<1> / 1 2 3 / Novel / Index
「はあ、はあ、はあっ!!」
ある日の午後、小さな公園の隅にある公衆便所に、血相を変えて駆け込んでゆく少女の姿があった。
「うぅぅぅっ!!」
薄暗い個室の中に飛び込み、素早く戸を閉め施錠する。
鞄を置きつつ便器をまたぎ、一気にスカートをたくし上げて下着をおろしながらしゃがみ込む。
ブリュリュリュリュリュリュリュリュブビッッ!!!
尻が便器の中に突き出されるのと、その底から下痢便が噴き出すのとは同時だった。
一瞬で便器の底がドロドロの未消化物で埋めつくされる。
ブビビビビビビビビビビビビビッ!!
ビチビチビチビチビチビチビチビチッ!!
ブボッ!! ブピピピピピピッ!! ブリッ!!
震える汗だくのおしりから、さらに次から次へと粥のような便が排泄されてゆく。
真っ赤に膨らんだ肛門の下に茶色い滝がくりかえし打ちつけられ、周りに撥ね散る。
ひと耳で下痢と分かる大きな音が便所中に鳴り響き、それと共に便器は少女の腹の中身で満ちていった。
「はあーー……っ」
ひとしきり出し終えると、少女は険しい顔でため息をついた。
照るほどにぬめった肛門がひくひくと収縮し、手が腹をさするたびにきゅっと縮む。
立ち上る強烈な悪臭。おぞましく煮え崩れた下痢便の山の上に、震え続ける丸みを伝って汗が落ちる。
そのまま少女は静かに肛門を蠢かし続けた。充血した粘膜が生き物のように伸び縮みを繰り返す。
……ぶぴいっ
一分ほどの後、少女は肛門をすぼめ、トイレットペーパーに手を伸ばした。
がらがら、がらがらと、乾いた音がしばらくのあいだ続き、やがて大きく水洗の音がした。
<2> / 1 2 3 / Novel / Index
「おかえりなさい」
「ただいま」
いつものように退屈げな顔で家に入る。
「どうしたの? 顔色が悪いわよ?」
「えー、そんなことないよ……」
心配そうに見つめてきた母親から逃げるように、少女は早足で二階に上がった。
「はあ……っ……」
そして自室に入り鞄を置くと、そのままベッドにもたれかかった。
伸びてきた髪がばさりと布団に広がる。
「調子わるっ……」
重い表情でつぶやきながら、左手を差し込んでおなかをさする。
もう一度大きくため息をつくと、少女は布団に顔をうずめ、しばらくおなかに手を当てて動かなかった。
やがて少女は宿題を始めたが、ほどなくして部屋から外に出ていった。
ばたんとドアの閉まる音がしてすぐに水を流す音が廊下に響いた。
<3> / 1 2 3 / Novel / Index
日が暮れ始めたころ、静かに階段を上ってゆく母の姿があった。
二階の廊下は薄暗く、静寂に包まれていた。
娘の部屋の前まで来たところで、側にあるトイレの表示が赤くなっていることに気づく。
チュポッ……チョポポポッ……
立ち止まって様子を伺うと、中から水音が聞こえてきた。
チュゥゥゥゥゥゥーーーーーッ……
まるでおしっこだが、そうでないことは直感で分かった。
……下痢。痛ましくふるえながら水便を放つ娘のおしりが脳裏に浮かぶ。
暗くなってきてからだいぶ経つのに、少女の部屋からは灯りが漏れていなかった。
ブビッッ!!
ひときわ大きな音が響くと、母は静かに階段へと戻っていった。
ぶうぅぅーーーーっ
後ろから情けない音が追ってくる。
その頭の中には、消化に良い食べ物があれこれと巡りだしていた。