかった、実験と同じだ……)
 はぁはぁと小刻みに息をしながら、家で水を入れた時と同じその拡がり方に、彼女は少しだけ安心した。
 避妊具で包まれた、巨大な大便の塊が、どんどん大きく育っていく。


437H :2011/08/16(火) 20:27:50.72 ID:08GVtE+6


「……まだ?」
「まだ!」

 正方形の密室の、対角線上。
 自分の背後、わずか1メートルと少しの距離で、女性が排便を行っているとは、彼はまだ気付かない。
 変な油のにおいのおかげか、匂いもなんとかごまかせているようだ。
(言い子だから、こっち向いちゃ駄目、こっち向いちゃ駄目……!)
 絶え間なく肛門からコンドームにうんこを流しこみながら、薫は目の前の小さな背中に念波を送り続ける。
 いつものごとく、最初の黒ずんだ大便が肛門から顔を出してから、まだ一度も排便は途切れない。
 正に、たちの悪い冗談か悪夢にしか思えない光景が、密室の中に現出していた。
 絶対に見られるわけにはいかない。
 見られたらこっちも終わりだが、思春期に差しかかろうとしている少年が“こんなもの”目にしたら、どうなるか。
 ……少なくとも、心になんらかの傷を負うことは間違いない。
(早く、早くっ……! もう少し……!)
 あせった所で、出る量とスピードはあまり変わらない。
 そろそろスキンの大きさ的に、実験で確かめた限界量に近付いてきているが、交換する余裕もなさそうだ。
 新しいスキンに交換したかったがそんな時間はないし、交換している間、排便を我慢できるかどうかも微妙である。
(……ごめん。頑張って!)
 ほんの数秒、迷って力を緩めたが、すぐに排便続行を決意する。
 大きく息を吸い込み、彼女はラストスパートをかけた。

 むりゅりゅ……ぶちゅちゅっ……! にちっ……!

(んんっ……! あとちょっと、あとちょっとだから……!)
 既に大量のうんこでぱんぱんに膨らんだコンドームは、明らかに悲鳴を上げていた。
 だが大きく、火山の噴火口のように口を拡げた肛門からは、相変わらず、ずっと太いままの大便が延々と溢れ続ける。
 
 異形の袋詰めが、大きく、更に大きく――





438H :2011/08/16(火) 20:28:21.58 ID:08GVtE+6




「――ごめんね。もういいよ」

 声がして、肩をたたかれた。
 やっとか……。一体、なんだったんだろう。
 何分くらい経ったのかな。
 両手を下ろし、やれやれと思いながら振り向いた少年は、一瞬、言葉を失った。
「え、えええええええええええええ―――――!?」
 そして絶叫。
 鉄製の閉鎖空間に、男の子特有の甲高い叫びが響いた。
「ちょっと、びっくりするじゃない」
「そりゃこっちのセリフだって! なんだよそれは!?」
 少年は目を見開いて、指を差す。
 その額には大量の脂汗。
 大きな驚きと、若干の恐怖と……。
 それは何か、とんでもないレベルの手品を目の前で見せられたような顔だった。
「んーとね、ちょっとね、赤ちゃんできちゃったみたい」
「あっ、赤ちゃん!? ウソだろそれは!」
 驚きのあまり、一歩後ずさった少年は頭を壁にぶつけた。 
 そのくらいの驚きだった。
 彼が指差した先、薫のおなかは、別人のごとく大きく膨らんでいたのだ。
 スイカか何か、丸い、大きなものを詰め込んだかのように……。 
「あ、わかった! 何か服の下に入れただろ! びっくりさせようと思って!」
「詰めるって、何を? 鞄はここにあるし、鞄の中身もそのまんまでしょ?」
「……ほんとだ」
 肩にかけた彼女のバッグの中を実際に自分の目で確認すると、彼の声は一気にトーンダウンした。
「でしょ? なんなら、触ってみる?」
「えっ ……うん」
「優しく、そっとね」


439H :2011/08/16(火) 20:30:58.85 ID:08GVtE+6

 そして言われるまま、おずおずと手を伸ばし、服の上から彼女のおなかのふくらみに触れる。
 ……やわらかく、そして暖かかった。
 風船を膨らませて入れたのかとも思ったが、そんな感触ではない。
 風船の弾力とは、決定的に違っていた。
「ほんと、なんだ……」
 ゆっくり手を離すと、その自分の手のひらを見つめる。
 その顔は、彼が積み上げてきた既存の価値観が崩壊した瞬間か、それとも新たな価値観を受け入れた証か。
 薫は、色々な感情がまぜこぜになって無表情になった少年のその顔を、ただ笑顔で、見まもるように佇んでいた。


(ごめん。ごめんね……)
 だが彼女は心の中で、何度も彼に謝っていた。
 もちろん、嘘をついた事に、である。
 安心させるために笑顔は絶やさないが、何も知らない、あどけない子供を騙してしまったことに、大きな罪悪感を覚える。
 しかしこの場を切り抜けるには、全てを闇に葬り去ってしまうには……こうする他に手はなかった。
(本当に危なかった。けど、それにしても……やっぱり……重い……)
 抱えた手のひらと腰にかかる巨大な重さと、ほぼ直接素肌で感じるその「熱」が、なんとも情けなかった。

 ――本当に子供がいそうな、ぽっこりと膨らんだ彼女のおなか。
 一体何で膨らんでいるのかは、もはや言うまでもない。
 彼女が着ている服の下、薄手のブラウスとカーディガンの裏は、たった今産み出した、大量の茶色い大便が抱え込まれている。
 少年が「暖かい」と感じたのは当然だった。
 大量のうんこを無理矢理詰め込まれるという完全に想定外の使われ方に、コンドームは性能の限界ギリギリでどうにか持ちこたえた。
 彼女はその口をしっかりと縛り、封をすると、慎重に持ち上げてシャツの下にそれを隠したのだ。
 容量にして、2リットル近く入っただろうか。
 おなかの重みに耐えるその姿は完全に7〜8ヶ月の妊婦である。
 本当はバッグに隠したかったが、小さくて納まらなかった以上は仕方がない。
 手を放しても、スカートのベルトでシャツが締め付けられているのでその奥の“袋”は落ちないが、とりあえず手で支えていないと
非常に不安である。万が一、前に向かって倒れでもしたらそれこそ大変なことになるだろう。
 それだけは、本物の妊婦と同じだった。



メニューページ 過去ログ倉庫
DAT2HTML 0.33dp Converted.